MAZDA CX-5

MAZDAは当初CX-60の開発段階で次期CX-5の開発を行わないと決めていた。

この話の出所は現時点で明確にはできないが、当時はそんな話が業界では当たり前の

話だったし、NAZDAも暗にほのめかしていた。

CX-8の生産中止もそれを裏付けるものであった。

またCX-60の価格設定は明らかにCX-5の代替需要を見込んでいた設定だった。

僕はMAZDAが儲かる車を作るため、Brand力を高めるための手段として

CX-60へのシフトそれもありだなと考えていた。

Skyactiv-Dの4気筒版に2気筒追加し、直列6気筒を作り、新規FRプラットフォームを

作ることは開発費だけでなく、工場の設備まで影響を与える大きな投資になる。

敢えてMAZDAは挑戦したのかと思った。

ところがCX-60はMAZDAが考えていた以上に売れなかった。

100億円を超える投資に見合う売り上げに至っていない。

理由はいくつかあるだろう。

-マスゴミの醜い評価

特に乗り心地や音に関してはなかなか厳しいものがあった。PHEVもトルコンが無いA/Tについても

熟成不足との評価が多かった。
-直列6気筒、FRの求心力の低さ
 FRや直列6気筒にあこがれを抱く人など少なくなっている。そういう時代だ。
 また6気筒エンジンに関してもディーゼルのみで、音、振動、スムーズさに関しても高評価ではなかった。
-FRによるスタイリングと室内の狭さ
 ロングノーズは確かにPremiumを感じさせるが、その影響で重心がリア寄りにあるように見える。
 それをCピラーがしっかり支えてそれを打ち消すのだが、それが表現しきれていなかった。

重心が後ろよりに見えてしまうのも、バランスが良くなかった。
 またFRのため、そのしわ寄せはリアの居住空間に影響する。Sizeが大きい割に、リアが狭いと言う
 FF標準が染みついている消費者には構造上の理由が理解できなかった。
僕の憶測はこんなもん。
最近の登録台数のBest 50にも入っていない事を考えれば、少なくとも成功したとは言えないだろう。

 

MAZDAがどこでCX-5の販売継続を思い直したのか知らないが、先代のFFプラットフォームを

改良し、めでたくも販売に取り付けた。

そのスタイリングはFF車のスタイリングに慣れているMAZDAお得意の魂動デザインと、

恐ろしい程のパネルの平滑さとパーティションラインラインの狭さ、一定間隔、塗装の素晴らしさは

相変わらずだ。

変わったと思うのはこれまでサイドの面はZラインを通していたが、それを止めた。

新しい魂動デザインとも言える。

しっかしよくここまで金を掛けるもんだと感心する。

ただ、スタイリングの評価が内外共に高い事もあり、デザイナーの権限が大変大きくなっている事は

あまり感心できない。

スタイリングが重要視された結果、概ねPackagingに影響が出てしまう。

ロードスターはとても良いスタイリングだと思うが、スタイリング優先でロングノーズにしたために

初代から連綿と続いていた運転席の辺りに存在したZ軸周りに車が素直に動くと言った

動的資質を失ってしまった。

初めてNDに乗った時に思い出したのはE85 BMW Z4だった。(あれほど極端ではないが)

ロングノーズ=格好良いという思い込みはFF車にも表れている。

またフロントエンドが高くなっているのも見どころと言うか、お前もか!と言う印象。

デカく、立派に、力強く、を表現したのだ。

潮流とは言え、安易に乗って欲しくなかった。

 

