BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC



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 Punk上がりのガキがFunkにズッポリのめり込んでベースを弾くようになり、最初はピック弾きだったのが指弾き、そしてやっぱりSlap Bassは練習しまくったものだ。自分のアイドルはLevel 42Mark Kingに始まりSlaveMark AdamsPrinceだったけれど、Marcus MillerのSlapにもやられましたな。Marcusの場合はベーシストとしても素晴らしいけれどTotalの音楽家としても傑出した存在であった。そんな多才な音楽家Marcusの存在を初めて意識したのがLuther Vandrossのデビュー・アルバムとなる本作である。18禁というか10代のガキには敷居が高すぎたのだが、このSlapやギターのカッティングにはやられた。Luther VandrossというSingerは自分のアルバムのArrangementsを自らも手掛ける人なのだが、MarcusとNat Adderley Jr.がガッツリ支えたそのサウンドは実に気持ち良い音が沢山つまっていたのだ。快感のツボを突くBlood Sweat & Tearsにも在籍した大好きなGeorg WadeniusのギターやBuddy Williamsのドラムス、そしてMarcusのベースが最高だ。コピーしまくりましたな。個人的には大好きなTawatha AgeeがChorusで参加しているのが嬉しかったわけだけど。

Never Too Much』はLuther Vandross81年にリリースしたアルバム。
アルバム・タイトル曲“Never Too Much”。ギターのカッティングStringsの入り方、Chorusがカッコイイ。そして、やっぱりSlap Bassは気持ち良すぎ
キレの良いHorn隊と華麗に駈けぬけていくStrings、女性Chorusとのかけ合いが最高に気持ち良い“Sugar And Spice (I Found Me A Girl)”。
Don't You Know That?”は甘いStringsの調べにのって、めくるめくUrbanな世界を描き出すサウンドが良い。こういう小節の頭を前の小節でクうRhythm Arrangementは流行りましたな。
ベーシストGary Kingがアレンジした小粋なShuffleI've Been Working”。Ed WalshSynthesizerソロも良し。エンディングのLutherのFakeもイイ感じ。
She's A Super Lady”は炸裂するMarcus MillerSlap Bassがカッコ良すぎ。このRhythm Arrangementsも80年代らしいイナタさが最高。
ここで飛び出す雰囲気バッチリのBalladYou Stopped Loving Me”。そして大好きなTawatha AgeeがここではCuteに迫るVocalがたまらんすな。後半の女性Chorusとのかけ合いは最高。BalladaなのにRhythmが生き生きと躍動しているのがポイントで、この辺がMarcusらしい。そしてScaleの大きいSingerであることをBalladでもガッツリ証明している。
最後をシメるのはDionne Warwickが歌ったBurt BacharachHal Davidにようる珠玉のBalladA House Is Not A Home”。Anthony Jacksonのベースが渋いっす。

このHiggieさん、中々気持ち良く弾いてますな。

◎Never Too Much - Luther Vandross Bass Cover

(Hit-C Fiore)
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 Cat StevensのVocalを聴くと、Greek CypriotsとSwedishの両親を持ちながらLondonで生まれ育った英国独特の雰囲気を感じてしまう。例えばPeter GabrielPhil Collinsを思い起こさずにはいられない。そして、そのVocalはRobert WyattIan AndersonCaravanRichard SinclairScritti PolittiGreen Gartside同様にたまらなく英国的な魅力を感じさせてくれるものなのだ。ある時期まで爆発的な人気を獲得していたCat Stevensが突然改宗し、やがて音楽活動を停止してしまう。66年にデビューし、Pop Starとして栄光を掴んだ後、結核で挫折を味わいながらも劇的な復活を遂げ、音楽的な高みに上り詰めた時期でもあった。自分のような無宗教の人間が宗教について語ることは全く意味がないだろうし、当時のStevensの心境は本人しかわからないものだろう。しかし少なくとも数々の素晴らしい作品をCat Stevensが生み出したという事実は誰も否定することはできない、そしてある時代のStevensの作品を今でも愛し続け、聴き続けている人がいることに変わりはない。Lyricalで繊細な初期のCat Stevensも、音楽的にJazzSoulR&BLatin MusicElectronic Beatsを取り入れたり実験的な方向性を打ち出した70年代後半の作品も個人的にはお気に入りだ。そして、盟友ともいえるギタリストAlun Davies、鍵盤奏者Jean Roussel、DrummerのGerry Conwayといった名手と作り上げた70年代前半のStevensの作品にみられる抒情性と独自の精神性が発揮された音楽性は、やっぱり今聴いても中々面白いものがある。

