【No1368】告白 湊かなえ 双葉社(2010/04) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書は、例えば著者、主人公、偉人、歴史、自分等との、非日常の中での対話だ。

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「若さを肯定しつつも はりぼての達観が 青ざめ、挫けていく様を見るのが 私たちは大好きなのです。 芥見下々」

 

怨念や残酷さ、悪意が満ちている。

やはり湊かなえさんの代表作だ。

この映画をまた見てみたいし、また読み返してもなにかしら新しい発見がある。

だんだんと噛み砕いていくとなにか見えてくるものがある。

 

教師森口悠子の娘、愛美がなぜ死ななくてはいけなかったのか!

中学校の女性教師のホームルームでの告白から始まる。

教師の元生徒、

少年A、

少年B、

少年Bの姉、

少年Bの母、

彼らの告白から、事実がだんだんと明らかになってきた。

真実の外周りにある、ちょっとした嘘のようなものも。

都合がよいように自己解釈することがあったのか、なかったのか。

正当化とも、行為を美化したものと言ってもよい。

人がなぜ殺されなくてはならなかったのか。

告白されていることのほかに、こうではないかと想像するに値する、とてもよい教材となる小説だった。

 

 <目次>

第一章 聖職者

第二章 殉教者

第三章 慈愛者

第四章 求道者

第五章 信奉者

第六章 伝道者

文庫版特別インタビュー「映画化によせて」中島哲也

 

1973年広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。2005年第2回BS‐i新人脚本賞で佳作入選。07年第35回創作ラジオドラマ大賞を受賞。同年「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞。08年同作品を収録したデビュー作『告白』は、「週刊文春08年ミステリーベスト10」で第1位、第6回本屋大賞を受賞した。