日産 キックス試乗

 

キックスに一般道、多少のワインディング、高速道路に乗ってきましたので、この感想を。

 

見てみて

スタイリングに関しては前回くどくどと書いたので割愛します。

気になっていたCピラーとリアフェンダー、ショルダー辺りの処理に関してですが、写真で見るよりも

綺麗にまとまっていました。

ライトの映り込みで、綺麗にラインが繋がっているか確認するのですが、一部だけラインの流れが

滞留している箇所があり、そこだけ歪んだように見えるくらいです。

おそらく僕のような素人がパッと見ても気が付かないくらい。

しばらくじろじろと見ていたら日産の人が“気になることがあれば聞いてください”と声をかけてくれたけど、

おそらくデザイナー、もしくはモデラーの人じゃないと答えられないでしょう。

こういった上の面と下の面が重なる箇所は非常に仕上げが難しく、破綻があってもうまく隠しているところです。 

まあ、どうでも良い話ですね。

気になるものではありません。

矢印の辺りにちょいと気になる点がありましたが、陽の下で見ても分からないくらいだと思います。

モデリングをやっている人にしかわからないくらいの微妙なものでした。

お疲れ様です。

 

フロントは何がVモーションか気になっていましたが、矢印の部分がVモーションを表しているそうですが、

もう日産はあんまりこだわっていないのかもしれません。

スタイリングは全体的にまとまっており、意外とこぢんまりと見えました。

このグリルの斜めがV motionとのことです。

まぁ、"V"ですかね。

この写真を見てもやはり顔を大きく見せたいと言う意図が伝わります。

立派なことは良い事と世界では思われています。おそらく。

 

触れてみて

ここでSpecのおさらいとしましょう。

全長×全幅×全高=4365×1800×1615mm

最高出力143PS、最大トルク315N・m。4WDのみに備わるリアモーターは同68PS、同140N・m

車両重量は4WDで1550kg。中々重い。

運転席に座る。

シートは少し沈み込みがあり、その奥で安定する感じ。シートバックの剛性は及第点。

シートを下げて、前後に動かし、ステアを調整。

ポジションに問題なし。

ステアリム剛性は2本スポークのためか、しなりが大きめ。

取り付け剛性ももう一息。TOYOTAはTNGAになってからこの辺に抜かりはなくなっています。

 

例のモノリスメーターはようやく反省したのか知りませんが、真正面でなくドライバーに向くようになった印象。

運転中も違和感がかなり減ったように思った。

シフトスイッチはコンソールの下側かつ奥の方に配置されており、しかもボタン式なので使い勝手の悪さは

最低だが、意外とシートバックから背中が浮くことなく操作できました。

どこかの試乗記にはブラインドタッチができると大嘘書いていましたが、酷い記事ですね。

絶対に無理です。

Rボタンだけ斜め下に押し込む感じになっていますが、これだけでどこにギアが入ったか分かる人は

日産の人でもごく一部です。

しかもさ、肘が浮いた状態で人差し指でこれを押すのは人間工学的にはNGですよね。

 

シフトノブがなくなって一等席にスマホの充電置き場とカップホルダーが設置されていますが、

車を動かすという行為よりも、そちらの方が今は重要なのでしょう。

もうちょい考えて欲しいです。こんな使い方あるかな?一等地ですよ!

 

質感は高く、クロス張りで、シフトパッドも多く使われ、お金がかかっています。

まあ、最高グレードで424万8200円なのだからそれぐらい当然かも。

ドアノブの操作感はクラウンよりも上です。

エアアウトレットが小さく低い位置にあります。

ハンドルを握る手に風が直撃し、不快極まりなかったです。

最近こんな車が多い。僕の車も角度によってはガンガン当たります。

Test driverの方は手袋しているから気にならないのかな?

