朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -19ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

表紙の草野碧さんの装画が映える。

地質調査、狼犬、原爆、隕石、ウミガメなどを含めた自然科学をテーマとする5つの短編集だ。

地球規模の壮大な歴史や生命の神秘、宇宙へのロマン、それぞれに専門的で深い知識や経験を豊富に持ってないと書けない内容だと感じられる。

そして、それぞれ物語は、男と女たちの人間味が溢れ出てくる味わい深いおはなしだった。

262P

「残念なことやけど、今の姫ヶ浦からもうじき、ウミガメはおらんになる。でも、浜はずっとこのままやない。いつか誰かが何十年かかけて、昔みたいなえ浜に戻すかもしれへん。反対に、もし姫ヶ浦が誰からも見捨てられても、何百年後かには浜も自然と綺麗になっとるやろ。そしたらカメさんの方で、勝手にこの浜を見つけてくれる」

「何百年後……」

「気の長い話やけどね」と佐和は笑った。「人間も、同じや思うよ。好きなところで、気に入った場所で、生きたらええの。生まれた土地に責任がある人なんて、どこにもおらんのよ」

 

 

 <目次>

夢化けの島

狼犬ダイアリー

祈りの破片

星隕つ駅逓

藍を継ぐ海

 

 

伊与原新さん

1972年、大阪生れ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞。2019年、『月まで三キロ』で新田次郎文学賞、静岡書店大賞、未来屋小説大賞を受賞

ジョブ・クラフティングという技法を使って、ウェルビーイングとワーク・エンゲイジメントが高い幸せな働き方をしていきたい。

「仕事のなかに自分のひと匙を加えてみる」働きがいを高める仕事術。

例えば、社内副業は副業として自分の強みを発揮し関心に沿った業務に従事することができる。そうできると、元々の部署の仕事にも役立ち仕事の捉え方が変わっていく。

ジョブ・クラフティングは、仕事の捉え方を変えて幸せな働き方につながる。自分の仕事を主体的に捉え直すことによって、自分らしさや新たな視点を入れてやらされ感ある仕事をやりがいのあるものへと変えていく考え方だった。

 

ジョブ・クラフティングとは、自らの仕事体験をより良いものにするために、主体的に仕事そのものや仕事に関係する人たちとのかかわり方に変化を加えていくプロセスのことだ。

 

ジョブ・クラフティングには三つの形式がある。(物理的変化、認知的変化)

1 業務クラフティング 業務内容や作業方法を自分で見直したり、自分の得意な事を業務に入れられるよう工夫をする。

2 関係性クラフティング 人との関係性や質を変化させる。積極的に挨拶をする、誰に対しても感謝する、呼称を変えるなど

3 認知的クラフティング 仕事に関するものの見方を変える。ディズニーランドのカストーディアル・キャストなど、マクロとミクロの視点を持つ。

 

ジョブ・クラフティングが注目されるのは、

 ワーク・エンゲージメント(仕事に関連するポジティブで充実した心理状態)を高める。仕事から活力を得て(活力)、仕事に誇りとやりがいを感じ(熱意)、仕事に深く集中している状態(没頭) 

2 仕事のミスフィット感を小さくするため。仕事の中でも自分が興味持っていることに少し多めに時間を使ったり、自分の強みを活かせるように仕事のやり方を変えてみたりすることができる。

 

ミドルシニア層では、自身の変化や仕事の変化に向き合うことが多くなる。そうした変化への適応にはジョブ・クラフティングは有効だ。例えばポストオフ経験者を対象にした調査で、ジョブ・クラフティングを行った人の方がワーク・エンゲイジメントが高いという結果が出ている。

定年後再雇用や他の仕事への転身でも、ジョブ・クラフティングの実践が身についていることがプラスに働く。また、仕事以外でもクラフティングを行うことがウェルビーイング(幸福感)を高めることにつながる。

 

 <目次>

はじめに仕事に向き合い、働きがいを自ら高めていくために

第1章 ジョブ・クラフティングの基礎

第2章 ジョブ・クラフティング・マインドセット

第3章 最初の一歩を踏み出し、習慣化を図る

第4章 業務全体を俯瞰する

第5章 ジョブ・クラフティングを継続・発展させる

第6章 定年も見据えたジョブ・クラフティングの方策

第7章 職場や組織からのサポート

参考文献

おわりに 

 

