朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -91ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

改善は、小さなことやもののの積み重ねです。

 

最近、職場で蛍光ペン、ボールペン、消しゴムなどの文房具がばらばらに置かれてあったので種類分けしました。そして種類分けした箇所を一瞥できるようにA4で一覧表にして分かるようにそこに貼りました。

 

探すという行為や時間を少なくして仕事以外のことに惑わされる時間や労力を職場からなくそうと考えたからです。

これもやろうと思ったときが吉日だと、気がついた時にやっていました。

 

職場でも自宅においてでも快適で気持ちよく過ごしたいものです。

 

ぼくはこれが目から鱗が落ちました。

こういう発想は凄くいいと思います。

「パソコンも本と同様に立てる」

パソコンは立てても良い。

立てることで、収納スペースを効率よく使うことができて取り出しやすくなります。

パソコンの上にモノが置けなかったので、パソコンの上のスペースが空いていて収納スペースを上手く活用できなかったのです。

 

それとこれもよい視点です。

113P 片づけの3つのコツ

1 空きを作る。

本はさっと取り出せる。使い切れる量にすればよい。

2 種類分けする。

「パズル」など、始めたい時にすぐ始めることができる。

3 場所を決める。

探す手間がかからない。その時間を別のことに使うことができます。

 

片付けとは! 

35P

片づけによって、モノの重要度が明らかになり、

片づけによって、収納すべき場所が明確になり、

片づけによって、情報共有ができるようになり、

仕事の効率がアップし、余裕を持って仕事ができるようになり、仕事の質の向上につながります。

 

こうなりたいものです。こうありたいものです。

15P

片付けをすることによって、ひとりひとりのストレスが減り、より効率よく働くことができる環境が整います。

会社の片付けの目的とは、単なるコスト削減だけでなく、ひとりひとり(の職員)が前向きに仕事に向き合う心につながることにこそあるのです。

 

 <目次>

プロローグ 整理収納アドバイザーの風

第1章 所在不明なモノからのサイン(リモート勤務で職場にいない、でもモノは動く、モノを探したことがない人はいない!? ほか)

第2章 職場におけるポジティブ片付け(ポジティブ片付けは軽やか、職場での悩みは、片付けが解決してくれる! ほか)

第3章 仕事場の個人スペース片付け(オフィススペース縮小で、収納スペースも縮小、フリーアドレスで、個人ロッカーが乱れ放題 ほか)

第4章 心地いい職場を創る片付け7つの扉(片付け正四面体―出す・わかる・手放す・活かす、すべてでひとつ、すべてはつながり循環している ほか)

第5章 片付けがもたらす共鳴効果(片付けと人生はフラクタル、片付けをもって貴しとなす ほか)

エピローグ 今こそ! 会社の片付け

謝辞

 

 

川井かおる

整理収納アカデミア顧問、プラスハーモニー代表愛知県一宮市生まれ。東京理科大学理学部第一部応用数学科を卒業後、郵政省(現総務省)に入省。郵政研究所などを経て、郵政大学校の教官として教育に携わる。その後、郵政事業庁、日本郵政公社、日本郵政グループ本社で数々の役職を歴任。31年間の会社人生を早期退職し、現在は、整理収納アドバイザーの教育に携わるとともに、会社の進化をサポートする活動、執筆活動、モチベーショナルスピーカーとしての講演活動をはじめ、瞑想会、リトリート、企業合宿、セミナーを主宰するなど、幅広く人間教育に関わる

 

須藤昌子

整理収納コンサルタント。ameba公式トッププロガー。整理収納サポート・セミナー活動・雑誌監修・テレビ出演など多方面で活躍

 

【No1083】会社の片付け byトップ整理収納アドバイザー 川井かおる 須藤昌子 日本経済新聞出版(2022/03)

 

ビジネススタイルの基本ルールがわかる。揃えるべきアイテムが一目でわかる。少ないアイテムで着回すセンスが身につく。仕事の服装であれこれ迷うことがなくなる。

そんな本です。

 

