2303 :マイクロ・トランス採用ファンタム式MEMSマイク (第1編) | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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  これは何かの始まりにすぎないのかも知れない。

「Schoeps Circuit」に代表されるコンデンサマイクロホンのトランスレス平衡回路が定番となった現在、MEMSマイクの出力部をあえてトランス化し、EMCを改善した高品位実用性を探っています。

しかもただのトランスではなく、そのサイズが写真のように尋常ではありません。

 

今回のマイクロ・トランス(SMD ED8)は「これでやれ」と神様から与えられた課題のように感じます。

 

Probe T-1 (仮称)

 

 

 

  マイクロトランス「SMD ED8」とは何者だろう

 オーディオ回路で好き嫌いの分かれる「トランス」の存在、しかしながらマイクロホンにおいてはトランス式旧タイプやビンテージマイクにプレミアが付いたり、概してトランス式の評価が高いのが特徴となっている。

 

収音という役割の「マイクロホン」は決して物理特性の優劣ではない別次元のパフォーマンスが一義的、むしろ「物理特性」はそれを保証する一要素という位置づけ、回路は簡単な方が良い、それが世界的なセオリーであることはトップクラスの海外製マイクを幾つかみればすぐにわかります。

日本のAMP回路重視派を中心にその点の誤解がハマりやすい落とし穴となっている、マイクなのに。

 

良質トランスには一定の大きさが必要、しかしマイク設計において「目標サイズに収める」という宿命があり、トランス選択は大きさと音質との折り合いが最大課題となる。

 

今回のこれはどうだろう、「SMD ED8」・・・汎用トランスとしては超小型で優れているらしいが使用実例がまったく見当たらないので、自身が使ってみて実態をつかみたい。

 

入手は「SMD ED8 トランス」で検索すれば多数出てくるはず、中点アリとナシがありますので写真を見比べて同一物を選ぶことです、ここでは中点アリ使用。

入手先の信頼性に疑問があるためショップを特定せず個人責任で判断してください。ちなみに筆者の場合は5個、10個と3回購入しましたが2週間以内に届きまだ1度も事故っていません。

 

 

 

SMD ED8 超小型トランス(600Ω:600Ω タップ付)

小さくともこれは使えそうな第一印象。

「ニッケル鋼トランス」・・・つまり「パーマロイコア」使用トランスの言い換えと筆者は考えています。

 

 

 

パーマロイコアについて

 

ニッケル(Ni)+鉄(Fe)=パーマロイ          (株オータマHPより)

 

 

 

SMD ED8データ

注意:(メーカーのデータシート上の同相指示マークは誤です)

こちらが後日判明しています

 

 

 

 

まずは採用・試作で実態をつかむ

 

MEMSマイク以外一切のアクティブ素子を使わないのが特徴です。

 

 

 

(試作回路)

ICS-40730 2つの動作(SingleとDifferential)の選択は単に出力の大小だけでなくデーターシート上の相違部分を詳細に比較して決めれば良いと思います。どちらでもSN比は同一ですが細部ではSingleに軍配を上げざるを得ないファクターもあります。

 

ちなみにIM73A135V01の場合はICS-40730とはかなり異なる内部構成となっており「Differential Out」オンリーの設計です。

 

(Vdd電圧値は使用MEMSマイクごと注意が必要です)

 

 

※ 実験中の出力インピーダンス(OUT-Z 測定は抵抗置換法、1KHzにておこないました。

 

1.(ICS-40730 Single Out)

 

 

 

2.(ICS-40730 Differential Out)

 

 

その音

このサイズのトランスとしては驚異的な高音質ではあるがProbeⅡシリーズいうお手本からすると、やっぱりやや「トランス臭さ」を感ずる、なんだろうこの違和感は。

 

また現在の電磁環境からして「ローインピーダンス」とはいえ果たして600Ω~800Ωという古典的な出力インピーダンスで良いのか、という疑問もあります。

 

他のトランス(サンスイ、タムラ)との比較でも案外高品位であることで今後の究明とアレンジに大きな希望を持っています。

ただ、今回の音は何かが変!、それは確かなんです。

 

 

 

(第2編に続く)

 

 

 

 

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