高尾義明さん

東京都立大学教授。博士(経済学、京都大学)。1967年生まれ。大阪市出身。京都大学教育学部を卒業後、大手素材メーカーに4年間勤務。その後、休職して京都大学大学院経済学研究科修士課程に入学。博士課程への編入試験合格を機に退職し、研究者の道に進む。九州国際大学経済学部専任講師などを経て、2007年4月から東京都立大学(旧名称:首都大学東京)大学院社会科学研究科経営学専攻准教授。2009年4月より同教授。2018年4月より同大学院経営学研究科教授

 

【No1809】50代からの幸せな働き方 働きがいを自ら高める「ジョブ・クラフティング」という技法 高尾義明 ダイヤモンド社(2024/06)

キャリアを考えるとき。そもそもキャリアとは何か!?を考えました。

それは轍であり自分が歩いてきた足跡を辿って何をしてきたのか、どのように乗り越えて来たのか、克服してきたのか、感情の高低・盛り上げ下がり方はどうだったのかなど、理論家のサビカスのキャリアストーリーインタビューをして、またライフラインチャートを使うなどして自己分析を進め自己理解を深めることを十分にする必要がありました。

また、人生において受験、就職、結婚、病気、昇進、退職などの各種の転機があります。振り返ってみると、それらの転機には、理論家シュロスバーグが提唱する4つのS(状況、自己、支援、戦略)にまさに当てはまって対応してきた事例が多いことに気付きました。だから、自分を知ることにつながるキャリア理論について、機を見てさらに学んでいます。

 

4P まえがき

キャリアコンサルタントの実践家がつけるべき知識・経験・スキルは「過去のキャリアコンサルタント試験に出た択一式試験に答えられる程度の知識」ではなく、歴史的にキャリア理論がどういう変遷を得てどう新しい理論に至ったかという哲学や倫理であり、なぜ幅広く学ばなければならないかを理解しようとする姿勢であり、謙虚で誠実に学ぶ態度です。

なぜ人(評論家)をキーワードに歴史を学ぶのか。それは先人がそのまた先人から学び、その不足しているところあるいは時代に合わないところを修正しながら作り上げてきた体系的なものだからです。ニュートンは巨人(先人)の課題に乗ったからこそ先が見えたのだと言いました。我々も自らの経験則ののみならず、先人や同時代人の学びをしっかりリスペクトして行くべきです。

キャリア理論の周辺の精神分析・行動主義・人間性心理学その他の周辺分野の理論家についても通常より幅広く心理学の歴史全体が大まかにわかるように網羅したつもりです。

 

 

 <目次>

まえがき

キャリア理論の流れ

第1部 キャリア理論家(フランク・パーソンズ、エドムンド・G.ウイリアムソン ほか)

第2部 キャリア理論に影響を与えた理論家(1)精神衛生運動・精神分析(クリフォード・W.ビアーズ、ジークムント・フロイト ほか)

第3部 キャリア理論に影響を与えた理論家(2)心理測定運動・行動主義・行動療法(アルフレッド・ビネー、エドワード・L.ソーンダイク ほか)

第4部 キャリア理論に影響を与えた理論家(3)人間性心理学(アブラハム・H.マズロー、カール・R.ロジャーズ ほか)

第5部 キャリア理論に影響を与えた理論家(4)その他(G.エルトン・メイヨー、クルト・Z.レヴィン ほか)

参考文献

人名索引

キーワード索引

 

 

渡部昌平さん

秋田県立大学総合科学教育研究センター准教授。1994年国際基督教大学卒業、1996年明星大学大学院修了、修士(心理学)。労働省(当時)に入省し、札幌公共職業安定所、職業安定局業務調整課、民間需給調整事業室、飯田橋公共職業安定所、職業能力開発局キャリア形成支援室、沖縄労働局等を経て現職。2021年より期間限定でYouTube「“実践家向け”ナラティブ社会構成主義キャリアカウンセリングNABEチャンネ

 

 