とはいえ、CX-5は旧型の進化版としてとてもバランスが良く、品質が高く見える。

残念なのはSkyactiv-Dが無くなったことだ。

圧縮比14と言うディーゼルにしては低圧縮だったこと。

メリットはNOxの低減、圧縮比が小さいため各部品の強度を低くでき、軽量、高回転の許容、

レスポンスの向上、振動低減などが挙げられるが、やはりEUでの排ガス規制や、ディーゼルエンジン

そのものへの需要の低下を考え、販売を諦めたのだろう。

日本で売れば良いと思うが、日本だけで売っても開発費はペイできなかったと思われる。

あの力強さが魅力だったのに、残念だ。

その代わりモーター補助のM-HEVが登場したが、いずれ販売されるストロングHEVが本命だろう。

エンジンは新規開発のSKYACTIV-Zと言うらしい。

現時点で”Z”がどんなエンジンなのか不明だが、大いに失敗したSPCCIのSKYACTIV-Xのような

理想で作られたエンジンではないだろう。

CIを使わないのは時代の流れ。どいつもこいつもこうなった。

パネル面積を大きく取り、すっきりとまとめている。面を生かしたこの辺のセンスは相変わらずうまい。

リアコンビはうるさいけど。

 

インテリアもこれまで同様にセンス良くまとめられている。

ただちょっと削り過ぎ、シンプルし過ぎなのは気になる。

残念なのは安易に世界の潮流に乗ってしまった操作系だ。

コマンダーが消え、音声認識、タッチパネルでの操作が多くなった。

誰もかれも追従しなくても良いかと思う。EUのサプライヤーは既にスイッチ復活の提案をメーカーに

行っていると言うし、初志貫徹して欲しかった。

個人的にはもうこのインテリアは少し飽きてきたので、新しい提案があれば良かったと思う。

ま、Costも浮くし、あがらう事はできなかったか。

さっぱり、すっきり が好まれるのだろうけど、いつも言うようにタッチパネルでは高速移動体の操作系としては

失格である。

僕のG42のcurved LCDは正に過渡期の申し子で、出た当時も今もとてもじゃないけど

見ていられない。操作性も悪く、何がうれしいのだか不明。

後付け感がとても醜い。

横長にNavi画面が伸びても意味ないし、表示される情報はどうでも良いものが多いし、

第一使い難い。

CX-5も操作する度にイライラするようなものでなければ良いが。

CMを見ているとこのデカいLCDと広い後席しかアピールしていない。確かにそれが今回の売りであるが、少し寂しい。

寂しいと言えばこのインパネも同様だ。

触れるところは全てソフトパッドだが、それ以外の箇所の質感の低下は意図的であり、それはCostの問題。

お金を掛けられなかった事情が透けて見える。

メーターの表示は変更できるようだが、いくらなんでもこれは手抜きと言われてもしょうがない。

引き算のDesignは理解できるが、これはやり過ぎだろう。空白だらけ。

見易いわけでもなく、上質なものでもない。

何を意図したのだろうか?

こちらは懐かしのBMW 3 Series 330i G20のメーター。何となく似ているので持ってきました。

底辺の争いですが、BMWの方が見た目はマシですね。まだ見易い。

 

ホイールベースも伸び、後席の広さが今回自慢だそう。

まあ、市場の声を鵜吞みにそのまま車を作ると大きくなる。

2代目CX-5の全長×全幅×全高:4,575mm×1,845mm×1,690mm

ホイールベースは2,700mm

3代目CX-5の全長×全幅×全高:4,690mm×1,860mm×1,695mm

ホイールベースは2,815mmであり、見事に大きくなっている。

リアが広くなって当然なんだよね。

新規プラットフォームでない限り、パッケージングの見直しは難しいと思うけど、コンプレインがあった

後席の狭さに対してホイールベースを伸ばして対処すると言うのは王道。

でも頭を働かせた結果ではないですね。

金も掛けずに最も安易な方法を選択した。

見事に全長が伸びた分だけホイールベースが伸びている。

かなり広くなりました。よほどコンプレインがあったのでしょう。

ちとやり過ぎかもしれないけど、文句を言う人はいません。

 

まとめ

受注台数1万台!

