Ben/Ben | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

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 応援している高梨沙羅さんが、ジャンプ女子W杯個人総合優勝!最高にうれしいっす。自分で高い理想を掲げ、Stoicなまでに追求してく彼女の姿勢に最も感銘を受ける。優勝しても、常に冷静に自己分析し周辺が騒いでもまったく動じずに自分の目標に向かって努力していくところが素晴らしい。わずか16歳で世界を相手に大活躍である。同じ日本人として今後の彼女の大活躍が楽しみである。
 ところで、昨年までは円高で、これまでになく自分の欲しい音盤を海外から格安で手に入れることができた。円高に加えて欧州の金融危機の影響もあって、おそらく欧州のコレクターが手放したと思われるレア盤の数々が信じられない安値で市場に出回っていた。またとないチャンスであったのだ。従って昨年までに、欲しかった海外の音盤は数枚を残してほぼGetすることができた。それにしても昨年11月までに、これほど買いまくったことは記憶にない位散財した。そして予想通りの選挙結果と何とかの一つ覚えの円安誘導(笑)である。とりあえず昨年までは、欲しかった海外のレア盤獲得に必死になっていたので、12月以降は、これまで買い控えしていた国内盤を中心に消費活動を行っていて、微々たるながら日本経済に貢献したいと思っている。それにしても、Jazzを中心に999円とかだ。信じられない破格値で名盤の数々が廉価盤としてリリースされているのである。我慢して国内盤買いを控えていた甲斐があった。レコードで持っている音盤も欲しくなってくるぐらいだ。ところが、神をも恐れぬ1000円でリリースされている70年代Mingusの作品の数々もCDで持っていたいと思ってCDショップにいったら、もう置いてなかった(泣)。Webで見たら在庫わずかになっていて、これまでの不人気が嘘のように、どうやら売れているようだ。さて、米国主導で作成されたG20の共同声明を読んでみたら、何とかの一つ覚えで通貨安戦争をしかけている人口世界一の某国への警告があからさまで大笑いである。日本はそんな大国の愚かな真似をせずに堂々と勝負すればいい。通貨安にしなくとも、日本製は世界一信頼性が高く優れた製品で世界に勝負できるという自信を持つべきである。海外市場で高値がついている日本製の紙ジャケットCDを日本にいれば安価で手に入れやすくなっている今日この頃にふと思うのであった。

 『Ben』は名門Vertigoから71年にリリースされた同名グループの唯一のアルバムBenは管楽器奏者を含む英国の5人組で、当時Keith JarrettのUKツアーの前座を務めたらしいぐらいしか情報はない。ドラムスのDavid(Dave) SheenSoft HeadのメンバーとしてCanterbury界隈に出没する。
GilgameshNational HealthPhil LeeGraham Collier MusicNucleusの鍵盤奏者Geoff Castleが敏腕JazzベーシストRon Mathewsonと結成したPazにも参加している。
アルバムは、なんと8部構成の組曲“The Influence”からスタート。その内“The Wooing Of The Child”と“The Wooing Of The Man”がKeith Jarrettのクレジットになっているのが興味深い。
Len SurteesによるSyncopateしたノリノリのベースラインから始まりマルチ管楽器奏者Peter Daveyの切れ味鋭いFluteが躍動する。Gerry Reidのギター・ソロ、Alex Macleeryのエレピ・ソロ、最後はDaveyのSaxソロが爆発する。
メンバーのReidとDavey共作の“Gibbon”。Soprano Saxの清らかなトーン、そして性急なBeatが始まったかと思ったら途中でまったりWaltzにリズム・チェンジする奇妙な味を持つナンバー。それにしても管楽器奏者Daveyの圧倒的なBlowとお茶目なエレピが対照的で面白い。後半はPercussionもまじえてGroovyになったかと思えば、またしてもリズム・チェンジ。何だか意図するところが良くわからないが面白い。
B面も2曲のみ。
まったりした6/8拍子の“Christmas Execution”からスタート。ギターFluteHarpsichordによるThemeが確かにChristmasっぽい感じ。 
最後の曲はギターのカッティングと惚けたScatが印象的な“Gismo”。British Pop風のShuffleビートから9/16拍子をはさみつつ展開されるTenorソロや短いFluteソロ、Breakを経てPhrygianなコード進行で、エレピ・ソロという、またまた怪しい展開。まさかのフォービートにのってFluteソロ。なぜかCongaが叩かれエレピをバックにFluteソロ。そしてまたフォービートもつかの間、お約束の急速エイトビートでエレキ・ソロ。最後はまた9拍子でThemeに戻る。地味ながらも正にCultな味わいを持ったバンドである。
(Hit-C Fiore)