アクリル樹脂といっても、製法の違いによって長所と短所が大きく変わってきます。

製法は2種類あって、押し出し材とキャスト材という名前で分類されます。

今回は製法について書いていきたいと思います。

 

はじめに、溶かして粘土状になっているアクリル樹脂を押出機に流し込みローラーから押しだして作る押し出し材という製法があります。

長所は、

・キャスト版より価格が安い

・熱加工しやすい

・溶剤接着に向いている

・板厚が均一である

短所は、

・温度や環境によって反りが出ることがある

・溶剤の使用でひびが入ることがある(ソルベルトクラック)

・加熱部分が融けやすいため、高速切削加工に不向き(分子量が粗い)

 

次に、上下に2枚のガラス板を重ねてその間にアクリル原材料を流し込み硬化させて作るキャスト材という製法があります。

長所は、

・押し出し材に比べ硬いので、反りが出にくく切削箇所に熱のかかる加工もしやすい(分子量が細かい)

・溶剤に溶けにくい。

短所は、

・押し出し版より価格が高い

・溶剤接着に時間がかかり強度も低い

・板厚にばらつきがある。

 

同じアクリルですが、製法が変わるだけで長所と短所がこんなにも変わってきます。

押し出し材は1度にたくさん作ることができるのでお値段が手ごろですが、キャスト材は1つずつ作るので手間も時間もかかるため、値段も上がってしまうというわけですね。

その分サイズや高さなど自由にアレンジがきくので思い通りのものができるのは魅力的です!

どんなものを作るのかによって選択する製法が変わってくるかと思いますが、参考にしていただけたらと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました^^