月間販売計画2,000台の5倍を超える受注実績に大喜び。

確かに、誰が見てもセンスがよく、格好いい。一般的に文句をつけようがないと思う。

走ってもちょいと遅いかな、と言うくらいでしょう。(4WDで1740㎏)

2,5リッターエンジンですから仕方ないが、今の時代、速さを求める人なんて極僅か。

海外でも評価が高いCX-5は国内市場で苦戦しているMAZDAの販売状況を変えてくれるのではないか。

Cost Downの箇所が随所に感じられるが、どのメーカーもこの混乱期を乗り切ることで精いっぱい。

CX-5のみ責めるわけにはいかない。

繰り返すが、SKYACTIV-Dが消え、MHEVのみであり、燃費の悪さが惜しい。

現時点では本命のパラレル HEVの発表待ちかもしれない。

新規開発SKYAXTIV-Zがどんなエンジンか知らぬが、Skyactiv-Xのような独善的なエンジンでは

無く、また価格に見合った性能であって欲しいと思う。

調子に乗った時のMAZDAの暴走振りは歴史が示すとおりだが、CX-5でその歯止めとなるか。

いや、まだ暴走中なのか。

結論はパラレルHEVの出来、価格次第ということなるだろう。

TOYOTAからのHEV技術の供給を受けず、HEVを自ら開発したようであり、ちょっと心配ではある。

旧型。

今見ても古さは感じません。売れたのも良く分かります。

大きく見せる事をしなかったのがこのスタイリッシュさを生んでいますね。

 

BMW 120d M Sports試乗記

最新の1 Seriesに乗ってきましたのでその感想を。

これまでのMiniをベースにしたFF BMWには余り良い印象を抱いたことが無く、

3 Seriesから”BMW”と言う認識でした。

ところが新しいX2に乗ったところ、殆どCarry Overにもかかわらず。走りが大変良くなっており、

これならBMW一族の資格が十分あるところまで進化したと思いました。

なので、現行1 Seriesにも期待が持てます。

Specです。

全長×全幅×全高=4370×1800×1450mm、ホイールベースは2670mm

車両重量 1,540kg

最高出力150PS/4000rpm/最大トルク360N・m/1500-2500rpm、ちっちゃいモータが付いていて、

システムトータルでは163PS/400N・mを発生します。

ミッションはDCT。

しっかし重い車です。

 

見てみて

先代と比較して変わったのは前後のバンパーと、リアハッチ、リアコンビくらいで、ボンネット、ルーフ、

サイドのドア、全てのウィンドウは先代から拝借してもので、FMCと言うよりはBig MCと言えます。

ところがグリルを小さくし、低い位置に置いたことにより、ずいぶんとすっきりとし、またSportyさも

感じられるようになりました。

デカグリルを止めたことによる好例です。

細部を見れば大きく変わっていないのですが、離れてみるとその印象は大きく変わります。

精悍さも感じられます。

スタイリング的には大きく変わらなくてもDetailの処理でこうも良い印象になるとは。

僕にとっては面白い教材になりました。

結構精悍になりました。変われば変わるもんですね。

先代です。F40。 ヘッドライトもハウジングが異なっていますが、形状は一緒。表情も見事に変わりました。

馬鹿デカグリルの反省は良い方向に。

 

ところが、良い面ばかりではありません。

その仕上げやQualityは先代のままです。

例えばパーティションラインの広さや、鉄板のプレスの歪みなどは旧型のままですので、この辺の仕上げは

最新の車に劣ってしまう部分です。

この車は離れてみるのが一番です。

黄色の矢印の部分に注目。

上の方はパーティションラインの広さとその均一性の低さが目立ちます。

下の方はドアノブのエグリの影響で鉄板に歪みが出ており、映っている景色が歪んでいます。

 

