朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -168ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。



よりよく生きていくことが、終わりにはよりよく死ねることだと気づきます。



幸せな最期を迎えるためには、正しい終活をするべきだという。


そのために、この本での終活のやり方が書かれてありました。







 


葬儀では、家族の愛情がどれくらいだったのか。


生前の人との付き合いがどうだったのかがわかるといわれます。





 


今までの人生をそのままにしておくのではなく、あるべき時期に過去を振り返ってみることが必要なのかな。



例えば、反省すべきところ、改善するべきところはないか、自分はこれから何をしていきたいのか、家族とどのように付き合っていくのか、などを考えることが大切なのかな。



そうするとそれらをこれからの生き方に活かしていけますよね。




そういう姿勢を持ち続けていたい。



 









 <目次>

はじめに 

第1章 流行の終活、実は9割の人が失敗している(終活ブームの裏で、暗躍する悪徳業者、「遺言したから安心」は大間違い ほか)

第2章 終活ビジネスに潜むワナ 悪徳業者の餌食にならないためにおさえておきたい6のポイント(葬儀ビジネスは国内2兆円市場の“金のなる木”、葬儀社のレベルの格差が広がっている ほか)

第3章 すべてのトラブルはお金が原因。賢く財産を整理する(財産を賢く遺すために財産を整理する、財産の整理を通して自分の価値観に改めて気づく ほか)

第4章 家族に負担をかけない、自分らしい葬儀と供養スタイルを決める(あなたが死んだときのことを考えてみる、お骨の供養方法を決める ほか)

第5章 正しい終活で本人も家族も大満足した成功事例(これからの人生 やるべきことをリストにする、エンディングノート作成はセミナーを利用する ほか)

おわりに





◎愛知県豊田市生まれ。2005年、株式会社FUNEの代表取締役に就任。葬祭関連事業を幅広く手掛ける。2011年、週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350社納得度ランキング(2月14日発売)」にて、全国1位を獲得している。葬祭業者のための専門学校「フューネクリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続けるほか、終活のプロとしても全国で講演多数









◎186P

人生はそれぞれですから、終活にこれというルールや厳密に踏むべき手順があるわけではありません。ただ、自分の歴史を振り返り、大切なものを確認し、整理して、最期に向けて準備しておく。そのためにできることから始めていけば、それが自然とあなたらしい終活になっていくのではないでしょうか。

終活をすることで、残りの人生を一層輝かせることができ、見送る人にとってもよい思い出となる葬儀をすることができます。自分のため、家族のために終活をエンジョイしていただけたらと思います。







 

 

◎187P おわりから

駆け出しから毎日のように葬儀と向きあって気づいたことは、葬儀とは究極のところ、家族の物語であり、その日までに家族同士でどんな愛情を交わされてきたかの答えなのだ、という事実でした。大切な家族を亡くされたご葬儀は、悲しみと共に家族と故人の間に通う慈しみにも溢れています。そんなご葬儀をお手伝いできたときは、感動してもらい泣きをすることもしばしばでした。


 






「サングラスをかけた謎の女」


弱いところをついてくるずるい女。


知らず知らずに中に入り込んできてそこから抜けられなくなる。


最初はなんとなく優しく人に近づいてくる。


他人になりすまして甘い話で獲物を寄せ付けて、お金を搾りとれるだけ搾りとるとさっと姿を消してしまう。


人を食い物にして、別人に成りすましてしまう。


人の心の弱いところをつかんで引っ張り込む。


まさしく食虫植物の「ウツボカズラ」のように生きのびてきた女。



こんなような人って世の中にはいるんじゃないかなと思う。





「うまい話には裏がある」


身近にそんな人があらわれたらどうしようかと思ってしまう。


終盤は、目まぐるしい展開でスピードが早い。


ページを繰る手が止まることなく最後まで一気に読み進めることができる。


巧妙に仕掛けられた完全犯罪が崩れる!


