脳が接近システムの状態でいる時間が長くなると、幸福感・充実感を感じ、そして周囲からの恩恵も受けやすくなります。

 

そのためには、「イヤなこと」を減らす必要があります。

「イヤなこと」が回避システムの状態へのきっかけになって、接近システムの状態でいられないようにするからです。


回避システムの状態でいると、接近システムの状態へのきっかけである「気分の良さ」「期待感」に気づけなくなります。

 

 

「不快なことを我慢する」ということではありませんよ。

「我慢する」というのは、「何かをイヤがっている」ということですから。

 

不快な感じ方を減らすのです。「ありのままに受け入れる」ということに関係します

 

 
イヤなこと

 

「イヤなこと」というのは、以下のような気持ちにさせます。

  • イヤだ、やめてほしい
  • やりたくない、気が向かない
  • 嫌い、気持ち悪い
  • 間違っている、おかしい
  • 許せない、認められない

などなど

 

このように思わせるものは、人、モノ、場面、行為なんでも、回避システムのきっかけになります。

痛み、悲しみ、不安などの感覚も、イヤがると回避システムのきっかけになります。

 

現実だけでなく、思考で考えただけで回避システムが動き出します。

 

 

考えただけでも影響を受けるので、「イヤなこと」が多い人は、回避システムの状態に入りやすく、不満や不安、悲しみや希望が持てないと感じることが多くなります。

 

また、回避システムの状態が長いと、この「イヤなこと」が増えていきます。

何事にも興味を持てず、何をやっても楽しく感じられないので、気に入らないことばかり目に付くからです。


 

つまり回避システムの状態が続くと悪循環におちいります。

うつ病はそのような状態です。

 

 

 
イヤなことを減らす

 

イヤなことを減らす方法としては、主に以下の考え方があります。

  • 不快なこと共にいられる練習
  • 不快と結びつけてしまった条件付けを解く

そして、マインドフルネスの練習はこれらのスキルを向上させる効果があります。

 

不快なことといられる練習

 

がまんするのとは違います。

 

実は、不安や悲しみをイヤがって無視したり、消そうとすると苦しさが増えていきます。

痛みなどの肉体的な苦痛も同様です。


苦痛が増えるのも回避システムが関係しているのかもしれません。

回避システムの状態にならないように、不快を受け入れます。


 

それらの不快さを認め、受け止めようとすると苦痛は和らいでいきます。

 

具体的な方法は、以下の記事紹介した RAINです。

  

  関連記事:

  感情を受け流す練習

 

不快と結びつい条件付けを解く

 

以下でお話をしたレスボンデント条件付けを解きます。

 

  行動療法のすすめ(1/2):生物共通の学習の仕組み

  行動療法のすすめ(2/2):思考の影響

 

これらは、過去の経験で、体が「これはイヤだ」と覚えてしまったものです。

社会で生きていくために都合の悪いものも覚えてしまっているので、それらを解きます。

 

その方法はいかが参考になるはずです。

 

  手順①:考えと感情の関係に着目(1/2)

  手順①:考えと感情の関係に着目(2/2)

 

 
これらを練習すると回避システムの状態になることが減っていき、生きづらさが減っていくはずです。
 
 
呼吸瞑想

 

マインドフルネスで教える、呼吸を観察する瞑想をすると、接近システムの状態になりやすいことが分かっているそうです。
 
私は、マインドフルネスは練習を始めたばかりで、1.5ヶ月程度ですが、生活の質が上がってきたように感じます。