Keith Jarrettの音楽を初めて聴いたのは小学生の時だった。
いとこの家に遊びに行くとピアノ好きの叔母がKeith Jarrettのレコードを
よく聴いていたのを憶えている。
彼女は音楽好きで他にはGlenn Gouldの演奏も聴かせてくれたりした。
この2人のピアニストは、演奏中にうなり声とも、何ともいえない声を出す
ので子供心に強烈な印象が残っている。
“Gary Burton&Keith Jarrett”は70年に録音された。
実はkeithがらみの作品の中でMilesとの演奏を除けば一番好きだ。
このアルバムに出会ったのは、83年に結成されたスタンダーズの一連の
作品を聴いた後だったので、泥臭くエレピを弾くKeithに驚かされた。
そこにはKeithのうなり声はなくジャケットにはアフロ・パーマ風のKeithが
おとなしそうに座るGary Burtonの隣りでマッチョなポーズをとっている姿
があった。
最初に曲を聴いた時に何となく初期のCaravanの曲想を思い出した。
ゆるめの16ビートで7THコードのリフの使い方や曲調だろうか?
特に最後の曲“The Raven Speaks”は、Steve Millerがエレピを弾いて
いた時のCaravanの雰囲気だ。
Sam Brownのナチュラルに歪ませたギターが良い。
そしてBassのSteve Swallowがいつもの個性的なベースラインを弾いて
楽しませてくれる。
澄み切った青空のように爽やかなサウンドの中にイナタい部分を織り交ぜ
かすかに田舎の雰囲気を漂わせるところが気に入っている。
Hit-C Fiore