神奈川県警の刑事・秦圭介と鎌倉署の美人刑事・中川菜月とがこの事件を追っていく神がかりのラストの展開がすごいと思う。







◎1968年岩手県生まれ。2008年『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』受賞しデビュー。

12年『検事の本懐』で第25回山本周五郎賞にノミネート、13年同作で第15回大藪春彦賞を受賞







68P

警察社会は上意下達の世界だ。個人の思惑など関係ない。相手が親の仇でも、上から組めと言われれば従わなければならない。






158P

双方のあいだには、共通した幸せの定義がない。いい大学を出たから幸せが保証されるとは限らない。学歴がないからといって、不幸なわけでもない。どんな境遇にあろうと、胸を張って笑える人生を送れる者が、幸せなのだ。



歌手・女優・書評家の小泉今日子さん。


キョンキョンは、なんてたってぼくにとってはアイドル。



彼女の優しい気持ちと感受性の強さ、巧みな文章などに触れることができて嬉しい限り。



彼女の書評を読むと「その本が読みたくなるというところが、何よりすばらしい」と久世光彦さんからの物凄いお褒めの言葉があります。




歌手として大衆を賑わし惹きつけてきた経験、女優としていろいろな人を演じてきた経験、また一人の女性として苦悩して生きてきた経験などによって、総合的な彼女の魅力が文字から溢れ出てきています。





彼女の読書体験を知ったら、本を読むことっていいものなんだなとみんなに気づかせてくれるものではないかと思いますよ。






 <目次>

はじめに 

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

特別インタビュー 読書委員の十年間を振り返って




◎1966年神奈川県生まれ。歌手、女優として、舞台、映画、テレビで幅広く活躍。著書に「小泉今日子の半径100m」「小雨日記」など。







◎9P「はじめに」

本を読むのが好きになったのは、本を読んでいる人には声を掛けにくいのではないかと思ったからだった。忙しかった十代の頃、人と話をするのも億劫だった。だからと言って不貞腐れた態度をとる勇気もなかったし、無理して笑顔を作る根性もなかった。だからテレビ局の楽屋や移動の乗り物の中ではいつも本を開いていた。どうか私に話かけないで下さい。そんな貼り紙代わりの本だった。それでも本を一冊読み終えると心の中の森がむくむくと豊かになるような感覚があった。その森をもっと豊かにしたくなって、知らない言葉や漢字を辞書で調べて書き写すようにした。学校に通っている頃は勉強が大嫌いだったのに退屈な時間はそんなことをして楽しむようになった。




237P

家から一歩も出ないのに、宇宙でもどこでも行けるのもそうだけど、本を読みながら自分のこと、誰かのことを考えるっていうことも、私にとっては大事だったような気がします。(中略)

本を読みながら、自分の頭の中がちょっと整理できることがある。「あぁ、なるほど」ってね。








◎241P

きっとね。話す言葉とかも確実に変わっていると思います。あと、何かを人に説明することがうまくなっている気もするなあ。十年前より知った言葉もたくさんあるし、いろんな人に会って、いろんなお話も聞いている。とても勉強になりました。












本を好きになるヒントがここにあるのではないかな。




ネットでも簡単に手に入れることができるけど、実際に手に取って本を買いたいな。




実際に手に取って触れて、表紙や目次、奥付などを見ながら、なにかを訴えてくるのを楽しみたいな。




また、なぜその本がそこに置かれているのかという意味あいも味わいたいな。





さらに、そこの店員さんとの心からの交流が偶然に始まることが出来れば幸せだよな。





そういう意味を含めて、こんな本屋さんがあればぼくにとって最高だと思うのですよ。







主人公の小さい「奥さん」は、とてもピュアなハートでお節介焼きさん。




「切なくて愛しい人」





見ていると気持ちがほんわかしたり、涙腺が弛んだりしてしまいますね。





周囲に支えられて幸せに生きていってほしいなと、ついつい願いたくなりますね。








 <目次>

第一話 奥さんのお話

第二話 恋のお話

第三話 片想いのお話

第四話 あの本屋さんの、お話

高橋しん×書店員3名 にぎやか座談会





◎9月8日生まれ 北海道出身 1990年「ビックコミックスピリッツ」(小学館)でデビュー






19P

本はね

それ自体は食べられないし何の栄養もない。でもね、

人が、何年も、何十年も生きないと得られないような無数の人生がそこにあって生きる方法がこの中に沢山入っている

本を読む事は探し続けることです。

本を読む事は生きる事だと僕は思うんです。









49P

本を読むと明日が変わるんです。

書いた人の、伝えたかった事が本を通して、目を通して体の中に入ってしまったら

もう、昨日までの自分ではないんでず。

その人にとって、必要だったはずの本に出会い、読んだ時大きくても、小さくても違う明日になっている

その未来の笑顔を僕は見たいんです。









63P

本は、品物じゃないんです。

だって、食べれもしなければ何の役にも立たないでしょう?