まあ、言ったところで直さないでしょうけど。

 

リアに乗ります。

フロアとサイドシルの段差が大きく、足の運びはあまりよろしくないですね。

座るとトルソ角も適当で、座面の長さも問題なく、膝裏が全く浮かないとはいかないけど、

大きなネガはあまりなかったです。それなりにうまいパッケージングに思えました。

これならまあ合格でしょう。

惜しむらくはシートの出来でしょうか。もう少し座面を厚くできれば居心地も上がるのに。

問題はリアドアの内装の貧相さ。

フロントとは違い、ハードプラでステッチもなく、明らかに3ランクくらい下がった物を使っています。

最近の車では”あるある”だけど、ここまで差があるのも珍しいかな。

要はフロント重視という事なのでしょう。

リアのラゲッジの広さは車のサイズからすると適当? 

この手の車の基準がわからないので、相対的にどうなのか不明ですが、個人的には少し狭いと感じました。

悪くない室内空間です。

一応リアにもアウトレットがありますが、その小ささで意味あるのかな?

 

乗ってみて

乗った車はG e‑4ORCEで、一番お高いやつでした。

さあ、走ります。

軽いアクセルペダルは国産車いつもの設定。

これがどうもなじめなくなっている。

スルスルと車が動きますが、強烈な駆動系のフリクションの少なさまでは感じません。

金がかかるからね。

フェンダーの峰が立っているためか車両感覚がつかみやすく、運転しやすいですね。

これはリーフも同様でした。

デザインが良い仕事していると言えます。最近では珍しい。

50メートルインプレッションですが、特に感銘も受けず、なんか高い位置に乗っているなあと思うくらい。

車の挙動が良く分からんのです。

4輪の状況が掴めないというか。

 

アクセルを踏んでもいつエンジンがかかったのか全く不明。

たいへん静かで振動なく、以前のe-Powerと比較してその進歩の度合いは大きいと感じましたね。

素晴らしい。

アクセルを奥まで踏みます。

音もなく速度が上がっていきますが、モーターによるジャークを期待すると完全に裏切られます。

フロントとリアのモーターの単純合算すると211PS、トルクは前315N・m、リアは140N・m

(トルクは合計して良いのか僕は分からない)

それなりのOutputですが、どうも普通のICEの特性のような出力制御を行っています。

なんでも人間の期待する自然な加速度を再現しているとか、していないとか。

ちょっと期待していたものとは違いました。

Sports Modeにしても出力が上がるわけでもなく、極大人しいSportsでした。

ステアはこの手の車らしく、速くもなく、遅くもなく、自然です。

接地感やらダイレクト感とは無縁のもので、なんとなく頼りなさも感じますが、大変正確で、この車に

相応しいセッティングのように思いました。

もう少し重めの方が僕は好き。

さて、上り、下りの曲がりくねった道路を走ります。

e-4ORCEの本領発揮です。

普通では踏み込まないようなコーナーでアクセルを深く踏んでも、ドンドン頭が入ってきます。

違和感たっぷりですが、ロールも少なく、アンダーを出さずに車が入っていきます。

これはアリアB9でも同様に感じたことです。

三菱ランサーのAYCのようです。

聞けば、このe-4ORCEの制御技術は三菱が関与しているとか。

登りでも下りでも、関係なくフロントがはいっていく様はSUVの領域を超えています。

改めて驚きましたね。

乗り心地ですが、19インチタイアにもかかわらず、突き上げ感は少ないし、変な揺れもないし、

ロール少ないし、静かだし、ほぼ文句無しでした。

 

高速道路でもその快適性はかわりません。

プロパイロットでフラフラすることもないですし、安心感すらあります。

だた、ここでもアクセルを踏み込むと“さて頑張りますか”と言う感じでゆっくりとスピードが上がっていく。

うーん。。これは物足りない。

高速道路でのタイトなコーナーでもe‐4ORCEの効果はすばらしく、異次元の動きをします。

また、ピッチング制御も巧みで、車の姿勢が一定なのも、このAWD SYSTEMのおかげ。

モーターによる制御は本当に素晴らしいと再確認できました。

お見事!