 『Catch Bull at Four』はCat Stevens72年にリリースしたアルバム。
Sitting”はJean Rousselの流麗なピアノにのった力強いStevensのVocalが印象的。引き締まったリズム隊もガッツリ支えていて、Stevensのこれまでとは明らかに違った気迫に応えている。
Boy With A Moon & Star On His Head”は美しいAlun DaviesのAcoustic Guitarをバックに従来の歌い方でStevensがしっとりと聴かせてくれる。途中で入る口笛もイイ感じ。Stevensは自らSpanish GuitarSynthesizerを演奏している。StorytellerとしてのStevensの超一級品。
Linda Lewisも加わった男女混声ChorusにStevensが弾くSynthesizer独特の世界を描き出す“Angelsea”。
LyricalなBalladSilent Sunlight”。Stevensの弾くエレピDel NewmanStringsがたまらなく英国の香りを感じさせてくれる。
Can't Keep It In”も力の入ったStevensのVocalがバックの躍動感に満ちたサウンドと
エレピの弾き語りで始まる“18th Avenue”は、この時期のStevensを代表する文句なしの名曲。緩急の変化をつけながらPercussionやDel NewmanのStringsも交えて徐々に盛り上がっていく様が素晴らしい。
ギターの激カッコイイRiffで始まる」“Freezing Steel”。Blues Rockな
Latinな“O Caritas”も、男声Chorusに支えられ生命感に満ち溢れた力強さが感じられる。
美しいBalladSweet Scarlet”。当時恋の噂のあったCarly SimonのStevensへの恋心を描いた“Anticipation”に対するStevensの答えだ。ニクイ男だね、ホント。
最後を飾るのは“Ruins”。淡々とした弾き語りから当時のStevensの強い想いが伝わってくる。

18th Avenue/Cat Stevens

(Hit-C Fiore)
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 Allen Toussaintがデビュー・アルバムを含め5枚のアルバムをProduceしたことで知られるFunk Band Chocolate Milk。彼らはMemphisで結成されNew Orleansに拠点を移してAllen Toussaintに見出された。Sax奏者のAmadee Castenell、Trumpet奏者Joseph Smith III(Joe Foxx)、ドラムスのDwight Richard、鍵盤奏者のRobert "Rhock" Dabon、Percussion奏者のKenneth " Afro" Williams、 ギターのMario Tio、VocalのFranky Richard、ベースのErnest Dabon8人編成の大型Funk Bandで、元々はJazzを演奏していた。ToussaintのProduceにより75年にデビュー・アルバム『Action Speaks Louder Than Words』をリリースする。SpacyなSynthesizerに南部産らしい腰の据わったリズム隊JazzyなHorn隊を軸に骨太のNew Orleans Funkで楽しませてくれる。また、南部的な甘さや温かみ溢れるMellowなMidium、Balldも彼らの魅力だ。以降、ToussaintのProduceでアルバムを重ね、本作は4作目の作品となる。前作からベースはDavid Barardにメンバー・チェンジし、ギターのSteve Hughesが新たに参加し、バンドは9人編成となっている。 彼らはToussaintのStudio Bandとしても活躍し、76年の『New Orleans Jazz And Heritage Festival 1976』にも Toussaintのバックバンドとして参加している。また、ToussaintがProduceしたLee Dorseyの『Night People』にもメンバーが参加している。