なぜかって言うと、これ、本を書いた人と、本を作った人との「人に伝えたいって想い」を紙に書いて、描いて、値段を付けて売っているだけなんです。

誰かが最初に思ったんです。

どうにかしてみんなに、形にならない言葉や、絵や、生きる為の栄養を、届けたいと。

届け続けたいと。



ファミレスなどでの情景が素敵に描写されていますよ。



ぼくがときどき通っているファミレスで行われている出来事だと仮定しながら読んでいました。

  



ここで働く契約社員の真由子は、生真面目さん。


 

仕事に対する情熱が半端なくあります。



こんな真摯な態度の人ってさ。


この今の時代にいたっけと思うようなすてきな女性。



 


恋人や常連客に対する彼女の心の葛藤がいじらしいよ。
 


ぼくは、見ていたら感情移入してしまい、そっと声をかけたくなりますよ。



きっと!


  

お節介気味に。



「あんまりがんばりすぎないでね!」と。


 


◎1976年東京都生まれ。慶応義塾大学卒業。「憂鬱なハスビーン」で群像新人文学賞を受賞。ほかの著書に「憧れの女の子」「不自由な絆」など。

 


 



10P

「文字の並びがものを語り、景色を見せる」

 

 


57P

枝と枝の間から、通りの向こうの駐車場の看板がはっきり見える。きれいな髪飾りを思わせた白い花も、きらきらと光を集めているようだった青い葉も、少し前までそこにあったことなど嘘みたいに、冬の花水木は固く頑固そうだ。冷たく尖った幹と枝だけの姿になって、吹きつける風に耐えている。 


  

 


197P

誰も住まない家は、少しずつ荒んで、不吉な気配を宿してゆく。その不吉さは自然に還るための禊なのかもしれない。気持ちの濃度は少しずつ薄れる。何事に対しても、それは少し悲しいことだけれど、安心なことでもある。  


 

 


201P

書いたものがボツになった時の太田の気持ちを思って、真由子はいつも苦しかった。その頃には太田の創る物語が、スゴロクを作るように理詰めで書かれているものではなく、水玉模様の思い出や経験を彼にしかない笑いや愛や夢といった接着剤でつなぎあわせた、彼の分身そのものと知っていたから。


  


 


244P

真由子は笑いかけて黙った。桜井が、まじめな顔をしていたからだ。

「やっていることと、その報いが、ちゃんと比例した世の中じゃないと、この子を育てていく自信が持てないから」桜井はそう言った。


 

結婚と離婚を繰り返している。

 

 


ぼくはそのノリにはなかなかついていけないな!

 

 

 

子どもためなの?

 

それとも自分のためなの??

 

 

 

主人公の豊永は主体性がない人間。

 

 

 

何よりも妻の成恵はどうなの!

 

 

 

その気持ちに対して感情移入がまったくできない。

 

 

 

 

自分の連れ子が豊永を嫌うことには、なにもフォローもない。

 

 

 

 

自分の夢を叶えてくれる人がいるからと、その人と結婚したいからと豊永とあっさりと離婚してしまう。

 

 

 

 

また、あの結衣も妙に豊永にモーションをかけてくると思えば、元さやに戻ってしまうという展開。

 

 

 

うーん。わからない!

 

 

 

ぼくにはついていけない。

 

 

 

時代がそうならば、ぼくは遅れているということ?

 


 

 

 

これが新しい家族の形なの!