【No1808】キャリア理論家・心理学者77人の人物で学ぶキャリア理論 渡部昌平 福村出版(2022/02)

 

だらだらと単に時間が過ぎていくのではなくて、休日を主体的に楽しむのです。

彼らの姿に近づくためには、趣味や好きなことをする、家族や友人を過ごす、読書をするなど、自分なりにできることをひとつでもやって彼らの行動(や考え方)を「真似」することです。

10P 世界水準のエリートであるエグゼクティブの休日の過ごし方

休日を「何もしない時間」と考えるのではなく、「説教的にエネルギーをチャージする時間」(休養)と「知的エネルギーを蓄える時間」(教養)と一位置づけている。趣味や好きなことをする、家族や友人と過ごす、読書をするなど。

心身のエネルギーをチャージすることによって、「自己効力感」を高める。

13P 自己効力感とは

心理学者アルバート・バンデューラー博士が提唱した概念で、目標を達成するための能力を自分が持っていると認識することを指します。

「自分ならできる」とか「きっとうまくいく」と自分の可能性を肯定的に認知できる心理状態のことであり、前向きな気持ちを手に入れ、パワフルに働くことで、仕事の生産性を高めるためにはきわめて重要な要因となります。

 

「温存戦略」、疲れる前に戦略的に休めるようにしたいものです。

15P 仕事のパフォーマンスが上がる休日の過ごし方

「温存戦略」を徹底する―体力と気力を使い果たさない。

疲れを感じているならば、しっかりと休んで疲れを取り除くことが大切ですが、もっと大事なのは、疲れたから休むのではなく、疲れる前に休むライフスタイルを手に入れることです。

 

自己効力感を上げる方向。他の人と比較しないハードルが高くない方に興味があります。

113P 自己肯定感ではなく、自己効力感を重視する理由

自己肯定感とは、自分の能力や価値に対して、自己評価が高い状態を指します。自己評価が高いのは、他の人と比べて「自分の方が上」と判断することですから、ハードルが高くなり、ストレス・レベルも高くなる考え方といえます。

自己効力感は、他の人と比較するのではなく、「自分ならばできる」と自分の能力や価値に自信を持つことですから、ハードルは自然と低くなり、ストレスを感じる余地のない考え方と言えます。

 

【No1807】世界の一流は「休日」に何をしているのか 年収が上がる週末の過ごし方 越川慎司 クロスメディア・パブリッシング インプレス(2024/11)

「無意識を活性化させるだけで願望が実現する」ことが書かれた本。

 

正負の法則からは、人生万事塞翁が馬、禍福は糾える縄の如しという言葉が頭の中に浮かんでくる。

「正負の法則」とは、「プラスマイナスゼロの法則、人生をトータルで見ると、プラスの出来事(良いこと)とマイナスの出来事(良くないこと)のすべてを相殺するとゼロになる」という法則になります。

つまり「一生のうちで、良いことも悪いこと同じ分だけ起こる」という考え方です。

 

感謝は、無意識にして良い方向に向える手段や方法。

341P 感謝が大切な本当の理由

願望実現するために、感謝の気持ちを持つことは最も大切です。

なぜなら、感謝をすることであなたの心を開き、目の前に起こるさまざまなことを素直に受け入れられるよう、無意識に整えてくれるからです。

無意識が整うと、あなたは心から達成したい願望実現のためにはどんな行動をしたらよいか、あなたのこれまでの経験をベースに無意識そのものが導き出してくれます。そしてあなたの周りにも願望実現にふさわしい人や物事が引き寄せられやすくなるでしょう。

感謝をする人の周りには常にあなたを応援してくれる人が集まり、結果、願望実現が最短最速で達成されるのです。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 なぜ無意識を使いこなすと夢が叶うのか?(意識=「1%の顕在意識」+「99%の無意識」、あなたの「行動の99%」は無意識に支配されている ほか)

第2章 どうしたら無意識を使いこなせるのか?―進化論ベースの「無意識の使い方」(原始人の脳は「無意識」優位だった!無意識は「マインドフルネス」な状態で活性化する ほか)

