MAZDA CX-5
MAZDAは当初CX-60の開発段階で次期CX-5の開発を行わないと決めていた。
この話の出所は現時点で明確にはできないが、当時はそんな話が業界では当たり前の
話だったし、NAZDAも暗にほのめかしていた。
CX-8の生産中止もそれを裏付けるものであった。
またCX-60の価格設定は明らかにCX-5の代替需要を見込んでいた設定だった。
僕はMAZDAが儲かる車を作るため、Brand力を高めるための手段として
CX-60へのシフトそれもありだなと考えていた。
Skyactiv-Dの4気筒版に2気筒追加し、直列6気筒を作り、新規FRプラットフォームを
作ることは開発費だけでなく、工場の設備まで影響を与える大きな投資になる。
敢えてMAZDAは挑戦したのかと思った。
ところがCX-60はMAZDAが考えていた以上に売れなかった。
100億円を超える投資に見合う売り上げに至っていない。
理由はいくつかあるだろう。
-マスゴミの醜い評価
特に乗り心地や音に関してはなかなか厳しいものがあった。PHEVもトルコンが無いA/Tについても
熟成不足との評価が多かった。
-直列6気筒、FRの求心力の低さ
FRや直列6気筒にあこがれを抱く人など少なくなっている。そういう時代だ。
また6気筒エンジンに関してもディーゼルのみで、音、振動、スムーズさに関しても高評価ではなかった。
-FRによるスタイリングと室内の狭さ
ロングノーズは確かにPremiumを感じさせるが、その影響で重心がリア寄りにあるように見える。
それをCピラーがしっかり支えてそれを打ち消すのだが、それが表現しきれていなかった。
重心が後ろよりに見えてしまうのも、バランスが良くなかった。
またFRのため、そのしわ寄せはリアの居住空間に影響する。Sizeが大きい割に、リアが狭いと言う
FF標準が染みついている消費者には構造上の理由が理解できなかった。
僕の憶測はこんなもん。
最近の登録台数のBest 50にも入っていない事を考えれば、少なくとも成功したとは言えないだろう。
MAZDAがどこでCX-5の販売継続を思い直したのか知らないが、先代のFFプラットフォームを
改良し、めでたくも販売に取り付けた。
そのスタイリングはFF車のスタイリングに慣れているMAZDAお得意の魂動デザインと、
恐ろしい程のパネルの平滑さとパーティションラインラインの狭さ、一定間隔、塗装の素晴らしさは
相変わらずだ。
変わったと思うのはこれまでサイドの面はZラインを通していたが、それを止めた。
新しい魂動デザインとも言える。
しっかしよくここまで金を掛けるもんだと感心する。
ただ、スタイリングの評価が内外共に高い事もあり、デザイナーの権限が大変大きくなっている事は
あまり感心できない。
スタイリングが重要視された結果、概ねPackagingに影響が出てしまう。
ロードスターはとても良いスタイリングだと思うが、スタイリング優先でロングノーズにしたために
初代から連綿と続いていた運転席の辺りに存在したZ軸周りに車が素直に動くと言った
動的資質を失ってしまった。
初めてNDに乗った時に思い出したのはE85 BMW Z4だった。(あれほど極端ではないが)
ロングノーズ=格好良いという思い込みはFF車にも表れている。
またフロントエンドが高くなっているのも見どころと言うか、お前もか!と言う印象。
デカく、立派に、力強く、を表現したのだ。
潮流とは言え、安易に乗って欲しくなかった。
とはいえ、CX-5は旧型の進化版としてとてもバランスが良く、品質が高く見える。
残念なのはSkyactiv-Dが無くなったことだ。
圧縮比14と言うディーゼルにしては低圧縮だったこと。
メリットはNOxの低減、圧縮比が小さいため各部品の強度を低くでき、軽量、高回転の許容、
レスポンスの向上、振動低減などが挙げられるが、やはりEUでの排ガス規制や、ディーゼルエンジン
そのものへの需要の低下を考え、販売を諦めたのだろう。
日本で売れば良いと思うが、日本だけで売っても開発費はペイできなかったと思われる。
あの力強さが魅力だったのに、残念だ。
その代わりモーター補助のM-HEVが登場したが、いずれ販売されるストロングHEVが本命だろう。
エンジンは新規開発のSKYACTIV-Zと言うらしい。
現時点で”Z”がどんなエンジンなのか不明だが、大いに失敗したSPCCIのSKYACTIV-Xのような
理想で作られたエンジンではないだろう。
CIを使わないのは時代の流れ。どいつもこいつもこうなった。
