文字数も内容もちょうどよく読みやすい。いつもの池上彰さんらしい論調があり、自ら足を運んで現地で取材されているのでその感想は信頼がおける気がしました。
イスラエル、パレスチナ、イラン、イラク、サウジアラビア、UAE、カタール、トルコなどの間で繰り広げられる複雑な中東情勢は、石油などの資源やアメリカや欧米各国の思惑などいろいろな糸が絡み合っているためよくわからない!が実情でした。
イスラエルやパレスチナのハマス、アメリカなどと全方向的なお付き合いをする、ハブとか問題があれば解くための鍵となる「カタール」のような国もあります。また、中東のそれぞれの国の成り立ちや歴史を知ってくると、なにか課題が鮮明に見えてくるのではないかと思います。中東を知りわかるためのカギとなる三大宗教、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教についても説明があり、複雑な中東の理解が少し前に進む内容でした。
<目次>
はじめに
第1章 「世界がどう言おうと、我々は自国を防衛する」 ユダヤ人の悲願で建国されたイスラエル
第2章 「世界はなぜ我々を助けてくれないのか」 犠牲者が増え続けるパレスチナ
第3章 「シーア派が正統なイスラム教だ」 イスラム法学者が統治する中東の大国イラン
第4章 「アメリカの無知のために大きな被害を被った」 フセイン政権が崩壊して内戦となったイラク
第5章 「我々はアラブの王国だ」 大きく変貌する石油大国サウジアラビア
第6章 「優れた指導者がいれば独裁国家でも発展するのだ」 世界から投資を呼び込むUAE
第7章 「我々がイスラエルとハマスを仲介しているのだ」 アメリカもハマスも受け入れる独自路線のカタール
第8章 「オスマン帝国の栄光よ再び」 イスラム化が進む中東の要衝トルコ
おわりに アメリカから見た中東
池上彰さん
1950年、長野県生まれ。73年にNHK入局。記者として、さまざまな事件、災害、教育問題、消費者問題などを担当する。94年から11年間にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年に独立。名城大学教授、東京科学大学特命教授など、5大学で教鞭をとる。「池上彰と増田ユリヤのYouTube学園」でもニュースや歴史をわかりやすく解説している。









