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動画のご紹介

いつもご覧いただきありがとうございます。

 

シンプルフレーズのyou tube新しい動画上がりました。

 

想いはパワー! 自分の想いが世界を変える為の力になる!自分を信じて 

シンプルフレーズ

 

 

~プロローグ~

 

想いと行動は一致している時と、相反している時がある。

自分の気持ちが分からない時は、行動を見れば分かる時がある。

でも、想いと行動が別々の時も往々にしてある事。

 

だって、私は天邪鬼だから

 

想いと行動が一致している時

 

それが、願いを叶えて、夢を実現していく為に必要なモノになる。

 

そして、誰かを想う気持ちが・・・

大切なモノを大切にしたいって言う思いが、今までの自分をより強く輝かせることが出来る力になる。

 

 

 

ご挨拶

シンプルフレーズは、素敵な言葉とあなたを元気にするメッセージを探します😌

何が正しいかより、なにが素敵かを大切にして生きて行けたら、 それがきっと一番だと信じてる。

 

合言葉!

 大丈夫!

大丈夫?

 

受け身じゃない、

私から伝えたい「大丈夫」

 

あなたの幸せを願います。

『幸せになれ~💕』

 

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これからもご覧いただけたら嬉しいです🤗

私の言葉は、正しいかどうかじゃなく

私は私の感じた思いをそのままに表現して伝えています。

 

だれかと共感できるかは分からない。

でも、もしどこかで誰かの心に響いたら嬉しいって感じます✨

 

 

連載形式での投稿をしていきます。

『自己を見失いながらも、哲学の思索を通して少しずつ自己理解を深めていく』

姿を描いていきます。

最後までお付き合いいただけたら幸いです。

 

主人公:加代子

正しくあろうと、正解を選びたいけど選べない葛藤の中で、

自分を否定したくなる気持ちを持っている。

 

 

『“わたし”に耳をすませる』

第36章:伝えようとすることが、すでに“やさしさ”だった

日曜日の昼下がり。
加代子は、また公園にいた。
少し曇りがちの空の下、木々の間から聞こえる子どもたちの声が、どこか遠く感じられた。

 

遥さんの姿を見つけたのは、偶然ではない。
彼女がこの時間によく来ることを、加代子はうっすら覚えていた。

 

前回、声をかけられなかったことが、心に引っかかっていた。
今日こそは、と心に決めていたものの、いざその姿を目にすると、やはり足がすくむ。

——“わたしなんかが、何を言えるんだろう”

そんな声が、心の中でささやく。

 

けれど、数歩前に進んだとき、遥さんの子どもが泣き出した。
おもちゃを落として、それを拾おうとした拍子に手をすりむいたのだった。

 

加代子はとっさに駆け寄って、ポケットティッシュを差し出した。

「大丈夫? ちょっと見せてくれる?」

遥さんが「すみません……ありがとうございます」と頭を下げたとき、
加代子はふと彼女の目の奥に、張り詰めたものを見た気がした。

 

「前に……私もよくここで、子どもとふたりで来てました」
加代子は、落ち着いた声で言った。
「でもなんだか、笑えてるつもりでも、全然楽しくなかった時期があって」

遥さんは、少し目を見開いた。

「そうなんですか……加代子さん、そうは見えませんでした」

「見えないようにしてたんだと思います。
“母親なんだから”って、ちゃんとしなきゃって思って……。でも、心のなかは、毎日いっぱいいっぱいで」

風が吹いた。沈黙がふたりの間に流れる。


けれど、その沈黙は、重くなかった。

 

「……わかります」
遥さんが、小さな声でつぶやいた。
「私、最近ずっと、自分の居場所がわからなくなってて。
仕事も、家庭も、何もかもうまくいかない気がして……
頑張ってるはずなのに、誰にも伝わってない気がして」

 

加代子は、ゆっくりと彼女の隣に座った。

 

「うん。わかる。わたしも、“伝わらない”って思ってた」
「でも、伝わらないって、ほんとにそうなのかなって、最近少しずつ思い始めたの。
伝えるって、“言葉にする”ってだけじゃないのかも、って」

「……じゃあ、何なんですか?」

遥さんの問いに、加代子はしばらく言葉を探した。


そして、口にした。

「“伝えよう”って思うことが、もう“伝わってる”ってこと、あると思う」

遥さんはしばらく黙っていた。
その表情が、少しだけゆるんでいくのを、加代子は感じた。

「わたし……、誰かにそう言ってほしかったのかもしれません」
「“伝わってるよ”って。努力とか、しんどさとか。ちゃんと、見てるよって」

加代子の胸の奥がじんと熱くなった。

 

