身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法 -43ページ目

身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

我孫子道院 道院長のブログ

我孫子道院のひとつの特徴に、親子で入門、修行している拳士が多いことが挙げられます。

これまでも7組16名の親子拳士が在籍していましたが、

この10月から、新たにもう一組の親子が入門してきてくれました~。

 

 

835期の新入門として、我々の仲間に加わってくれたのは、

A・UさんとK・U君の母子のペア。

 

はじめはK・U君を入門させたいと見学に来てくれたのですが、お母さんにも体験入門を勧めたところ、一緒に4回ほど体験入門に参加してくださり、二人そろって、今月から正式に拳士の仲間入りとなりました~

 

これで母子拳士は、4組目。

 

父子拳士も4組もいるので、なんと道院全体の約1/3が親子拳士という割合に!

 

また親子以外でも、兄弟で学んでいる拳士も5組もいるので、

我孫子道院のカラーを一言でいうと

「ファミリー拳法」

になるかもしれません!?

 

なぜ、ファミリー拳士が多いのか?

それは少林寺拳法がスポーツ競技ではなく、

自己確立と自他共楽を目指す禅門の行であり、

合理的な剛柔一体の技の運用と、それを身につけるための優れた教導システムが用意されていて、

入門者の性別や年齢に制限がないから。

 

また肉体面だけでなく、座禅を組み、精神修養も重視しており、技術と平行して、人間を学び、人間を知り、人間としての生を問う、教義も学びます。これも大きな魅力に違いありません。

 

さらに、技術の修練時には、二人一組になって、互いに技をかけあって、ともに楽しみながら、身体と心の調和、自分と他人との調和を学べるシステムになっているので、親子のコミュニケーションを深めるには最適なのです。

 

それに加えて、我孫子道院でファミリー拳士が増えてきているのは、

すでに学んでいる先輩拳士たちが、みんな真剣かつ和気あいあいと、稽古に取り組んでいて、その雰囲気が非常にいいからだと自負しています。

 

だから、見学に来た方が、「やってみよう」と思うのではないでしょうか?

つまり、幹部拳士をはじめとする、道院に集う拳士一人ひとりのおかげです。

 

というわけで、我孫子道院では、Uさん親子に続く、9組目、10組目の親子拳士を募集しております。

もちろん、親子や兄弟でなく、お一人での入門も大歓迎!

 

前述の通り、雰囲気の良さが我孫子道院の自慢ですので、興味がある方は、ぜひ一度、見学にいらしてください。

お待ちしております。

 

一般部の女性拳士たち(↑)。

小学生の女の子も5名在籍していて、女性拳士が多いのも、雰囲気のよさの大きな要因。

 

男女に関わらず、

年齢層も幅広く、60代から小学校の低学年まで、みんな自分のペースで、コツコツ修行に取り組んでいます。

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『108

 

 

 

 

 

 

9月2日は、千葉県の昇格考試の日。

我孫子道院からは、この日、二段2名、初段4名の計6人が受験に臨み、

見事、全員合格しました~。

 

新たに

少拳士二段を允可されたのは、A・S拳士とS・S拳士の社会人コンビ。

 

准拳士初段が允可されたのは、

女子高校生のS・F拳士と、女子中学生のA・M拳士、同じく中学生のT・F拳士

そして少年部からは、小学6年のS・F拳士という顔ぶれ。

 

お盆前まで、技術も学科も少々不安なレベルで心配しておりましたが、

その後、夏休みを生かして特別修練+猛勉強(?)したおかげで、

合格発表の際、5名が成績優秀者として名前が呼ばれました!

(ビックリ!!)

