朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -92ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

いつも目の前に山がありますが、あまり縁がありません。

数千メートル級の登山をしたことがありませんし、危険なので登りたいと思っていません。

だから、彼らの登山する気持ちがわかりませんでした。

でも、目標を達成したのち頂上でいただくおにぎりやインスタントコーヒーの味が格別だという感覚を味わったことがなくても彼らの思いが伝わりました。

ちょっとだけ疑似的に体験ができたのではないかと思います。

 

33P 五竜岳の上には宇宙が広がっている。麻美子さんの言葉をかみしめながら写真を見ると、写真の外側、他の装飾品はいっさいない店の壁いっぱいに天の川が延び、輝く宇宙が広がっているような感覚になりました。

 

96P 水がおいしい。世界中のどんなに美しい場所の天然水よりも、サキが今飲んでいる水が一番おいしいのではないか。私も同じ水を買ったのに、こんな顔になっていないはずだ。サキの方が、舌が肥えているはずなのに。地上じゃ、何を食べても、おいしいと言わないどころか、表情がほころぶこともなかったのに。サキは、おにぎりがおいしい、とも続けた。

私は体内に入るものへの感動よりも、心地よい風に吹かれながら、空に向かって伸びをすると、道中の記念品がすべて外れていく感覚に快感を覚えた。

 

111P 「生命の誕生を感じる。すべての命はこの頂から吐き出されているような」

 

山に登る目的は人ぞれぞれあります。

山は、特別で格別な場所なんです。

地上の日常生活で思うようにいかない気持ちが、山のうえでは素直で正直に吐露されているところが印象的でした。

「通過した辛い日々は辛かったと認めればいい。大変だったと口に出せば良い。そして、そこを乗り越えた自分を素直にねぎらえればよい。そこから次の目的地を探せばよい」

 

 <目次>

後立山連峰

北アルプス表銀座

立山・剱岳

武奈ケ岳・安達太良山

 

1973年広島県生まれ。2007年「聖職者」で第二九回小説推理新人賞を受賞。同作を収録したデビュー作『告白』はベストセラーとなり、09年本屋大賞を受賞。12年「望郷、海の星」で第六五回日本推理作家協会賞(短編部門)、16年『ユートピア』で第二九回山本周五郎賞受賞。18年『贖罪』がエドガー賞(ベスト・ペーパーバック・オリジナル部門)にノミネート。

『民王』待望の続編。

醍醐味を味わいました。

テレビを見て本も合わせて読むことは、上手な読書の楽しみ方だと思います。

内閣総理大臣武藤泰山役の遠藤憲一さん、そして彼の息子武藤翔役の菅田将暉さん。

彼らのテレビドラマのお姿が頭に浮かびながら読んでいました。

 

シベリアの凍土に埋もれていたマンモスの体内には、極めて悪質なウイルスが眠っていた。それが地球温暖化によってウイルスが復活するのだった。

 

ウイルスや温暖化や陰謀論説を焦点に、いまの世相を反映させた痛快エンタメです。

コロナ禍の現状では身につまされる部分が多かったようです。

世の中の流れに乗る若者たち、文句を言うだけの国民、批判ばかりする野党など。

武藤泰山のリーダーシップからは、日本政治に対する揶揄なのかと思います。

 

いわゆる平時ではなく、有事の状況時での行動を想定しています。

例えば、コロナ下での緊急事態宣言などについて。

国民みんながそれは良しと納得できるような政策は、まあそんな簡単にできるものではありません。むしろ一部でも反対があるからこそ、言論の自由がある民主主義国家なのだと思います。

 

ぼくが政治に望むのは、国民のことを想い、大局的な見地で考えて、客観的な第三者の目で見て物事を判断し政策を前に進めるようにしてほしいのです。

その時たとえ反対してもその反対を押し切って、政治家として自分が正しいことを行えるような行動力です。

それがよかったかどうかは、後世の人が十分な検証を行いしっかりと時間をかけて判断することでしょう。

巧遅拙速を良として遂行できる実力と判断力について、ぼくはそれができる人物が現れるのを期待しています。

162P

「藤本党首はどうお考えなんでしょう」

「私はね、彼らの根底にあるのは、政権への憤りだと思いますよ」

ここぞとばかり蔵本は決めつけた。「この世の中に感じる閉塞感や貧富の差。希望が持てない中、ウイルスに大切な人を奪われ、納得のいかない緊急事態宣言の発出により仕事を奪われる。これをやればウイルスの感染は抑えらえるといわれても、その対策によって生活が脅かされれば、これはウイルスに感染する以上の危機なんです。どっちを取るかですよ。武藤総理はウイルスを抑え込むことだけが正しいと思っているようですが、それを望んでいない国民が大勢いて、彼らはそれを正しいと思っていない、いや思えない現実がある。そこに内閣支持率の低迷やさっきのアンケートの結果を招いた答えがあるのではないでしょうか」