拝見していると、お洒落だと感じる方は、ビジネスのオンオフともに、TPOに合わせて、服装で相手に不快感を与えないようにしています。

また、そんな人に共通しているのは、スーツのシワやシャツの汚れがないよう、毎日清潔感を保っています。

 

スーツは、ネイビーか、チャルコールグレー。

対人ありきのビジネスにおいて、服装はファッションではなく、礼儀・マナーである。

いつ、何を着れば相手に失礼がないのか。場のノイズにならないのかを考える。

着るべき服装とそのシチュエーション、好感度を与える着方の基本がある。

ビジネススタイルには明確なルールがあって、それは時代が変わっても変わらないものだ。

(ビジネスカジュアルも基本ルールはスーツスタイルと同様)

 

勉強になります。なりました。

ビジネススタイルは、デザインの工夫、遊び、装飾などのプラス要素は一切不要のシンプルなデザインを選ぶ。

太っていようが痩せていようがジャストサイズにこだわる。

定番アイテムのみで構成しそのアイテムはたとえまだ着られそうだったとしても3~5年ごとにアップデートをはかる。

スタイルで使う色数は3色までにする。

女性のファッションのように華やかな印象にする必要はない。

色数は絞れば絞るほどシックで落ち着いた印象になる。

メインで使う色も、ネイビー、ブラウン、ベージュ、プラス無彩色の黒・白(グレー)と鉄板の色合わせに決めてしまう。(モノトーン、ワントーン、アズーロ エ マローネ、トリコロールなど)

 

 

 <目次>

はじめに 

「ビジネスコーデ」を間違えない新4つのルール

1 新しい「スーツ」の常識(スーツスタイルが変化した、スーツスタイルの新定番アイテム、手軽になったオーダースーツ)

2 新しい「ビジネスカジュアル」の常識(ビジネスカジュアルが変化した、ビジネスカジュアルの新定番アイテム、投資すべきは小物)

付録 テーラーが教えるスーツの基本

ビジネススタイルの基礎用語集

おわりに

問い合わせリスト

 

東京・表参道のオーダーサロン「ボットーネ」オーナー。20代で起業し、政治家、経営者、芸能人、プロスポーツ選手など3千件以上の仕立服を手掛ける。映像制作、企画を行う株式会社メディコ代表。YouTubeチャンネル「メンズファッションTV」をはじめ、オンラインスクール運営やブログなどで積極的に情報発信を行う。

 

【No1082】リセット仕事服 新しい生活様式にふさわしい男の服選び 松はじめ 技術評論社(2022/03)

回りに忖度をせずに自分の意思を貫く警察キャリア官僚は、実際には希有の存在なのだろうか。今回は、神奈川県警刑事部長となった竜崎伸也が横須賀で起こった殺人事件を追う話だ。

日米地位協定などきな臭い話もちらほらでてくる。

米軍基地近くで殺人事件が発生し、米海軍犯罪捜査局が捜査に加わるような異例な事態になる。

それをわざわざ招き寄せたのはこの竜崎だった。

題名の「探花」とは、中国の科挙試験で第3位の成績を取った者をいう。

一番手は状元、二番手を傍眼、三番手を探花。

竜崎は入庁試験で3番目となる。

同期トップ「状元」、八島が福岡県警から神奈川県へ警部部長として赴任してくる。

ちなみに警視庁の伊丹は2番目の「傍眼」だ。

 

神奈川県警の本部長の佐藤や参事官の阿久津、捜査一課長の板橋、刑事の潮田のそれぞれのキャラ立ちが良い。うまく全体がハーモニーを奏でているように調和している。

キャリアの同期たちも、周囲の仲間たちもうまく取り込んで自分の味方のようにに変えてしまう竜崎は一番重要で面白いキャラだと思う。

実際に、現代の警察社会のなかで、こんな人が活躍することができたら、結構世の中もおもろいものだと思う。

 

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の1978年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。レコード会社勤務を経て、執筆に専念する。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、2008年、『果断―隠蔽捜査(2)』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を、2017年、「隠蔽捜査」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞

デジタル技術の進行や人権意識の高まり、そして最近の新型コロナウイルスの大流行によって、ことばの新旧交代劇が激しくなってきました。

言葉の流行り廃りです。

酒井さんは、なかなかよい視点をお持ちだと思います。

世の中の変遷とともに、使うことばが変化してきて、自分も変わってきたという気づきをもらいました。

 

朝活、パパ活、婚活、妊活、終活などの「○○活」、定年退職した人がリアタイアではなく「○○を卒業しました」。自分らしさとそのまま、ありのまま。気づいたとか気づかされたではなく、気づきをもらいました。陰キャ、陽キャと根暗、根明。栄えと映え。職業婦人、BG⇒OL、会社員、一般職と総合職。レトロ、懐かしい、クラシックではなく古っ。マジでと本当に。原因は他者にある生きづらさ。よう知らんけど、間違ってるかもしれないんですけど、個人的な意見ですが。面白い、おかしい、ウケる~。ご指導とご鞭撻にご迷惑とご心配。そうですねファースト。ユニセックスな言葉「だよ、のよ」、お前、あんた、君、You……。

 

3P

言葉の激変期と言うことができる今の時代、その表層部分で生まれたり死んだりする言葉を採集して眺めてみたのが、本書となります。言葉の微細な変化の中に時代の要請が隠れていたり、時代は大きく変わっているのに言葉の変化は追いついていなかったり……と、我々の行動は、常に言葉とリンクしているわけではありません。言葉の暴走に生活が引っ張られることもあれば、言葉に囚われて意識がなかなか変わらないこともあるのです。

本書に記される新旧の言葉の数々を、あなたは口にしたことがあるのかどうか。どのような言葉を使うか。そして使わないかは、自分の変化を測るものさしにも、なりそうです。

 

 <目次>

はじめに 

Jの盛衰

「活動」の功と罪

「卒業」からの卒業

「自分らしさ」に疲弊して

「『気づき』をもらいました」

コロナとの「戦い」

「三」の魔力

「黒人の人」と「白人」と

「陰キャ」と「根暗」の違い

「はえ」たり「ばえ」たり ほか

おわりに 

 

1966年東京生まれ。高校在学中から雑誌にコラムを発表。大学卒業後、広告会社勤務を経て執筆専業となる。2004年『負け犬の遠吠え』で婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞

ほかの著書に「鉄道無常」「ユーミンの罪」など。

ジャーナリストの池上彰さんの文章はどの本でも分かりやすい。

中学生にも分かるように噛み砕いて内容が書かれてあります。

今回は思考力の大切さが書かれてありました。

特に、最近の諸外国の情勢を見ていると、マスコミや政府の情報を鵜呑みにするのではなく、第三者の立場で客観的に冷静に見る目を持ちたいと思いました。

226P「思考力のない人」とは、「真実や正解が必ずあると思い込む人」、「他者の言ったことを、そのままただひたすら真に受けてしまう人」と考えることができるかもしれません。

反対に「思考力のある人」とは、「私たち人間は、真実になんか到達できない。」という限界を知った上で、自分なりに問いを立て、少しでも客観的事実を積み重ねて真実に近づこうと考える努力をしている人だと言えます。

 

この本で池上さんが伝えたいことです。

4P

思考力とは、事実を真摯に探究して、それを積み重ねていくことによって、社会の現実と自己のありようを知り、「自分がよりよく変わる力」です。

悩みを解決したり、自分の生きる道を見つけたり、社会と自分との関係を変えたりするとき、思考力が役立ちます。

 

具体的に思考力についての説明が詳しく書かれてあります。

5P

思考力がつくと、これまでと違った視点で自分を見つめ直し、自分をよりよく知ることができます。自分を知り、社会の中で自分のいまいる「立ち位置」がわかると、これから自分がどう行動すべきかについてもわかってきます。思考力で、自分がよりよく変わることができるようになるのです。