 『We're All In This Together』はChocolate Milkが77年にリリースしたアルバム。勿論、Sea-Saint Studio
アルバム1発目は粘り腰のリズム隊にHornやChorusが絡む心地良いFunk“Grand Theft”。
続いてはSweetでMellowなBalladThinking Of You”。とはいえリズム隊やギター・ソロで骨太な部分も感じさせるのが南部のバンドらしい。
再びアルバム・タイトル曲“We're All In This Together”。地味ながらTrumpetやSaxソロを盛り込みながら腰を動かす仕上がり。
イナタいながら温かみのあるBalladHelp Me Find The Road”。
Percussionで盛り上がるInterlude的な“Fertility”。
イントロのUnisonが激カッコイイAmerica”。 Amadee Castanellが今度は絶妙のFluteソロ、Steve Hughesのギター・ソロも良し。
雰囲気たっぷりのMellowなBalladThat's The Way She Loves”。
必殺のMellow MidiumOver The Rainbow”。
Girl Callin'”は高らかに鳴らされるHorn隊にタメのきいたリズム隊、Chorusが実に気持ち良い。 Amadee CastanellのTenorがイイ感じ。
最後は、またしてもすぐ終わってしまう“Fertility”。
Grand Theft/Chocolate Milk

(Hit-C Fiore)
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 Los Shakersに始まりHugo Y OsvaldOpa、そしてBarcarolaUruguayが世界に誇る素晴らしい音楽を創り出すバンドやDuoを率いてきた天才鍵盤奏者/ComposerHugo FattorusoAirto MoreiraMilton NascimentoFlora PurimといったBrazilのMusicianとの共演が70年代から80年代にかけては目立っていたが、80年代中ごろに母国Uruguayで制作された、これは大名盤。Elegantかつ美麗な旋律とAvant-gardeでEccentricな味わいが共存するところが、Finlandの天才鍵盤奏者/ComposerのJukka Gustavsonとも共通性が見出せる作品だ。弟のOsvaldo FattorusoJame RoosBarcarolaでも共演したSinger SongwriterのPippo Speraが参加している。SperaはHugoとProduceも担当している。重ねられたSynthesizerがSpacyで幻想的な音像を描き出し、南米らしい躍動感に満ちたRhythm憂いのある魅力溢れる旋律に心奪われてしまう。そして80年代中頃というと、Acoustic楽器中心でない限り、例えどんな有能なMusicianが作った名作でもSound Productionが時代を感じさせる古くさいものとなってしまうものだが、本作はそれを感じさせないEvergreenな作品に仕上がっている。勿論、当時を思わせる部分がゼロではないが、それすらもMagicalな味わいに変えてしまう作品の魅力がある。何よりもHugoが紡ぎ出すメロディーが摩訶不思議で美しく郷愁を誘い高揚感を生み出す魅力に満ちているのである。音響と音色のセンスが半端ないのである。90年代前半に世に知られることになった所謂、音響系の5年以上先をいっていたのだ。