 

 <目次>

プロローグ

第一章 マドンナの乱心

第二章 大学教授と狼男

第三章 バタガイカ・クレーター

第四章 ポピュラリストたちの宴

第五章 犬にきいてみろ

第六章 官邸襲撃事件

第七章 マンモスの秘密

第八章 総理の演説

エピローグ

 

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、11年『下町ロケット』で直木賞、20年、野間出版文化賞を受賞

 

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を見ています。毎週楽しみにしています。

テーマソングは、白黒の映像と共にドラマに素敵にマッチしています。

放送が始まる前の緊張感、テレビの前でのワクワク感は身震いするくらいです。

テレビの進行とともに、あらすじはほぼこの本のとおりに進んでいます。おおまかな内容は知っていても、実際に大河ドラマとともに歴史の詳細を分かっていけるのは面白いものです。

 

さて、以前からぼくが好きな歴史上の人物は、「後白河法皇」です。

天皇、上皇などを歴任し朝廷の権威を十分に理解し備えているが、武力を背景とする権力はありません。

しかしながら、そのときどきの情勢を踏まえ、例えば、清盛、義仲、義経、頼朝などとの間で、院宣などの権謀術数を使って、強い英雄たちや世の中を自分の思うように牛耳っていたところが気に入っていたのです。

自分にはそういうずる賢さは憧れます。死と隣り合わせの危険な匂いがしますが、そのようにできれば楽しいと思うのです。

また、江戸幕府を開いた徳川家康もそうだったのですが、国の政治経済を左右する立場となるために英雄たちは、その時々の正しい選択と修羅の戦いを潜り抜けて、敵よりも「長生き」をすることだと歴史を学んでいるときに気づきました。

 

保元の乱、平治の乱から源平合戦と平安末期から鎌倉時代の黎明期は、色々な物語があって興味がつきません。

大河ドラマの進行とともに、内容を確認しながら読んでいきたい本です。

 

義経の頼朝との確執には、三種の神器が関わっていたことがわかりました。

吾妻鏡によると、義経の弁明書である腰越状を提出するとさらに頼朝の怒りをさらに買ったという。

義経に対する判官びいきがあります。

平家討滅への功労はありますがその過程が大切だったのです。

鎌倉殿の意向を踏まえて、動くべきところを見誤ったのです。

これも同じです。

頼朝の要求に応じて、義経を自害させその首を頼朝に差し出した奥州藤原氏。

ついには頼朝に攻められて滅亡しました。

正しい選択ができなかったことが、その後の不遇に至る結果となるのです。

135P 壇ノ浦の戦い

敗北を悟った平家一門は次々と入水した。一門の多くが死ぬか捕らえられ、平家は滅亡した。

だが、大きな誤算が生じた。二位尼が安徳天皇を抱いて入水し、命を落としたのである。しかも三種の神器のうち、宝剣と勾玉を持っての入水だったという。勾玉は回収されたが、宝剣は海の底に沈んだ。なお、建礼門院徳子も入水したものの義経軍に救助されている。

頼朝が長期戦にこだわったのは、決戦によって生じる右のような不測の事態を恐れたからである。義経が平家に降伏の機会を与えず性急に攻撃した結果、頼朝の終戦構想とはまったく異なるかたちで源平合戦は終結した。このことが頼朝と義経の対立の伏線となる。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 伊豆の流人

第2章 鎌倉殿の誕生

第3章 東海道の惣官

第4章 征夷大将軍

第5章 頼朝の「家子専一」

第6章 父との相克

第7章 「執権」義時

第8章 承久の乱

主要参考文献

あとがき

 

1980(昭和55)年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は日本中世史。国際日本文化研究センター助教。2014年『戦争の日本中世史』(新潮選書)で第12回角川財団学芸賞受賞