思考力があれば、たとえ途中で行き詰まったとしても、心が折れたりやみくもに突っ走ったりすることなく、諦めずに立ち上がり、試行錯誤しながら問いを立て、他者との対話で新しい発想を生み出しながら、未来へと恐れずに立ち向かっていくことができるのです。

 

まずは、事実の把握をする。ある一方的な発言だけを訊くのではなく、次には賛成、反対や賛成や反対でもない意見を聞いたうえで、自分の頭で冷静に判断していきたいものです。

41P

むやみに信じたり、頭ごなしに否定したりするのではなく、事実を調べて積み重ねながら、自分の頭で考えて判断するしかないのです。そうした思考力の重要性は、いまこそ高まっています。

 

戦争やパンデミック、五輪などで日本が失敗してきた共通点です。

失敗を教材として、そこから学んで次に活かしていこう。

・成功ありきで考えるプランはAだけであり、別のプランBは考えないこと。

・気合が入っていない、気持ちがたるんでいるなどの精神論に支配されたこと

 

 <目次>

はじめに 思考力とは「自分がよりよく変わる力」

序章 パンデミックで試された私たちの思考力

第1章 戦争・パンデミック・東京五輪―日本が失敗するときの共通点

第2章 自分の頭で考える授業―さあ、一緒に考えましょう

第3章 折れないしなやかな自分をつくる―乗り越える力

第4章 ステレオタイプ思考は脱却できる―問いを立てる力

第5章 思考が深まる、新しい発想が湧く―対話の力

終章 思考の方程式―九つの考えるヒント

おわりに 問いを立て考えれば、道は開ける

参考文献

著者等紹介

 

ジャーナリスト。1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年にNHK入局。報道記者としてさまざまな事件、災害、消費者問題、教育問題などを担当する。1989年、ニュース番組のキャスターに起用され、1994年からは11年にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年よりフリーランスのジャーナリストとして、執筆活動を続けながら、テレビ番組などでニュースをわかりやすく解説し、幅広い人気を得ている。また、9つの大学で教鞭をとる

著書に「なぜ、読解力が必要なのか?」「なんのために学ぶのか」など多数

 

【No1079】なぜ、いま思考力が必要なのか? 社会に出るあなたに伝えたい 池上 彰 講談社(2022/02)

3P「人生は、自分を主人公にした物語である。」

で始まる「家族」がテーマ。

「ボーダレス」の続編。

夫婦は、他人と他人が出会って始まる「家族」のはじまり。

家族ということ、家族でいること、家族になること。

その思いは、家族だからこそわかるところまで。

家族だから許せること、強いることで始まる数々の苦しみ。

家族であっても我慢できるまでのボーダーラインはさほど遠くないものだった。

291P 「殺人事件全体の半数以上が、実は親族による犯行だからね」

295P

文書とは、いわば「論理的な思考の結晶」である。「言語による感覚の再構築」といってもいい。意味が通じる文章を書くためには、書き手は読み手よりもさらに、その意味を正確に理解していなければならない。その上で、相手がどのように読み取るかという「解釈の幅」を想定し、土の表現を用いるのかという選択をしなければならない。それを可能とするだけの語彙力もなければならない。

 

1969年、東京都生まれ。学習院大学卒。2002年、『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞。2003年、『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。2006年刊行の『ストロベリーナイト』に始まる“姫川玲子”シリーズは、現在の警察小説ムーブメントを代表する作品のひとつとして多くの読者を獲得し、映像化も話題となった。作風は多岐にわたる。

「ひと」「まち」に続く、優しさに溢れたおはなしです。

三上傑(すぐる)の友人で妹の若穂の彼氏城山大河が、妹とドライブデート中に事故を起こし妹の足に障害が残った。

それがきっかけで友人関係や家族間にも不穏な空気が漂うようになる。

家族、友人、恋愛、仕事などにいろいろな軋みが出てくるのだった。

やりきれない想いの行き先を探すような物語。

 

「ひと」「まち」で登場する人たちが描かれていたり、お馴染みの商店街も出てきたり、小野寺ファンにとってワクワクしながら楽しく読めるものと思います。

 