第3章 無意識を使いこなす法(1)―「不安過多」の解消(「夢を叶える時間の流れ」とは?正負の法則―「良いこと」も「悪いこと」もプラスマイナスゼロになる ほか)

第4章 無意識を使いこなす法(2)―「情報過多」の解消(無意識に蓋をしてしまうTVの見方とは?SNSの設定1つで無意識が活性化する方法 ほか)

第5章 無意識を使いこなす法(3)―「人付き合い過多」の解消(「人付き合いが増えるほどマインドレスになる」と知る、「損得勘定」を捨てる ほか)

おわりに

 

BAZZIさん

1984年神奈川県生まれ。生まれつき難聴、コミュニケーション障害を抱えながらも「死ぬまで好きなことをしたい」という想いから、2005年にプロマジシャンとしてデビュー。人生を自由自在に生きることを指針に、夢を叶えるアーティストとしても活躍。2022年に一般社団法人Dream Investment JAPANを設立し、カンボジアや福祉事業への支援活動を行っている。アーティストの枠を超え、さまざまなビジネス、表現活動を展開中

204P「あってはならない夜間中学」、けれど「なくてはならない夜間中学」

世の中で自分が知らない世界があるのはわかります。またこれまで育ってきた環境ではあまり出会わない人たちはいます。小説のなかでいろいろな方々と出会ってきました。いわゆる主人公になりきって疑似体験をしてきたこともあります。

218P 「戦争や貧しさや病気で、学校に行けなかったかた、読み書きから学べます。授業料や教科書代の負担はありません。一緒に、河堀夜間中学で勉強しませんか」と、声を張り上げ続ける。

いろいろな事情で義務教育を受けることができなかった人や修了できないたちがいます。

夜間中学校に通うことで自分も家族も救われたこの小説の主人公「さやか」は、「シネ」などの言葉の暴力やろっ骨を折るくらいのいじめに遭ったことが原因でした。

義務教育さえまともに終えていないという枷は、社会でも家庭内でもさやかを生き辛くさせていました。

例えば、不遇の人にも配慮できる人となり、そういう人を受け入れることができる世の中がずっとあってほしいと願う必要があると思うのです。

249P 

身体を捻じる運動を続けながら、さやかもまた天を仰ぎ見る。

澄んだ夜空に大きくオリオン座、それに木星やシリウスなど明るい星々が瞬いている。

視線を校庭に向ければ、仲間たちが伸びやかに両腕を横に開く。

何年もかかって、この場所に辿り着いた者がいる。

何年も通って、文字や言葉を手に入れようとする者がいる。

そして何年もかけて夢を育み、叶えようとする者がいる。

ひとりひとりが、さやかには、頭上の星と同じく、輝いて見える。

ああここは星の教室だ。

さやかを夜空ごと、学び舎ごと、仲間たちを抱き締めたい、と思った。

 

これまで当たり前に学校に行けて食事ができて普通に本を読み勉強をすることができたことはかなり幸せなほうだと思います。

227P 学びとは誰に奪われないものを自分の中に蓄えることだ、と悟った。誰のためでもない、自分自身のため、自分の人生のために学ぶのだ、と。

 

読んでいる最中、涙腺が緩んでしまいその症状が止まらない。その姿が誰にも見せられないくらい。

198P

「わしが駅前でビラをもろたんは七年ほど前だった。当時、字が読めなかったわしに、「平仮名から勉強できる」て、ビラ配ってた人が教えてくれた。けど、李さんと一緒で、「いきなり中学校へ入れるわけがない」と思い込んでしもてな」

それでも、ビラを捨てられなかった。

考えて、迷って、とうとうビラを握り締め、河堀夜間中学校に来た。

「小さい小さいビラ一枚が、わしをこの学校へ導いてくれた」

その声が揺れている。

「けど、きっと、わしらだけど違う。この国は義務教育を終えてへん者が、もっともっと仰山いているはずなんや。わしはこの手ぇで」

両の手をぎゅっと拳に握って、遠見は、

「この手ぇで、何とか、そのひとらにビラを届けたい」

届けたいんやと、声を絞った。

 

 <目次>

第一章 履歴書

第二章 夜の高低で

第三章 あおぞら

第四章 弱くて、脆い

第五章 明日の夢

第六章 結び直すのは

第七章 まだ見ぬ友へ

最終章 星の教室

あとがき

 

