わが夫の2番目の弟

(義弟その2)は

運動好きの筋肉男。

 

この間も『英国横断

200マイル自転車競走』

みたいなレースに

参加していました。

 

 

 

 

わが夫も時々

『ハイランド不人気

ルート選択登山』的

わけのわからない趣味に

休日を投じることがあり、

そんな時に利用するのが

strava』とかいうアプリです。

 

これを使うと

自転車や徒歩で

移動した距離を

記録できると同時に

利用者の『現在位置』を

地図上で確認することが

出来るのです。

 

夫は人気(ひとけ)のない

山に登る前など

この位置情報シグナルを

私と義弟その2に送り

いざという時の

備えにしています。

 

半分くらい自満目的な

ところもある気は

するのですが・・・

 

「ほら、こんなに山を

登れちゃう僕、

どう?」のような・・・

 

まあそれはお互い様で

義弟その2も

大型移動に挑戦する時は

わが夫に自分の

シグナルを送ってきています。

 

ふたりの差異は、

そういうシグナルを送る時

「この日にこの辺りを

移動するから、その時は

シグナルを送るから

何かの時は確認よろしく」と

わが夫は前もって義弟その2に

連絡を入れるのですが、

義弟その2はそこらへん鷹揚で

突然夫にシグナル情報を

何の説明もなく送って来る。

 

さて先日夫が

出先で携帯を見ると

義弟その2から

シグナルが送られてきていて、

その情報によると

義弟その2は洋上、

海の上におりました。

 

ああ、いいなあ、これは

きっとカヤックとか

パドルボートで

遊んでいるんだろうな、と

携帯を仕舞って数時間後、

念のため義弟その2の

位置を確認すると

なんとその数時間前から

位置情報が変わっていない。

 

 

 

 

 

 

・・・あれ?

 

これはどういう事態・・・?

 

移動経路を見てみると

陸から海に出て

現在位置までの動きは

しっかり記録されているのに

過去4時間近く

義弟その2は

そこから動いていない。

 

調べてみると

かなり水深も深い場所、

まさかこれは・・・

 

遭難・・・?

 

 

義弟その2の携帯に

テキストを送るも返信なし、

既読もつかない、

電話をかけるも応答なし。

 

これは義弟その2の

配偶者に連絡を入れるべきか、

でももしかしてこの冒険が

『奥さんに内緒の息抜き』

だったらどうしよう、

しかし背に腹は代えられぬ!と

わが夫は腹をくくって

義弟その2の

ご妻君の携帯に連絡。

 

「あっもしもし、

お義兄さん、なあに~?」

 

奥様の明るい声に

ああ、彼女はこの悲劇

何も知らない、と

挫けそうになりながら

「こんにちは、あの・・・

僕、さっきから君のご夫君の

携帯に連絡をしているんだけど

つながらなくて、それで・・・」

 

「ああ!私たち今日イルカ

ウォッチングに来ているの!

さっき洋上で夫君の携帯の

バッテリーが切れたから

それでじゃない?」

 

「ああ、なるほど!

じゃあ弟も君と一緒?」

 

「うん、今ちょっと席を

外しているけど。どうする?」

 

「じゃあ戻って来たら

僕の代わりに1発尻を

蹴り上げといてくれるかな!」

 

便利なアプリは

周囲に不安を与えぬよう

活用したいものでございます。

 

 

ところで何故わが夫は

あそこで咄嗟に

『奥さんに内緒の息抜き冒険』

という発想に至ったのか

 

通常その選択肢は

なかなか出てこない気が

するんですよねえ

 

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私は閉会式より

開会式のほうが好きでした。

 

やはり大型エンタテイメントに

必要なのは挑戦心で、

閉会式はちょっとそこらへん

『置きに来た』というか・・・

 

パリがやったから

お洒落感が

漂ったかもしれませんが

東京であれをやったら

『金箔仮面ライダー』

『寒がり変態仮面』と

陰口をたたかれただろうな、と。

 

 

 

 

 

アクロバットも

宝の持ち腐れというか

・・・もう一段上を!

狙えただろう!君たちは!!

みたいなところがどうしても・・・

 

ところで噂通り

パリの会場に登場した

トム・クルーズが

花道というか選手の間を

通り過ぎる時、

ひとりの女性に抱き着かれ

キスされてましたけど

登場したのが有名女優で

男子選手が抱き着いて

接吻したらきっと

大問題になっていますよね。

 

今回の大会は全体的に

かなりリベラル志向が強く

開会式でも『女性の力』が

強調されていたと

記憶しているんですが

・・・2024年世界基準で

これは許されることなのか?