 『Varios Nombres』はHugo Fattorusoが86年にリリースしたソロ・アルバム。
アルバム1曲目は、いきなり摩訶不思議で魅力あふれる旋律に心奪われる“En Tus Ojos”。生ギターと分厚いSynthesizerをバックにHugoのMelancholicなVocalが素晴らし過ぎる。ドラムの音は加工されたものだが、所謂80年代サウンド的な古臭さをまったく感じさせないのがスゴイ。
Varios Nombres”もそうだがSynthesizerのフレーズやEffectをかけたVocalStrangeな味わいはFinlandのJukka Gustavsonを思わせる。短いながらもピアノ・ソロがカッコイイ。
何とも言葉にすることができないほど美しくMagicalな旋律に惹きこまれる“Marinera Bel”。生ギターにのせて、その魅惑の旋律がこぼれだすイントロからもう天才としか言いようがない才能の煌きを感じる。どうやったら、こんなメロディーが書けるのか。
これまた滅茶苦茶カッコ良すぎるドラムスとピアノに脱帽の“Idea”。HugoとOsvaldoのCombinationは絶品だ。
Hombre Del Planeta Tierra”もうねりまくるSynthesizerとエレピやこぶしのきいた歌メロが、Jukka Gustavsonを思わせる。
No Tiene Nombre”はThe Beatlesを経由した英国的な美麗で捻じれた
ここからはHugoとOsvaldoのFattoruso兄弟によるピアノとドラムスの超絶Duoが3曲続く。まずはHugoのピアノのRiffから始まる“La Papa (A)”、そして“La Papa (B) ”。Hugoのピアノもキレキレだが、Drive感に満ちたOsvaldoのドラミングは圧巻。
最後をシメるのはHugo Fattoruso y Rey Tamborの2009年作『Emotivo』にも収録されていた躍動感に満ち溢れたCandombe TuneCaminando”。Tambores de Cuareimも参加して大盛り上がり大会でアルバムは幕を閉じる。
(Hit-C Fiore)
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 PerigeoRomaで結成されたItalyが世界に誇るJazz Rock Groupである。50年代からQuintetto Di Luccaのベース奏者として活躍し、60年代にはAmedeo Tommasi Trioの一員となったGiovanni Tommasoを中心に結成された5人組で、全員が高い演奏技術を持ち作曲も手掛ける有能な音楽家集団でもある。Jazz Pino界の至宝であり現在もItaly Jazz界の重鎮として活動している鍵盤奏者のFranco D'Andreaは60年代にGiorgio AzzoliniEraldo Volonté、Franco Tonaniのリーダー作や、自ら率いるModern Art Trioで革新性と抒情性を併せ持った独自の世界を持つピアニストとしての才能を開花させた。結成時に既にJazz界でキャリアを積み重ね、現在のItalyのJazzを語る時にも欠かせないこの二人を中心に、他の3人のメンバーも実力者揃いである。Sax奏者Claudio Fasoliも幻想とCoolな抒情を湛えた欧州的な音世界を持った音楽家で現在も活躍中だし、ドラムスのBruno BiriacoModern Jazz GangのSax奏者Enzo ScoppaとTrumpet奏者Cicci SantucciSantucci Scoppa Quartetに参加してきた名手、New York生まれのTony SidneyElegantなClassical Guitarが得意で、Jazz、HardなRockっぽいギターも弾く多様性を持ったギタリストで、3人とも作曲家としても独自の世界を持っている。Perigeoが70年代に残したアルバムは名作揃いだが、90年代にリリースされた彼らの絶頂期の演奏を収録したLive盤も最高であった。デビュー・アルバムとなる本作は、全曲リーダーのTomassoの楽曲で統一されている。次作以降は少しずつ各メンバーの楽曲も増えていき、それぞれの個性が発揮された創造性に満ちた名曲が沢山生まれていくことになる。Perigeoは、Electric Miles以降に登場したJazzFunkRockに民族音楽、現代音楽を取り入れた多様な音楽性を持つバンドの中でも、高い音楽性と演奏技術、綿密に構成された複雑な楽曲で頭ひとつ抜け出した存在であった。世界的な知名度こそWeather ReportReturn To Foeeverに及ばないにしても、77年に解散してしまうまでに彼らはItalyらしい抒情性土着性地中海の香りを仄かに散りばめたJazz Rockの名作を残していった。本作では後の作品よりも土着的Avant-GardeExperimentalな部分も垣間見え、Italyらしい詩情も感じられるところが気に入っている。

 

 『Azimut』はPerigeo72年RCAからリリースした1stアルバム。

アルバム1曲目“Posto Di Non So Dove”はFreeな不協和音まじりの音響の彼方からピアノが奏でる抒情的な旋律で始まる。TommasoのVocalとClaudio FasoliのSoprano SaxEthnical土着的な香りを放つ。激しいリズムとMinimalなギターのカッティングFree Jazzのような混沌とした世界を描き出している。

Grandangolo”もベースのMinimalなフレーズが繰り返される中、ギターやエレピ、SaxのFreeな演奏で始まる。途中でBluesyなRiffをギターとベースがUnisonで挟み、D'AndreaのAbstractなエレピ・ソロが炸裂する。Sidneyの熱いギター・ソロはロックな魂を感じさせる。飛翔するClaudio FasoliのSaxソロでバンドは極限状態へと突き進み最後は激カッコイイUnisonのキメで終わる。

D'Andreaの浮遊感に満ちた極上のエレピで始まる“Aspettando Il Nuovo Giorno”。SaxとギターがUnisonで幻想的なThemeを奏で、桃源郷へと誘われていく。

アルバム・タイトル曲“Azimut”はD'Andreaの優美なピアノにTommasoのArcoが神秘的で南欧的なExoticで土着的世界へ誘い込む。混沌としながらも所々にたとえようのない美しさを秘めた音の結晶。D'Andreaの美と混沌を自由自在に行き来するピアノにのってギターとSaxが夢の彼方へと運び込んでくれる。

エレピとSaxをバックにTommasoのVocalMysteriousで深遠な“Un Respiro”。

最後を飾るのは15/16拍子のRiffで始まる“36° Parallelo”。Sidneyのギターが激しく煽ると、Fasoliの目くるめくSoprano Saxソロが応酬、そしてBruno Biriacoの圧巻のドラム・ソロ,

