2228 :世界の名機に挑む自作マイク(第1編)New「FetⅡmems・LzⅡmems」 | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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自作マイクには法則がある。

急所はマイクヘッド(カプセル、ユニット、MEMS品種)と実装状態にある。

小手先の器用さや、ひねくりまわした難回路もマイクには必要ない。

肝心なのは強い目標と強い意志、それ未満の結果にはなり得ないが得てしてそれを超える結果にはなり得る。

しかし考えすぎてまとの外れた道に逸れた努力は報われることはない。

 

 

  自作マイクは単なる「自作マイク」に終わらない

それは、メーカーにはない無限の可能性とその探求が許されているからです。

 

手近なECMを使って「プラグインパワー」で音が出た!、というのがはたして「自作マイク」といえるのだろうか。

国内の「自作マイク」大半はここで止まっているように思えます。

 

FetⅡ」「LzⅡなどファンタム動作を標準とした本サイトさまざまなマイクはこの悪習慣を断ち切り、「自作」とはいえあたりまえのコンデンサマイクであることを一義的に2009年より一定の影響を及ぼしてきたと感じています。

 

 

「MEMSマイク実用化プロジェクト」の中で、FetⅡ」「LzⅡをMEMS化したFetⅡmems」「LzⅡmemsは次元の異なるステップアップを果たしましたが、さらにその先へまいります・・・

 

new 「FetⅡmems」の例:マイク先端部形状が少し変わった。

 

 

(FetⅡmemsとLzⅡmemsは回路部の違いのみです)

 

 

 

 

  「FetⅡmems」「LzⅡmems」のバージョンアップ

マイクフロント、スクリーンメッシュのふくらみが異なります。

 

 

すでにご紹介したFetⅡmemsおよびLzⅡmemsについてMEMSマイクならではのセオリーにもとづく見直しによるグレードアップをおこなった。

筆者のこの機種の場合、圧倒的長所を持ち緻密な音のマイクでありながら、特に「力感の薄さ」が指摘されていました。

 

それに答える形で再考するなか、結構費用をかけてラバリエマイクのロングラン傑作であるDPA 4060およびSanken COS-11D現物を入手して徹底研究するなかで自信の持てる改良結果を得ることができました。

 

2021年発表のFetⅡmems」「LzⅡmemsの可能性を塗り替え、結果としてヨーロッパおよび国産のロングラン名機の水準に達し、それを超えるマイクロホンとしてこのたび生まれ変わることができたと思います。

 

それはやはりProbeⅡ」「L-730memsの大ヒットに重要なヒントがありました。

 

 

 

  横の物を縦にする勇気を

自作マイクも一定のグレードに達すると、一層保守的になりそれまでの中途半端な教科書的常識に誘導され、もう1度引き戻される傾向があります。

再考して「それが正しい」と妄信させる「常識」という強いバイアスは、真に原理原則で考える事にブレーキをかけることがあります。

 

世界の名機を相手にするならば、ましてそれを超えようとするならば、その「思い込み」ともいえるバリアをいっぺん取り払うべきでしょう、専業メーカーでさえそうであるように。

 

「ズン」と前に出た! あきらかに変った。たったこれだけのことで。

 

MEMSマイク背面・周囲は「コの字形状の害」回避チューニングを脱脂綿にておこなっています。(化学綿厳禁)

 

MEMSマイク独特の10KHz以上の超高域ピークが可聴域に及ばないようになり落ち着いた高品位音にグレードアップ果たした。

 

 

 

 

  名ラバリエマイクとの競争はまだ進化の途中ステップです

ここではあえて同類の高級ラバリエマイクを比較対象にしました。

上から DPA 4060、SANKEN COS-11D、FetⅡmems(新)、FetⅡmems(旧)

 

 

DPA 4060SANKEN COS-11Dも小さなラバリエマイクでありながらクラシックのオフマイク録音までこなす優秀なマイクである。

今回、new FetⅡmemsはそれとの比較をおこなった。

 

可聴域の周波数レスポンスと音質的にはDPA 4060、SANKEN COS-11とも同格以上、SN比ではnew「FetⅡmems」「LzⅡmems」が群を抜いていることがわかる。

 

DPA 4060はSN比、音の豊かさ、超高域の表情(クセ)、およびSN比でFetⅡmemsに、LzⅡmemsにやや追いつかず、SANKEN COS-11はSN比、周波数レンジと音の細さの点でいずれもnew「 FetⅡmems」「LzⅡmems」にはあきらかに及ばず。

 

 

すなわちnew「FetⅡmems」「LzⅡmems」はこのクラス(6~8万)のラバリエマイクより遥かにグレードの高いマイクであることを意味します。

 

別途参考テストとしてAKG C-414XLⅡ、C-480B、C-451EB、C-38Bともおこなっており好結果を実感しています。

 

目指すべき峰はさらにその先にあるということ、つまりDPAも「4060」ではなく当然「4006A」などの無指向性トップクラスのマイクをターゲットにできる、まさに自作マイク冥利に尽きます。

これは妄想などではなく現実に信頼できる好結果を次々に得つつありますのでいずれご紹介したいと思います。

 

 

晴れ 一番確実なのは貴殿が製作すれば今のMEMSマイク特定品種がどれほど高いレベルにあるか、それが一瞬でわかります。

 

 

 

 

 

new FetⅡmems回路図

 

FETタイプは出力インピーダンスがやや高く、スタジオユース、延長距離は数10mまで

 

 

 

 

new LzⅡmems回路図

 

Lzタイプはローインピーダンス(110Ω)、3点吊りなど300m位までの延長対応です。

 

 

使用したMEMSマイクは「ICS-40730」こちらです。

 

 

 

第2編に続く

 

 

 

 

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虹 おしらせ

MEMSマイク使用、話題のProbeⅡL-730memsおよびFetⅡmemsおよびそのLzタイプなど、読者のみなさまからのご注文により優秀機種の手づくり製作を承っておりますのでお問い合わせください

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モノ作り日本もっと気出せ 

 

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