 

なお次回夏季五輪開催地

LAからの中継は、私はあれ

前回のパリ、さらにその前の

東京のほうが攻めていて

「勝ち負けで言うなら勝った」

と思いました。

 

米国LAときたら

南海岸ポップスでしょう!

みたいな安易さは

私としてはどうかと思います。

 

ただ『世界的に著名・

人気なパフォーマー』を

さらっとあれだけ並べられる

米国の底力には痺れるというか

・・・やはりこう考えると

何故東京五輪開会式では

『日本の誇る有名キャラクター』

(例:マリオ、ピカチュウ)に

ご登場願わなかったのか、という

悔しさが出てきてしまいますね。

 

リオ閉会式では

これが出来ていたのに:

 

というわけでパリ五輪終幕。

 

次はパラリンピックでございます!

 

 

まあでもまさか

パリ開催の国際イベントで

『食』に関して色々と

言われることになるとは

誰も思わなかったですよね

 

当初は「パリでは健康的な

ビーガン食をご提供」な

話だったのが・・・まさか

「肉が足りない、魚には

虫が入っている」になるとは

 

それも含めてすべて

いい思い出にして

許されるものなのか

次回LA五輪ではそこらへんが

画期的に改訂されてくるのか

 

私はあとでもう一度

男子体操団体を

夫(英国人)と

観る予定です

 

アーティスティック・

スイミングも見逃していて・・・

 

気忙しい夏ですね

 

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ポムポムプリンに似た

某日本人好青年カメラマン

何よりも大事にしているのは

撮影時の『光』。

 

たとえばわが前庭の雄鶏を

「可能なら柵の上に

乗ったところを撮りたいんです、

ただその場合、光の位置が

限られるんですよね・・・」

 

「えっでも今は太陽が

あっちだから

逆光にはならないでしょ」

 

礼儀正しいポム君は

口では何も言いませんでしたが

目には明らかに嘲りというか

憐みの色を浮かべて

私を眺めていたのでした。

 

なんかもう逆光・順光の

レベルを超えた光の話らしいです、

彼が問題にしているのは。

 

そんな光と影の織り成す

芸術が大好物である

ポム君がある日ぽつりと

私の夫(英国人)のことを

「僕、ゴメスさんの写真を

撮りたいんですよね」

 

「ああ、なるほど、確かに

わが背の君は光次第で

顔の印象が変わる被写体かもな」

 

「あっ!Norizo先生にも

おわかりになりますか!」

 

(ポム君は紹介者の影響で

私のことを『先生』呼びする)

 

「ホリが深いというか

冗談みたいに凹凸がある顔面だし、

顔が殴られた後のよう

アンシンメトリーなところとか

たぶん君にはたまらんのじゃろ?」

 

「・・・別にそういう

わけではないんですけど、

まあでもそれも含めて

ポートレイト風に

撮ってみたいな、と・・・

でもあれでしょうか、

ゴメスさんは

写真がお嫌いでしょうか」

 

「うーん、どうだろう、

ネットに顔写真を

載せることなんかは

好きじゃないみたいだけど

写真撮影自体は

大丈夫なんじゃないかな。

でも君が将来写真家として

大成したら

君の撮影した写真は

どうしたって

ネット拡散するだろうし

・・・本人に聞いてみたら?」

 

「いえ、でも・・・

そういうことをお尋ねして

無理に承諾していただくのも

申し訳ないし、かといって

お断りしていただいても

僕は構わないんですが

ゴメスさんが気に

なさるかもしれないし・・・」

 

この子は本当にこういうところ

深く気を遣う性格だよなあ、

カメラマンってもっと

無礼なくらいに押しが強いのが

正解と違うのか?と

不安になった私は

ポム君を力づける意味で

「うちの夫は写真を

嫌がるかもだけど、ポム君、

私でよければいくら

撮影してくれても問題ないよ」

 

するとポム君は私の言葉の意味を

理解しようとするかのように

じっと私の顔を眺めてから

「・・・え?あれ?あ、

僕、Norizo先生のお写真を

撮ったほうがいいですか?

 

「・・・撮らなくていいよ」

 

「あっ!すみません!

僕は今、たいへん失礼な

物の言い方をしました!

よろしければ僕、先生の

お写真をお撮りしましょうか?」

 

「結構です!無理して撮影して

いただかなくても結構です!」

 

「いやそんな!