Tommasoの変幻自在のベース・ソロと続き、最後はFreeでAvant-Gardeなエンディングを迎える。

Azimut/Perigeo

 

 

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Three Card Molly/Elvin Jones

 Pat La Barberaの鬼気迫るSoprano Saxも素晴らしいが、やっぱりElvin Jonesの人間離れのDynamic小技もビシバシのドラミングとド迫力のソロのには圧倒されてしまう。Jimmy GarrisonMcCoy Tynerと組んだJohn Coltrane Quartet時代を経て、Blue Noteに残したPianoless編成のElvinのリーダー作は個人的にかなり聴きこんだ。ド突き合い上等の息詰まる真剣勝負に思わず手に汗を握ってしまう。この映像ではLa BarberaのSax、David Williamsのベースに川崎遼のギターとのQuartet。正に千手観音

 “Three Card Molly”はElvin Jonesが71年にリリースしたアルバム『Genesis』に収録されている。Joe FarrellとDave Liebman、Frank Fosterの強者Tenor奏者3人をフロントにしたPianolessThree-Horn Quintet。ベーシストGene Perlaと抜群のコンビネーションでElvinのWildなPolyrythmが炸裂している。“Three Card Molly”は82年にリリースされたアルバム『Earth Jones』に収録されているVersionの方も素晴らしい。

(Hit-C Fiore)

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 Anacrusaというグループは最初に初期の2枚のアルバムを聴いていた。そして、このアルバムに出会った時、思わず別のグループかと思ってしまった。元々はFolkroeをベースにAcoustic楽器を中心にしてClassical、時にJazzyなEnsembleで楽しませてくれたバンドである。南米的な抒情性は当然持ち合わせているが、都会的な洗練も併せ持ち、Baroque音楽を思わせる精緻なEnsembleやスリリングなキメは高度な演奏技術に裏打ちされている。本作は、なんでもParisStudio Des Damesで録音された作品らしい。彼らもまた軍政のから逃れてArgentinaの地を後にしたのだった。大編成によりスケール感を増してAggressiveProgressiveな側面も前面に出してきた本作は、ジャンルの壁を乗り越えながら、Argentinaのバンドらしい抒情的で情熱的な部分も生かされている。リーダーで全ての曲の作曲に絡んでいるJosé Luis Castiñeira De Diosの見事な構成力には驚かされる。また鍵盤も演奏する女性SingerのSuzana Lagoの存在は大きい。さらに前作から参加したOboe奏者Bruno Pizzamiglioに加え、Flute奏者Julio César Pardoがイイ味を出している。またフランスのSax奏者Jean-Louis Chautempsやベース奏者Francis Darizcurenが参加しているのが興味深い。前作ではChabuca GrandaのナンバーにVals Peruanoまで手を伸ばした彼らの南米らしさは本作でも失われることなく、さらに視野を拡げた音楽ではあるが欧米のそれらとは明らかに異なる彼らの個性が素晴らしい。最初の2枚のアルバムを愛聴していた自分ではあるが、本作のQualityの高さには驚かされた。

