人生を豊かにする仏教の知恵
【目次】
1.原始仏教は幸せ哲学
2.現実世界や人生の捉え方
3.煩悩:幸せな人生を妨げる心
4.幸せに生きるスキル
5.仏教と関係の深いセラピー

 

 

煩悩という言葉をご存じだと思いますが、どのようなイメージがありますか?

「堕落につながる心」とか「悪人が持つ考え」というイメージがあるかもしれませんが、ちょっと違います。

 

人が、迷ったり、苦しんだり、人生の問題に繋がる心の状態や動きの総称です。私たちが心穏やかに幸せな人生を送るためには、煩悩の克服が必要になります。

 

克服するためには、その前に煩悩を知る必要がありますね。

 

 
煩悩の種類

 

そもそも仏教は、「煩悩の克服」が重要なテーマで、色々な宗派やお経で解説されていて、色々な分類の仕方があります。

 

ここでは、実生活でも役立ちそうな代表的な以下のものを紹介します。

  • 三毒:煩悩の三元素
  • 六大煩悩:頻繁に影響を受ける煩悩
  • 五蓋:目標を達成を阻む煩悩

 

 

三毒

 

全ての煩悩は、この三毒の組み合わせで説明できます。つまり、煩悩の三元素といえます。

 

これらを理解すると他の煩悩も理解できるようになります。

 

それぞれの下に書かれた煩悩は、その現れ方の例としてあげられている煩悩です。

 

1.貪(とん):貪欲、渇望

  ・慳(けち・もの惜しみ)

  ・僑(おごり)

  ・掉挙(心騒がしい)

  ・誑(嘘・ごまかし)

  ・諂(罪のごまかし)

 

2.瞋(じん):怒り、不満

  ・忿(相手に対する心の怒り)

  ・恨(恨みの持続)

  ・悩(自分に対する心の怒り)

  ・嫉(ねたみ)

  ・害(同情心がない)

 

3.痴(ち):妄想、勘違い

  ・覆(自己弁護)

  ・沈(心の不適応)

  ・不信(信じられない)

  ・睡眠(やる気なし)

  ・悪作(後悔)

 

直接的に悪影響を感じられない場合でも、煩悩は他の問題の遠因になっていたり、心を苦しめる元になっています。

 

関連記事:

  三毒:心を苦しくするもの (仏教的な心のとらえ方)

  妄想:考えは、全て疑わしい

  貪欲:欲は苦しみの元?

  要注意の貪欲:刺激への欲求、承認欲求

  怒り:人生を邪魔するもの

 

 

六大煩悩

 

頻繁に影響を受ける煩悩を知っておくと、気付きやすくなります。

そのようなものに、六大煩悩というものがあり、三毒の他に、慢(まん)、疑(ぎ)、悪見(あくけん)の3つが足されています。

 

 これらの3つも、三毒で説明できますが、頻繁に影響を受けるので、この形で覚えておきます。

 

 

1.貪(とん)

2.瞋(じん)

3.痴(ち)

4.慢(まん):思い上がり

  ・高慢(自分の方が上だと思う)
  ・過慢(同上とほぼ同義)
  ・慢過慢(相手が上であっても同等だと思う)
  ・我慢(自分の考えは正しいという思いあがり)
  ・増上慢(悟った、極意を得たという思い上がり)
  ・卑下慢(劣等感に落ち込む)
  ・邪慢(自分には徳があると思いこむ)

 

5.疑(ぎ):不信、迷い

6.悪見(あくけん):間違った理解

  ・有身見(感覚や経験を正しいと思いこむ)

  ・辺執見(断定できないことにこだわる)

  ・邪見(縁起の理を否定する) 

  ・見取見(自分の見方に固執する)

  ・戒禁取見(きまり、観念にこだわる)

 

 

五蓋(ごがい)

 

目標達成のために何かの努力をしようとするのを妨げる煩悩です。

 

目標達成のために努力をしている時に、以下の煩悩に注意を払って、処理をしていくと効果が上がりやすくなります。

 

1.貪欲(とんよく):渇望・欲望
2.瞋恚(しんに):怒り・憎しみ
3.惛沈・睡眠(こんじん すいめん):倦怠・眠気
4.掉挙・悪作(じょうこ おさ) :心の浮動、心が落ち着かないこと・後悔
5.疑(ぎ):疑い

 

 

 

執着

 

もう一つ重要な煩悩に執着があります。

執着は、色々な悩みや問題の原因になっていたり、円滑な人生の邪魔をしています。

 

執着は対象によって以下のように分ける場合があります。

  • 物や地位など外のものへの執着
  • 信念や意見など心の中のものへの執着

その他の煩悩でも説明できますが、これも頻繁に現れる煩悩なので、執着として覚えておくのが良いと思います。