触ってみて

しっかりとしたドアノブを引きます。

やはりこの手の出っ張ったドアノブの方が操作性は高いですし、その剛性感は流行の

格納式ドアノブと雲泥の差です。今は”悪貨は良貨を駆逐”しています。

Chinaではこの格納式ドアノブの安全性についてとやかく言いだしていますので、今後見直しが

あれば良いのですが。

Cd値が良くなるとか言い訳しているようですが、絶対的に安全性で旧来のドアノブが勝ります。

単に見た目、商品力、流行ですよね、こんなもん。

シートに腰掛けます。

やはりミニベースのフレームのせいか、座面もシートバックも小さく、ゆったり感はありません。

この欠点はいつまでたっても直りませんね。

問題はポジション。

電動シートだったので、シーバックをスイッチで調整しますが、どうもオーバーシュートしてしまい、

適切な角度になりません。

何度も何度も調整しますが、何故かぴったりの場所に止まってくれません。

こんなBMWは初めてです。

いくらやっても合わないので、シートバックの調整は諦めました。

もう一つ。

シートの位置が高いこと、

一番下に下げてもまだ高く感じました。

これもBMWで初めて感じたことです。

ポジションの考え方変えたのかな?

ステアリングは妙に太く、G20 330iを思い出しました。

G42 M240iはわずかに細いのですが、その違いはどうもステリングにセンサーがあり、その違いで

太さが変わるとか。

僕のM240iはACCがおもちゃみたいなものなので、そのセンサーが入っていないため

僅かに細いのでしょう。

 

 

さて、ギアをDに入れます。

NAVIには変なものが映っているので地図に変更したいのですが、”MAP”と言うボタンがどこにも見当たりません。

仕方なく音声で”地図”と指定して、MAPを表示させました。

この"MAP"ボタンが独立して存在しないため、手で操作するのはLCD上のBackの表示を

押すことになります。

何かを操作し後に地図に戻すためには数回このBackを押す必要があります。

階層が深くなっているためですが、本当に馬鹿たれですね。

呆れます。

走行モードをSportsにしたいのですが、そのボタンもどこにもありません。

シャーシ関連の調整を呼び出すことができましたが、Modeの変更ができません。

うー。イライラする。

M240iでは音声による変更はできない走行Modeですが、120dで試すとなんとSports Modeに

変更されました。

何でボタンも表示もなく隠しているんだ?

パドルシフトによるシフトチェンジをしたいので変更のためのボタンや操作を試みるが、変更不可。

これも音声で”マニュアルシフト”と言ってみたが、反応せず、もう一度言えと返答。あったまくる。

何やっても分からなかったので諦めました。

笑ったのはヘッドアップディスプレイ。

デジタル表示の速度と制限速度が表示されますがその横に青い大きめのバーがあり一番右は

赤くなっています。

これ何?

速度を上げるとわずかに青いバーが右に少しずつ動きます。

ひょっとして。。

アクセルを深く踏むと青いバーが右に進み、赤いところまで進みました。

あ、これタコメーターなんだ。

こんなもん見てシフトアップする奴はいないと思うし、第一そのバーを見ても現在何回転かもわからない。

よくよく見ればこれはSportsを選択すると出てくる表示。

Manualを運転したことないデザイナーのお遊びなのは分かるけど、決定的に意味がないとは

どうしたことでしょうかね。

空調は最近のできるだけ目立たなくする方式。スリットみたいなものが並びます。

上下左右の風向きの調整は空調アウトレット近くにあるラバーのボタンで行います。 

エアアウトレットが狭いと風量がわずかでも音がするし、風が広がらないので室内の冷えが悪くなります。

それを解消するためインパネ上部に補助のアウトレットがあります。(これ自体はよくあるもので、この位置にあるのは正しい)

Designのために機能が損なわれる傾向はドンドン醜くなりますね。

すっきりさっぱりしたお洒落インパネ。使い勝手は考えない事にしました。見た目だけのインパネを作るとは思いませんでした。

そういう時代に流されるBMWは見たくなかったですね。

ライトスイッチがとうとう国産車の様なノブを回転させるようなものになりました。

今やAUTOにしっぱなしなので、あまりこだわることは無いと思いますが、ちょっとびっくり。

シフト周辺の造形。

ボタンが無い事が正義と思っているに違いないです。

何が何だか不明ですよ。

以前書きましたが、押すのと回すのを併用したローラー式のスイッチは最低です。

AudioのOn/OffとVolumeが兼用になっています。

そもそもAudioのスイッチがこんなところにあるのはおかしいですよね。

運転したことが無い人が絵を書き、運転したことが無い開発責任者がそのまま採用したのでしょう。

 

