皇后杯準々決勝12月19日の試合で、@カンセキスタジアムとちぎ。
https://www.youtube.com/watch?v=P7uflHZQP-k
 

前のブログと同じカードを書きます。
なでしこリーグでは第8節新潟L(2-1)I神戸、第18節I神戸(2-0)新潟L。
I神戸がボールを支配するのだが、新潟Lがシュートを打たせないで、カウンターという構図。



 

I神戸はリーグ戦後半を3-4-3で戦ったが、皇后杯3回戦から3-5-2。

怪我の10岩渕選手は間に合わなくて、2守屋選手も登録から外れている。
3鮫島選手をDFに下げ、インサイドセンターに15阪口選手を入れた。


対する新潟Lは、いつも通りの4-4-2。
前戦に怪我から復帰して約1ヶ月の8石淵選手、右SHに17滝川選手を先発起用。
ベンチメンバーと合わせると3中村選手以外の主力は揃っている。



試合は、新潟Lが2点をひっくり返して勝利。
ボールを保持していたのはI神戸だし、崩しも出来ていた。
だが、新潟Lがよく耐え、カウンター中心に反撃、効率的に得点を取った。
私のメモによると、シュート数(短距離ブロックなどを含む)19/11、枠内シュート数6/5、エリア内シュート数12/7。[I神戸/新潟L]


I神戸は、左サイドを中心に、新潟Lの守備を崩せていた。
特に左サイドは3鮫島選手も攻撃参加し、何度も崩したり、クロスを上げていた。

だが、8本のシュートをブロックされて、ゴールをこじ開けられなかった。

守備では、I神戸らしくなかった。
1失点目は、17滝川選手8杉田選手が競り負け押し込まれた。
2失点目は、コーナーキックからの逆速攻に対し、ボールに行きすぎてゴール前の人数が足らなくなっている。

これでI神戸の2020シーズンは終了。
10岩渕選手は皇后杯で姿を見せること無く、イングランド挑戦となった。

来年もまた、9田中選手以外の選手たちの得点力不足に悩まされぬよう、誰かが一皮剥けることを願う。


勝った新潟Lはよく粘ったのだが、I神戸の攻撃を押さえ込むことが出来ず、リーグ戦の2試合より厳しかったと思う。

左サイドを崩され続けたが、29千野選手はベンチ入りしていたが使えなかったのだろうか?

17滝川選手との守備力の差なのか、8杉田選手との相性の問題なのか?
守備力の差だとすれば、準決勝・決勝には29千野選手が戻ってこないと厳しいかも知れない。

攻撃では8石淵選手がターゲットとして機能しそうな感じ。

前戦に無かった高さとパワーがあって、攻撃のバリエーションは増えていた。

いずれにせよ、私はどこのチームのファンでもないのだが、10上尾野辺選手には、是非ともタイトルを新潟Lとして取ってもらいたいと思っている。
と言う理由で、勝ち残った4チームの中では、新潟L推しかな?


得点

26分 (24:57 ポインタ30:00) (25m右ライン際)24水野選手(20m右ライン際)15阪口選手(クロス・8m左)8杉田選手(~5m左→8m右)11髙瀨選手(シュート)

38分 (37:49 ポインタ42:52) (10m左TH)8杉田選手(10m左サイド)9田中選手(10m左ライン際)8杉田選手(~1m左・クロス・8m正面)7中島選手(シュート)

42分 (41:07 ポインタ46:09) (35m左ライン際)5川村選手(20m左サイド)10上尾野辺選手(10m左ライン際)7園田瑞選手(~24水野選手カワシ5m左ライン際・クロス・7m正面)17滝川選手(シュート)

51分 (50:21 ポインタ 58:31) (60m左サイド)17滝川選手(45m左)8石淵選手(55m右)18松原選手(~35m右サイド→25m右サイド)10上尾野辺選手(クロス8m左ポスト前)5川村選手(ヘディングシュート)

53分 (51:56 ポインタ 1:00:07) (65m左)5川村選手(55m左ライン際)14北川選手(18m左ポスト前)8石淵選手(ループシュート)


~:ドリブル


 YouTube ポインタ 前半 +05:02 後半 +33:31


その他主なチャンス
  SB:Shoot Block SC:Shoot Cut ES:Easy Save S:Save FS:Fine Save B:Bar P:Post 
  F:Free(GKと1対1など) 

I神戸
00:51~,12:23~,FK15:51~,20:53~SB,CK21:37~P,23:32~S,27:23~S,28:20~SB_SB_SB,38:57~
46:33~SB,CK50:13~,FK71:13~FS,72:30~SB,76:43~SB,76:57~,83:12~S,CK85:18~,90:48+~SB


新潟L
CK05:38~F,08:35~,10:23~SB,CK11:13~,32:06~F,43:55~S
48:14~,60:47~,87:49~FS

では、いつもの通り、コーナーキックを分析していく。



(1)両チームのディフェンスシステム

I神戸はマンツーマン中心で、2人のゾーン固定配置。

新潟Lはマンツーマン中心で1人のゾーン固定配置。
前戦に10上尾野辺選手17滝川選手の2人を残した逆襲狙いの濃い配置。


 

 

ちなみに、先発選手を身長順に並べると以下のよう。

I神戸 GK1武中 170
 16      5     9     11     3      8      7     24    15     6
西川 三宅 田中 髙瀨 鮫島 杉田 中島 水野 阪口 伊藤
166   165   164  164   163   162  159   159   158  150

新潟L GK21高橋166
  5        15         8       7       14     4    18        10         16      17
川村 イ・ヒョギョン 石淵 園田瑞 北川 三浦 松原 上尾野辺 園田悠 滝川
169      167      165     164    164  163   162      157       156    153