高田 郁さん

兵庫県宝塚市生まれ。中央大学法学部卒。1993年、集英社レディスコミック『YOU』にて漫画原作者(ペンネーム・川富士立夏)としてデビュー。2008年、小説家としてデビューする。2013年『銀二貫』で第1回大阪ほんま本大賞を受賞し、2022年には第10回となる同賞の大賞を『ふるさと銀河線―軌道春秋―』で受賞

 

少ない言葉のなかにも含蓄するところが大でありました。

このなかで気になった名言をいくつか取り上げてみます。

感謝する。違う世界の人と付き合う。楽しもうなどです。

 

53 教えてもらったことはすぐに実行し感謝を伝える。相手を味方にする人は、あなたの教えは価値があると行動で示す人です。やった結果を感謝するとともにフィードバックしていると、相手との関係性が深まって親身になってくれ、問題の解決し成長していける。

 

84 社外の人たちと接点を持ち、自分の世界を広げる。会社という後ろ盾なしに人と交わることで本物の出会いや学びがあるのです。社外の人、自分と違う世界の人と付き合うことは、自分と言うひとりの人間を魅力的に変えてくれる機会だからです。家でも職場でもない場所で肩書のないただの人として交流する機会をもつと、コミュニケーション力が磨かれて、自分の人としての魅力を意識させられます。

 

87 せっかくだから楽しもうと考える。どんな時間でも永遠に続くことはありません。一つひとつの瞬間を愛おしむように味わっている人は、誰から見ても魅力的で好きにならずにはいられないのです。楽しむことは、簡単には不幸にならないというプライドでもあります。

 

 

 

 <目次>

はじめに 

1 「明るく感じのいい人」は好かれる

2 「一緒にいて心地いい人」は好かれる

3 「自分を大切にする人」は好かれる

4 「相手に興味と理解を示す人」は好かれる

5 「気配りのできる人」は好かれる

6 「言葉に愛と敬意のある人」は好かれる

7 「なぜか魅力的な人」は好かれる

 

 

有川真由美さん

作家、写真家。鹿児島県始良市出身。台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。韓国、中国、台湾、ベトナムでも翻訳される。内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室「暮らしの質」向上検討会委員(2014‐2015)。日本ペンクラブ会員

 

【No1804】なぜか好かれる人の小さな習慣 自然と印象がよくなる88のヒント 日々のささやかな行いが、あなたの魅力と品格を育てる 有川真由美 毎日新聞出版(2024/12)

べらぼうな蔦屋重三郎は、男からも魅了される人物だ。

彼を読み物から推測してだんだんと知って触れ合っていくうちに、彼の魅力に取り込まれていくようになってきました。

彼は、人とのご縁を大事にしました。

同じく一世風靡した人気作家たちに大層好かれていました。

冷静なこころと判断力、決断力に優れていました。

そして、熱い心意気がある鯔背な男だったようです。

 

80P 重三郎と愉快な仲間たち

素早く流行に乗り、大衆が望んでいるものを見極め、それを惜しみなく与える。これは重三郎が成功を収めたことができた所以の一つです。重三郎には確かに天才的な審美眼がありました。「たぶんこうしたらいいんじゃないか」と予測したことがすべてそのとおりになるという神がかった力もあったのだと思います。

 

(中略)

そんな中、重三郎の周りには多くの人気作家が集います。版元が原稿料を支払う慣習を作ったこと、飲み会で楽しい設定をしてくれること、もちろんそれらも重三郎の魅力です。でもそれだけで作家たちは重三郎を選んだのではありません。

作家連が重三郎をよしとした理由は、その冷静さにあります。加えて判断能力、決断力です。文章を書いたり、絵を描いたりするほうの才能を持って人間は、おおよそ冷静さにかけています。バランスをとるように、自分に無い部分を重三郎に求めたのです。理屈の通ったやり方をする反面、熱い心を持つところも重三郎が気に入られた所以でしょう。