日産復活か?

因みに一番高いグレードはダンロップで、中間グレードはハンコックのタイアを履いていました。

 

 

降りてみて

嫌なところは殆どなく、1時間余り大絶賛の試乗でした。

e‐Powerの進化ぶりも目覚ましかったですね。初めてNoteに乗った時のそれとは比較にならないくらい

うまい制御になっています。

走りにこだわらない人であればおススメ度満点です。

ここまでよく作り込んだなというのが正直な感想です。

素晴らしかったです。

では個人的な趣味嗜好による評価です。

まあ、はっきり言って魅力が感じられませんでした。

座る位置が高いせいか、どうも腰高な印象がずっと付きまといました。アリアでは感じなかったので、

HPの位置だけの問題ではないと思います。

また軽快感が余り無く、それでいて重厚感も感じず、言い方を変えると、良いもの感がなく、価格相応の質感を

あまり感じませんでした。

走りの質感が低いわけではないのですが、しっとり感が薄いというか。

安物という感覚は無いのですが、何か車が軽々しいのですよね。

例のe-4ORCEですが、確かに素晴らしい技術であり、いざという時の保険になりうる技術です。

でもあの挙動の素晴らしさを商品としてどれだけの価値があるか?

コーナーでわざわざアクセル踏んで、おー曲がる!なんて喜ぶようなキックスの購買層はごく少ないと

思うのですよね。

オーラNISMOなら映えると思いますが、キックスでは売りにならないと思うのですよね。

この辺りに日産の愚直さを感じますが、こんなことやっているから会社が傾くような状況を何回も

繰り返すのではないでしょうか。

もっとこの技術をアピールできる車に搭載すべきだと思ってしまいます。キックスはあまりにも

優等生すぎて、e-4ORCEのすごさがキャラクターとして伝わりにくいのです。

 

高次元で全てまとまっているせいもあって、車から降りるとキックスってどんな車だっけ?と考えてしまいました。

要は印象が薄い。

e-Powerとe‐4ORCEの制御の素晴らしさに驚嘆しつつも、キックスという車の性格が明確に伝わってきませんでした。

重厚感や、しっとり感は求めるべきものではありませんが、精度感やしっかり感はもう少し感じさせて良いと

思います。

文句はないのですが、Golfのような”良い車を運転している感”が薄いのです。

足りないものが技術なのか、思想なのか、COSTなのか定かではありません。

この車が目指したかったものが何であるのか、それをもう少し明確にできればこの車はより魅力的に

映るような気がします。

いや、これが目指した姿だ、と言うのであれば、それもありです。

ただ車の運転を楽しく思わせるために、もう少し工夫があればと。

ここまで無味乾燥な車は本当に珍しい。

言い換えれば、棘が無く、全方向に良くできた車であると言えます。

まあ、昨今、スタイリングと燃費が重要視されている訳であり、日産の思惑は十分に

達していると言う他ないのでしょう。

受注10000台の実力は十分に感じました。

少なくとも車好きなおっさんには刺さらなかったわけですが、そんな奴らは相手にしていません、と言われそうです。

 

お仲間

世界の情報、技術はNetworkのおかげで瞬時に世界中に広まり、共有化されます。

文化や、伝統、歴史は違えど、そこから生まれる発想や思想が似てくることもしばしばです。

それが同じような目標に向かっているとなれば、似たものが生まれる確率が高くなります。

 

偶然でしょうが、まあ、発想は全く一緒でしょう。

LEDによりヘッドランプが細くなり、フロントエンドのDesignの自由度が増しました。

またSUV、ミニバンの違いがあれど、そのフロントエンドの面積の大きさをどのように

埋めるか。

馬鹿デカグリルは一部地域で人気が高いものの、世界的には通用しません。

その一部地域のメーカーはそれをやったら猿真似、脳無しと言われかねません。

その結果、偶然にも似たようなものが生まれました。

 