それは、かつて自分が欲しかった言葉だった。
誰にも言えず、心の奥にしまっていた祈りのような思い。

そして今、それを誰かに“渡す”ことができた。

 


 

その夜。
加代子は久しぶりに、日記を開いていた。
そこに、静かにこう書いた。

 

「わたしは、正しさを語る人にはなれない。
でも、誰かの“届かないかもしれない気持ち”を、見逃さない人でいたい。

その人の“黙っている声”に、耳を澄ませていられるように。

たとえことばにできなくても、
“ここにいるよ”って、そっと伝えられる人でいたい」

 

子どもに伝えようとしていた“やさしい言葉”は、
大人にも、きっと必要なのだと、今、やっと気づいた。

 

🔹次章予告:第37章:優しさのかたち、まなざしの行方

子と理子の再会、そして「優しさ」や「伝える」ということに関する深い対話
お互いの疑問をぶつけ合い、受け止め、やがて「まなざし」に込められる想いへと話が流れていく――

 

  独り言・・・

 

「わたしは、正しさを語る人にはなれない。」

 

正しさを求める人にも、正しさを押し付ける人にも、私はなりたくない。

正しさに価値を私は見付けたくない。

 

誰かの気持ちを見逃さない人になりたいと願っているし、気付けるようになりたいと思っている。

それでも、気付くことが出来るほど器用じゃない。

 

私はいつの時も自己中なんだ・・・

私を気付いて欲しいと願うばかりで、誰かを気付いてあげようとすることが足りていない。

 

ありのままでいい

 

それが私らしさなんだと開き直ることは簡単だけど、気付いてもらえない悲しさと寂しさを知っているんだから、

誰かの思いに気が付くことが出来てもいいと思う。

 

ただ・・・気が付いたとしても、簡単に声をかけて手を伸ばしてあげる勇気はない。

 

私はまだまだ加代子のように・・・物語の主人公のように簡単に割り切って自分を変えていくことが出来ない。

だからこそ、物語は続いていく・・・

私の思いと願いを絡めながら、私の物語も続いていく・・・

 

結果なんか分からない。

ゴールはまだ見えない。

 

今の私は、「問い」の扉を開いたばかり

 

連載形式での投稿をしていきます。

『自己を見失いながらも、哲学の思索を通して少しずつ自己理解を深めていく』

姿を描いていきます。

最後までお付き合いいただけたら幸いです。

 

主人公:加代子

正しくあろうと、正解を選びたいけど選べない葛藤の中で、

自分を否定したくなる気持ちを持っている。

 

『“わたし”に耳をすませる』

 

第35章:ことばを、手渡す

週末の公園で、加代子は息子の遊びを見守っていた。

 

木陰のベンチに座り、風にそよぐ木々の音を聞きながら、周囲の親子の姿を目で追う。
視線の先にいたのは、幼稚園時代から顔見知りのママ友・遥さんだった。

彼女は子どもと二人きりで遊んでいたが、どこかぎこちない。


スマートフォンを何度も見てはため息をつき、笑顔を作っても目が笑っていない。

その姿に、ふと過去の自分が重なる。

 

他の親たちが楽しげに会話を交わす輪の外側で、どう入り込んでいいかわからず、ひとり立ち尽くしていた日々。
「話しかけないで」と自分から壁を作りながら、「誰かに気づいてほしい」と願っていた矛盾だらけの頃。

「……わかるなぁ」

加代子は小さくつぶやいた。


でも、次の瞬間、言葉が喉元で止まった。

——“今、話しかけたらおせっかいかな?”
——“私の経験なんて、押しつけがましく思われるかも”

迷いと躊躇が、胸の奥に広がっていく。

 

言葉をかけるということは、相手の心に踏み込むことになる。


だからこそ、いまでもまだ怖い。
かつての自分がそうであったように、遥さんにも、踏み込まれたくない気持ちがあるかもしれない。

ベンチの端に座りながら、加代子はうつむいて考え込んだ。

 


 

その日の夕方、家に戻った加代子は、息子と一緒に絵本を読んでいた。

 

読み終えたあと、彼がぽつりと尋ねた。

「ねえママ、どうしてこの人、ひとりぼっちなの?」

加代子は絵本の中の登場人物を見つめながら、しばらく考えた。

「……うーん、もしかしたら、“誰かと話したいな”って思ってるけど、どう話していいかわからないのかもね」

「じゃあ、声かけてあげたらいいのに」

その素直な言葉に、加代子の胸がつまった。

 

