
「なぜ本を読むのか」に関して、小説家の桜庭一樹の答えは「それが快楽である」
読書の効果を伝えてくれる本。
本を読むとどんなことが起こるのか、どんなふうに読むのか、そんな問いにこたえてくれます。
本を読むと広い視野を持つことができる。
本を読んで言葉をためていくと他者との間に深い了解関係が生まれます……。
「木を見て森を見ず」にならないように、俯瞰して物事を見ていきたい。
7P「読書は僕たちをグーグルマップにする」
教養を積むこと。とにかく大量の読書体験を積んでほしい。ある時突然自分がグーグルマップになって、摩天楼群を真上から見下ろし、入り組んだ迷路の全体像が見えてくるから。
どの道をどう通っていけば、自分の望む地点に到達できるか、おもしろいくらいに見えてくるから。
一つの答えに繋がる経験があります。できるだけ多くの読書経験をすることです。
14P クモの巣電流流し
苦悩の中にあっても、もしわたしたちの頭の中に教養がクモの巣のように張り巡らされていれば、ある時突然、そのネットワークに一筋の電流がほとばしり、あらゆる知恵や思考が一つにまとまり、人生の難題を解決するための最適解が見出だされることがあるのです。
こんな風に問題を解決すればいいんだ。こんな行動に出ればいいんだ。そんな答えが突如として閃くのです。「どんな壁にぶつかったとしても、自分はちゃんと乗り越えられる」
読書によって、いろいろなタイプの性格を持つ主と対話をすることができます。
32P 読書もまた一つの経験
わたしたちが直接経験できることは、残念ながらごくわずかにすぎません。自分が生まれた国や地域や置かれた環境に、わたしたちは経験も思考も多かれ少なかれ限定されて生まれてきています。どれだけ世界中を飛び回っている人も、この世界の何もかもを見聞きすることなどできません。
でも、もし望むならば、わたしたちはそんな直接経験の世界を読書によって広げることができるのです。
「一般性のワナ」自分が経験したことを、まるですべての人に当てはまることであるかのように、過度に一般化してしまう思考のワナです。
読書は、そんなわたしたちの視野をうんと広げる役割を果たしてくれます。
知らない、分からないことを知るって楽しい!
38P 不知の自覚の謙虚さ
読書経験を積めば積むほど、この世はまだまだ知らないことだらけ、わからないことだらけだということにも、わたしたちは否応なく気づかされるはずです。
自分の考えや感情を的確な言葉に表して伝えられるように、電子読書ノートに言葉を書き充実していきたい。
40P 言葉をためる、交わし合う
わたしたちが十分な言葉を持っていたなら、異なる他者との間に、より深い了解関係を築ける可能性が格段に強まるということです。
そのためにも、わたしたちは“言葉をためる”必要があります。自分の考えを、また感情を、もっとも的確な言葉に乗せて伝えられるように、たくさんの言葉を知る必要があるのです。そのためのもっとも有効な方法が、やはり読書です。
51P 1冊の本には、多くの場合、何人もの人の情熱や知が注がれている。
構造的な思考をすると、論理的な考えを表現することができるようになる。
53P 構造をとらえる
哲学書を読む際、つねに意識しておく3点
1 この本(著者)の問いは何か?
2 どのような方法でその問いを解こうとしているか?
3 答えは何か?
哲学的な本には、明示的であれ、暗示的であれ、問いと方法と答えが必ず存在しており、それをしっかりつかみ取ることがもっとも大事なことだからです。
このほうに構造をつかむ読書経験は、わたしたちが構造的に思考をし、表現する力もまた育んでくれます。
構造的に思考をするとは、論理的に考え、表現することができるようになるということです。
引用をメインにして、その引用の見出しをつけるという方法です。本の内容を確認したい時は、その見出しだけを読みかえせば読み直せばとりあえず全体像が分かるように心掛けて作っています。
本のエッセンスを定着させたいため、独りで読書するほか仲間たちとでカラオケに行くなど脳に適度な刺激を与えていきたい。
97P 1冊まるごとレジュメを作る
本の内容を一字一句覚えることではない、どの本にどんなことが書かれてあったか、そのエッセンスを摑んで、頭の中のネットワークに蓄えておくことです。
レジュメ作りは、そのための初歩的にして最高の方法です。ノートに残すことで、本のエッセンスを記憶に定着されることができるのです
<目次>
はじめに
第1章 読書の効用(クモの巣電流流し、道具としての知識、「勉強の仕方がわかったぞ」(?) ほか)
第2章 読書の方法(「投網漁法」から「一本釣り漁法」へ、読書会をやってみよう、図書の先生を大いに活用する ほか)
第3章 レジュメ(読書ノート)の作り方(1冊まるまるレジュメを作る、レジュメは本を読み終えてから作る、電子書籍や電子ペーパーを活用する)
あとがき
次に読んでほしい本
略歴〈苫野一徳〉1980年生まれ。兵庫県出身。哲学者、教育学者。熊本大学教育学部准教授。著書に「はじめての哲学的思考」「勉強するのは何のため?」「「学校」をつくり直す」など。