前にも記載しましたが、看過できないのはPWのスイッチ類です。

平坦で、操作性悪く、プラの質感低く、ガタがあって操作感も悪い。

ここまで落ちぶれたか!と言う感じです。

でこれがMINI、BMW 1,2,5,X3に共通部品として使用されています。確認した範囲ですが当分は

この軽自動車でも使わないような駄目スイッチが使用されるのでしょう。

操作する頻度が高いので、もうちょいお金を掛けるべきだと思いますよ。

触る度にがっくりすること間違いなし。

安っぽさを出さないため、普通はテカリを抑えます。車によってはラバー塗装したりします。

このPWのスイッチはそこは諦めた感じ。見栄なんてどうでもよい?

各スイッチの表面は平坦で溝が刻んであっても左右のスイッチの判断は目で見ないと分かりません。

スイッチ同士がくっついていてはいかんでしょ。

ただ並べてあるだけで、デザイン性もなく、安っぽく、使い勝手も悪いとはどうしたことでしょうか。

しかもスイッチにガタがあるなんて信じられません。

デザインをやったことない人がデザインしたのでしょう。それしか考えられない。

しかも5 Seriesでもこれですからね。相当安く上がったのでしょう。

 

リアシートの作りはドイツ車らしく、固く、沈み込みなく、しっかりとしたものでした。

ただ、トルソ角がかなり立っており、ゆっくりとくつろげるというよりは、正しい姿勢で座る必要がります。

このリアだけは旧来のドイツ車の価値観が残っており、奇妙な感じがしました。

スペース的には狭いし、感心できるものではありませんが、先々代のFRより多少マシと言う程度。

ウィンドウ面積が狭いので暗いのも良くないですね。

脚の出し入れは最低です。

 

乗ってみて

直ぐに気が付くのはディーゼルのくせしてステアに振動が伝わらないこと。

以前の1では振動が醜かったし、最近乗ったBMW 3 Seriesのワゴンも振動がありました。

この車は良く抑えています。エンジンが冷えている時は多少感じますが、暖まると振動が無くなる感じです。

 

ぐっとアクセルを踏むとスムーズに力強く発信します。

もう、完全にディーゼルの振動や音ではありませんね。

非常にバランスよく回転し、気持ち良い位に回ります。

ディーゼルの余命を考えるとこれはもったいないと思いますよ。Sportyでも何でもないけど、心地良く、

下からトルクがあり、レスポンスも良く、非常にお金のかかった良いエンジンです。

一般的にはこれで十分。

久しぶりにBMWらしいエンジンだなあ、と思いました。

 

ステアはちょいと注文有。

中立付近の曖昧さは許容範囲としてもステアフィールが良くない。ゴムでも捩じっているような印象があり、

すっきりしたものではありません。

FFであるという事を考慮しても回して気持ち良くなる類のsteeringフィールではありませんでした。

先代はもう少し軽快感があり、Direct感もあったように思います。

 

乗り心地は良かったですね。

上質そのものです。安っぽさは全くなく、段差を乗り越える時も角が無く、車体もフラットに保たれており、

変に揺れることもありません。

M Spoとは思えないしなやかさです。

静かだし、振動も少なく、先代に比べて乗り味は2クラスぐらい上がった感じ。

姿勢変化も安定しており、重厚感もあって、良い車じゃん!と素直に思えました。

先日乗ったキックスと比べると、申し訳ないですが、上質感では太刀打ちできないですね。

先代だったら良い勝負だったかもしれませんが、この120dは先に行ってしまった感があります。

 

Manualシフトも全く問題ないです。

パドルシフトの操作感が安っぽいですが、DCTとは思えない制御のうまさに舌を巻く思い。

シフトチェンジの際のトルク変動は抑えられ、ショックは皆無です。

こういうDCTに乗りたかったなあ、と思います。

E82 135iのDCTはこうはいきませんでした。

 