新潟Lやや有利なマッチアップ関係。


(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。

               I神戸    新潟L
コーナー本数               
得点(1次攻撃)      0       


センタリング→シュート  1/0    1/0
センタリング→パス    0/1     
ルーズボール                

クリアー          1/1      
キーパーパンチ              
キーパーキャッチ             
 * フリー/競り合い
オフェンスファール             
ディフェンスファール     0       
キックミス                  
ショートコーナー不発           
時間つぶし                  
直接ゴール                  
オウンゴール                  


フリーになった選手    1/2     1/3
    (ボール受け/ボール来ず)
ピックプレー:推定含む  3/0      3/0
     (成功/失敗)



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー


A.I神戸のコーナーキック

a)体制
 

キッカーは8杉田選手(左利き)7中島選手(右利き)。
受け手は以下の体制で始まった。走り込む位置は色々。

・ニアへ:9田中選手5三宅選手
・正面からファー:16西川選手11髙瀨選手
・GK脇: 15阪口選手
・ショートコーナー: -
・コボレ狙い: 6伊藤選手7中島選手
・セーフティー: 24水野選手3鮫島選手

b)結果概要

1本目 (21:37) 右CK 8杉田選手5川村選手クリア
8杉田選手回収・シュート・左ポスト→18松原選手クリア。
2本目 (50:13) 右CK 7中島選手16西川選手4三浦選手16園田悠選手前戦へ。
3本目 (57:57) 右CK 7中島選手5三宅選手ヘディングシュート。左へハズス。
4本目 (85:18) 左CK 8杉田選手11瀧澤選手クリア。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

ア)3本目 (57:57)
 

この試合は、5三宅選手14北川選手がマッチアップ(攻守とも)。前のブログで、この1年でゾーン固定配置された選手を使ったラッシュ&ピックA(2-2:リンク参照)のピックプレーが上手くなったと書いた2人である。
お互いどんな対応をするのか興味が有ったのだが、それが実現したのがこの3本目である。
5三宅選手がマークの14北川選手を、5川村選手を壁に使って剥がし、フリーでヘディングシュートしている。



動画:キック5秒前から始まります。

 


当然、14北川選手5三宅選手のやることは判っていたはず。でも、止められない。
ピックプレートはそう言うモノである。


イ)4本目 (85:18)

典型的なラッシュ&ピックBのピックプレー(2-3:リンク参照)
14京川選手がニアヘ走って、マークの18松原選手の1歩目を5三宅選手がブロック。
14京川選手は完全にフリーになった。



動画:キック5秒前から始まります。

 


この試合、5三宅選手は良い働きをしている。
前のブログで「コンビでのピックプレーも偶発的なものを除くと、ほとんど無い。」と書いたが、ここに来て訂正しようかとちょっと思った。



B.新潟Lのコーナーキック

a)体制

キッカーは、10上尾野辺選手(左利き)。
受け手は以下の体制で始まっている。基本的に毎回同じようなパターン。

・ニアへ: 14北川選手・7園田瑞選手4三浦選手
・正面からファー: 5川村選手8石淵選手
・GK脇: -
・ショートコーナー: 16園田悠選手
・コボレ狙い: 17滝川選手
・セーフティー:  18松原選手15イ・ヒョギョン選手


b)結果概要

1本目 (05:38) 左CK 10上尾野辺選手4三浦選手ヘディングシュート。左へハズス。
2本目 (11:13) 左CK 10上尾野辺選手→密集を越え・GK武中選手7園田瑞選手ファール。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

1本目 (11:13)

偶発的だろうが、一気に2人がフリーになっている。

8石淵選手がニアヘ向かうが、11髙瀨選手はいつものように非常にタイトなマークをする。
 

5川村選手は逆に正面からファーサイドへ向かった。上記の動きとでクロス(2-4:リンク参照)のピックプレーが形成構成されて、8石淵選手が正面衝突しそうになった16西川選手はて5川村選手を追えない。

 

4三浦選手8石淵選手の後を追ってニアへ走る。8石淵選手11髙瀨選手16西川選手を壁にラッシュ&ピックB(2-3:リンク参照)のピックプレー。マークの3鮫島選手は、ゴール側に回避して追うが壁が大きいので、間合いを詰められない。
 

5川村選手4三浦選手の2人が一気にフリーになる。
 

4三浦選手がヘディングシュート。左へ外した。

5川村選手の②は良く見かける動き、4三浦選手は大外で待つことが多く③は珍しい。
偶発的に起こったプレーだが、非常に効果的だった。



動画:キック5秒前から始まります。

 



 以上です。

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ブログ内関連記事
 

目次 1.概要(アメブロ版)

2-2 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックA 2015/11/28

2-3 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックB 2015/11/29

2-4 局面的な技術:パターン② クロス 2015/12/06

 

4-4 I神戸0-2 新潟L:なでしこリーグ・エキサイティングシリーズ 2015/10/19

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4-54 皇后杯 新潟L 0-0 I神戸(PK4-5) 2016/12/25

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4-198 なでしこリーグ I神戸 5-2 新潟L 2019/09/18

4-268 なでしこリーグ I神戸 2-0 新潟L 2020/12/19


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関連記事など、外部リンク

JFA_TV
皇后杯準々決勝 INAC神戸レオネッサ vs. アルビレックス新潟レディース【42】https://www.youtube.com/watch?v=P7uflHZQP-k

I神戸_HP
皇后杯 JFA 第42回全日本女子サッカー選手権大会 準々決勝
https://inac-kobe.com/match/result/332

新潟L_HP
皇后杯JFA第42回全日本女子サッカー選手権大会 準々決勝
https://www.albirex-niigata-ladies.com/game/result/pg3316377.html