【No1803】べらぼうに面白い蔦屋重三郎 ツタヤピロコ 興陽館(2024/12) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
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一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

べらぼうな蔦屋重三郎は、男からも魅了される人物だ。

彼を読み物から推測してだんだんと知って触れ合っていくうちに、彼の魅力に取り込まれていくようになってきました。

彼は、人とのご縁を大事にしました。

同じく一世風靡した人気作家たちに大層好かれていました。

冷静なこころと判断力、決断力に優れていました。

そして、熱い心意気がある鯔背な男だったようです。

 

80P 重三郎と愉快な仲間たち

素早く流行に乗り、大衆が望んでいるものを見極め、それを惜しみなく与える。これは重三郎が成功を収めたことができた所以の一つです。重三郎には確かに天才的な審美眼がありました。「たぶんこうしたらいいんじゃないか」と予測したことがすべてそのとおりになるという神がかった力もあったのだと思います。

 

(中略)

そんな中、重三郎の周りには多くの人気作家が集います。版元が原稿料を支払う慣習を作ったこと、飲み会で楽しい設定をしてくれること、もちろんそれらも重三郎の魅力です。でもそれだけで作家たちは重三郎を選んだのではありません。

作家連が重三郎をよしとした理由は、その冷静さにあります。加えて判断能力、決断力です。文章を書いたり、絵を描いたりするほうの才能を持って人間は、おおよそ冷静さにかけています。バランスをとるように、自分に無い部分を重三郎に求めたのです。理屈の通ったやり方をする反面、熱い心を持つところも重三郎が気に入られた所以でしょう。

山東京伝一代記の中の一文です。蔦屋重三郎は器の大きい男だ。幕府からの処罰なんて物ともしていない。そう書かれています。作家たちが重三郎に寄せていた気持ちを見ることはできます。いい男だ。ついて行きたい。そう思っていたのはよくわかります。

 

 <目次>

はじめに こんなべらぼうな生き方があった

第一章 蔦屋重三郎はこうして生まれた(蔦屋重三郎って何もの?出版人蔦重爆誕! ほか)

第二章 ビジネスマン重三郎(ヒット連発!黄表紙で天下取り、コネは保証力 ほか)

第三章 蔦屋と人気作家たち(新規事業は浮世絵で、重三郎と愉快な仲間たち ほか)

第四章 蔦重の聖地 江戸吉原はこんなところ(本当にあった公共遊郭 吉原、吉原概要 ほか)

第五章 生きた!燃えた!きらめいた!蔦重の時代 天明(花開く江戸メディア、改革と翻弄と ほか)

 

 

ツタヤピロコさん

作家。女傑。下町にある風俗街が地元。子供の頃からの本好きで、読破した本は数千冊。大学では江戸文化を学ぶ。天明期専攻。学生の頃からのディープな蔦屋重三郎マニアで多くの文献を読み漁ってきた。重三郎への一途な憧れから出版業界に就職を果たす。別著名でいくつかのヒットも執筆刊行、実はすでに社会現象を巻き起こした本を何冊かつくっているが「重三郎だったら、こんなもんで満足しないよ」と、ひとりいきり立ち、粉骨砕身、本を執筆し、つくり続けている。