ことばを文字にすることで頭の中が整理できます。

激しかった気持ちがだんだんとおだやかに落ち着いてきます。

201P

「一度ね、そのどす黒い気持ちを文字にして書いたことがあるよ」

「書いた」

「ノートに」

「あぁ」

「もう、とにかく書き殴った。人にはとても見せられない感じのやつ。後で読んでみたら、すごかった。罵詈雑言の嵐」

「そうなるよなぁ」と安易に肯定したら、

若穂はこんなことも言う。

「でも、実際の気持ちとは少し違うような気もした。その文字で書いた気持ちが引っ張られそうで、何か、いやだった。わたしに文才がなかっただけかもしれないけど」

「その文章に文才はいらないだろ」

「ただ、結果として、それでちょっと落ちつきはしたかな。どす黒い気持ちには今もたまになるけど、うまく抑えられるようにもなってきた。どうしようもなくなくなったらまた書くつもりではいるけど、書くところまではいかない。書くまでの距離は保てる。そんな感じ」

おれは何も言わない。言えることがない。強いな、と感心する。妹は、こんなに強かったのか。

「といって、どこかであっさり爆発したりするかもしれないけどね」

 

苦情対応の素早さ、上手さ、素晴らしさが分かる箇所です。

こういう風にできると、働いている職員の気持ちもきりっと引き締まってきます。

246P

「わたしは、こちらの部門の担当者です」

「社員か?」

「はい」

「まだガキだろ」

「まあ、はい」

「どうせ下っ端だろ?」

「そうですね」

「お目じゃ話になんねえよ。店長を呼べよ」

久しぶりにそれが来た。おれが実際に聞くのは二度め。前のときはたまたま間瀬さんもいてくれた。おれ一人のときは初めてだ。

お客様にしてみれば、たぶん最後の切札を出した気分。でもこちらにしてみれば、特別感はない。あぁ、それをおっしゃるかたなのか。と思う程度。言われたところで、そんなには困らない。

実際、おれも言う。

「店長が参りましても、わたしが今申し上げた以上のことは申し上げられません。むしろお客様のお時間を無駄にしてしまうかと」

男性は黙る。ひるんだわけではないが、口は閉じる。

たたみかける。

「わたしは三上と申します。売り場を見る役目を与えられています。店長に代わり、あらためてお詫び申し上げます」

男性が口を開きかける。

そこへさらにかぶせる。

「ほんとに失礼しました。十分注意しますので、今後もハートマート両国店をよろしくお願いします」

そしてまた頭を深く下げる。

「よろしく「お願いします」と泉田さんも続く。

おれらにはっきり聞こえるように舌打ちし、男子は言う。

「気をつけろよ」

もう大声ではない。小声でもないが、まあ、普通の声。尖りはない。

 

 <目次>

三月 雨

四月 空

五月 花

六月 鳥

七月 風

八月 月

九月 川

十月 家

 

千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」でオール讀物新人賞、08年「ROCKER」でポプラ社小説大賞優秀賞を受賞

ほかの著書に「まち」など。

人は、利己的(自分のために行動する)であるが、利他的(自己犠牲で他人のために行動する)でもあるように、矛盾した生き物だと理解したうえで生きていければ、対人関係のストレスがもっと少なくなることでしょう。

 

長所を逆転の発想で裏返してみると短所となります。

 

何でも教えてくれる人⇒上から目線で恩着せがましい人。

みんなに対して優しい人⇒誰にでもいい顔をするはっきりしない人。

理想が高い人⇒絵空事ばかりで行動が伴わない人。

リーダーシップがある人⇒独りよがりで突っ走る人。

 