そうだ。「声をかけたらいい」――それが、どれだけ難しかったか。
でも同時に、あのとき誰かがそうしてくれていたら、どれだけ救われただろうかと、思い出す。

「……ママもね、昔そうだったよ。
だれかに“元気?”って聞かれても、うまく返せなかったんだ。
だけど、ほんとは、うれしかったんだよ。聞いてくれて」

息子は少し不思議そうな顔をしていたけれど、「そっか」とうなずいた。

「じゃあ、ぼくも、ひとりの子がいたら“あそぼ”って言う」

「うん。言葉ってね、魔法みたいだよ。
その子にとって、君の“あそぼ”が、今日いちばんのプレゼントかもしれない」

そう言って微笑んだとき、自分にも言っている気がした。

 

“余計なおせっかい”じゃない。
“誰かとつながりたい”って思うこと自体が、もう優しさなんだ。

 


 

夜、キッチンで食器を洗いながら、加代子はスマートフォンを手に取り、メモ帳を開いた。


そこには、こんな言葉が書き加えられていた。

「声をかける勇気は、
“わたしが言葉でつながってもいい”と思えるようになった証」

遥さんには、まだ声をかけられていない。


でも、今の加代子は、ただ見て見ぬふりをするだけの自分ではない。

「その人の沈黙に、耳を澄ますこと」
それもまた、はじまりの対話なのだと、知っている。

 

🔹次章予告:第36章:伝えようとすることが、すでに“やさしさ”だった

 

それは完璧ではなくても、他者の“孤独”を見つけ、“見つめる”行為そのものが、
新しい対話を生みはじめる——

 

  独り言・・・

 

声をかけたいけど、戸惑う気持ち。

 

ここに共感するのは私だけなんだろうか?

相手の気持ちが分かる。言わないけど伝わってくる・・・

 

でも、それは私の勝手な勘違いかも知れない。

特別親しいわけでもないのに、急に声を掛けたら嫌がられるんじゃないか?

声を掛けたとしても、その後の繋がりを持ち続けられない・・・

ちょっと面倒な気持ちもある。知らないままでスルーする方が楽な気もする。

 

どうするのが正解なんだろう?

 

結局、正解なんか存在しないって思う気持ちも持っている。

話しかけないと・・・行動しないと・・・結果は分からない。

正解かどうかなんて、私には決められない。

相手次第なんだから、私が考えても仕方ない。

 

だとしたら?どうする?

 

スルーしたくなるのが、現代社会のスタンスなんだろう

 

余計なおせっかいもトラブルの元

 

だから誰もが・・・見て見ぬふり

その壁を越えて、声を届けようとすることを選べるんだとしたら・・・

 

きっと自分に余裕があるから出来るんじゃないかな?

 

かける言葉を選ぶ余裕

相手の言葉を聞く余裕

相手の怪訝そうな顔を見る気持ちの余裕

 

優しさを表現することがあるなら、私は心の余裕を渡すことが優しさなんだと感じてる。

 

多分、私にはまだ心の余裕が足りないんだろう・・・

満たされない思いをいつまでも抱えているから・・・。

連載形式での投稿をしていきます。

『自己を見失いながらも、哲学の思索を通して少しずつ自己理解を深めていく』

姿を描いていきます。

最後までお付き合いいただけたら幸いです。

 

主人公:加代子

正しくあろうと、正解を選びたいけど選べない葛藤の中で、

自分を否定したくなる気持ちを持っている。

 

『“わたし”に耳をすませる』

 

第34章:わたしを選ぶ、ということ

誰かの言葉に傷つき、
誰かのまなざしにおびえ、
誰かの期待に沈黙してきた。

 

けれど今、加代子はその「誰か」に、少しずつ別のまなざしを向けられるようになってきた。

それは、敵意や警戒ではない。
どこか、自分と同じように「言葉を探している人」として、他者を見つめるまなざしだった。

 


 

ある日、PTAの集まりの後に話しかけてきた母親がいた。


どこか言葉を選びながら、小さく笑って言った。

「うちの子、学校でちょっと浮いてるみたいで……。でも、家であんまり話してくれないんです」

以前なら、加代子はただうなずいて、「そうなんですね」と返して終わっていただろう。
うかつに励ますことも、軽々しく共感することもできず、話すこと自体を避けていた。

 

でも、その日、彼女の中でなにかが違っていた。

「……うちの子も、学校で“自分のまま”でいられるか、心配だった時期があって。話しかけても、全然応えてくれないとき、ありますよね」

その言葉が出た瞬間、自分でも少し驚いた。

 

“経験”ではなく、“今のわたし”の言葉として口にした。

 

