SONY HONDA Mobility AFEELA

ソニーホンダモビリティによるBEVの新Brand 「AFEELA」 のプロトタイプを披露したようだ。

2年前にVision-Sなるものを発表し、どこまでSONYが本気なのか不明だったが、車を見る限り、

生産も考慮された設計がされており、真面目に作っていることがうかがわれた。

車自体はマグナに丸投げであり、その結果、自ずと生産性も考慮されていたのだろう。

問題は販売の仕方で、まさかSONYが販売網を作るわけもないし、インターネットのみで

販売するやり方ぐらいしか思い浮かばなかった。(販売後のサービスとかどうすんだ?)

ところがその後、SONYはマグナからHONDAに乗り換えた。

これで、本田の生産設備を使うこと、販売のノウハウまた場合によっては販売網も

得ることが可能になった。

HONDAも願ったり叶ったりで、他のメーカーと違い、資本関係をどことも結んでいない

不安から少しながら解放された。

今回発表された車の名前は不明だが、メーカー名がAFEELAと言うらしい。意味は知らん。

マグナ製とは大きくスタイリングを変えてきており、大変クリーンである。

2025年受注開始、販売は2026年を目指すと思うと、いささか先進性が

足りないように思うが。。

 

ちと拝見。

 

斜め前から

無駄なキャラクターラインが排除されており、大変シンプル。

BEVは空気抵抗が大きな影響を与えるので、Cd値はかなり良いだろう。Mercedes EQSが

0.20とのことで、それに近いかもしれない。

もちろん、床に蓄電池を敷いているため、背はそれなりに高いだろう。

実車は大きく感じると思う。

(全長4895mm×全幅1900mm×全高1460mm、ホイールベース3000mmのAWD仕様と判明)

エアインテークは全く存在せず、BEVを強調している。

故に顔の表情を作り難いのだが、それを逆手にとって、敢えて何もデザインしていない。

考えたのは空力だけだろう。

ある意味、大胆な発想であるが、あまりにもシンプルである。

サイドを見てもリアフェンダーに少し膨らみがある程度で極控えめ。

ルーフが黒いのはやはり背の高さを軽減させるための処置。

6ライトのキャビンも個性は無く、どこかで見た造形。

なぜかドアノブが存在しないが、近づけば勝手に開くのかな?

法規制上、何かしら構造物は必要だと思うが。。。この辺りは不明。

サイドミラーはHONDA eと同様でカメラだ。

 

横から

シンプルさが強調されて見える。

鈍重に見えるのはキャラキターラインがないのと、背が高いため。それとファストバック的な

スタイリングによる。

ドアの下端にへこみを作って厚みを軽減させているのだが、効果は限定的。

キャビンが大きく、健康的なパッケージングに見える。

が、フロアが高いので、ちゃんと座らせるためにこのようなキャビン造形になったのだろう。

映像ではリアシート座面がかなり斜め後ろに下がっており、腹が圧迫されるような

感じだったが、、、

キャビンに対して厚ぼったい下半身。BEVはどうしてもこうなりがち。なのでSUVの方が作りやすい。

この厚ぼったさを消すためにキャラクターラインなどを駆使するのだが、この車はドア下端にへこみを

入れているのと、ルーフを黒くしたのみ。

シンプルさを優先した。

ハイライトがフロントからリアにきれいに入っているのが良く分かる。勿論加工しているため

こう見えるのだが、日の下ではここがぼやけるはずで、余計にぼってりと見えるはず。

 

斜め後ろから

まあ、これと言っていう事はない。フロント同様、バンパーの出っ張りがないため、

のっぺりしている。

そのままではリアが重く見えるため、段を作って一旦へこましてアクセントをつけている。

まあ、常套手段であり、手法としての新しさはない。

一直線に広がるリアコンビランプの処理も新しいとも思えず、2026年に出る車だと思うと、

物足りないような気もする。

リアトランクにわずかに分割線がある。スポイラーでも出てくるのでしょう。このリア周りでは

リアのリフトを抑えたいだろうから。

奇麗だけど、新しさは特に感じない。これだと街で埋没する。

 