走りについてステアフィール以外はほぼ満足ですがいくつか気になる点も。

一つ目はこの時代には考えられないトルクステア。

床までアクセルを踏むと右にステアがとられました。

まさか?と思い、再度強く踏むとやはりステアがとられます。今のこの時代にトルクステアがここまで強く出るとは。

あんまり考えにくいのでこの車の個体差かもしれません。

昔乗ったAlfa Romeo 147もこんな感じでした。

 

二つ目はスタート時のアクセルのレスポンスの過敏さ。

国産車では昔よくやっていました。短い試乗でアクセルを床まで踏む人は少ないので、そろそろと

アクセルを踏んで走った結果、この車遅い、と言われることが多々あり、メーカーではそれを真に受けて

スタート時に燃料を多く噴き、スタート時の加速度を上げていました。

120dも僅かにそんな傾向があり、アクセルの踏み方が難しかったですね。


三つ目はフロアの振動。

これは先代から変わりません。どの場面でも起こっている訳は無いのですが、フロアからのビビリというか、

振動があり、この辺は手当てしきれなかったかもしれません。

このプラットフォームの弱点なのかもしれません。

多くの場面で”良い車”を感じるのですが、ここは安っぽさがあり、ちょっと残念でした。

降りてみて

全方位に良い車になっていました。

特に走りの質感の向上は目覚ましく、誰が乗っても良い車と思うに違いありません。

立派にBMW一族の末っ子になっています。

めでたし。

価格は528万円だそうで、中々のお値段。

もう少し安くして欲しいですね。いくらなんでも。

価格相応かと聞かれると難しいかもしれません。

インテリアの質感は向上していますが、使い勝手は最低の部類だし、これみよがしの

アンビニエントライトは恥ずかしい位です。

アンビニエントライトは間接照明といった意味合いですが、2代目CIMAの間接照明はとても

雰囲気があって良かったです。

BMWのこれはセンスも何もあったもんじゃないですよ。

M240iはもう恥ずかしい位です。

この時代何か光らせなきゃ商品力が落ちると思うのでしょうね。だったらもう少しうまくやって欲しいです。

走りに何か望むとしたらもう少しSportyさを残して欲しかったかな。

ステアフィールを改善させるだけでもそれを感じさせることができるでしょう。

とは言え、一般的にはこれで十分Sporty。

どんな人が乗っても気持ちよく、良い車に乗っているなと感じられるような車に仕上がっています。

スタイリングも良くなり、走りの質感も上がり、誰にでも薦められる良い車に熟成されました。

熟成も悪くないです。G20の後継も良くなることでしょう。

 

おまけ

120dの後にM240iに乗った時感じたのはシートの位置の低さと大きさ。

これは嫁さんもすぐに言っていました。

やはりシートは余裕があった方が掛け心地が良いです。

そして固い足回り。

角が無いけど、きつく引き締まっている感じ。一般的にはNGかもと思うほど比較すると固い。

そしてエンジンの噴き上がりの良さ。

ディーゼル4発とガソリン6発エンジンを比較するのはナンセンスですが、やはり直後に比較してしまうと

別世界でした。

またステアの正確性と、レスポンスの良さは大きく違いました。

現在M240iは834万円らしいので、306万円もの差があります。

値段相応の差異が本当にあるのか聞かれると答えに窮しますが、大きな違いが良くも悪くもあり、

その差を納得できるかどうかは個人の価値観によるでしょう。

個人的にはM240iの引き締まった走りを見直した思いがしました。

気持良いじゃん、と思わず言葉が出ました。

普段街中で乗る分には“ブタ”と言っていましたが、ごめんなさい。

ちょっと特異ですが、良い車なんだと実感しました。

こんな車に乗れる境遇に感謝したいです。

僕の車にこんなものが付いています。Mのカラーがドアに張り付いています。

本国ではOptionらしいのですが、僕の車には勝手に付いてきました。

これ、ドアを開けると、点滅します。こんなものが唐突に張り付いていて何がうれしいのやら。

センス悪いですよね。

 

助手席の目の前にこんなものがあって、光ります。

蛇の革みたいな模様。

これが光ってもねえ。。キレイとでも思ったのかな???