 『El Sacrificio』はAnacrusa78年にリリースした4thアルバム。
アルバム1曲目の“El Pozo De Los Vientos”はFluteエレピOboe典雅な調べを奏で、歪ませまくったDaniel Alberto Sbarraのエレキギターが鋭く切れ込む。
Suzana LagoEmotional生命感に満ちた歌声で始まる“El Sacrificio”。哀感溢れるStringsをバックにギターがむせび泣く
変則12拍子のイントロから始まる“Sol De Fuego”。3拍子を軸にスリリングに形成されるPolyrhythmにのって、それぞれ抒情的な旋律を奏でる各楽器が交錯する。
再び Suzana LagoのVocalが存在感を放つ“Quien Bien Quiere”はStringsがスケールの大きい世界を描き出し、ギターも泣き叫ぶ。まるで大作映画の音楽のようなOrchestrationが面白い。
Juán José MosaliniBandoneonが活躍するArgentinaの作曲家Waldo de los Riosに捧げられた“Hommage À Waldo”。Jean-Louis ChautempsSaxも参戦して展開される世界は彼ららしい個性に満ちている。
Los Capiangos”もArgentinaらしい抒情的な世界をFluteやアコピが演出していく。
最後をシメるのは13分に及ぶ大曲Tema De Anacrusa”。華麗なOrchestrationをバックにFluteSaxが舞い踊り、タイトルにふさわしい曲となっている。 Suzana Lago魂の入りまくったScatに感服。
(Hit-C Fiore)
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  South Africa出身のAbstract Truthというバンドは2枚の公式アルバムを残している。彼らは後にHarry Miller Quintetに参加するSax/Flute奏者Sean BerginベースFluteドラムスを演奏するGeorge WolfaardtFreedom's Childrenの創成期メンバーだったギターのKenny HensonPianoHammondHarpsichord、Fluteを演奏するPeter Measrochの4人組。『Totum』ではBob DylanやDonovanのCoverにまじえてJazzのStandardを演奏していた彼らが全曲を自作曲で固めた本作はどことなくCanterburyの香りも漂う好作となった。やはりBritish  Rockからの影響を強く受けているのだろうが、浮遊感漂うFluteやHammondの響きが牧歌的Mysteriousな彼ら独特の世界を描き出している。とはいっても、管楽器の使い方とHammondが英国の音楽らの強い影響を受けているのは確かだろう。特にPeter Measrochの弾くHammondは時にCaravanDave Sinclairを連想させる。そして実力者Sean Berginが吹くTenor Saxは、やはり迫力モノだ。Jazzyでありながら醒めた熱気とでもいうのだろうか、やもすれば平坦でありがちな雰囲気モノのFolk Rockに時に陥りそうな時にFreakyにBlowしたりして独特の立ち位置でバンドのEnsembleを担っている。また全曲オリジナルの楽曲も、幾分いただいてきちゃった的な部分があるとはいえ、当時としては中々頑張っているのではないだろうか。同時期の英米のRock Bandと比較しても遜色のない作品となっている。

 

 『Silver Trees』はAbstract Truth70年にリリースしたアルバム。

アルバム1曲目“Pollution”はFlute牧歌的なVocal、Hammondが時としてCaravanを思わせたりして。途中からはLatin風の展開になって暗い雰囲気から一転してベースやSax、Organが陽気になっていくのが面白い。

素人っぽい拙いVocalと.がイイ味を出している“All The Same”。ここでもHammondとFluteがCanterburyの風を運んでいるような。

Original Man”は切々と訴えかけるように歌うVocalが印象的。George Wolfaardtの太くてよく歌うベースもイイ感じ。

アルバム・タイトル曲“Silver Trees”は8分越えのPsychedelicなナンバー。Tenor Saxの重厚な響きにGentleなVocal、牧歌的なHammondが不思議な世界へTripさせる。CaravanDave Sinclairを思わせるPeter MeasrochのHammondにSean BerginのFreakyなSaxが混然一体となってKenny HensonのヘタウマなギターがPsychedelicな色合いを強めていく。

ピアノとTenor Sax、ワウ・ギターで始まる“In A Space”は浮遊感漂うサウンドがやはりCanterburyの雰囲気を感じさせる。

Harpsichord儚げなVocalとともに雰囲気たっぷりの“Moving Away”。後半はTenor Saxが吼えまくるJazz Rockな展開になるところも良い。

Harpsichord儚げなVocalとともに雰囲気たっぷりの“Moving Away”。後半はTenor Saxが吼えまくるJazz Rockな展開になるところも良い。

Two”はGeorge Wolfaardtぶっといベースのラインが激カッコイイ。アコギをかき鳴らして線の細い声で歌うところが好対照で何とも面白い。Bluesyな“Blue Wednesday Speaks”。

Bluesyな“Blue Wednesday Speaks”は気怠いVocalとHammondにBlowしまくるTenor Saxがイイ感じ。

最後をシメるのはガラッと雰囲気が変わって跳ねるベースやピアノ、Chorusが躍動感に満ちた“It's Alright With Me”。ヘタウマなギター・ソロもイイ感じ。  

(Hit-C Fiore)

