Ophiucusは何とも不思議な魅力を持ったバンドである。Psychedelicな雰囲気とAcoustic楽器を主体としたExoticな香りが全体から漂う70年代初期に活動していたバンドなのだが、フランス語のVocalと浮遊感に満ちたサウンドが実に心地良く響く。そして70年代初期の音だというのに古くささを感じさせないところが面白い。この時代のPsychedelicなRock Bandに多いグシャグシャでテクニック度外視のぶっ飛んだ感覚で勝負するバンドとは一線を画している。Ophiucusは、フランスが生んだMultiな才能を持った奇才Emmanuel BoozのバックバンドにいたAlainとBernardのLabacci兄弟とベース奏者Jean-Pierre PouretにZooにいたギタリストMichel Bonnecarrèreを加えて結成されている。適度にExperimentalでありながら、Popな部分もあり、ある意味、今の時代に通ずる多様性に満ち、Stylishで洗練された音響感覚を持ったバンドといえるかもしれない。メンバーはそれぞれ演奏技術はそれなりに高いと思われるが、派手なInterplayや仕掛けがあるわけでもなく、分か3分にまとめられた小曲のような楽曲を淡々と演奏している。しかし、それが何ともいえないMagicalな魅力を持っているのだ。ジャケットが、これまたStarngeな魅力を出している本作はOphiucusの2作目のアルバムにあたるもので、4人のメンバーに加えて数曲だけだがMichel BernholcがピアノでRoger LoubetがMoogで参加している。71年にリリースされた1stアルバム『Ophiucus』はPsychedelic色が濃厚で、Melancholicな部分が前面に出ているが、本作では、よりEthnicでMinimalな要素が表面に出て、Ennuiなフランス語のVocalと共に独特の浮遊感を生み出している。
『Salade Chinoise』はOphiucusが73年にBarclayからリリースしたアルバム。
アルバム1発目“Oh Ma Douée”はFluteとPercussionにのって倦怠感漂うVocalがイイ感じ。Michel Bonnecarrèreの作品
“J'oublie”もアコギとPercussionにFluteとGentleなChorusが何とも心地良いナンバー。
“Canadian Bar”はMinimalなギターのフレーズが面白い民族音楽の香りも漂うナンバー。このStrangeな感じは今聴いても古くさく感じない。
“Cacaoutchouc”はJew's Harpがイイ味出してる、これまた一筋縄ではいかない曲。Effectをかけたギターとランス語のVocalが風変わりな世界を描き出す。
哀感漂うArpeggioで始まる“L'instant D'une Nuit”はFalsettoをまじえたフランス語のVocalがStringsやピアノをバックに幻想的な空間を創り出す。ベースのJean-Pierre Pouretの作品。
軽快でノリの良いお気楽Rockな“Dans Toute La France”。
PercussionとアコギのバックにのってRoger Loubetが弾くMoogがうねりまくる“Bonté Divine”。
Harmonicaとジャンジャカかき鳴らされるギターがアメリカンな“Je Joue Toujours De L'harmonica”。何の変哲もないFolk Rockなんだけど、これが結構イイ感じ。
一転してEchoをかけたVocalがDreamyで一種独特のPsychedelicな香りを醸し出す“Cette Chanson Vient D'autrefois”。
MiimalでExperimentalなインスト曲“Récréation N°1”。
チョイFunkyなリズム隊にBrassが入ったFrench Pop“Quand On A Besoin De Rêver”。
アルバム最後をシメるのはA Cappellaの“À La Claire Fontaine”。
(Hit-C Fiore)