給与計算は、従業員の生活に直結する大切な業務です。
毎月、当たり前のように行っている業務だからこそ、「いつものやり方」で進めているという会社も多いのではないでしょうか。
ですが実際には、「本当はこうしなければいけなかった」という労務上のミスが、気づかないまま続いてしまっているケースも少なくありません。
今回も社労士としての実務経験から、中小企業で特に多く見られる給与計算における3つの間違いをご紹介します。
日々の業務を安心して行うためにも、今一度ご確認いただければと思います。
③ 社会保険料・雇用保険料の料率が変更されていない
給与計算をするうえで、意外と見落とされがちなのが、社会保険料や雇用保険料の料率改定です。
これらの保険料率は、毎年見直されており、原則として社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金保険)は3月から、雇用保険料は4月から新しい料率が適用されます。
※本年4月保険料からは「子ども・子育て支援金制度」が始まります。
※算出方法は次のとおり。
・標準報酬月額(総額)×支援金率(0.23%)を掛けた金額を労使折半(2分の1ずつ)
ただし注意したいのは、変更された保険料率を「いつの給与から適用するか」は、事業所によって異なるという点です。
たとえば、社会保険料であれば「3月支給分」に新料率を適用するのか、あるいは「4月支給分」から変更するのか、
雇用保険料であれば「4月支給分」か「5月支給分」からか、給与計算の基準月によって判断が分かれます。
「長い間、同じ設定のまま変更を忘れていた」
「担当者が変わり、適用月を正しく切り替えられていなかった」
といったミスは、実際の現場でも頻繁に見受けられます。
このような誤りがあると、保険料の過不足や、従業員への返金・徴収のやり直しが必要になる場合もあります。
年度の切り替え時期には、必ず管轄の年金事務所や労働局(ハローワーク)からの通知を確認し、給与計算システムの設定などを見直すことが大切です。