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  Oregonのギタリスト/鍵盤奏者Ralph TownerECMからリリースした新譜『My Foolish Heart』の素晴らしさに酔いしれている。Classical GuitarTwelve-String Guitarで選びぬいた音の一つ一つがSimpleで有無を言わさぬ存在感を放つ。その研ぎ澄まされた感性美意識はTownerが敬愛するBill Evansのようだ。なんと潔く気高い音なのだろう。

 ECM時代のOregon。ECMというレーベルは如何にもOregonというグループに相応しいように考えられるのだが、VanguardからElektraへの移籍を経てECMに移ったOrehonは3枚のアルバムしか残していない。そして興味深いことに、それまでAcoustic楽器をメインに使って演奏してきたOregonがSynthesizerを使い出したのもECMに移ってからだ。Prophet 5時代のOregon。70年代末に発売され、80年代に一世を風靡した世界初のProgrammable Polyphonic Analog SynthesizerであったProphet 5。自分も未だにProphet 5のサウンドは大好きだが、そのサウンドが違和感なくOregonのMysterious深遠な楽曲とEnsembleに溶け込んでいるのは流石である。83年にリリースされたECM移籍第一作の『Oregon』からこの楽器を使い始めたOregonは、このアルバムで、これまでVanguardやElektra時代に築きあげてきた作品のテイストも残しながら、Synthesizerを効果的に導入した静謐で浮遊感に満ちた素晴らしいサウンドを創り上げた。Prophet 5の使い方は決して前面に出たものではないが、要所要所で、その幻想的で不思議な音が鳴り響くと、未知の空間に誘われていくようだ。そして何よりも、本作はTablaSitarPercussionの名手であり、Original MemberのCollin WalcottがいたOregon最後のアルバムとなってしまった。つまり、Ralph TownerPaul McCandlessGlen MooreCollin Walcottいうデビュー・アルバム以来の不動のQuartetで創った最後のアルバムでありWalcottの遺作となってしまったのだ。不幸なことに欧州ツアー中の交通事故で命を落としたWalcottに本作は捧げられている。そういうこともあってか、個人的な思い入れもあってか、本作を聴く時は特別な感情なしには聴けないのである。心なしかアルバムに漂う儚くSentimentalなTone懐かしいProphet 5の響き胸をしめつけられるような想いを抱かずにはいられない。

 

 『Crossing』はOregon85年ECMからリリースしたアルバム。

アルバム1曲目はRalph Townerが弾くMinimalProphet 5のフレーズで始まる“Queen Of Sydney”。それに重なるようにTownerのピアノ、Paul McCandlessOboeが幻想的に響き、Collin WalcottTablaが聴こえて、あぁOregonだなと実感する。しかし、それらのEnsembleと永遠に鳴り続けるProphet 5に違和感は感じない。なんとも心地良い音楽。McCandless作。

ベース奏者Glen Moore作の“Pepé Linque”はDancableなベースのRiffで始まり、McCandlessはBass ClarinetとSoprano Sax、TownerはCornetで彩りを添える。

Ralph Towner作“Alpenbridge”はTownerのClassical GuitarとWalcottのSitarのEnsembleが限りなく美しい。McCandlessのOboeが静謐に響いていく。

Walcott作の“Travel By Day”もWalcottのSitarとTownerのTwelve-String Guitar幾何学模様のように絡み合う様が素晴らしい。

作者のMooreがピアノを弾く“Kronach Waltz”。儚く美しい旋律にMcCandlessのBass ClarinetとTownerのCornetがSentimentalに響く。

B面は大好きなProphet 5のサウンドで始まるTowner作の“The Glide”。心地良くSwingするピアノを弾くTowner、ご機嫌なMooreのベース・ソロ、McCandlessのSoprano Saxソロと気分は最高。これは名曲名演奏

McCandless作の“Amaryllis”はProphet 5にのってTownerのTwelve-String GuitarImaginativeな空間を創り出す。McCandlessのEnglish HornOboeと織り成す透明感に満ちた世界はVanguard時代のOregonだ。バックで控えめに鳴り響くProphet 5もイイ感じ。

Towner作“Looking-Glass Man”はTownerのピアノとMcCandlessのSoprano Saxが寄り添うように優美で清々しい風景を描いていく。

アルバム最後をシメるのはタイトル曲“Crossing”。Townerの手による未だに涙なしには聴けない名曲。Twelve-String GuitarピアノSentimentalに響いていく。この曲を聴くたびにWalcottのことが頭に思い浮かんでしまう。