ドイツ人のセンスが分かりません。

 

 

とりあえず見てきました。

 

世間では中々の評判のようで何よりです。

アル・ベル連合に対抗できるだけの内容の車になっているのでしょうか?

 

スタイリング

フロントの例の意匠以外は割とスッキリした印象でしたね。

デカいのは感じますが、サイドパネルがけっこうスリークな感じで、アル・ベルのような抑揚な印象は薄いです。

それが狙いなのでしょうけど、ちょいとさっぱりした感じに見えました。

組子と言われるピクセル形状のフロントグリルは意外とその一つ一つが大きく、何となく粗さを感じます。

意外と押し出し感もなく、違和感はあまりありません。

アル・ベルのようなドーン!と圧力を感じさせないのは良いと思いますが、力強さと言う面から言えば

物足りないという意見が出てきそうですね。

消費者の声が反映され、MCで変にならないで欲しいです。

何となく有機的なイメージがあります。近くで見ると意外と一つ一つのピクセルが大きい様に思いました。

遠くから見た方が良いですね。

粗いと言うか、生々しい。

どこがVモーションなのか不明。車名をフロントに置くのはレンジローバーのパクリ。最近多い。

 

 

サイドの段差のついたキャラクターラインはあまり目立たず、特にBody色が白だと少しぼやける感じ。

太陽の下で濃い色であればハイライトが真っすぐ通って、車が長く、緊張感があるかも。

斜めに走るキャラクターラインはBody色が明るいと飛んでしまいがち。

この写真はカタログですので、修正済み。ちょっとやり過ぎ。

 

リアコーナー部分のプラスティックのパネルはリアフェンダーから続く凹面に関してそれほど深い絞り込みは無く、

ごく普通でした。

写真のいたずらで絞りがかなり深いように見えたようです。。

パーティション ラインはしっかり均一で仕上げは良かったのですが、塗装は意外とゆず肌が目立ちました。

ゆず肌が出るのは基本的に下地の問題です。

電着塗装、中塗り、ベースコートに使う塗料自体、メーカー間で大きな差は殆ど無いので、

使用している鉄板の影響でしょう。

クリアを吹く前に磨きが入ればゆず肌はほぼなくなりますが、日産で今下地の手磨きをやっている車は無いはず。

以前はCIMAでやっていました。

 

総じて、大きさは感じるものの、ライバルの様な威圧感はあまりなく、スマートでさえあるように思います。

少し主張が足りないと思わせるのは確信犯でしょう。

同じ土俵で戦うのを避けたのは正解だと思いますが、市場の反応はどう出ますかね。

 

インテリア

意外と高いフロアに”よいしょ”、と声を出して乗り込みます。

Aピラーにアシストグリップがあるのは良いですね。アルファードでは廃止されているので、良心的。

目の前は最近の日産のインパネそのもの。

質感はさすがに高く、操作性の悪さ以外文句はありません。

2本スポークのステアはリム剛性と言う観点から好きではありませんが、インテリアには合っています。

ただ、アリアから続くこのインテリアの造形は、ちょっと飽きてきたように思います。

明らかにはったり重視のアル・ベルとは異なるテイストで、こちらもエクステリア同様、物足りなさを

感じる方もいるかもしれません。

洗練されているのですが、強い主張はありません。

この手の車のあるあるですが、ダッシュボード上面の奥行きが広く、運転席周りがスカスカです。

Aピラーの根元がドライバーに近いと車両感覚が掴みやすく、運転しやすいものですが、ミニバンはみんな

こんな感じで僕は好きではありません。

BMWは腐ってもこの辺りは外していません。

一番いいなと思ったのはPorsche カレラ911を運転した時です。

かなりの改造車で、ギアは硬くて中々入らない、ブレーキは直ぐロックする、足回りガチガチで難儀しましたが、

取り回しの良さ、車との一体感はとても好印象でした。

スバルも以前同様の理由からAピラーは手前にしていましたが、スタイリングのため、Aピラー根元を

前に出したところアメリカでの評判が良く、それ以来Aピラーはdriverから遠くになりました。

スバルの大きな転換期でした。実験部が言い続けた意見が覆ったのです。

残念。

インプ3代目。Aピラー、カウルトップの位置はフロントタイアの後ろ辺り。

インプ4代目。カウルトップがタイアにかかっています。Aピラーがその分寝ており、格好は良いけど、

見てわかる通り、乗り降りに頭がぶつけやすくなっています。

この車からスバルのスタイリングは変わっていきます。

 