自らの言葉の力やその場での対応する力、人柄などの要素を総合的に備えた人間力がある人が相手から聞き出す力を伴うのです。

なるほど!聞き出すとはこういうことなのかと思えるような実例を基に書かれた内容でした。

近藤さんには、聞き出す力があるから、聞き出した言葉にはそれ相当な力がありました。

 

53P

俳優の高倉健さん

「心で思わないと演じることなどできません。涙は目からではない。心から流れ出るんです」

人から話を聞き出す場合にも、まず相手の思いや考えをよく知り、心を寄り添わせてみることが大事なのではないかと思うのです。うわべだけの話ではない、本当のところが聞きたいのなら、まず自分の物差しはいったん脇に置いて、決して否定的にならず相手の話によく耳を傾けることがだいじなんですね。

 

55P 顔ではなく胸を向けて話すアンミカさん

「人と話す時は相手の方に胸を向けて話しなさい、と母に言われました。それが身についてから、苦手だった人との会話が苦でなくなりました」

 

99P 作家桜木紫乃さんとのストリップ談義

「彼女たちは恥ずかしいところを見せていると客に思わせる。だましているんです。ウソがホント。昇華されたフィクション。それがストリップなんですね」

 

185P 面白さは中へはいらないとわからない

俳優の樹木希林さん

「楽しむのではなくて、面白がることよ。楽しむというのは客観的でしょう。中に入って面白がるの。面白がらなきゃ、やってけないもの、この世の中」

 

 <目次>

はじめに どう聞き出すか、自問しつつの半世紀でした

聞き上手な人の相づち力

『聞く力』の阿川佐和子さんから聞き出した話

寡黙な健さんを饒舌にさせた日

言葉ではなく心が人を動かす

重要情報を聞き出すには雑談力が必須

言うつもりのなかったことまでしゃべらせる

専門用語は使い方ひとつ

「ストリップ舞台裏潜入記」の舞台裏

記者生命をかけた聞き出し方

巨匠がこだわった事実と真実 ほか

おわりに ブン屋って、なんで言うのと母に聞かれ

 

毎日新聞客員編集委員。早稲田大学政治経済学部卒業後の1969年毎日新聞社に入社。論説委員、「サンデー毎日」編集長、夕刊編集長、専門編集委員などを歴任。毎日新聞(大阪)の大人気企画「近藤流健康川柳」や「サンデー毎日」の「ラブYOU川柳」の選者を務め、選評コラムを書いている。著書多数。長年MBS、TBSラジオの情報番組に出演する一方、早稲田大学大学院政治学研究科のジャーナリズムコースで「文章表現」を担当してきた.。

殺害して遺体をバラバラにする殺人鬼は、通称『真夜中の解体魔』と呼ばれている。

 

婚約者を殺された救急医の秋穂は、深い悲しみを抱えながらもなんとか職場に復帰をしたところだった。

そこに運ばれてきたのは、交通事故で重傷を負った美少年・涼介。

無事命を救うことができたが、手術室を出た秋穂に刑事が告げる。

「彼は、『真夜中の解体魔』だ」と。

涼介に復讐しようとする秋穂に、涼介は涙を流しながら訴える。

「僕は罠にかけられただけなんです」と。

無実に思える証拠を見せられた秋穂は、ためらいながらも涼介と真犯人を探すことになるが涼介は真犯人に操られた哀れな人形なのか、それとも周囲を操る冷酷な人形遣いなのか。

 

このように人形(マリオネット)を操っているのは一体誰なのか!

容疑者の石田涼介がほんとうに『真夜中の解体魔』なのか!

数時間で一気読みで衝撃のクライマックスでした。

 

対応した人によって違う色々な面を人は持っています。

そのいろいろな姿はそれぞれでじつは正しいのではないかと思います。

自分もだれもが知っている面だけではありません。

他人だけは知っていて自分がきづかない面、

自分しか知らない面、

誰も彼も知らない裏面もあります。

 

人から聞いた情報を踏まえて、自分の目で見てきたことをよりどころにして、総合的に自分で相手を判断して生きていきたいものです。

 

108P 

由衣の話から浮かび上がってくる石田涼介という人物は、独占欲が強く、反社会的な人格を持つナルシストで、自らのもとから去った雪絵と、そのきっかけを作った千代に強い恨みを持っていた。その一方で涼介自身は、心から愛していたゆえに雪絵との別れを決断したが、その後も彼女のことを想い続けていたと言っている。どちらがほんとうなのだろうか?

