こんにちは～
出雲大社の系列の神社の巫女を経まして。
教派神道の神職の資格を習得した占い師、白川葵です
本日も、お忙しいところ、ご訪問ありがとうございます。
初めての方も、よろしくお願い致します。
神様は、
複数の別名を持っていることが多いですが、
オオクニヌシは、
特に異名が多く、
六つもあります
その理由は、
神格が高くなるほど異名が多くなるとか
複数の地域の土着神話に根付くオオクニヌシの呼び方を統一したとか、
オオクニヌシとは、人間のの役職名であり、
各地域の長のことを示すので名前も複数になったなど、
諸説あります
しかし、
これ以外にも、
霊的な理由があり、
六つの別名は、
オオクニヌシの修行の過程を表わしているのです
オオクニヌシは、
古事記の一番初めには、
オオムナチとして登場します。
オオムナチは、
「大穴牟遅」とも書きます。
オオムナチには、
八十神（やそがみ）という多くの兄弟がおり、
その兄弟は、
因幡にいるヤガミヒメを妻に迎えようと、
兄弟同士で争っていました
オオムナチは、
兄弟にいじめられており、
兄弟全員の荷物が入った大きな袋を
担がされていたのです
袋が重いので、
八十神に遅れをとったオオムナチは、
海岸で、
全身の皮が剝がされ、
大泣きしているウサギを見付け
「真水で身体を洗い、
河口に生えた蒲（がま）の花粉の上で寝なさい」
と教え、
ウサギは言われた通りにすると、
傷が治ったのです
ウサギはオオムナチに
「ヤガミヒメはあなたが娶るでしょう」と予言し、
ヤガミヒメは、
ウサギの予言通り、
オオムナチを結婚相手に選んだのです
これが有名な
「因幡の白兎（しろうさぎ）」の話しです
すると、
兄弟たちは、
あの手この手で、
オオムナチを殺そうとし、
火で熱した大岩を落として
「猪を捕まえろ
」と
受け止めさせようとしたり、
大木の裂け目で、
挟みこんだりします。
オオムナチは、
二度も殺されるのですが
母神が蘇生させ、
このままでは、
又殺されてしまうと、
オオヤビコという神の元に
逃がします。
けれども、
八十神が、
まだオオムナチを追ってきたので
オオヤビコは、
「根の堅州国（カタスノクニ）のスサノオの元に行きなさい」と、
告げるのです。
ここまでが、
オオムナチ（大穴牟遅）の修行です。
これは、
オオクニヌシの最初の修行であったのですが、
実はこれは、
人間にとっての
重要な修行でもあることを意味しているのです
八十神に、
いじめられ
妬まれ
散々な目に遭っている
オオムナチは、
まさに、
大きな穴の中で、
遅れを取ってもがいている状態ですが
人間も、
このような状態になってしまうことが
あります
何をやっても、
上手くいかず、
トンネルの中にいるような気分で
周囲の人が、
着々と進んでいるのに、
自分だけが進まず、
悩みのループに入っている状態です
しかし、
オオムナチは、
「大己貴神」とも書き、
穴に落ちたような状態のときでも、
くさらず努力を続け、
不屈の精神や、
根性を身に付けた人のみが、
大きく貴い己（おのれ）になれることを
表わしているのです。
逆に言うと、
大きな穴に入り、
遅れてしまい、
もがきながらも、
そこから這い上がるような
体験をした者でないと、
自分自身への
本当の誇りが持てないことを
「大穴牟遅」と、
「大己貴神」の神名は
意味しているのです。
オオクニヌシの最初の神名が、
オオムナチなのは、
人が初めに必要な修行は、
大きな袋を背負わされて、
遅れを取っても、
「大己貴神」になることであることを示しており
大きな袋とは、
周囲の人がかかえる
悩みや
苦しみ、
怒り
妬みなどの
ネガティブな感情を象意しているのです。
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