 

 

 

 

うーん。

 

これが「その愛の程度」なのかどうか、ぼくにはわからない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 <目次>

暗転の七月

退転の八月

横転の九月

空転の十月

好転の十一月

急転の十二月

 

 

 

 

◎1968年千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」でオール讀物新人賞、08年「ROCKER」でポプラ社小説大賞優秀賞を受賞。ほかの著書に「ホケツ!」など

 

 

 

 

41P

おれは菜月を愛しているか。

愛している。つもりだ。

ただ、完全に愛しているのは無理だと、初めからわかっていた。成恵が菜月を愛するのとまったく同じ度合いで菜月を愛することはできない。それを踏まえたうえで、愛そうと努力するべきなのだ。その努力こそを、愛と見るべきなのだ。

人を愛することがどういうことなのか。それは本当によくわからない。この人好き、と感じれば愛したことになるのか。そう感じたうえでセックスをすれば、愛したことになるのか。あるいは。血がつながっていれば、それだけで愛しているということになるのか。血がつながっていれば、誰でも愛せるのか。

 

 

 



堂場さんのアナーザーフェイスシリーズ第6冊目、一気読みしました。



主人公の大友は冷静だが、彼の内面の変化を重点的にそして赤裸々に描写しているところに気持ちが惹かれます。




高速バスの事故と主人公の息子がサービスエリアで行方不明なったこと、


そして、高速バス会社への脅迫やバスジャックをした理由などとの関連性がわかってくるとなおさら面白くなってきますね。




 <目次>

第一部 行方不明 7

第二部 脅迫 151

第三部 バスジャック 290




◎1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。2000年に『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞




107-108P

大友は優斗の肩に手を起き、駐車場まで連れて行った。高木の車の中で二人きりになると、ようやくほっとする。自分もこれまで、被害者の家族にこういうきつい思いをさせていたのだろうか……警察に話を聴かれ、現場検証につき合うだけでも、大変なストレスになるだろう。これからは、いろいろ考えて仕事をしないと、と反省する。

ただ、自分がいつ普通の仕事に戻れるかは分からない。




244P

一つはっきりしているのは、自分は多くの物を抱えているということだ。仕事と子育て。それプラス恋愛をこなせるほどの余裕はない。そんな超人的な人がこの世にいるとも思えなかった。






367P

僕は何歩も後退したのだ、と大友は改めて自覚した。少しでも前へ足を進めないと、時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。その時頭の中で、小さな火花が瞬いた。一瞬で大きく膨れ上がって炎になり、頭を満たす。




ぼくは池井戸さんの作風が肌に合います。




あの半沢直樹シリーズのような池井戸さんらしい作品かな。



スカッとする気持ちになると予想されるような終わり方です。








「上司や周りの人たちに対して、自分の考えをはっきりと主張できたら気持ちいいだろうなあ!」





主人公にこのような気持ちが入り込めるところがいいですね。







企業や銀行、警察の3つの異なる舞台が複雑に絡み合っていて、最後まで展開が読めません!




とてもスリリングな内容なのでおもしろいですよ。






 <目次>

第一章 案山子

第二章 緊急支援要請

第三章 犯行動機

第四章 追跡

第五章 与信判断

第六章 解任動議

第七章 頭取決裁

終章 査問






◎1963年岐阜県生まれ。慶応義塾大学卒。98年『果つる底なき』(講談社)で江戸川乱歩賞、2010年『鉄の骨』(講談社)で吉川英治文学新人賞、2011年『下町ロケット』(小学館)で直木賞を受賞





◎79-80P

「坂東、君は当行に業務改善命令が出てもいいというのか」

「いいとは思いません。お上からうだうだいわれるのはまっぴら御免だ。ですが、そんな事態になった最大の原因は、その時々で正しい与信判断をしてこなかったからです。将来のビジョンもなく、その場限りの利益を追求したからに他なりません。一風堂のためでなく、担当者の出世のため、その場限りの利益のためにです。それなのに、この事態に陥ってもなお同じ過ちを犯すというのでは、まったく反省がないじゃないですか。業務改善命令が出ようがなんだろうが、与信判断はきっちりやるべきだと申し上げているんです」








◎134P

坂東が二戸に言葉をぶつけた。

「誰が、じゃない。銀行が投入したんだ。きちんとした手続きにのっとってな」

「違いますよ。手続きの問題じゃない。その時々の事なかれ主義がそうさせたんです。結論を先送りにして正しい与信判断をしてこなかった。ただ巨大企業だからという事実に左右されて本当の与信判断を怠った。それがこれだけの巨額債権に膨らんだ理由です。また同じ過ちを犯せというんですか」








