時代の流れ
あー、咳が止まらない、だるい・・・・風邪、早く治らないかなあ~でも、風邪だから外出しないと決めたら案外割り切って勉強に集中して卒論に向けてのリーディングが少し進んだからよかったけどね♪でも、あんまりひきこもってばっかりでは寝られないので気分転換に散歩に出た。夜の11時30分くらいに。そうそう、今日はとってもいい天気だった。夕方は寮の屋上から富士山が見えたもんね。そういえば寮ってか東京から富士山が見えたのって今まで初めてかもしれない。不思議なくらい稜線がくっきりと見えてまるで奇跡が起きたかのようだった。屋上からの景色、富士山は電波塔の左横のもっこり夜も晴れていて穏やかだった。風邪で体調は良くないが道を歩いていく。東京都下ともなると緑も多くて、私はいつもジョギングで走っている「グリーンロード」へと足を進めた。おぼろ月の下、静かに風が吹き、その一生を全うしつつある木々の葉がまるで運命を知っているかのように揺れていた。思えば私はこの道を通るとき、いつも走っていた。学生時代、私はいつもジョギングをしていたのだ。しかし、ジョギングはその場だけで行っていたのではないと、今気づいた。そう、自分はなんだかんだで学生時代を駆け抜けてきたのだ。今、ジョギングをせずに、歩くことで改めてその自分が駆け抜けてきた道に目を向ける。そこで私は異変に気付く。今まであったもの、たしかにそこにあったものがなくなっていた。それは、距離の表示である。グリーンロードはいってみれば長いジョギングコースのようなもので、100mおきに2,、3などの距離が表示がある大理石があったのだ。しかし、少し走っていない間に道が改装されたらしくて、今はそれが道にあった名残だけが跡として残っている。時代は進んでいるのだなあと思った。東京オリンピック前のような目を見張るスピードで進むような変化ではない。小さな、ゆっくりとした変化。日々を駆け抜けている人にはなかなか気づかれない、影に隠れた変化。それを見つけた。寮の中でも、オートロック管理システムが導入されたり、エアコンが変わったり・・・そういった小さな変化。日々はそういった小さな変化でできている。そう、私自身も少しづつ変化しながら日々を生きようと思った。