【講座実施報告】ハンミョウ三昧の初秋(9月・朝夷奈切通~石窯ガーデンテラス編) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

9月の講座「首都圏生きものめぐり」では

横浜市と鎌倉市を繋ぐ朝夷奈切通へ。

雨にバッティングすることもなく

足下の状態も良かったので、

散策には最適のコンディションだったと言えます。

 

初秋の朝夷奈といえば、狙いはやはりハンミョウ

例年、に2回大量出現シーズンがありますが

果たして今回の成果は如何に?

一昨年の5月に近所で講座を開催し

ハンミョウなどを探した際は、悪天候などにより

思ったほどの個体数は確認できませんでしたが……↓

 

 

 

 

 

今回はあっさりと、横浜側から入ってすぐに

林道で遭遇することができました。

その後も探すのに苦労しないレベルで

次から次へと姿を現してくれたので

まさに時期がドンピシャだったと言えるでしょう。

 

 

 

 

 

足下に現れたハンミョウを撮影中。

なかなか逃げない個体も多かったので

カメラはもちろん、スマホでの撮影もできました。

もちろん逃がさずに撮るにはコツがいりますが

参加してくれた小学生のお子さんは

すぐにそのコツを会得したようでした。

 

 

 

 

 

数個体固まって出現することもしばしば。

実は前回更新時の「鎌倉歩き」の帰りに

視察で切通を訪れていたのですが

その時よりもさらに遭遇数が多かったですね。

ハンミョウ観察という一点においては

今回の講座はまさに大当たりでした。

 

 

 

 

 

道中、いきなりヒバカリに遭遇。

すぐさま逃げられそうだったので、

咄嗟に捕獲しました。もちろん素手で。

 

当たり前のように噛み付こうとしてきたので

あまり長時間束縛することはできませんでしたが

参加者の皆さんはじっくりと観察できたようです。

ただ、代償(?)として手が塞がっていたため

私は上手く撮影できませんでした(爆)

撮れたのは上の証拠写真だけです。orz

 

ヒバカリのクリーンな写真が見たい方は

こちらへどうぞ。<(_ _)>

 

 

 

 

 

 

時間にやや余裕があったので

参加者様のリクエストにお応えし

熊野神社にも足を運んでみました。

こちらの境内にもハンミョウが多数出現しました。

 

 

 

 

 

 

峠を通過し、鎌倉市側へ。

ここからはずっと下り坂です。

それだけに足元には気を付けて歩かねば……。

 

道中には鎌倉らしく

ケイワタバコの葉やタマアジサイ(右)の姿も。

崖面からの絞り水が絶えず沸いているため

植物の数・種類も豊富です。

 

 

 

 

 

せせらぎを覗いてみます。

パッと見ではせいぜいシマアメンボや

ヨシノボリくらいしか見つかりませんが……。↓

 

 

 

 

 

ちょいと石をどけてみると

きれいな青色をしたサワガニが出現。

ここまで涼しげな色のものは久しぶりに見ました。

 

 

 

 

 

さらに驚いたのが、モクズガニがこんな所まで

遡上してきたこと。源流(?)からせいぜい数百メートルの

こんな上流まで、海から遡上してきたというのか?

しかも両手のグローブも見事な大型個体でした。

 

過去、八幡宮周辺で複数個体を見かけたことはありましたが

切通のような細い上流まで登ってくるとは予想しておらず……。

まあ、このくらいまで遡上してくれば

天敵に襲われる心配もないでしょうしね。

 

 

 

 

 

切通を出て、滑川沿いを散策中。

注水植物にハグロトンボが多数とまっていました。

 

 

 

 

 

さらに、ここにもモクズガニの姿が。

本気で探したら結構な数が見つかりそうです。

 

 

 

 

 

 

その後はバスで浄明寺まで移動し

石窯ガーデンテラスでランチを楽しみつつ

庭の散策もさせていただきました。

ただ、やはりお目当てのルリモンハナバチ

この日も全く確認できず。

 

見たところ、ガーデン内の花数が

過去のルリモン出現年と比べるとかなり少なくなっており

これに伴って別の場所に移動してしまったのかも?

彼らは寄生バチなのでただでさえ発生個体数が安定せず

急に消えることもあれば復活することもあるそうなので

引き続き近くに行った際には確認してみたいところです。

 

 

 

 

 

……と言いつつ、一縷の望みを託して

視察時にルリモンryを撮影した

キバナコスモスの群生地にも行ってみました。

 

 

 

 

 

残念ながらルリモンryは最後まで出てきませんでしたが

ハラアカヤドリハキリバチ(写真)を始めとして

普段あまり目にしないハチなどを見かけました。

この手のハチの数・種類が多いということは

依然として鎌倉の高い自然度は健在ということでしょう。

 

以上、お昼過ぎまでの限られた時間ながら

なかなかに充実した講座になったように思えます。

ルリモンryとの相性が悪いのは相変わらずですが

 

 

 

 

 

【9/17 9月講座(朝夷奈切通~石窯ガーデンテラス編)で撮影した生きもの】

鳥類・・・イソヒヨドリ、キジバト

昆虫類・・・アカボシゴマダラ、イチモンジセセリ、オオスズメバチ、オンブバッタ、キイロスズメバチ、キタキチョウ、クマバチ、クモヘリカメムシ、コミスジ、シマアメンボ、ハグロトンボ、ハラアカヤドリハキリバチ、ハンミョウ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメツツハキリバチ

その他・・・アユ、サワガニ、ニホントカゲ、ヒバカリ、モクズガニ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年11月19日(日)に開催いたします。

 行先は「神代植物公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。