日頃から良かれと思うような人に対して、これ何かおかしい変だと思ったり。

なにかしらモヤモヤ感やわだかまり感を抱いたことがありました。

15P

個人の心の度量の問題ではなく、ヒトが進化の過程で獲得してきた生得的な特徴と、現代の文明社会が求める要求が大きくずれていることが原因です。

19P 生き残るために有利な遺伝子的特徴は、その場所で生きるのに有利に働くかどうか。

20P 今を生きる私たちの心身や行動様式は、これまでの長い生存競争の中で身につけてきた生き延びるために必要な要素の寄せ集めだ。

 

188P

私たち現代人は、サルの時代に獲得した本能と、狩猟・採取時代の集団行動で身につけた特性を共に受け継いでおり、しばしばその矛盾にさいなまれて揺れ動いています。

文明社会に適応するために定めた規範やルールにも従わなければいけないのですから、事態は複雑です。

サルの時代から考えれば、私たちは信じられないほど高度で複雑なコミュニケーションを強いられているのですから、社会活動や人間関係に適応できない人たちが現れるのは当然です。

 

世の中いろいろな人がいます。

現代社会に対応するため、自分が変化し進化していくのです。

快適に生きられるようになります。

35P

心の反応が湧き起こる理由を知り、それを受け止めて上手に取り扱うことができれば、対人関係も楽になる上、業務効率やコミュニケーションも飛躍的によくなるでしょう。

 

 <目次>

はじめに

序章 「いい人」は時代によって変わる(「いい人」にモヤモヤしてしまうあなたは悪くない、進化とは偶然起きた遺伝子の突然変異 ほか)

第1章 みんなに“あげすぎ”な人たち(ギフトさん 太っ腹だけどお返しがプレッシャー、人助けさん 親切だけど自分の株を上げたいのが見え見え ほか)

第2章 その“いい性格”がアダになる(気遣いさん 繊細で気が利くけど過敏すぎて面倒くさい、八方美人さん 誰にでも優しいけどどっちつかずとやっかまれる ほか)

第3章 ポジティブすぎてやっかいなあの人(すごい実績さん 実績や評判は華々しいけど実態が伴わない、高い理想さん 魅力的な理想は語るけど口先だけで実行力がない ほか)

第4章 「仲間のため」にご用心(チーム孝行さん 「みんなのため」が口癖だけど見返りは得られない、君だけにさん 「秘密」を教えてくれるけど一緒に背負うのが重い ほか)

おわりに

 

1959年、東京都生まれ。進化心理学者、明治大学情報コミュニケーション学部教授、博士(工学)。東京工業大学理学部応用物理学科(生物物理学)卒。松下電器産業(現・パナソニック)で映像情報システムの設計開発、ホームページ知的検索システムなどの研究開発に従事したのち、通商産業省(現・経済産業省)の国家プロジェクト「第五世代コンピュータプロジェクト」に参画し、人工知能研究に従事。明治大学文学部助教授、同教授、米国デューク大学客員研究員、明治大学情報コミュニケーション学部学部長、同大学院長を歴任。大学で教鞭を執る傍ら、科学リテラシー教育や科学コミュニケーションの啓蒙活動にも力を入れている。

 

歴史から学ぶべきことが多い。

現代が過去の反省に成り立っていないところもあります。

例えば、政治家は恋々とその地位にしがみつかないで後継にバトンタッチしよう。

政治や経済、社会などを拝見していると、まさに「そうだ、そうだ」と同感できます。

上に正確な情報や悪い話が伝わらない、トップが言わなくてもあーでもない、こーでもないと部下が忖度をする。苦言を呈するものを避けてしまい周りには都合がよいイエスマンばかりが残ってしまう、自分や側近だけが得するようになる……など。

271P

「組織は時々水の入れ替えをした方がいい。どんなに清浄な水でも、一つのところに溜めていたらいつかは濁る」

 

人は見かけによらないもの。

外見から判断しているだけでは本質はわかりません。

人は誰でも犯罪者となる可能性があるようです。

犯罪者となるような人が、世の中に跋扈しているということになります。

17P

氏家に限らず犯罪捜査に関わっていると、犯罪に手を染める者と染めない者、猟奇的な人間とそうでない人間には明確な境界線など存在しないことを思い知らされる。血に飢えた殺人者も日頃は虫も殺さぬような顔でコンビニエンスストアに立ち寄り、贔屓の野球チームに声援を送り、お気に入りの曲があり、酒席で政権批判をする。

