定光寺~夢の跡へ | 空想俳人日記
2011-07-22 20:15:10

定光寺~夢の跡へ

テーマ:俳人
夏草に 滅びの明かり ぽっと点き


 定光寺駅で下車した。その駅を降りると、庄内川が間近に見られるのと・・・。

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 そこには料理旅館で有名な千歳楼がある。その定光寺は千歳楼の火災の状況を見に行ってきた。この千歳楼、実は既に営業はしていない。2003年に廃業している(創業したのは昭和3年の老舗旅館)。

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 そして、何故か、そんな元旅館で、その後、8度も不審火が。2008年の8月22日の旧千歳楼の浴室と事務室の火事がよく知られているが、その前にも、その後にも火事があり、最も最近では、本年2011年5月.21日、旧千歳楼の客室で火災が起きている。
 ううむ。そんな火事場を物見遊山で訪れることに顰蹙を買うかもしれないけれども、実は、もひとつ気になっていたのは、中央線の旧トンネルである。実は、JR中央線の旧トンネルを愛岐トンネル群)といい、日頃は一応は立ち入り禁止なので見ることは出来ないが、愛岐トンネル群保存再生委員会なるNPOもあり、様々なご苦労の上に「旧国鉄中央線愛岐トンネル群保存を」という謳い文句で廃線跡地を巡るイベントも開催されている。

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 この中央線定光寺あたりのかつての旧トンネル(昭和41年に愛岐トンネルの完成で複線電化により廃線)については、ちょうど定光寺から東海自然歩道の玉野園地へ向かう入り口に御嶽神社の鳥居とともに殉職者慰霊碑が立っている。JR中央線の名古屋・春日井間が開通したのは、明治33年(1900)のこと。トンネルでの落盤事故や急斜面の大きな岩が崩れてくる事故で多くの犠牲者が出たと言う。

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 いや、廃線跡地でのイベントや工事殉職者と、旧千歳楼の不審火を結び付けようとしているわけではない。ただ、何故か、時々脳裏を掠めるのだ、ひっくるめて。

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 旧トンネルと旧千歳楼。蒸気機関車が勢いよくトンネルを走り抜けていった姿。そして、多くの宿泊客で賑わった旅館の盛況ぶり。もう過去の遺物かもしれない。
「滅びは明るい」誰が言った言葉だったか忘れたが、私の脳裏が暗闇に包まれると、暗中模索というか五里霧中の果てにポッと明かりが灯るのだ。そうした過去の遺物たちの明るみが。

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 定光寺駅から庄内川から流れる城嶺橋を渡り自然休養林の中、坂を登れば15分ほどで定光寺があり、紅葉の季節には紅葉狩りの観光客たちで今でも賑わうのだが。

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中日新聞:廃業旅館「千歳楼」で8度目の不審火 愛知・春日井:社会(CHUNICHI Web) 中日新聞:廃業旅館「千歳楼」で8度目の不審火 愛知・春日井:社会(CHUNICHI Web)

定光寺千歳楼
定光寺千歳楼 by (C)shisyun

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