ぼくも図書館で暮らしたいと思っています。
作家さんのエッセイっていいものですね。
本音を語るから、辻村さんの優しい人柄が分かりますよね。
とてもピュアな気持ちがじんじんと心に伝わってきますよ。
周りの多くの人に応援されて見守られて書き続けてきた成果が花をひらいたのがわかりました。
「わかる!わかる!わかります!」
ぼくはこの文章にとても共感します。
278P
自分が小説を書いていることは、すでに伝えてあった。
素人の書いた、レポート用紙のつたない文章の束を、彼女を始めとする何人かの友人が読んでくれていた。今見返してみても、当時の文章なんて使い物にならないものが多かったと思うのに、彼女たちは、私に「きっとプロになれるよ」と言ってくれた。「続きが読みたい」と、書き続けることを許してくれた。
私は、フィクションの向こう側に行きたかった。作り手の側から、本の世界にかかわりたかった。
自分の名前や小説が刷られてインクの匂いを帯びることに憧れながら、だけどそんな日が来ることがまるで想像できなかった。
その時、彼女にこう答えた。
新刊を楽しみにしてもらえる作家になりたい。
そしてもう一つ。
自分の知らないところで、誰かが私の小説について語ってくれているところを見られたら、死んでもいい。今日、サイン会で並んでいる時に見たように。
これを読むと辻村さんがもっと好きになります。
想いに惹きつけられる作家さんですね。
これからも彼女の作品を楽しみにしていきたいし、感想を語っていきたい。
フィクションのこちら側から彼女を応援していきたい。
<目次>
1 週刊エッセイ
2 好きなものあっちこっちめぐり――本と映画、漫画やアニメ、音楽も。
3 女子と育児と、もろもろの日々
4 特別収録 おじいちゃんと、おひさまのかおり
5 自作解説(というほどではないけれど、思うことあれこれ)
6 直木賞に決まって
あとがき
○1980年生まれ。千葉大学教育学部卒業。「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞を受賞しデビュー。「ツナグ」で吉川英治文学新人賞、「鍵のない夢を見る」で直木三十五賞を受賞。
283P
作家になり、かつて憧れていたフィクションの向こう側に来た今だからわかることがある。
読者が作者以上に、その作品や、登場人物を愛することはある。自分が書いた以上のものを読者がそこに見ることは多分あるし、その意味で、作品は読者を絶対に裏切らない。そんな小説をこれからも送り出していきたいと思う。
私を生かしてくれた小説とフィクションは、そういう、とても優しい世界だった。
私をここまでつれてきてくれて、ありがとう。この恩に報いる道を、私はこの場所から一生かけて探していく。