だが一般人は自分と殺人者の間には歴然とした相違点があると信じてやまない。願望から醸成される偏見でしないのだが、どうあっても自分と彼らが同じ人間であるのを認めたくないようなのだ。

「那智の第一印象は極めて冷静な医療従事者だった。受け答えも慎重かつ丁寧で、病的な片鱗はどこにも窺えなかった。実はここだけの話、彼と接見する前は先入観を抱いていた。」

 

民間の科学捜査鑑定所、氏家鑑定センター所長の氏家京太郎は、女子大生3人を惨殺したとされる猟奇殺人犯・那智貴彦の弁護士吉田士童から再鑑定の依頼を受ける。

容疑者の那智は、関戸亜美と藤津彩音の2人の殺害は認めるが、もう1人の安達香里への犯行は否認し続けている。

氏家と相対する警視庁科捜研、特に黒木副主幹との火花が散る中で、猟奇殺人犯の裁判の行く末はどうなるのか!

今回の刑事事件でけっこう楽しませてくれました。

中山七里的などんでがえしがまた結末にあります。

 

<目次>

弁護士と検事

無謬と疑念

鑑定人と吏員

正義と非正義

事実と真実

著者等紹介

 

1961年岐阜県生まれ。2009年『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。音楽から社会問題、法医学まで幅広いジャンルのミステリーを手がけ、多くの読者の支持を得ている。

現在は、過去の積み重ねのうえに成り立っています。

タイムトラベラーは、あるべきことではないけれども、もしあったとしても過去を再確認するだけにして、過去を修正して未来を変えてはいけないものと思いました。

134P 

「過去を見続けている」

思わずくり返しちゃった。

「過去、という言葉自体に少々語弊があるがね。過去はもう過ぎ去ってそこにはないわけではない。私たちは、現在そこにある<モナ・リザ>を見ているのではない。五百年の時間を積み重ねた<モナ・リザ>を見ているのだよ。あの絵には五百年の時間が積み重なっているのだ。同じように、2020年に生きている私たちはこの地球が始まって以来の時間の積み重ねの世界を生きている。そのままこの眼で見ている。つまり」

「過去の世界もまた、そこに存在し続けている?」

「そう考えるのが正しいと私は思う。失われているのではない。そこに存在し続けているが、私たちはそれを視覚的もしくは時空的に捉えられないだけの話だ。そして、私たち三人の今ここでの存在意義は、その積み重なった時間の隙間を擦り抜けて、あるいは存在するのかもしれない時間の自由通路を通ってやってきた修復士なのだと」

 

136P

セイさんがゆっくり頷いた。

「人間が悠久の時間の中で作り上げてきた様々な美術、芸術は時の流れの中で決してその輝きを失わない。ならば、時間というものはただその美しさに歴史を与えるだけに過ぎないとね。私にとって百年二百年などという時間は、ほんの一瞬のようなものだよ。地質学の研究者たちなどは一万年などただの赤子みたいなものだと言うよ」

 

花咲小路二丁目の久坂写真館で起きる事件をまとめた物語。

その店主久坂重と新米カメラマン桂樹里、怪盗セントの矢車聖人ことセイさんが昭和51年の商店街にタイムトラベルします。

セイさんの亡き妻の志津さんや義父母のポールさんや見里さんなどとの複雑な因縁話も出てきます。

そして四丁目のアーケードを消失した火事の真相を樹里のカメラによって明らかになります。

 

  <目次>

〇久坂寫眞館は花咲小路商店街の二丁目

重さんが撮らない理由は

こんなところに来てしまった理由は

もしも戻れるとしたらそういうことかも ほか

 

北海道生まれ。「空を見上げる古い歌を口ずさむ」で第29回メフィスト賞を受賞して作家デビュー。ほかの著書に「東京バンドワゴン」シリーズなど。