無理なんてそんな!」

 

「はい、ここに

わが夫ゴメスと私がいます。

写真家として素直に肖像写真を

撮影したいのはどちらですか」

 

「ゴメスさんです」

 

「返答によどみがなさすぎる!」

 

「いえだからといって僕が

Norizo先生の写真を

撮りたくないなんてことは!」

 

ポム君は普段日本で

嫌というほど美男美女を

撮影しているため、

私のような

『ノーマルな美人顔』には

飽きているに

違いない、という理論で

自分を納得させた私です。

 

匿名ブログであるため

容姿に関しては

好き勝手言っています。

 

 

しかしひどいですよね、

「撮ったほうがいいですか?」は!

 

私はこの後しばらく

笑いが止まりませんでした。

 

 

写真を撮られるのが

お好きなあなたも

苦手なアナタも

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夏の間に我が家に来る

日本人好青年カメラマン君

ポムポムプリンに

似ていることで有名ですが

(注:私が勝手に裏で

そう言っているだけです)、

 

 

 

 

噂によると写真に関しては

腕が良く、聞けばどうも

私のようなファッション音痴さえ

名前を知っているような

お洒落雑誌と組んで普段は

仕事をしているらしいのです。

 

ここらへんはポム君と

我々の間を仲介した

某大学の先生からの情報で、

ポム君自身は平安貴族のような

奥ゆかしさからそういうことを

滅多に口にせず、しかし

こちらがちょっとしつこく

「最近ポム君が撮影した

有名人で私が名前を

知っていそうな人は誰」と

尋ねると、あ、その人、

本当に私も知っています、

みたいなお洒落有名どころの

名前が出てくるのです。

 

・・・いやでも待って、

ポムポムプリンですよ?

 

ポムポムプリンはカワイイ、

一般人気も高い、でもほら・・・

 

お洒落雑誌のお洒落写真を

撮るような人って

どちらかといえば

ポムポムプリンとは対極にある

イメージを要求されるのでは・・・?

 

せめてバッドばつ丸くらいの

キャラクターが必要なのでは・・・?

 

 

 

 

だってだって、ああいう職業は

モデルの気持ちを持ち上げて

カメラの前で『酔わせる』ような

話術も技術のうちなわけでしょ?

 

ポムポムプリン君に

それが出来るのか?

 

ポム君は声も

ポムポムプリンぽいんですぜ?

 

(ポムポムプリンの声は

私の勝手なイメージです)

 

しかしある日。

 

私が台所で遊んでいると

居間のほうから突然

私がこれまで聞いたこともない

低くなめらか、かつ甘い

まるでベルベットのような

セクシー駄々洩れの声が

漏れてまいりまして。

 

「そうだァ、とてもいい、

とてもいいよ、きれいだァ!

完璧、最高、そのまま

自然にしていて、そう、

ああ!そう!とてもきれい!」

 

は?

 

なにこれ、ラジオの

メロドラマ放送?

 

昼日中に流して許される

声のセクシー度を

超えていると思うんですけど?

と慌てて居間を確認したら、

そこには居間の床に

べったりと腹ばいになり

カメラを構えるポム君の姿が!

 

ファインダーの

正面にあったのは

我らが愛犬

アーシーのお尻で

・・・朝から降っていた雨がやみ

雲の間から差した陽光が

居間で昼寝をしていたアーシーの

尻尾にいい感じに降り注ぎ、

「写真で大事なのは

一にも二にも

光・光・光」を信条とする

ポム君にしたらどうしたって

見過ごせない状態の陰影が

アーシーのお尻周りに

出現していたようで・・・

 

 

 

 

「ああーっ!いい!

本当にきれいだ!そう、

そのまま動かないで動かないでェ、

そうだね、首だけこっちに向けて、

尻尾はそのまま!動かさない!

それで・・・それで少しだけね、

目線、目線をね、目線を

もう少しカメラにね・・・」

 

床に平たくなったポム君を

目撃した私も驚きましたが

アーシーはそれ以上に

事態が把握できておらず、

「えっ何」みたいな

顔をして混乱しておりました。

 

ストーブ前でウトウトしていたら

普段はロープで楽しく

遊び相手を務めてくれる

お兄さんが突然

腹ばいになって床と一体化し

自分のお尻に向かって

真剣に話しかけている。

 

それは・・・

 

わけがわからないよ・・・

 

飼い主として私は愛犬に

なんらかの声を

かけるべきだったかも

しれないんですけど

興の乗った芸術家に

水を注すのも無粋。

 