言葉を届ける、というのは、ただ知っていることを話すことではなかった。

自分が感じたもの、自分の痛みや揺らぎから、そっと言葉を差し出すこと。

 

すると、その母親は、少しだけ肩を落とし、こんなことをぽつりと言った。

「……ちゃんとしなきゃって、つい思っちゃって。わたしが母親なんだからって。でも、わたし、そんなに立派な人間じゃなくて……」

その瞬間だった。

 

胸の奥で、なにかが、柔らかくほどけた。

 

「それで、いいんじゃないかな」
「立派じゃなくても、揺れてても、それでも一緒にいようって思えることが、たぶん、いちばん大事なことかも」

言いながら、自分にも言っていた。

立派じゃない母親でいい。
うまく言葉を選べない日があってもいい。
大切なのは、そこに“いたい”と思っている自分を、選びなおすこと

 


 

帰り道、加代子はふと足を止め、スマートフォンのメモ帳を開いた。
そこには最近、ふと思いついた言葉を書き留めるようにしていた。

その中に、こう綴られていた。

「誰かの“正しさ”じゃなくて、わたしの“願い”を選ぶ。
それが、わたしを選ぶということ。」

文字にしてみて、ようやく実感が追いつく。

いま、わたしは、
他者に迎合する言葉ではなく、
“わたしから生まれたことば”で、つながりをつくろうとしている。

それは恐ろしく、でもあたたかい。

言葉はまだ拙く、すぐには届かないかもしれない。
でも、自分の中で嘘をつかないように、
誰かを傷つけないように、
ゆっくりと、届けていく。

 


 

ある夜、理子から久しぶりに連絡が来た。

「今度、同僚の子と話すんだけど、ちょっと心が折れてる感じで……加代子さん、何か言葉、貸してくれない?」

加代子は一瞬だけ迷い、スマートフォンに文字を打った。

「うまく言えないかもしれないけど、“あなたが感じてることには、意味がある”って、伝えてあげて」

理子は「わかった、伝える」とだけ返してきた。

そのシンプルなやりとりが、加代子には不思議と深く残った。

 


 

言葉は、相手に“理解させる”ものじゃなく、
“手渡す”ものなんだと思う。

どう受け取るかは、その人次第。
だからこそ、わたし自身が誠実であることを、今は大切にしたい。

 


 

「わたしは、間違ってもいい。
選びきれなくてもいい。
正しさよりも、『今の自分が大切にしたいこと』を選んでもいい。」

加代子はまた、その言葉を静かに口にした。
それはもう、慰めではなく、生き方の輪郭になってきていた。


🔹次章予告:第35章:ことばを、手渡す

週末の公園で、加代子は息子の遊びを見守っていた。

木陰のベンチに座り、風にそよぐ木々の音を聞きながら、周囲の親子の姿を目で追う。
視線の先にいたのは、幼稚園時代から顔見知りのママ友・遥さんだった。

 

 

  独り言・・・

 

私は間違っても良い

もちろん、あなたも間違って良い

 

正解なんて見つける必要ない。

 

『大切なのは、私が今ここに居たい』って思える気持ちがある事

 

その気持ちを見失った私は、そこに居ることが出来なかった。

居続けようとする努力を怠った。

改善しようとせず、自分を見つめようとせず、相手の言葉の真意を考えなかった。

 

なにも求めず、今がある事を・・・自分が持っているモノを・・・なにも大切にしていなかった。

だから後悔する形として残ることになったんだろう。

 

「やっていれば」「言っていれば」「見ていれば」

出来たこと。なのにしなかった・・・

 

気にしていたのは、いつも他人の視線。それに耐えられない自分。

 

やり直すことは出来ないから、せめて繰り返さないように。

私は自分の気持ちと、言葉だけに振り回されない思いを持っていたい。

 

それが、「自分がどうしたいのか?」って言うことなんだ。

 

 

連載形式での投稿をしていきます。

『自己を見失いながらも、哲学の思索を通して少しずつ自己理解を深めていく』

姿を描いていきます。

最後までお付き合いいただけたら幸いです。

 

主人公:加代子

正しくあろうと、正解を選びたいけど選べない葛藤の中で、

自分を否定したくなる気持ちを持っている。

 

 

『“わたし”に耳をすませる』

第33章:選べなかった日のわたしに、いま会う

夕暮れが早くなった街の風に、加代子はコートの襟を立てた。
肩にかかる重さは、気のせいではない。


けれど、その重さはもう、苦しみではなかった。
むしろ、「生きてきた証」として、自分が抱いているものだった。

静かな帰り道、ふと、昔の自分の顔が脳裏に浮かぶ。


あのとき――

あのとき、どうして声を上げられなかったんだろう。
どうして、「わたしは、こうしたい」と言えなかったんだろう。

 