 

そして、昨日が昇格考試後、最初の稽古日だったので、

准拳士初段に合格した4名には、拳士会から黒帯と有段者科目表をプレゼント。

 

 

 

4人の喜び溢れる表情が、何ともまぶしいではありませんか。

 

彼らには、有段者の仲間入りをした記念に、

準備運動&ストレッチのリード、
鎮魂行の主座、

(みんなの前に出て)基本突き・蹴りの号令

をそれぞれ手分けして担当してもらいました。

 

 

そんな彼らの黒帯初日にワタシが選んだ法話のテーマは、

釈尊の教えのひとつである

「不忘念の功徳」

(ふもうねんのくどく)

 

「不忘念」の「念」=「念ずる」とは、いつも心に思うこと。

少林寺拳法をはじめる人は、「少林寺拳法をやろう」と思ったからこそ入門するわけだが、

暑い、寒い、痛い、自分には向いていない、難しい、家族が、仕事が、勉強が、etc.と理由をつけて、

道場を去ってしまう人が少なからずいる。

いろいろ事情はあるだろうが、これらの人は、「やろう」と思った最初の心が、「念」に成長せずに消えてしまったということ……。

 

「念」という字は、「今+心」

初心が、今もずっとキープされてこそ「念」になるわけで、

釈尊も、修行者は、不忘念=念を失わないことが一番肝心で、もし「念」を失うと、もろもろの功徳を失い、道を成就できなくなると教えられている。

 

新有段者、そして新たに少拳士二段に昇段した拳士に一番伝えたいのも、この「不忘念の功徳」。

武道の最初の段位が、「一段」ではなく「初段」というのは、

もう一度初心に戻って、ここからが本当の修行のはじまりだということを自覚させるため。

「不忘念の功徳」の教えを、肝に銘じて、一層の研鑽を期するところです。

 

昇段しても気を抜かず、お互い怠らず励んでいきましょう。

 

6名ともまずは合格おめでとう!!

 

これからも、少林寺拳法の、そして我孫子道院の有段者として、誇りをもって、後進のお手本になる拳士を目指してください。

 

◆オマケ◆

 

懐かしい、黒卍の胸章

 

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『109

少林寺拳法は、釈尊の正しい教えと達磨の行法を現代に生かす、金剛禅の禅門の行。

 

その金剛禅の教えに共感、共鳴し、それを深く学んで、自分だけでなく、周囲の人にもこれを伝えたい、と発願した拳士は、

金剛禅総本山少林寺の僧侶(布教者)としての資格、「僧階」補任を申請し、師家から任命されると、僧階辞令を授与されます。

 

この度、我孫子道院から三名の拳士が、僧階編入を志し、8月1日付で僧階としての最初の資格、「少導師」に補任されましたので、

道院で僧階辞令授与式を執り行いました。

 

今回少導師に補任されたのは、

准拳士初段のM・T拳士

 

9月に少拳士二段を受験予定のA・S拳士

 

正拳士四段のS・M拳士

(新たに少導師になった拳士には、僧階辞令と輪袈裟、僧階教本が授与される)

 

もしかすると、

「わざわざ資格(僧階)なんて取らなくても、少林寺拳法の教えは大好きだし、教義については一通り勉強しているつもり」

という拳士もいるかもしれません……

 

じつはワタシ自身もそう思っていた一人で、道院長として最低限必要な僧階「中導師」になったまま、10年以上、上位の僧階を目指そうとはしてきませんでした(汗)。

しかし、周囲の先輩道院長の強い勧めもあり、少林寺拳法創始70周年の年度内に大導師になることを約束し、今年の3月、大導師になりました。

 

 

正直、ある種の迷いを抱えたまま、大導師になったわけですが、

結論からいうと、やはり、上位の僧階に補任されることは大いに意義のあることでした。

道場では、門下生に、「実力もないのに、昇級・昇段を希望するのは論外だが、実力さえあれば、級位や段位はいらないというのは間違いだ。より上位の級位や段位を允可されることで、見ている視界が変わり、精神的にも技術的にも、その資格にふさわしいレベルに、自然と成長していく力が、武階あるいは法階に秘められている。しかるがゆえに、指導者から『そろそろ昇級・昇段考試を受験してみたらどうだ』と打診されたら、尻込みせずに、より熱心に修練に取り組み、積極的に考試に臨みなさい」と、常々指導してきたのに、自分自身の僧階に関しては、その教えを実践してこなかったことを反省しました。