 

さてリアに乗ります。

アル・ベルの様な豪華に見えるような誂えは敢えて行っていません。

シートの両脇には回転式アームレストがありますが、これはアルファードの下位グレードと一緒。

固定式ひじ掛けは座面幅を短くしてしまう、見栄えだけが良く、座り心地悪化、室内での

専有面積が大きくなる事、重くなる事を避けるため、このように回転式にしたのでしょう。

それでも座面の大きさの影響か、ゆったり座れるという印象はありません。

掛け心地が同じなら「立派だなぁ」と思わせた方が勝ちです。

実を取った日産の姿勢は正しいですが、演出では負けています。

広さは十分ですが、フロアの高さも相まってゆったりとした贅沢な空間作りとは思えませんでした。

2列目が特等席とも言えますが、まあ、こんなもんか、という感じ。

ちょいと期待外れでした。

見た目の豪華さはアル・ベルの圧勝。座り心地は同等ですかね。

アルファードのエグゼクティブだか何かのグレードのシート。見た目は凄いけど、意外と腰回り、座面の幅が短く、

ゆったりとした掛け心地ではありません。

見た目勝負。室内は狭く見えますね。

 

こちらも掛け心地はもう少しでした。

開放感があり、広さを感じます。豪華さは負け。センスは良い。

 

下回りを覗くとフロントストラットの大きなL型ロアアームがアルミ製になっていました。

アル・ベルが鋼板プレスである事を考えると、日産はちょっと頑張っている感じ。

まあ、先代もそうでしたが。

 

全体的にあまりピンとこなかったというのが正直なところです。

豪華さ、力強さ、威圧感、高級感等いずれも見た目でライバルに劣っているような気がします。

センスの良さ、お洒落、新しさは若干エルグランドの方が勝っているかもしれません。

受注は発表時に先行発注が6000台以上(8月には累計8000台超えたとか)とのことですが、

納期は5か月から6か月かかります。

今のところ国内専用車種あり、他の車の生産が優先なのでしょう。

因みにアル・ベルは2~4か月程度です。

 

e-Power、4WD、2グレードしかなく、価格も6,897,000円~7,579,000円と非常に高価。

台数的にはアル・ベルと競うつもりは端から無いのでしょう。

今後、ICE車は出てこないでしょうが、廉価Versionは出てくるかもしれません。

商品力という観点からはアル・ベルと別の価値観の立ち位置で成功していると思います。

ただし、競争力はどうでしょうか?

僕は購買層に当てはまらないため、良く分かりませんが、微妙な気もします。

日産は走りでは絶対負けないと鼻息荒いですが、これはいつも言っていること。

要は、これまでの同じ価値観でエルグランドを開発しているわけです。

そう考えるとライバルの牙城を崩すことは難しく、“抵抗勢力の資格を得た”、程度の位置付けになるような

気がします。

e-4ORCEですし、良く曲がるねー、ミニバンとは思えない走りですねー、と感じるのは間違いないでしょう。

でもそれはアリアやキックスと同様、これらのクラスの車にはあまり求められていないものなのです。

要は”売り”にならないのです。

競合車と比較して何が勝っていれば売れるのか?

十分リサーチした結果だと思いますが、相変わらず良くも悪くも愚直な日産の車だなと感じました。

 

7月の登録台数は「エルグランド」は1883台で乗用車36位、「キックス」は2591台で27位だそうです。

今後の動きに注目してみたいと思います。