山東京伝一代記の中の一文です。蔦屋重三郎は器の大きい男だ。幕府からの処罰なんて物ともしていない。そう書かれています。作家たちが重三郎に寄せていた気持ちを見ることはできます。いい男だ。ついて行きたい。そう思っていたのはよくわかります。

 

 <目次>

はじめに こんなべらぼうな生き方があった

第一章 蔦屋重三郎はこうして生まれた(蔦屋重三郎って何もの?出版人蔦重爆誕! ほか)

第二章 ビジネスマン重三郎(ヒット連発!黄表紙で天下取り、コネは保証力 ほか)

第三章 蔦屋と人気作家たち(新規事業は浮世絵で、重三郎と愉快な仲間たち ほか)

第四章 蔦重の聖地 江戸吉原はこんなところ(本当にあった公共遊郭 吉原、吉原概要 ほか)

第五章 生きた!燃えた!きらめいた!蔦重の時代 天明(花開く江戸メディア、改革と翻弄と ほか)

 

 

ツタヤピロコさん

作家。女傑。下町にある風俗街が地元。子供の頃からの本好きで、読破した本は数千冊。大学では江戸文化を学ぶ。天明期専攻。学生の頃からのディープな蔦屋重三郎マニアで多くの文献を読み漁ってきた。重三郎への一途な憧れから出版業界に就職を果たす。別著名でいくつかのヒットも執筆刊行、実はすでに社会現象を巻き起こした本を何冊かつくっているが「重三郎だったら、こんなもんで満足しないよ」と、ひとりいきり立ち、粉骨砕身、本を執筆し、つくり続けている。

どちらかと言えば男性へのアドバイスが多かったが女性側への視点もあり。

小説家の金原ひとみや島本理生、綿矢りさなどの小説のなかで描かれる人物や友人らの実体験など具体的な例を取り上げ紹介しながら、恋愛や不倫との関係を多角的にまじめに論じていた画期的な内容だったと思う。

 

230P「(相手から何か)奪う不倫は長続きしない」

236P「家庭がいる男との恋愛の一番辛いところは、絶対にこちらが終わりを決めなきゃいけないことだよ」

 

254P 恋愛だって最初からしなければ傷つくこともないし、誰かを無駄に傷つけることも、辛いのに言わなければいけないことを吐くことも、誰かに嫉妬して狂うほど悔しい気持ちになることもない。それででも人はどうしたって誰かに他の誰かとは違う感情を抱き、その人と特別な関係を紡ぎたいと夢想し、他の誰かとは違う扱いを強く望み、その人以外と似たような関係を持つのは不可能と感じ、それが手に入らなければあらゆる成功や富が無意味に思えるほど満たされない。

 

 <目次>

序章 たかが愛人の戯言、それとも…

第1章 不倫、愛人、純愛

第2章 絶望の不倫報道

第3章 婚外恋愛の現在地

第4章 女性作家の描く結婚の限界

第5章 愛人の本懐

終章 この結婚社会の片隅で

参考文献一覧

歌詞引用楽曲一覧

 

鈴木涼美さん

1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。日本経済新聞社に入社、記者職を経たのち執筆家・作家として活動

組織犯罪対策係の甘糟の出番もあった。

今回も阿岐本組の面々が活躍する話であり、義理人情に厚いヤクザの親分で組長の雄蔵、代貸の日村、組員の健一、稔、テツ、真吉。そして組長の兄弟分の永神が活躍する。

永神が阿岐本組にある相談事を持ち込んできた。

まずは神社に関することだった。神社でのお祭りの屋台が町内会でやることとなりいつものテキヤが祭に露店を出せなくなったことを憂えている。このことから、お近くのお寺で地元から除夜の鐘がうるさいというクレームが来ることにも発展していった。

必要悪と呼ばれる任侠。土地ブローカー暗躍の解決に向けて阿岐本組長の采配が光る内容であったなと。

 

今野敏さん

1955年、北海道三笠市生まれ。78年「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞しデビュー。以後旺盛な創作活動を続け、執筆範囲は警察・サスペンス・アクション・伝奇・SF小説など幅広い。2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、08年に『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞及び日本推理作家協会賞、17年には「隠蔽捜査」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞。空手の源流を追求する、「少林流空手今野塾」を主宰。