前の記事の続きです。

 

 

 
人間と他の生物の違い
(人は思考の影響を受ける)

 

レスポンデント条件付けとオペラント条件づけは、人にも他の生物にも同じ仕組みがあります。

 

でも、動物と人では、大きな違いあります。

思考力があることと、将来の結果の為に行動するということです。

 

 

これは、オペラント条件付けを考えるときに、動物と違って以下を考慮する必要が出てきます。

  • ご褒美のタイミングの違い
  • A:きっかけやC:ご褒美が、現実だけではなく思考や価値観が関係する

 

ご褒美のタイミングの違い

 

オペラント条件付けで行動パターンに影響するのは、行動の直後のご褒美です。

でも、人が本来もとめるご褒美は時間差があることが多いのです。

 

例えば、テストで良い点を取るために勉強をするわけですが、良い点を取ることはオペラント条件付けのご褒美にはなりません。

 

良い点と言う結果を見るのは、勉強をしたずっと後だからです。

 

思考や価値観が関係する

 

マウスが行動を起こすきっかけもご褒美も現実だけです。

 

人は現実から予測をしたり連想したりします。

その「考え」がきっかけになるなることがあります。

 

そして、考えがご褒美になったりします。

「理想通りにできた」

「善い行いができた」

といった自己満足です。

 

これにはイメージや信念、価値観が関係します。

そして、それらに関連したレスポンデント条件付けも関係します。

 

 
勉強の習慣

 

「勉強をする習慣」のご褒美を考えてみます。

 

「良い点が取れた」は、オペラント条件付け上のご褒美にはなりません。

では、勉強を習慣にするためのご褒美は何が考えられるでしょう?

 

たとえば、以下のようなことが考えられます。

  1. 悪い点を取って怒られる不安から逃れることができる
  2. 勉強することを他人からホメてもらえる
  3. 勉強することを自分で自分をホメられる
  4. 勉強が喜びになっている(1)
    勉強と良い点をとった喜びが条件づけられている
  5. 勉強が喜びになっている(2)
    勉強と新しい知識を学ぶ喜びが条件づけらている

 

下の方が好ましいと思われるご褒美になっています。

これらのご褒美によって、勉強のきっかけが違ってきます。

 

 

これらは躾けられ方も大きく影響しています。

 

勉強の直後に「勉強のやり方が悪い」「真剣にやらないと結果につながらない」などを言われていると、勉強することと難しいことに取組む息苦しさが条件付けられるかもしれません。

勉強をしていることをホメるのも多くの場合は、「苦しいことに取組んだ」というニュアンスが含まれるの、勉強と息苦しさが条件付けられるでしょう。

 

それよりも、新しい勉強の仕方の工夫をしたことをほめると、工夫をすることが習慣になるでしょう。

また、「この問題、おもしろいね!どう解くんだろう?」とか「へ~、そうだったけ?xxは、どうなってたっけ?」と親が興味をもってワクワクして接していると、子供には、勉強と面白さが条件づけられたり、新しい知識を学ぶことが面白いことと条件づけられるでしょう。

 

 

 

ちなみに、引き寄せの法則を行動療法的に説明するとすれば、4.のように良いイメージがご褒美になっていて、よりよい行動が自然に身に着つくのだと言えるかもしれません。

 

 
思考もパターン化する

 

行動療法では、思考も行動の一つと考えます。

 

つまり、オペラント条件付けの仕組みでパターン化されます。

 

例えば、他人の不備ばかり考えることが多い人は、以下のようになっている可能性があります。

 

 

レスポンデント条件付け

 

組織や人間関係の問題と、自分が責められる不安が条件付けされている

 

オペラント条件付け

 

A:きっかけ:

組織や人間関係の問題

(=自分が責めらるかもしれない状況)

 

B:言動(思考)

他人を不備を見つけ責める根拠をみつけたり、責めるイメージをする

 

C:ご褒美

自分が責められる不安から解放される

 

 

ここで注意が必要なのは、ご褒美がリアルな現実ではないことです。

 

そして、他者の不備は、「自分が困ったことになる不安」につながり、不安を何度も噛み締めることになるので、組織の問題と不安の条件付けが強化される可能性があります。

 

怒りやすい人も、これによく似た状況になっているはずで、考えるだけではなく感情的な言動を伴っているという違いがあるだけです。

 

 
生活への応用

 

さて、これらの行動療法の知識を使って、自分の行動パターンを変えたり、気分の傾向を変えることができます。

 

そのためには、まずは自分がどういうときに、何を感じているかを知る必要があります。

 

私には、どんなレスポンド条件付けがあるのか?

私には、どんなオペラント条件付けがあるのか?

 

これらの条件付けは、外の世界で起きていることだけではありません。

 

  • 外で起きている現実
    (状況、場面、音、匂い、味など)
  • 体で感じている感覚
    (空腹、痛み、違和感、など)
  • 考え

などなど。

 

それらが有る時に、何を感じているか?何をしたくなるか?

それらがわかると、以下の手順で改善することができます。

 

 手順①:考えと感情の関係に着目(1/2)

 手順①:考えと感情の関係に着目(2/2)

 手順②:考えからの影響全般に着目(1/2)

 手順②:考えからの影響全般に着目(2/2)

 

 

どんなレスポンデット条件付けやオペラント条件付けがあるかは、これからの記事でも考えていきたいと思います。