……いや、どちらも正しいのかもしれない。秋帆は歩きながら、こめかみに手を当てる。

人間の想いというものは、一つの解が定まっているような単純なものではない。量子力学に示されミクロの世界で生じている現象のように、様々な感情が重なり合って存在している。

シュレーディンガーの猫という言葉が頭に浮かぶ。

 

「人の振り見てわが振り直せ」的に!

自分は将来どうなりたいのか!

目標とする先輩たちが辿った足跡を調べてみればきっと見えてくるはずだ。

ぼくは、老年期や第二の人生、定年後の生き方などの本を読んで自分の姿を想像してきました。

これは、何度も何度も咀嚼して、自分の方向性が正しいのかどうか確認していたからです。

 

健康で老化を防いで、ワクワクドキドキしながら長生きをしていきたいのです。

そのためのヒントや秘訣が以下の通り満載でした。

 

70代になってからやりはじめるのではなく、

肉をもっと食べよう。散歩をして陽の光を浴びよう、働き続けるなど、

いまからすぐやれることをひとつずつ実行していけば、老後に幸せになる近道となります。

 

4P 気持ちが若く、いろいろなことを続けている人は、長い間若くいられる。

栄養状態のよしあしが、健康長寿でいられるかどうかを決める。

 

42P 70代に身につける習慣がその後の人生を救う

この時期から意図的に身体を動かそう、脳を使おうと習慣化しないと、運動機能も脳機能も使い続けることはできないということです。

 

46P 何事においても引退などしてはいけない

アルバイトや契約社員など、どのような形態であっても、仕事を通して社会とのかかわりを持ち続けることが活動レベルを落とさず、若々しくいる秘訣だと私は思います。

退職後も社会と関わっていくという意味では、もちろん仕事がすべてではありません。町内会の役員やマンションの管理組合の役員、趣味の集まりの役職などでもいいのです。ボランティア活動も、退職後の社会参加としてはひとつの選択肢です。

 

51P 働くことは老化防止の最高の薬

働くことが運動機能、脳機能の老化を遅らせ、高齢者の寿命を延ばしているのだと考えます。

 

74P 脳の老化を防ぐのは、生活の中の変化

前頭葉の老化によって高齢者の意欲が低下します。そうならないためには、仕事やボランティア、趣味の集まりなどの単調ではない変化のある生活をすることがいちばんです。

 

79P インプットからアウトプットに行動を変える効果

本を読んでインプットする行為よりも、会話などのアウトプットの行為のほうが前頭葉は活性化され老化の防止になるのです。

何か学びたいことがあるなら独学せず、スクールやサークルなど何人かの集まりに参加して学ぶ方が、まだ、前頭葉を使います。

得た知識をこれまでの経験や他の知識を使って加工し、自分の考えとして述べる時に前頭葉は活性化させるのです。

 

92P 長生きしたければダイエットはしてはいけない

日本もアメリカも痩せている人よりも、BMIが25~30くらいの少々ぽっちゃりした人が、いちばん長寿であるという結果が出ているのです。

高齢になっても元気な人は、ふっくらとした人なのです。

見た目の若さについても、実年齢よりも10~20年若く見えるような人は、ふっくらとした人です。

70代になったら、栄養の不足のほうに気をつけて、とり過ぎについては過敏になる必要はありませんん。

 

152P 定年後の喪失感をどう克服するか

問題なのは、会社を辞めたことで、自分の人生や自分自身を失ってしまったかのように感じている場合です。

肩書や属性はうわべの部分であって、あなたという人間の本質には関係ありません。

自分という人間性を認めてくれて、親しく付き合える人こそ、親友とよべるのは当然のことです。

 

184P 歳を取ってやさしくなることが幸せへの近道

70歳になったら、自分のことだけで生きるのではなく、まわりの人のために尽くす生き方に少し変えていったほうがいいのではないかと考えています。

困っている友人のために一肌脱いだり、ちょっとしたボランティアをしてもいいでしょう。働き方自体を、これまでのお金のためから、誰かの助けになることを目的に加えてもいいと思います。そういった他者へのやさしさは、あなたの老後の人間関係を豊かにし、心も満たしてくれるかもしれません。歳をとってやさしくなるということは、老後に幸せになる一番の近道なのではないかと私は思っています。

 

 <目次>

まえがき 70歳は人生の分かれ道

第1章 健康長寿のカギは「70代」にある(いまの70代は、かつての70代とはまったく違う、もはや70代は現役時代の延長でいられる期間となった ほか)

