《これまでのお話》

大森亮尚『日本の怨霊』①-本が持っているパワー?

大森亮尚『日本の怨霊』②-見えない力

大森亮尚『日本の怨霊』③-生まれ変わらないでほしいと思われた?

大森亮尚『日本の怨霊』④-日付の改ざん?

大森亮尚『日本の怨霊』⑤-前世の人の想い

 

光仁天皇と井上内親王の関係について、著者の大森氏は、「何らかの亀裂があった」

と見ていました。「六十代半ばに達しようとしていた光仁天皇、五十代後半になっていた

井上皇后-普通これぐらいの年齢ともなれば程々に人生が練れてきて、妥協や諦め

などで角が立つようなことは避けようとするものなのに、よほどこの夫婦の間には

埋まらない溝があったものと思われる。」とも書いています。

 

その理由として、「たとえ藤原氏の百川などの陰謀があったとしても、廃后、廃太子に

するというのは最終的には天皇の決断だから、おいそれとできるものではない」と

述べています。

 

これについて私が感じたのは、たしかに「埋まらない溝があった」かもしれないけれど、

「角が立つようなこと」があったわけではないということでした。

 

愛情の対極にあるのは、憎悪ではなく、無関心。愛情と憎悪は、遠そうに見えて、

実は隣り合わせぐらいに近い感情であり、そこには心と心の交わりがあるように

思います。けれど、無関心の場合には、心と心の交わりは、何らありません。

お互いに無関心な関係だったからこそ、光仁天皇としても、百川や、もしかしたら、

高野新笠にそそのかされたときに、特に悩むことなく、廃后、廃太子にする決断が

できたのではないかと思います。いえ、決断ですらなく、「好きにしていいよ」程度の

判断でしかなかったのかもしれません。

 

ヒプノセラピーで感じた二人の関係は、光仁天皇から井上内親王に対しては

無関心な感じでした。井上内親王から光仁天皇に対しては、天皇の周りの人達から

見張られ、細々と難癖をつけられることに怯えて警戒している感じでした。

 

結婚当初はどうだったかわかりませんが、少なくとも呪詛の嫌疑をかけられた頃には、

『水鏡』にあるように、二人で双六をして、負けた方が勝った方に美男または美女を

紹介しよう、というような賭けをする感じではなさそうでした。二人の心の距離はかなり

あり、仲は冷え切っていたように感じたからです。

 

一方、渡来人の流れである高野新笠と光仁天皇は、相思相愛のように思えました。

これはヒプノセラピーで2度目に井上内親王が登場したときに感じたことでした。

そして、現世での対応する人は、光仁天皇が元夫で、高野新笠は元姑ではないかと

感じました。

 

また、この2度目の登場となったヒプノセラピーでは、藤原氏の政治的な陰謀の他に、

背後に見えない大きな力が動いていることを感じました。この見えない大きな力は、

具体的には、皇統を天武系から天智系に戻そうとする力、そして、皇統に大陸系の

血筋を入れようとする力だと感じました。

 

今、書いているシリーズの2番目の記事でも、奈良時代よりももっと古い時代からあった

「見えない力」を感じたことを書きましたが、これは「皇統に大陸系の血筋を入れよう

とする力」の方です。

 

次に、現世での二人、元夫と私の関係を見て行きます。

 

元夫には、Yちゃんというアジア系ハーフの従姉妹がいました。結婚後、夫の実家に

行き、元姑と二人きりになったとき、元姑から、

「本当は○○(元夫の名)をYちゃんと結婚させようと思って、家どうしでやり取りをして

いたんだけど、貴女が来ちゃったもんだから・・・」

と言われたことがありました。それを聞いて、「こんな非常識なこと(他の女性と結婚

させる予定だったこと)を嫁に言っちゃうんだ!」と、びっくりしたことを覚えています。

その後、元夫からも、「Yちゃんと結婚する予定があった」と聞かされたので、この話は

事実のようでした。

 

元夫は、息子が生まれた後からモラハラがひどくなりましたが、後ろで元姑が糸を引いて
いたようでした。当初、私はこれに気付いておらず、原因不明で急に関係が悪化したと

思っていましたが、初めてマリア先生のヒプノセラピーを受けた日に、

「旦那さんのお母さんが、後ろで糸ひいてるね」と教えてもらい、注意深く見ていったら、

まさしくその通りだったのでした。

 

でも、実は私が気付いていなかっただけで、火種はもっと前からあったようでした。

元夫が元姑に、「赤ちゃんができた」と電話で報告したとき、元夫は、

「お母さん、驚いてたよ」

とさらりと言っていましたが、後から聞いたところ、真相は、「なんでそんなことに!?」

と言って、慌てていたらしいのです。

元姑は、私の家柄が気に入らなかったらしく(なぜか地方出身の嫁は嫌だったらしい)、

心の奥底では、私が子どもを産むことを歓迎できなかったのかもしれません。

 

現世の元姑がらみの元夫との問題は、正直、かなり風変わりな事案だと思います。

ただ、これらの問題が、前世の、皇統を天武系から天智系に戻そうとする力(→現世の

家柄問題)、そして、皇統に大陸系の血筋を入れようとする力(→現世のYちゃんの件)

とリンクするように思えてなりませんでした。

 

私は昔から、ごくたまに、取らなかった選択肢をとった場合の現在や未来が視える

ような気がすることがあります。

2年程前のある晩のこと、息子を連れて元夫と住んでいた家から逃げていなかったら、

私は夫の異常性に気付かないまま精神を病んで、息子を育てられなくなり、

息子とも離れ、絶望して自死するという悲しい結末が視えたことがありました。

パラレルワールドが視えたのか、そこのところはよくわかりませんでしたが、

このヴィジョンを視たとき、背筋が凍るような思いがしました。

 

ヒプノセラピーで初めて井上内親王が登場したとき、井上内親王は現世の私に対して、

「逃げて」「今ならまだ間に合う」「でも、そのうちに二進も三進もいかなくなる」

「あの男は貴女が思っているより危険な人」と、鬼気迫る感じで伝えてくれました。

 

あのときは半信半疑でしたが、今なら納得できます。現世の私は、前世の人である

井上内親王に助けて貰ったのだと思います。

 

ただし、現実的には、マリア先生に出会って、ヒプノセラピーやレイキによって気付きが

もたらされた結果、離れる決断ができました。

 

ですから、こうやって命を救ってもらったことを、マリア先生にも井上内親王にも、

心から感謝しています。

 

大森亮尚『日本の怨霊』⑦終-カラスアゲハ