爪のひっかき3本ラインと、デジタルV motionがあれば、とりあえずそのメーカーの車であることは

認知されます。

どちらのデザイナーも互いの車を認識した時に

「おぅ。。。」

と、唸った事でしょう。

こういう事もあるから面白いもんです。

 

プジョー3008

大きいピクセル意匠が中央に向って小さくなりグラデーションを描く。考え方は全く一緒。

こちらの方に動きがあり、面をきっぱりと折っていて、さっぱりとした印象。

洗練さ、新しさも感じさせる。

さすがにフランス車と言うイメージ。

エアインテークまでピクセルを残すなんざエルグランドと一緒。

 

エルグランド

比較すると急に野暮ったさを感じる。

やはりバンパーに刻まれた凹凸は蛇足のように思える。

重たさも感じるが、これはクラス最大のミニバンであるが故の処理だろう。

でも日仏の違いと言うか、やはりデザイナーの力量の差が出たような気がしますね。

 

売らなきゃいけない、と言う目標は一緒、着眼点も一緒ですが、こんなにも良くも悪くも差が出るんですね。

ま、エルグランドは今のところ日本専売なので、ちょっと土臭く仕上げたのかも。

 

おまけ

以前、Alfa Romeo 147に乗った時です。

156が出て世界中でAlfaが話題になっていましたが、147はそのAlfaっぽさが薄くなっていたように

感じたのです。

言い換えれば、Alfaの癖が薄まり、より普通の車になったとも言えます。

GTV、155,156と乗った後の147はインパネ、スタイリングを除くとどこの車だろう??と

思わせるものでした。

Alfa Romeoは世界で通用する車をまじめに作ったのでしょう。

その後登場する159も同様ですが、ドイツ車のようになりたい、と思ったのでしょう。

でも技術的にドイツ車に敵うわけありません。

ドイツ車の劣化版に過ぎなくなります。

その時思ったのも今回と同様で、Networkにより世界の価値観が同じ方向に向うのではないかと

いうことでした。

147は何かになりたかったのだろうと思います。

昔と今で違うのは、その速度が早くなっているという事ですね。

 

ちなみに147は2人の友人が乗っていましたが、一人は故障無しで長く乗っていました。

もう一人はインパネベタベタ、始動時にエンジンに異常な音がするようになって、手放しました。

直すのに金がかかると言っていたような。。

スタイリングはAlfaらしかったですが、運転すると意外に普通の車でした。

エンジンが意外に元気ないのも当時はAlfaらしくないと思ったものです。

この頃にしては珍しくトルクステアが顔を出すことや、セレスピードは変速ショックが大きく、変速時のアクセル操作が必須でした。

でも他の2 BOXと比較して楽しさは十分だったと思います。

 

 

日産エルグランド 写真で見ただけの感想

僕はSkyline信者だっただけあって、日産には贔屓目で見てしまう傾向があります。

これはいかん、と思っていても、どこかで期待してしまっている自分がいます。

これはもう仕方ないです。

直りません。

で、話題のエルグランドです。

今のところ何と言って良いのか、判断が付きません。

アルファードにあそこまで徹底的にやられていたにもかかわらず、FMCできたことが驚きです。

そして出て来た車が意外にもハイパーツアラーをモチーフにしていました。

結構テイストをそのまま生かした感じです。

あんなものただの張り子であり、まじめに考えたものではなかったと思っていましたが。

 