水も滴るわが被写体:

 

私は何も聞かなかった・

見なかった振りをして

台所に戻りました。

 

そんなわけで本日のオチは

「撮影スイッチの入った

カメラマンは怖い」で

お願いしたいところです。

 

 

いやあれは確かに

モデル相手に勝負できる

カメラマンですわ

 

こんなふざけた

書き方をしていますけど

すげえ声と気迫でしたわ

 

写真における光と影の

重要性がよくわかるあなたも

ブレさえしていなければ

それでヨシなアナタも

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夏は割と訪問者の数が多い

北国スコットランドの我が家です。

 

冬はさ・・・

 

路面凍結で足元が悪くなるし

何より寒くて暗いからさ・・・

 

ここ数年、夏に必ず

泊まりに来てくれる

趣味・特技・職業:カメラ

という日本人好青年がいます。

 

職業カメラマンってなんだか

こう気が強く偏屈で

ワガママそうな

印象があったのですが(偏見)

こちらの青年は驚くばかりに

物腰丁寧で気質も穏やか。

 

見た目も・・・某サンリオの

ポムポムプリン的というか・・・

 

 

 

 

最初に彼を我々に紹介したのが

某大学の先生であったためか

我々のことも『先生』と呼び、

話をする時はこちらの目を

真っすぐに見て

『傾聴』の姿勢を取り

これで本当に

生き馬の目を抜く

写真業界(これも偏見)で

生きのびていけるのか、と

勝手に不安になっていた

私なのですが、

仕事の話を少し聞くと

「撮影助手の仕事は

『カメラマンの要望を

すべてかなえること』です。

僕は助手時代『できません』と

口にしたことはないです」

 

こう言い切った時の

ポムポムプリン君の目は

突然鋭い強さを見せて

・・・あれ?この

人畜無害そうな

見た目と挙動は

もしかして仕事のため

後天的に身に着けたもの・・・?

 

ポムポムプリン君曰く

写真で大事なのは

一にも二にも

『光・ライト』だそうです。

 

光源と光線の話になると

プリン好きの

レトリバーの姿は消え

獲物のにおいを貪欲に追う

オオカミが出現する感じ。

 

ライトとか言われても私は

「写真を撮る時逆光は

避けましょう」くらいの

認識しかないのですが

わが夫は何故かそこらへんに

多少の造詣があるようで

「ああ、だから君は

スコットランドが

好きなのかもしれないね、

雨がちだから空気が常に

湿気を含んでいて、

そこに日が差すとまさに

写真に残すべき

風景が立ち上がるものね」

 

「ゴメス先生は!

写真のことが

わかっていらっしゃる!」

 

・・・いやまあ本当に

私は空気中の湿気とか

洗濯物に関連してしか

考えたことのない人間ですけど

しかしこういう何事かに

のめり込んだ人を間近に見るのは

とても面白いなあ、と。

 

これとか割といい光が

撮影できたと思うんですけど:

 

雨の日に室内でお茶など飲んで

雑談をしているじゃないですか、

ポムポムプリン君は

いつもの通り体全体を

こちらに向けて

手をお腹のあたりに組んで

いつもの傾聴の姿勢で

じっと私の顔を見て

頷いたり相槌を

うったりするのですが、

その視線が時々ずるずるっと

私の顔から逸れて、すると

ポム君は慌てたように目を

また私の顔に戻す、しかしまた

それがズルズルっと滑る。

 

振り返ると

窓の外の雨がやんでいる。

 

「ポム君・・・もしかして

いい光が来ているんだね」

 

「えっ!すみません、僕、

お話の最中によそを

見てしまっていましたか!」

 

「いや、いいよ、で、どう、

これは『いいライト』なの?」

 

「すみません、本当に

すみません、

僕ったらなんて失礼を・・・

はい、いいライトです」

 

「じゃあ私のことは気にせず

どうか外に出て撮影をしてください」

 

「そんな!お話の最中にそんな!」

 

「いいライトなんでしょ?」

 

「いいライトです」

 

「なら撮影優先だ!」

 

「ああっ!なんてことを!

本当にすみません!じゃあ

ありがとうございます、

行ってきます!

お茶はそれ、戻って来たら

僕は必ず飲みますので!」

 

かくして夏の間の数日間、

わが近所には

『巨大なカメラバッグを

背負った不思議な東洋人』が

出没するのでありました。

 

 

神奈川でも

地震があったと聞きました

 

皆様どうかお気をつけて

 

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