「サングラスをかけた謎の女」
弱いところをついてくるずるい女。
知らず知らずに中に入り込んできてそこから抜けられなくなる。
最初はなんとなく優しく人に近づいてくる。
他人になりすまして甘い話で獲物を寄せ付けて、お金を搾りとれるだけ搾りとるとさっと姿を消してしまう。
人を食い物にして、別人に成りすましてしまう。
人の心の弱いところをつかんで引っ張り込む。
まさしく食虫植物の「ウツボカズラ」のように生きのびてきた女。
こんなような人って世の中にはいるんじゃないかなと思う。
「うまい話には裏がある」
身近にそんな人があらわれたらどうしようかと思ってしまう。
終盤は、目まぐるしい展開でスピードが早い。
ページを繰る手が止まることなく最後まで一気に読み進めることができる。
巧妙に仕掛けられた完全犯罪が崩れる!
神奈川県警の刑事・秦圭介と鎌倉署の美人刑事・中川菜月とがこの事件を追っていく神がかりのラストの展開がすごいと思う。
◎1968年岩手県生まれ。2008年『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』受賞しデビュー。
12年『検事の本懐』で第25回山本周五郎賞にノミネート、13年同作で第15回大藪春彦賞を受賞
68P
警察社会は上意下達の世界だ。個人の思惑など関係ない。相手が親の仇でも、上から組めと言われれば従わなければならない。
158P
双方のあいだには、共通した幸せの定義がない。いい大学を出たから幸せが保証されるとは限らない。学歴がないからといって、不幸なわけでもない。どんな境遇にあろうと、胸を張って笑える人生を送れる者が、幸せなのだ。