ちょっとだけ歴史

先々代は床が高いけど、FRでリアにマルチリンクサスペンション、V6搭載でかなりお金をかけて

日産なりの高級ミニバンを作っていました。

しかしライバルたちは分かりやすい豪華さと、FFベースの故の低床で台頭してきました。

大人数で乗るのであればトラクションと言う観点からFRが有利ですが、どうしてもエンジン、ミッション、

プロペラシャフトと床下に大きな物体がぶら下がります。

ライバルを引き離すためにFF化は必須と考えた日産はFF Dプラットフォームを使い、

低床化を実現させました。

走りのミニバンを実現すべく、低床、低車高の3代目エルグランドの登場です。

確かに床が低くなれば頭上空間も広くなりますが、背が高いままでは重心が上がり、

走りに影響が出ます。

そこで差別化の一つとしてわざわざ車高を下げ、重心を低くして走りに振ったのです。

エンジニアリング的には真っ当な考えであり、そういった愚直さは大好きですが、それが商品力に

繋がるかと言えば、残念ながら答えは明白です。

案の定、アル・ベル連合にいいようにやられました。

購買層はミニバンに走りなんて求めていないのですよね。

豪華で、威圧感があり、乗り心地良く、静かで、見下ろすことができる優越感を求めたのです。

リアサスペンションがTBAであろうが関係ありません。

下回りは覗かないし、乗ってマルチリンクとの違いが分かる人は極僅かでしょう。

エルグランドが峠をSports Carやレーシングカーと競い合って走るCMを見ましたが、やはりずれているな

と思わざるを得ませんでした。

TOYOTAの市場を見る目は確かです。もっと優先順位が高いものを十分理解していたのです。

(市場を作ると言う観点からも非常に長けていると思います)

 

下の写真は3代目

 

さて、何故エルグランドが生産停止することなく売り続けたのか謎ですが、長い沈黙を破り、

16年ぶりに刷新されます。

売れない車の生産中止は当たり前ですが、TOYOTAの寡占市場がおいしく見えていたのでしょうか。

何故この車を辛抱強く16年も日産が見捨てなかったのか、ぜひ聞いてみたいものです。

 

さて今回の4代目です。

ハイパーツアラーが出てきた時にあまりにも変な感じだったので、このまま出てくることは無いだろうと思いましたが、

そのエッセンスを十分にまとって本当に出てきました。

ちょいと驚きです。

 

日産はアル・ベル連合に負けた大きな要因はその背の高さである事が頭にこびりついていたため、

堂々とした躯体になっています。

ただ、アル・ヴェルとは大きく違い、メッキ類が殆ど無く、ピクセル形状の意匠が見られます。

日産はこれを組子と言っていますが、組子かなぁ。。微妙な感じ。

MC前のノートのグリルの方が組子に近かった。

高級感の表現の仕方として、日産は世界でも下劣さNo.1にノミネートされるようなアル・ヴェルの

ように安易で、派手な、醜いフロントグリルで高級感を演出したくはなかったのです。

気持は分かります。

同じ様な方法で高級感を演出しても真っ向から比較されてしまうだけです。

相手の土俵にわざわざ乗る必要はありません。

で、ピクセル造形。

う~ん。。

この辺りが全く理解できないというか、良く分からんのです。

写真だけでは良さが掴めないのです。

言い換えれば写真だけで見れば全くの阿保です。

正攻法ではなく、今の時代に即したDetailで、時間を超えるようなデザインには見えないのですよね。

実車を見ればその大きさや雰囲気で見方が変わるかもしれない、という淡い期待がありますが、

個人的にはちょっと腰が引けている状況です。

 