パネル面積を大きく取り、すっきりとまとめている。面を生かしたこの辺のセンスは相変わらずうまい。
リアコンビはうるさいけど。
インテリアもこれまで同様にセンス良くまとめられている。
ただちょっと削り過ぎ、シンプルし過ぎなのは気になる。
残念なのは安易に世界の潮流に乗ってしまった操作系だ。
コマンダーが消え、音声認識、タッチパネルでの操作が多くなった。
誰もかれも追従しなくても良いかと思う。EUのサプライヤーは既にスイッチ復活の提案をメーカーに
行っていると言うし、初志貫徹して欲しかった。
個人的にはもうこのインテリアは少し飽きてきたので、新しい提案があれば良かったと思う。
ま、Costも浮くし、あがらう事はできなかったか。
さっぱり、すっきり が好まれるのだろうけど、いつも言うようにタッチパネルでは高速移動体の操作系としては
失格である。
僕のG42のcurved LCDは正に過渡期の申し子で、出た当時も今もとてもじゃないけど
見ていられない。操作性も悪く、何がうれしいのだか不明。
後付け感がとても醜い。
横長にNavi画面が伸びても意味ないし、表示される情報はどうでも良いものが多いし、
第一使い難い。
CX-5も操作する度にイライラするようなものでなければ良いが。
CMを見ているとこのデカいLCDと広い後席しかアピールしていない。確かにそれが今回の売りであるが、少し寂しい。
寂しいと言えばこのインパネも同様だ。
触れるところは全てソフトパッドだが、それ以外の箇所の質感の低下は意図的であり、それはCostの問題。
お金を掛けられなかった事情が透けて見える。
メーターの表示は変更できるようだが、いくらなんでもこれは手抜きと言われてもしょうがない。
引き算のDesignは理解できるが、これはやり過ぎだろう。空白だらけ。
見易いわけでもなく、上質なものでもない。
何を意図したのだろうか?
こちらは懐かしのBMW 3 Series 330i G20のメーター。何となく似ているので持ってきました。
底辺の争いですが、BMWの方が見た目はマシですね。まだ見易い。
ホイールベースも伸び、後席の広さが今回自慢だそう。
まあ、市場の声を鵜吞みにそのまま車を作ると大きくなる。
2代目CX-5の全長×全幅×全高:4,575mm×1,845mm×1,690mm
ホイールベースは2,700mm
3代目CX-5の全長×全幅×全高:4,690mm×1,860mm×1,695mm
ホイールベースは2,815mmであり、見事に大きくなっている。
リアが広くなって当然なんだよね。
新規プラットフォームでない限り、パッケージングの見直しは難しいと思うけど、コンプレインがあった
後席の狭さに対してホイールベースを伸ばして対処すると言うのは王道。
でも頭を働かせた結果ではないですね。
金も掛けずに最も安易な方法を選択した。
見事に全長が伸びた分だけホイールベースが伸びている。
かなり広くなりました。よほどコンプレインがあったのでしょう。
ちとやり過ぎかもしれないけど、文句を言う人はいません。
まとめ
受注台数1万台!
月間販売計画2,000台の5倍を超える受注実績に大喜び。
確かに、誰が見てもセンスがよく、格好いい。一般的に文句をつけようがないと思う。
走ってもちょいと遅いかな、と言うくらいでしょう。(4WDで1740㎏)
2,5リッターエンジンですから仕方ないが、今の時代、速さを求める人なんて極僅か。
海外でも評価が高いCX-5は国内市場で苦戦しているMAZDAの販売状況を変えてくれるのではないか。
Cost Downの箇所が随所に感じられるが、どのメーカーもこの混乱期を乗り切ることで精いっぱい。
CX-5のみ責めるわけにはいかない。
繰り返すが、SKYACTIV-Dが消え、MHEVのみであり、燃費の悪さが惜しい。
現時点では本命のパラレル HEVの発表待ちかもしれない。
新規開発SKYAXTIV-Zがどんなエンジンか知らぬが、Skyactiv-Xのような独善的なエンジンでは
無く、また価格に見合った性能であって欲しいと思う。
調子に乗った時のMAZDAの暴走振りは歴史が示すとおりだが、CX-5でその歯止めとなるか。
いや、まだ暴走中なのか。
結論はパラレルHEVの出来、価格次第ということなるだろう。
TOYOTAからのHEV技術の供給を受けず、HEVを自ら開発したようであり、ちょっと心配ではある。
旧型。
今見ても古さは感じません。売れたのも良く分かります。
大きく見せる事をしなかったのがこのスタイリッシュさを生んでいますね。






