総合的に見て

「今後のBEV」という課題に10年以上前にデザイン学科の学生が書いたスケッチが実車に

なったという感じですかね。

何も提案がなく、新しさがない。

昨今のSUBARUやTOYOTAの車と違い、大変クリーンでシンプルさが好ましいのだが、

これを商品として見ると、限りなく魅力に乏しい。

機能を優先したと言うかもしれないが、スタイリングに魅力がないのでは

売れないと思うのだが。

先述したが、10年以上前のモーターショーに出品されたBEV実験車のような趣がある。

しかも自動車メーカーではなく、部品メーカーの出品。

スタイリングについてホンダが口をはさんだのか不明(まあ、モデリングにあたって

手伝った程度か)だが、こんなの売れないと心の中で思って手伝っただろう。

 

SONYはメーカーになるつもりはないと言っていたので、やはりHONDAが作って売る、

という算段なのだろう。

蓄電池は儲からないので自分達では作らないので、どこかから購入する。

SONYはこの発表で、「モビリティの価値がソフトウェア、ネットワーク、

インターフェイスに変わっている」とのたまい、一つの例としてAFFELAのフロントの

「メディアバー」を上げた。

知性を持ったモビリティが光で語りかけるイメージとのことで、「クルマの外側と

コミュニケーションできる」

と自信ありげに語った。

この発言だけ切り取るとSONYの浅薄さが良く分かる。

こんなもんモーターショーでさんざん我々は見せられ、意味がないものとして

市販化されなかった機能だ。

真面目に言っているのかな?ちょっとずれているようにも思える。

メディアバーが光っている!

これが商品価値を上げると本気で思っているなら幸せ者だ。

滑っとした質感で気持ち悪い。とらえどころが少ないスタイリング。

 

 

インテリアは極シンプルで、テスラを模倣した感じ。

HONDA eのような雰囲気があるが、Vision Sでも似たような印象があった。

まあ、物理スイッチを無くす方向なので、これでも良いかもしれないが、

使い勝手は最低だろう。

BEVだと何で皆似たようなインテリアになるのだろうか。。

シンプル=何もしないことではない。何をしたいのかさっぱり分からないインテリアデザイン。

パネル並べるだけってのは誰でもできるよね。

ステアの上部が欠けている。と言う事は可変レシオ採用のPSでしょう。

レシオがころころ変わるステアなんて信用できないと思うけどなあ。

 

これがベースで今後の市販化に向けて法適合が行われていくはず。

Vision Sから2年かけて作った造形とはとても思えないほど稚拙だが、HONDAが入れば

少しは変わっていくかもしれない。

 

売りはSONYのエンタメの融合と自動運転 Level 3、ぐらいなもんだと思う。

車の中でゲームとか映画が見ることができます!ってそれがそんな大事なことかね。

それが売りになるのかな?

自動運転中だからこそ必要?でも意味ないlevel 3だしね。

 

個人的には殆ど興味はないが、採算合わないために開発 or 販売停止に

ならないことだけを願いますね。

 

Level 3 : レベル3(条件付自動運転車 ※限定領域)

特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の

全部を代替する状態。

但し、自動運転装置の作動が困難な際には運転手が対応しなければならない。

=>こんなの危険すぎるだろ。 

 

おまけ

Conceptがすべてに古いように見えるが、ちゃんとしたデザイナーがデザインしているのは

良く分かります。そしてモデラーもしっかりしていると思います。

プロの仕事です。

素人がデザインし、形にすると下記のようなことになってしまうことが多々あります。

驚愕しました。

S Disgnという会社が作って販売するという代物です。

工房によると、出品した車は、イベントにゲスト出演したハリウッド俳優などから

好評だったほか「1千万円出すから欲しい」という声もあった。今後、雨の日用の幌を

取り付けるほか、日本の公道でも走れるように改良を加えていく。

という目出度いお話だそうです。

まあ、好きにして頂戴ね。

どうやればこんなに醜く作れるんだろ。

フロントはぐちゃぐちゃ。

意味のない抑揚したフェンダー、アウトレット。

子供が作った紙細工みたいなリアフェンダー辺りなんかため息もでません。

これを見たら光岡さえも許せます。

色々な価値観があって、それを認めることが大事だと思いますが、こういう車を見ると本当に

メーカーのデザイナー、モデラーの方達は凄いなと感心します。

反面教師の位置付けの車であり、それだけでも存在意義があると思うことにします。