夕方5時過ぎに居間の電気がついたり消えたりし、近所が一斉にウーウー、アラームというかサイレンが鳴り始めた。
停電か?
イタリアでは停電は、雨が降ったり、夏によく起きるが、なんでこの時期?
しばらく、あちこちのアラームが鳴っており、それはそれは田んぼで鳴くカエルの合唱か、夏の実家近辺の山で鳴く蝉の嵐のようだ。(どんだけ田舎暮らし?!)
ところで、現在住んでいるアパートは、外壁工事をしており足場が組まれ、ネットもかかっており日当たりが悪く、特に今年はまだ薄寒い。
6時に友人が家にある物を取りに来ることになっていたが、インターフォンはならないし、家の中にいても暗くて寒いので外で待っていた。
すると、近所の人たちが集まってきて、停電中よね?と言う話になった。隣のアパートのどこかから(工事のネットで姿が見えず)「電気会社に連絡したわよー。この地域の停電らしいけれど今調査中ですって!」と言われた。
まあ1時間もすれば戻るだろうと思っていたが、待てど暮らせど電気は戻らず。冷凍庫からひき肉を下ろしていたが調理できない!ガスはついても着火しない。家にはライターもマッチもないことに気づいた。
外出中の夫や次男に電話しても出ない。人が通るとセンサーでつく電灯があったはず。探したら2つ出てきたが、電池が切れていた!ちっ。
8時過ぎて夫が帰宅。ご飯出来ないよ!と言うと、じゃあピッツァでも食べに行くか?となった。家を出たところで、隣の家もピッツァを買いに行くところだったが、持ち帰ったところで暗い家の中で食べるのもね....しかも我が家のキッチンはたびたび電気の調子が悪くテーブルにあるランプしかつかないところがあり、友人に「あんたの家、警察の取調室かいな?」と言われている。苦笑。外壁工事をしても内部自体も古くてボロボロ。
車で出ると家の裏側にあるケバブ屋も入り口には若い子たちが10人近く座っている割に、店内は真っ暗。ここも電気がないんだ...と思った。同じ通りの反対側に住む友人にメッセージを送ると、そこは通常生活。我が家の通りと裏側のみ停電中だと判明。電気会社の車を見かけたので、食事から戻れば、電気も戻っているか?と楽観視していたが、やはりその地域だけ真っ暗だった。
アパートの駐車場から近所のおじさんが出てきて、電気会社に電話したが、「今復旧作業中だ。停電は自分たちのせいではない。と言っていたよ」、と言う。”non è colpa mia/nostra” 「自分(自分達)のせいではない」と言うのは、イタリア人がよく言う言葉。じゃあ誰のせいだ?神の仕業だと言うのか?誰のせいとかではなくても、電気会社がそれ言っちゃおしまいでしょ?
ちなみにイタリア人は学校や仕事に遅刻するのは、自分のせいではない。ATMのせいだ、とよく口にする。長男も良くそう言っていたので、何が起きるか分からないのがイタリア。だから余裕を持って家を出なきゃいけないとよく注意したものだ。余談だが、長女が高校生の時、担任に「おたくのお嬢さんは遅刻しても言い訳をしない」と言われた事がある。「当然です。自分のせいで遅刻したのであれば言い訳はしません。」と言い返した。イタリアでは言い訳を言うのが当たり前の事かもしれないが、どうしても郷に入っても郷に従えないことの一つだ。
結局真っ暗の中、何もすることもなく、携帯電話も充電が1%となり10時にはベッドに入った。しかし、昼間っから友人とボッリチーニ(スパークリングワイン)を飲んでおり昼寝をしていたことに気づいた。眠れない...と思っていたが電話の音で目が覚めた。なーんだ寝てたんじゃないか?
次男からだった。玄関開けて〜!こっちは寝てたんだよ。その直後に電気は戻った。
もう、起きるのも面倒だ!
「キッチンに出してあるひき肉しまっておいて〜!」「家中のろうそく消しておいて〜!」と怒鳴ってまた寝落ちた。
乾電池、ライター、マッチは常備しておこう。爆