第2章 老いを遅らせる70代の生活(何事においても、「引退」などしてはいけない、働くことは、老化防止の最高の薬 ほか)

第3章 知らないと寿命を縮める70代の医療とのつき合い方(いま飲んでいる薬を見直してみよう、血圧、血糖値はコントロールしすぎない ほか)

第4章 退職、介護、死別、うつ…「70代の危機」を乗り越える(定年後の喪失感をどう克服するか、趣味は働いているうちにつくろう ほか)

 

 

1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって、高齢者医療の現場に携わっている

 

【No1068】70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い 和田秀樹 詩想社(2021/06)

刑務所の中にいる受刑者とそれを見守る刑務官たち。

彼らは立場は違えどもみな人の間だった。

受刑者側と看守側、それぞれの知られざる苦悩が垣間見られた。

火石刑務官のように、利ではなく義を大事にした刑務官たちがいてしっかりと受刑者たちに寄り添っていた。

 

窃盗の常習犯、安東暢三受刑者の心の拠り所は、金沢市尾山町のムーンリバーのジャズシンガー桑名亜紀との文通にあった。

しかしその女性は既に他界していた。そのわけは?

この第四話「がて」の話が、とっても印象深い。

その理由を知って思わず感涙してしまった。

 

前作の『看守の流儀』に続く、刑務所の隠語がタイトルとなった五話。

いずれも一気読みの価値がある。

金沢市内の有名な地名や場所などが各章にちりばめられて出現していた。

だから、例えばバーなどの飲み屋界隈の雰囲気は推量しやすく、ストーリーの場面のなかに気持ちが入り込めやすかった。

前作の火石の衝撃がまた終わりにあった。

このエピローグのショックを受けて思わずプロローグに戻るのだった。

 

 <目次>

プロローグ

しゃくぜん

甘シャリ

赤犬

がて

チンコロ

エピローグ

 

 

1972年、石川県生まれ。金沢大学法学部卒業。2015年に『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』で第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞

他の著書に『仕掛ける』『看守の流儀』(以上、宝島社)、『相続レストラン』(KADOKAWA)、『ダブルバインド』(双葉社) など。

世間の評判は高いのだが、残念ながら途中で読みを止める本があります。

それは、冒頭でぼくの心を摑まないから。

読み始めてそのまま読み続けることができるかどうか。

途中で読むのを止めないかどうか。

最後まで読み終えれるのかどうか。

ツヤのある文を作ることが大事だと奥野宣之さんは語っています。

読み手に響いて心をつかむ文章を書くために役立つ内容です。

何を言っているのかわからなければ、

まずはこの本の奥野さんの文章を参考に真似ればよいのです。

すぐに使える文章術だから。

 

具体的にこのツヤとは何なのか?

 

37の心をつかむ法則が書かれてあります。

この一部を、少しだけ。

「読みはじめてもらうためにとにかく言い切る!とにかく強引に断言して書く。文章が短く勢いづきテンポも良くなる」

「実感と共感を埋め込めばのれる文章になる。」

「親しみやすさ、安心感は、文章のわかりやすさに直結する。親しみやすさ、安心感は堂々と大胆に読み手の認識を揺さぶって引き込もう。小学生でもわかるように書く」

「具体的に書けば、説得力が強まる。抽象的過ぎると、内容が伴わず伝わらない」

「文章は終わりよければすべてよしである。」

 

 <目次>

プロローグ プロの技を要領よく盗もう、最後まで読んでもらうには「心をつかめ」

第1章 起‐つかむ―読ませるための「高いハードル」を突破する法則(読みはじめてもらうために、「とにかく言い切る!」、ボカシ言葉、「など」「ほう」「とか」は排除する ほか)

第2章 承‐のせる―あきずに読み続けてもらう法則(適切な「これから」ナビゲーションは、読み手を安心させる、書き出しの疑問文に答えていけば、読み手は「のれる」 ほか)

第3章 転‐転がす―読み手の意識をコントロールする「展開」の法則(作文記号(約物)は、理解の助けになる場合に限って使う

連絡メールの適切な記号は、トラブルを未然に防ぐ ほか)

第4章 結‐落とす―オチをつけて、読み手を「納得」させる法則(文章は、「終わりよければすべてよし」である、話題転換も最後の締めも、流れが自然なら「納得」できる ほか)