 

あれは、子どもがまだ小学校に入る前のことだった。


自分のやりたい仕事のチャンスが来た。
子どもの頃から夢だった、福祉関係の活動に関われる仕事だった。

夫も最初は「いいじゃない」と言ってくれた。


けれど、両親の介護、子育て、家計……すべての現実が一気に目の前に押し寄せたとき、
加代子は、「その話、やっぱり断った」と、自分から引いた。

 

誰かに責められたわけじゃない。
でも、誰にも「そのままでいいよ」と言ってもらえなかった。

 

いや、自分が、自分にそう言えなかったのだ。

「家族を優先したんだし、仕方ない」
そう言い聞かせてきたけれど、
どこかで、「わたしは逃げた」と思っていた。

 

選ばなかった。
選べなかった。
そして、誰にも言わなかった。

胸の奥に押し込んだままのその記憶は、ずっと沈黙していた。

 


 

「選べなかったことは、失敗だと思ってる?」

以前、理子にそう聞かれたことがある。

「うん、思ってるかも……。今はもう過去だけど、思い出すと胸が痛くなるの」
「それって、“やりたかった気持ち”を、ちゃんと知ってるってことじゃない?」
「……うん、そうだね」
「じゃあさ、今からでも、その気持ちを無かったことにしなくていいと思う」
「でも、もう戻れないし、同じチャンスも来ない」
「それでも、あのとき選びたかった“わたし”を、今の自分が覚えてるんでしょ? それって、未来にも意味ある気がする」

あのときの“選べなかった自分”を責め続けるのではなく、
あのときの“願い”に、いま気づいて、手を差し伸べる。

加代子は、その言葉に、救われた気がした。

 


 

「わたしは、間違ってもいい。
選びきれなくてもいい。
正しさよりも、『今の自分が大切にしたいこと』を選んでもいい。」

この言葉を、自分の中に繰り返すたびに、少しずつ呼吸が楽になる。

 

「でも、わたし、ずっと“わたしを選ばなかった”気がしてるの」

声に出すと、涙がこぼれた。
誰に責められたわけでもないのに、心が長い間、黙り込んでいた。

それでも今は、少しだけ違う。

あのときの“わたし”に、今、こう言ってみたい。

「わたし、あなたをちゃんと見てるよ。
選べなかったとしても、それでも生きてきたことを、わたしは知ってるよ」

 


 

日曜日の午後。
久しぶりに自分のためだけに時間を使おうと決めて、
加代子は近くの図書館へ出かけた。

 

静かな閲覧席に腰を下ろし、ふとページをめくる手が止まる。

《「生きる」とは、自分で自分の“わからなさ”を引き受けながら、なお問い続けることだ》

哲学の本の一節だった。


でも、今の加代子には、誰かの言葉というより、自分の内側から聞こえてくる声のように感じた。

「問いがある限り、きっと大丈夫」
「わからないままでも、立ち止まっても、問いかけている限り、わたしは“わたし”としてここにいる」

 


 

加代子は、そっとペンを取り出して、メモ帳にこう記した。

「わたしは、今ここにいる。
選ばなかった日々ごと、わたしを生きている。」

それは、過去の自分を責めない、初めての言葉だった。

 

🔹次章予告:第34章:「わたしを選ぶ、ということ」

過去を否定せず、問いとともに歩む未来へ。
「わたし」を選ぶ勇気が、世界との関係を変えていく——。

 

 

  独り言・・・・

 

今までがあるから、今がある。

今までの悲しみも辛さも苦しみも、全部経験となって残っている。

 

正直、忘れたい記憶が多すぎる。

無かったことにしたいと思ってしまうことが多すぎる。

 

選びたかった生き方

選べなかった生き方

 

私達は、全部持って進んで行くことしか出来ない。

どれだけ否定しようと、なにも手放すことは出来ない。

 

一つ一つの想いを積み上げて、今の私はここに居る。

 

今の私があるのは、今があるから?

今があるのは、今までがあるから・・・良くも悪くもね。

 

だからこそ、今までとは違う選択を

選べなかった選択肢

言えなかった言葉

目を向けられなかった想い

知りたいと思えなかった言葉の向こう

伝えられない・伝わらない私

 

分からない・解決出来ない・正解を見つけられない。それでも良いって思いながら

 

立ち止まりながら、問いで間を作って気持ちを整えて・・・

今までを活かす方法を探していく。