いくつになっても、何歳になっても読書によって向上を目指したい。
数学者藤原正彦さんの座右の銘、「これからがこれまでを決める」
そして、彼の金言「教養がないと大局観が生まれない」
正直、勇気、慈愛、親孝行、礼節、惻隠の情、もののあわれ、卑怯を憎む心、名誉、恥など、これらは過去に日本人が持っていたものだ。われわれはこれらをどこかに置き忘れてきた感がある。
「国家の品格」や「国家と教養」から、幾分もぶれていないところがすごく気に入っている。藤原さんは、日本人以上に日本人らしい武士道精神の真髄を持っている、日本の歴史を踏まえて世界で行動している真の国際人だ。
60P インターネットは教養にならない
情報というのは、それぞれが孤立しています。孤立した情報が組織化されて、初めて知識になる。「情報がつながること」が知識であり、さらに「知識がつながること」が教養。この段階を歩むことが、教養を高めることの意味です。われわれは本を読んだ後、物語や記述の内容に思いを巡らせたのち、今度は身に周りの現実に当てはめて再び考える。この読書時の脳の働きが、人間の教養を育むわけです。インターネットでは得られない経験です。
146P 孤独こそが想像の源である
人間の想像力や創造力の源となるのは「孤独」です。たった一人で自分自身と向き合い、本と向き合うことは、他の行為では替えが利かない。孤独を知らず、毎日スマホにメールを分刻みで確認する生活を送っていたら、沈思黙考のしようがない。孤独なしに情緒の深まることもありません。インターネットやスマホは、若い人々から思考や深い情緒の成長を奪っているのです。
<目次>
まえがき
1 国語力なくして国力なし
2 読解力急落、ただ一つの理由
3 読書こそ国防である
4 町の書店がなぜ大切か
5 デジタル本は記憶に残らない
6 本を読まないアメリカのビジネスマン
7 日本は「異常な国」でよい
8 国家を瓦解させる移民依存政策
初出一覧
お茶の水女子大学名誉教授・数学者。1943(昭和18)年、旧満洲・新京生まれ。東京大学理学部数学科大学院修士課程修了。理学博士(東京大学)。78年、数学者の視点から眺めた清新な留学記『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、ユーモアと知性に根ざした独自の随筆スタイルを確立する。
新田次郎と藤原ていの次男。
著書に『名著講義』(文藝春秋読者賞受賞、文春文庫)、『孤愁 サウダーデ』(新田次郎との共著、ロドリゲス通事賞受賞、同前)、ベストセラー『国家の品格』『国家と教養』(以上、新潮新書)などがある。