 

1981(昭和56)年、大阪府生まれ。同志社大学でジャーナリズムを専攻後、出版社、新聞社勤務を経て作家・ライターとして活動。読書や情報整理などを主なテーマとして、執筆、講演活動などを行っている

著書に「読書は1冊のノートにまとめなさい」など。

仕事に関連する法律は、自分を守るために知らないよりも知っていたほうが良いに決まっています。

 

通勤中に怪我をした。

給与が支払われない。

育休が取得できない。

セクハラを受けて鬱になった。

長期入院後、会社に復帰できない。

内定を取り消された。

副業で怪我をした。

部下に「パワハラだ!」と言われた……。

 

「希望しない転勤は拒否できるのか」

「介護休業や介護休暇はいつどれくらいとれるのか」

「長時間労働が原因で病気になったら労災申請できるのか」

「会社は試用期間満了後に本採用を拒否できるのか」など、

わりと疑問に持つような相談内容や事前に想定できる例を質問としてまずは取りあげています。

 

次に、労働基準法、労働契約法、労働安全衛生法、職業安定法、労働者災害補償保険法、最低賃金法等々、サラリーマンとして働いていくうえで関係する法律の条文や判例、解釈を基にして丁寧に回答してくれています。

 

残業時間の上限の設定、年5日の年休付与の義務化、勤務間インターバル制度導入の努力義務、60時間を超える時間外労働の残業代割増率アップ、労働時間把握の義務化、高度プロフェッショナル制度の新設などの働き方改革関連法が2019年から施行されているところです。

 

こういう状況下で、転ばぬ先の杖として、身近な事例をもとにして、日頃から諸法律に親しんで知っていれば、

将来何か問題や自分に影響があったときに役に立てることができるのではないかとぼくは思います。

 

 <目次>

はじめに

本書の読み方

プロローグ 正社員として気持ちよく働くために

六法について

第1章 労働契約の内容に関する法律―働く人と雇う人との約束(求人に明示されるべき労働条件とは?、契約時に明示されるべき労働条件とは? ほか)

第2章 賃金に関する法律(手当と賃金は違うものなの?、休業手当はどんな時にもらえるの? ほか)

第3章 ワーク・ライフ・バランスに関する法律(有休はいつでもとれるの?、休職はどのくらいできるの? ほか)

第4章 ハラスメント・労災に関する法律(どこからがパワハラになるの?、会社はセクハラにどう対応してくれるの? ほか)

第5章 解雇・退職・再雇用に関する法律(会社は内定を取り消すことができるの?、会社は試用期間満了後に本採用を拒否できるの? ほか)

付録 会社とのトラブルが生じたら

参考文献

 

 

弁護士(原後綜合法律事務所)。2001年に名古屋大学法学部を卒業し、2004年に弁護士登録(第二東京弁護士会)。2010年に南カリフォルニア大学ロースクール(LL.M)へ留学し、2014年にニューヨーク州弁護士登録。2018年から東京都労働局紛争調整委員会委員。第二東京弁護士会両性の平等に関する委員会に所属。

 

この本の伝えたいことです。

具体例が本文に書かれてありました。

 

相手が誰でも関係はありません。

失敗や事故を無くすためのやり方、仕組みをつくることが大事です。

あいまいな言葉ではなく、具体的な行動をわかりやすく正確な言葉で相手に伝わるようする。

失敗や事故を無くすために重要なのは、相手の意識ではなく人の行動そのものに焦点を当て、失敗や事故に結びつく行動(危険行動)を望ましい行動(安全行動)に変容させて、その安全行動を定着させて、習慣化させる仕組みをつくることです。

 

 

 <目次>

はじめに 

理論編(ミスは「意識の徹底」では無くならない、なぜ「ミス」が生まれるのか―7つの背景、上司の思い込みマネジメントが招くミス―7つの間違い)

実践編(ミスを無くす仕組みづくりの前提―6つの行動メカニズム、ミスを無くす仕組みづくりの実践―5つのステップ)

事例編(ミスを無くすヒント集―10のケース)

おわりに 

主要参考文献

 

社団法人行動科学マネジメント研究所所長。社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事。株式会社ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼CEO。米国行動分析学会(ABAI)会員。日本行動分析学会会員

 

【No1064】無くならないミスの無くし方 成果を上げる行動変容 石田 淳 日経BPマーケティング(2021/12)