僧階もまた、他者との比較ではなく、過去の自分に対してどれだけ成長できたかという里程標であり、大導師を補任されてから、大導師にふさわしい修行者を目指して、新たな勉強がはじまることを痛感した次第です。

 

こうした経験から、門下生にも積極的に僧階補任を目指してほしいと思い、呼びかけたところ、上記の3名が「少導師になります」と申し出てくれました。

 

打てば響く門下生を得て、本当に指導者冥利に尽きます。

 

「僧階に編入されたのだから」と力む必要はないので、

「いまから、ここから」の精神で、一緒に教えと向き合い、学びを深めていきましょう!

 

 

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『104

8月になり、今年も夏の一大行事、日本武道館で行われる

「全日本少年少女武道錬成大会」の季節がやってきました。

 

北海道から九州まで、全国189の道場から、約1500人が集まった、平成最後の錬成大会にチャレンジした門下生は、

小中学生合わせて27名!

 

今年は、千葉県大会が7月だったので、錬成大会に向けた準備期間が短いことがネックでしたが、

限られたタームの中で、出場拳士は一所懸命練習に取り組み、

ふたを開けてみると、

組演武で5組10名と、団体演武の2組14名が「優秀賞」を受賞!!

なんと24個のメダルを頂戴することができました~

 

 

彼らが健闘してくれた要因を分析すると、

①各リーダーが、リーダーシップを発揮してくれた

②県大会からの期間が短かったことで、逆に集中力が途切れなかった

③素直にアドバイスを聞ける子が多かった

④幹部拳士の協力や、他の道院支部の先生に演武を見てもらえる機会があった

etc.

 

 

結果は二の次、チャレンジする姿勢が大事、といい続けてきましたが、

やはり結果が出て、入賞した子の顔を見るのはうれしいものです。

 

一方で、自信を持って送り出しても入賞を逃す子もいるわけですし……

 

ただ、大会に出場するのも修行の一環。

無難な道を歩むのではなく、「アタック失くしては、チャンスはない」という精神で、

入賞した人も、そうでない人も、自分の可能性を信じて、次の目標へのチャレンジをはじめましょう!

 

宗由貴総裁、川島会長と記念写真

 

鈴木義孝先生(金剛禅総本山少林寺 元代表)ともパチリ

 

中学生の団体演武も入賞!

横須賀から応援に来てくれた、Mクンとニッコリ

4人の中学3年生は、今大会で錬成大会を卒業

有終の美を飾れてよかったね

小学生団体(4級以上チーム)は、組演武とW入賞の子も

 

緑帯だけで組んだもう一つの団体チーム。

リーダーT君の奮闘が光っていました。

明るさ自慢の女子拳士たち

今年は、大人の拳士が3名、大会スタッフとしても活躍してくれました

 

これで今年の大会行事は一段落!?

また来年まで地道な稽古に取り組んで、本質力を磨き、

新しい年号の最初の錬成大会のときに、日本武道館に戻ってきましょう!

 

出場拳士の指導補助、サポートをしてくれた幹部拳士、いつも応援してくださる保護者の皆さん、拳士の演武にアドバイスをしてくださった先生方、そしてご尽力いただいた審判の先生、大会スタッフ、関係各位に感謝します。ありがとうございました。

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『108

夏休みに入り、恒例の夏合宿を7月27日・28日に行いました。

宿坊は、普段の修練の場である我孫子道院の専有道場。

 

夏合宿は、みんなで寝食を共にすることで、拳士同士のコミュニケ―ショーンを深め、密度の濃い稽古を行う有意義な機会として、10年以上継続している、我孫子道院の中心的な行事のひとつ。

 

今年は台風12号の接近に伴い、初日は雨、二日目は大雨・暴風の予報だったので、屋外でのプログラムに支障をきたすのでは……と心配しつつのスタートとなりました。

 

初日のプログラムは、

13時~16時まで鎮魂行と易筋行(技術修練)の稽古。

 

ゲストとしていらしていただいた取手南道院の近藤先生(浦安スポーツ少年団 支部長)にも、ご協力いただき、小中学生はは1週間後の全日本少年少女武道錬成大会に向けた練習。

一般部は、資格ごとに分かれての稽古をみっちりと!