とりあえず、スタイリングに関して現段階での批評を。

グラデーションでフロントエンドを飾ります。

こういったデザインはデザイナーが手で書いたものではなく、CAD等でDesignした結果です。

一つ一つの形状、大きさが異なり、光の当たり具合など計算されて作られた造形だそうですが、

我々消費者にはそのような苦労話や、こだわりはある意味どうでもよく、目の前のそれが

どう映るかです。

差別化、誰にも似ていないと言う観点からは大成功です。

そして威圧感も十分に表現されています。

フロントエンドがのっぺりとしがちなこの手のミニバンにしてはこのピクセル造形、グラデーションで

奥行きも感じさせます。

逆スラントの造形も効いているのでしょう。

中々立派に見えます。

バンパーにも凹凸でピクセル形状が並びますが、ちょっと蛇足に見えます。

でもこれが無いと連続感が希薄になるので、追加したのでしょう。

バンパーはシンプルにまとめており、はの字に面を折っています。

そしてボンネットから斜めに下端に向ってcharacterラインがドーンと降りてきています。

これでフロントの顔を大きく見せています。

ハイパーツアラー同様に三角の面を持っており、大きな特徴になっています。

フロントはピクセル形状で細かく表現したため、それ以外にはチマチマした造形は作りこんでいません。

その対比が大変有効的で、この車を特徴づけています。

バンパー下端の開口部のピクセル造形は必要なかったのではないかと思います。

うるさいような気がしますね。

気になるのはデイライトのLEDが3分割されている事。

ここが一つにまとまっているとよりシンプルにきれいに、洗練されているように見えると思うのですが、

Costなのか、技術的なものか、意図的なものなのかぜひ聞いてみたいところではあります。

バンパーの凹凸の組子と言うかピクセルが蛇足のように感じます。なければ寂しいのかな?

 

サイドはデイライトから段差があるcharacterラインがリアに伸びています。

これはハイパーツアラーにはないものでした。

エルグランドは2代目までショルダーに段差を作らず、できるだけ室内の幅を広げようとしていたが、

3代目では緩やかなショルダーを作ってサイドの面の豊かさを作っていました。

4代目はきちっと面を折ってウエッジ状にリアコンビまで繋げています。

フロントフェンダーから現れるcharacterラインはリア行くほど下がっておりますので、それに呼応する

ラインが必要だったわけですが、これを明確な段差を持ったcharacterラインで表現するとは

思いませんでした。

ハイパーツアラーではウィンドウ下端にLEDを置いていましたが、エルグランドではそれができなかった

ための処置でしょう。

ハイパーツアラーです。ずいぶん大胆に攻めていました。

 

このラインが無いと、リアに下がっていくラインとの間で逆反りフェンダー処理ができないので、

どうしても必要なラインでした。

ただそれが段差を付ける必要があったのか。

邪推ですが、サイドにハイライトが明確に通すような面が無かったので、長さとエレガントを表現する

この段差characterラインが必要と考えたのでしょう。

カタログはどれもこの面が強調されています。

Body自体はスライドドア要件がり、あまり凹凸を作ることはできませんが、面が痩せないように

張りを作って下端では面を折って、ハイライトが当たるようにしています。

よくある処理ですが、アルファードと比べて大胆で、この車の全体的な印象からあっている処理だと思います。

Aピラーからルーフ周りをchromeメッキが流れていきますが、ルーフとの境目を明確にすると共に、

車の長さと勢いを感じさせる処理です。

当然アルファードも採用していますが、ただのメッキではなく、僅かに色を付けているところなんぞ

意地でもキラキラメッキを使わないぞと言う意思の表れです。

リアフェンダーとリアハッチバックに繋がる面はかなり絞り込んでおり、そのまま鉄板では技術的な面から

難しかったと思われ、コーナー部分はプラスティックになっています。

鉄板ではひけ、ヒビの恐れがあるのでしょう。

こういった部分はデザイナーのこだわりと、Costも厭わない頑張った部分でしょう。

それを実車でどこまで表現され、パッと見て目を引くか。

デザイナーのこだわりが必ずしも消費者に理解されない事があります。

ある意味、無駄なこだわりにもなりえてしまう、難しいところ。

部屋に籠ってうんうんうなっていると、俯瞰して見られなくなることが多々あります。

どんな具合に仕上がっているのか楽しみです。

上の絵はCGですが、リアフェンダー後方Dピラーとの面が苦しそうです。実車を見てきます。

 