Queen of Sydney/Oregon  

(Hit-C Fiore)

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 演奏は勿論、歌も歌ってChorusもバッチリというJazz Samba Trio。といえば、Tamba Trioを思い浮かべる人が大多数かもしれないが、このJongo Trio極上の演奏と歌とChorusで魅了するJazz Samba Trioである。以前も書いたけれど、演奏をしながら歌ったりChorusしたりすることは難しいけれど、一度ハマると、その世界から抜け出せなくなるのだ。音と一体化するとでもいうのだろうか、楽器の演奏も、確かに自らの身体を使って音を出すことなのだが、自分の身体の中から声を発していく行為が、その手や足の動きと連動して音が生まれていくのが何とも心地良いのだ。そして、同様に他のメンバーたちから生まれた歌や演奏と一体化した時の極上の気分といったらない。でも、実際には中々思うようにはいかなかったりするものだ。Jongo Trioの本作を聴くたびに、そんな歌って演奏することの楽しさや難しさが思い浮かぶ。ピアノのCidoことAparecido Bianchi、ベースのSabáことSebastião Oliveira da Paz、ドラムスのToninhoことAntônio Pinheiro Filho、この3人全員が歌え凝りまくったChorusScatを、スリリングで躍動感に満ちた演奏にのせて繰り出す様は圧巻だ。これこそがJazz Samba Trioの醍醐味。Tamba Trioと対照的にJongo Trio名義での純粋なJazz Sambaのアルバムは本作のみであるが、この完成度の高い1枚だけでも、至高のJazz Samba Trioである彼らに歴史に残る存在として高い評価を与えるに値すると思う。Jongo Trioは、その後分裂し、ベースのSabáとドラムスのToninhoはピアノにSambalanço TrioCésar Camargo Marianoを迎え、Som Trêsを結成、ピアノのCidoはMilton Banana Trioの『Balancando com Milton Banana Trio』に参加している。

 『Jongo Trio』はJongo Trio65年にリリースしたデビュー・アルバム。
アルバム1曲目は緊張感漂うイントロから見事なChorusが炸裂する“O Menino Das Laranjas”。
Baden Powell作の“Feitinha Pro Poeta”もイントロのBlock ChordsからChorusに入る展開が最高。Cidoが参加したMilton Banana Trioでの演奏と比較するのも楽しい。
Roberto Menescalの書いた小洒落た旋律が最高のWaltz“Ela Vai, Ela Vem”。
Elegantな旋律を持った“Eternidade”。演奏のみのClassicalな味わいも実に夏の終わりなんかに聴くとピッタリの少し切ない名曲
Marcos Valleの名曲“Terra De Ninguém”。
Johnny Alf作の“Seu Chopin, Desculpe”。“ショパンさん、ごめんなさい”というタイトル通り“Valse du Petit Chien子犬のワルツ)”を引用した楽しいナンバー。
Edu Lobo作の“Arrastão”。躍動するRhythmにのった優美なChorusがイントロから炸裂。動と静Contrastの付け方が良い。構成力に富んだ名曲中の名曲の魅力をを緩急つけた歌と演奏で的確に表現している。
Funky Jazzな味わいのあるインスト“Garota Moderna”。BluesyElegantなピアノにCidoらしさが出ている。ベース・ソロもある。
まったりした3人の単独のVocalが楽しめる和みチューン“Vai, João”。勿論、一糸乱れぬChorusもお見事。
再びEdu Lobo作の、これまた名曲中の名曲“Reza”はイントロの神秘を湛えたChorusからグッと惹きこまれてしまう。
そして、個人的に本作のハイライトとなるのはHermeto Pascoal作の“Balanço N˚1”。疾走感に満ちたRhythmにCidoのピアノが次々に紡ぎ出していく旋律に圧倒される。
最後を飾るのは再びMarcosPaulo SérgioValle兄弟作の“Deus Brasileiro”。幻想的に始まるイントロからMarcosらしい凝っていながらも美麗な旋律が展開されていくところはたまらない。それにしても演奏もChorusも変幻自在、遊び心も加えた余裕の歌と演奏。これだけ演奏出来て歌えたら、さぞかし音楽が楽しくて仕方ないだろう。
(Hit-C Fiore)
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