◎188P

川嶋は、笑い飛ばした。「当行には毎年一流の人材が多く集まってくる。だがな、二戸の代わりはいてもお前の代わりはいない。上司としていろんな部下と出会ったが、もしかしてこの白水銀行を変えていけるかも知れないと思ったのは、正直お前が初めてだ。わかるか、俺がいいたいこと」

「一応、誉めていただいているということぐらいわかります」

「まあ、それぐらいがちょうどいい」



ぼくも図書館で暮らしたいと思っています。



作家さんのエッセイっていいものですね。



本音を語るから、辻村さんの優しい人柄が分かりますよね。



とてもピュアな気持ちがじんじんと心に伝わってきますよ。




周りの多くの人に応援されて見守られて書き続けてきた成果が花をひらいたのがわかりました。






「わかる!わかる!わかります!」



ぼくはこの文章にとても共感します。




278P

自分が小説を書いていることは、すでに伝えてあった。

素人の書いた、レポート用紙のつたない文章の束を、彼女を始めとする何人かの友人が読んでくれていた。今見返してみても、当時の文章なんて使い物にならないものが多かったと思うのに、彼女たちは、私に「きっとプロになれるよ」と言ってくれた。「続きが読みたい」と、書き続けることを許してくれた。

私は、フィクションの向こう側に行きたかった。作り手の側から、本の世界にかかわりたかった。

自分の名前や小説が刷られてインクの匂いを帯びることに憧れながら、だけどそんな日が来ることがまるで想像できなかった。

その時、彼女にこう答えた。

新刊を楽しみにしてもらえる作家になりたい。


そしてもう一つ。

自分の知らないところで、誰かが私の小説について語ってくれているところを見られたら、死んでもいい。今日、サイン会で並んでいる時に見たように。





これを読むと辻村さんがもっと好きになります。




想いに惹きつけられる作家さんですね。




これからも彼女の作品を楽しみにしていきたいし、感想を語っていきたい。





フィクションのこちら側から彼女を応援していきたい。






 <目次>

1 週刊エッセイ

2 好きなものあっちこっちめぐり――本と映画、漫画やアニメ、音楽も。

3 女子と育児と、もろもろの日々

4 特別収録 おじいちゃんと、おひさまのかおり

5 自作解説(というほどではないけれど、思うことあれこれ) 

6 直木賞に決まって

あとがき







○1980年生まれ。千葉大学教育学部卒業。「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞を受賞しデビュー。「ツナグ」で吉川英治文学新人賞、「鍵のない夢を見る」で直木三十五賞を受賞。






283P

作家になり、かつて憧れていたフィクションの向こう側に来た今だからわかることがある。

読者が作者以上に、その作品や、登場人物を愛することはある。自分が書いた以上のものを読者がそこに見ることは多分あるし、その意味で、作品は読者を絶対に裏切らない。そんな小説をこれからも送り出していきたいと思う。

私を生かしてくれた小説とフィクションは、そういう、とても優しい世界だった。

私をここまでつれてきてくれて、ありがとう。この恩に報いる道を、私はこの場所から一生かけて探していく。







藤原さんが考える読書の効能について書かれてあります。



本に向かう姿勢や読書に対する考えがぼくらと同様の人が書かれた本なので、読んでいて「なるほど」と納得する箇所が多かったのです。




 


読書習慣がない人や普段からあまり本を読まない人にとって、この本を手に取って読書が好きになれるのかどうかはわかりません。



しかしながら、読書を習慣化している人にとっては、なぜ本を読むとよいのかがわかるのではないでしょうか。




 


読書をしている人とそうではない人とは、ちょっと会話をしてみるとなんとなくわかりますね。



その言葉に深みがあるのかどうか、それがその人の知識となっているのかどうか。上辺だけでなく自分の意見(本音)をいっているのかどうか。




 


膨大な情報の中から、独自の納得できる答えを導ける人だけが、現代で大きな価値を生み出せる存在となれます。



本を読むことで、著者の知識と自分の知識がつながり、視野が拓かれます。



良い本は、著者と読者の対話を生み出して、自分の考え方をより洗練させることができるようになります。


こうした読書の効能は、読書が習慣化された人なら、誰もが納得できることでしょうか。




 