 

そして16時からは夕食作り

少林寺拳法では、技法の修練以外の日常生活に必要な作業も修行の一環として重視しているので、合宿での食事はみんなで自炊。

「キッチン少林寺」で、低学年の子は野菜洗い、中学年の子は皮むき、高学年の子は大人と一緒に材料を切って、合宿名物「卍カレー」作りに挑戦。

ご飯は二升半炊きましたが、あっという間に完食!

甘口カレーの「緑卍カレー」と辛口の「赤卍カレー」に二種類が完成

 

食後は、近所のスーパー銭湯「手賀沼温泉 満天の湯」で汗を流してリラックス。

徒歩での移動でしたが、雨の予報が外れて、雨具なしで往復できました。

 

この日最後、夜のプログラムは、法灯連綿について。

開祖は、敗戦後の日本で、将来の希望を見失った人々を見て、先行きの見えない、お先真っ暗な世の中の中で、たった一人で、「人づくりによる祖国復興」という灯を点し、少林寺拳法を創始された。
その灯ははじめはひとつだったが、開祖から直弟子、孫弟子、曾孫弟子……と広がり、暗い世の中を徐々に明るくしていった。

いま、みんなは開祖が灯した聖火を、先賢先達から受け取ってここにいる。

その灯は自分で起こしたものではないので、自分で絶やさず、必ず他人に伝えて、この運動を広げ、世の中をもっと明るくしていこう!

という話を、実際にろうそくに火を点し、その火を一人ひとりが手に持ったろうそくに移すことで実感してもらうという試みでした。

子供たちの中には、電気を消して、ろうそくを点けたらワタシが怖い話でもするのではないか! と思っていた子も(笑)

 

あとはお楽しみのフリータイムで、夜更けまで……

 

 

翌朝は眠い目をこすって、6時に起床

洗顔、身支度を終えたら、朝食づくり

メニューは「トン汁定食」

ハート形の人参なんて、おちゃめなカットも!

 

朝食後のレクタイムは、少年部OBの中高生による絵本の読み聞かせ

これが思いのほか好評でビックリ!!

 

そして

9時半から12時までは、合宿二日目の集中稽古

この時間は、ゲストの川崎稲田道院の綾部先生に、法話と基本のご指導をお願いしました。

 

その間にも台風12号は関東地方に接近中で、iPhoneには、「大雨、暴風警報」の文字も!

「これは、お昼の『流水麺』(流しそうめん)は難しいかも……」と思いつつ、雨雲レーダーをじっくり見ると、ちょうどお昼時は雨の合間になる模様

 

「これは宇宙の意志に違いない」と確信し、幹部拳士が事前に仕込んでおいた流水麺の舞台をてきぱきとセッティング

 

写真の通り、今年も楽しく『流水麺』で合宿を締めくくることができました~

 

(合宿初日 近藤先生と一緒に)

(合宿二日目 綾部先生とご門下の馬場拳士と)

 

参加した皆さんが、

善男善女・晴れオトコ&晴れオンナだったからこそ、台風の合間にすべてのプログラムをこなせたのでしょう。

合宿のテーマ、「自己確立」と「自他共楽」も及第点はクリア。

今年も豪華なゲストをお迎えし、楽しい合宿ができました。

近藤先生、綾部先生、馬場拳士をはじめ、ご協力いただいた方と天の配剤に感謝いたします。

 

道院の仲間は家族のようなもの。

本当の家族と違って、寝食を共にするのは合宿ぐらいしか機会がないので、より有意義なものにしたいと思っております。

次回の合宿も、意義深く楽しいものにしていきましょう。

 

差し入れも多数いただきました。

 

合宿初日の夕景

スーパー銭湯に行く途中の手賀大橋からの景色

あの気圧配置、あの台風の位置にもかかわらず、雨の影響をまったく受けなかったとは、何ともアメージングな合宿でした~

 

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『112