横からこの車のリアを見ると、リアはくの字になっています。

Dピラーにパネルを張り付け、リアバンパーを斜め後方に飛び出しているためそのように見えると言うか、

その様に見せた。

どのような効果があるのか、色々考えたけど、動きがあるように見えるくらいか。

ハイパーツアラーがそうなっていたので、是非とも再現したかったのかも。

バックドアは結構表現が豊かで、このクラスならではの許された処理。Size的に余裕があるからできました。

セレナではこういう事はできない。

ハイパーツアラーはのっぺりだったが、あまりにもシンプル過ぎたのだろう。

リアコンビランプはシンプルで変な主張をしていないこの処理はアルファードへの強烈な意思表示でしょう。

アルファードのリアを見る度に僕は先代よりはマシになったものの、意図的な、これ見よがしな高級感の

演出に辟易してしまいます。

何と言ってもセンスが悪いのです。まあ、それを狙った車ですけどね。

まあ、ピクセルを並べただけと言うやり方も芸が無いと言うか。。。

カタログから。この車の協調したいところがしっかり表現されています。

カタログって修正の塊だから実車の雰囲気とか中々感じられないのですが、デザイナーの意図が明確になっているので、

スタイリングを理解するには良い材料です。

フロントからリアに引かれたcharacterラインがこれでもかと光を当てて強調されています。

これが無いと確かにぼやけますね。

 

エクステリアは基本的にこだわりがたくさんあって、アルファードとの差別化の意識が十分に伝わる

ものでした。

フロントグリルがフロントエンドを大きく覆うという方向性は一緒ですが、その表現の仕方はある意味斬新です。

まあ、これが良かったのかどうかは個人的には微妙な所ですね。

それでも差別化、王道、新しい高級感の演出。

ある意味達成できているのかなと思います。

 

インテリア

紫檀や銀雪をイメージした色彩だそうです。

インテリアの造形は最近の日産そのもの。

アリアに通じるセンスの良さと高級感は中々だと思います。

アル・ベルとは違うテイストで高級感を表現しています。センスの良さは光りますが、、、、

アルファードのそれ。インパネがサイドと繋げるのはSportyさの表現。車両感覚がつかみにくいのが欠点。

広さを強調していない。

LCDが手間に出ており、えばり過ぎている。目障りだよなあ。

高級感は先代よりも薄れた。

 

とはいえ、使い勝手はシームレスエアコンパネルを見る通り最悪。

ギアセレクターもセレナから始まったボタン式。

心地良いインテリアかもしれませんが、運転するには向かないという、高速移動体の操作系としては

失格です。デザイナーの暴走が凄まじいです。

またシートのアクセントとしてデコレーションステッチが入りますが、こういったステッチは本来座面や、

シーバックに使うもの。

ステッチを入れて、革の硬さを緩和させ、伸び、ヨレ防止のために使用する意味合いが強いのですが、

あくまでもエルグランドは高級感の演出に使っています。

それもありですが、しっくりこないのが正直な印象です。

何処にステッチ使っているんだか。。

こちらはアリア。水引がモチーフのステッチだけど、論理的な使い方。

 

このインテリアのDesignもアルファードの動き、躍動感を感じさせるものとは大きくテイストが異なります。

落ち着いた印象があり、LCDが大きく居座るライバルよりもスマートで良いデザインだと思います。

とは言え、車のインテリアとしてはNGですね。

 

総評。

見てからもう一度評価したいと思います。

兎にも角にも16年ぶりのFMC。

話題性に事欠かず、AWD、e-4ORCEのみ、2グレード展開はCostを抑え、とりあえず早く

発表して売りたいと言う姿勢の表れ。(それにしてはちょっと遅かったけど)

先行受注で6000台と言う数字は日産が想定したものか?

月販予定台数を発表していないので、何とも言えないですが、”儲かる車”を売りたい気持ちは

伝わってきます。

さて、実車はいかがなもんでしょうか。

楽しみです。

 

最後に組子

本来はこれですよね。

アリアの組子。足元にあります。覗いてみましょう。