「読書を通じて知識のインプットを蓄積していかないと、自分の意見が出てこないという事実」



読書はいい。なぜなら読書をすることで他者の考え、価値観、物事に幅広く触れることができるから。


その結果、多角的な考え方ができるようになり、自分の頭で考えるようになり、自分の言葉で話せるようになります。




 


本を書くために膨大な参考文献や経験をもとにして書かれているのだから、それを少しでも共有することができれば世界が広がるのは間違いないことだろう。



”様々な著者の脳のかけらを集めること”で自分のものの考え方や視野を広げることができます。


そのために読書は必要なのです。


自分の興味のある分野以外にも、今まで避けてきた分野についても挑戦して、より多くの著者の方々の脳や知識のかけらを集め”21世紀型成熟社会を良く抜くための情報編集力を身に着けていかないといけないと著者が言っています。





 


「読む時期や自分の置かれた環境によって、本の受け止め方は変わる(中略)だからこそ、こだわりを捨てて乱読すべきなのだ」


「本には、人それぞれに読むのがいいタイミングがあります」 そのとおり!


 




自分が体験していないことまでを知りえることができて、読んだ本の冊数分の複雑な自分ができていく感覚があります。行ったことのない場所、見たことのない生き物、食べたことのない食べ物、そして過去も未来も脳の中で疑似体験することできます。




フィクション、小説であれ、体験を活かしたエッセイであれ、犯罪の裏側を探ったノンフィクションであれ、1冊の本のなかには著者が長い時間をかけて調べ上げた濃密なエッセンスがあります。その作業は、まさに著者の脳内で無から有を創造するものであり、貴重な体験を垣間見ることができます。


 




本を読むことは、多様性を認識することです。


ただ一つだけが正しい答えではなく、自分以外の考えを除斥するのではなく、他の意見を受け入れて尊重することで我々の社会が成立するのです。






 


自分の考えやものの見方の幅を広げる必要があり、その手段の一つとして読書があるのは納得できますね。




この本が読書の効能を伝えることで、多くの人たちが関心を持って本を手に取って読んでもらえるといいですね。








 


<目次>

序章 成熟社会では本を読まない人は生き残れない

第1章 本を読むと、何が得か?

第2章 読書とは「他人の脳のかけら」を自分の脳につなげること

第3章 読書は私の人生にこんな風に役立った

第4章 正解のない時代を切り拓く読書

第5章 本嫌いの人でも読書習慣が身につく方法

付録 藤原和博の「これだけ読んでほしい」と思う本50冊





 


◎1955年東京生まれ。東京大学経済学部卒業。教育改革実践者。東京都で初の民間校長として、杉並区立和田中学校校長を務めた。著書に「たった一度の人生を変える勉強をしよう」など。







 

 

◎57-58P

読書は、世界観を広げることに役立つ。読書をすることで他人が体験したり調べたりした知識を獲得することが可能になり、自分の内なる世界観の拡大に結びつく。

世界観が広がれば、さまざまな視点で物事や他人を見ることができるようになる。多様な視点を持つことは、バランス感覚を磨くとともに、人格的な包容力や寛容の基礎にもなるだろう。




 

 


 


◎139P「情報編集力」-つなげる力、要素を組み合わせて価値を生み出すこと。

これからの時代は、すでにある要素をどのように組み合わせて価値を生み出すかということが問われることになる。つまり、情報編集力に秀でた人材が社会をリードする時代になる。








◎178P

読む時期や自分の置かれている環境によって、本の受けとめ方は変わる。私という人間の意識はつねに変化しているし、時代背景も一点にとどまることはないからだ。はじめて読んだときはよくわからない本が、時を経て理解できることもある。

本には、人それぞれに読むのにいいタイミングがある。だからこそ、こだわりを捨てて乱読すべきなのだ。







 

 

◎183P

本当に自分に必要な本と出合いたいと思う人には、習慣化した「乱読」をおすすめする。

(中略)

外れる確率は高くても、偶然の出合いがあるほうが、よほど面白い物語になると思う。それは人生における人間との出会いと変わらない。

人生における偶然の素晴らしい出会いを、効率的に設定することなどできはしない。本との出合いも、同じなのである。数をこなそう。