ナリは小さいが力は強い(鎌倉・朝比奈切通~石窯ガーデンテラス ほか) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

天気が安定の不安定で小雨がぱらつく中、

改めて朝比奈切通(鎌倉側)へ。

前回訪れた際にはここでハンミョウを撮りましたが……。

 

 

 

 

 

今回も早速出現。というか、歴代の「生きものめぐり」で

類を見ないレベルの大量発生

5歩歩けば3匹が舞うという

凄まじい密度の生息数でした。

繁殖期か何かなんでしょうか?

 

 

 

 

 

渓流沿いの葉っぱにとまる姿も撮影。

 

 

 

 

 

2匹同時に撮影。なかなかこういう機会は少ないのですが

今回は出現数が半端なかったためにレアなシーンも撮れました。

 

 

 

 

 

粘液でくっついてしまったのか

翅が絡まって植物にぶら下がっている個体を発見。

おかげで(?)お腹側の写真も撮ることができました。

 

このまま放置しておけば動けずに餓死するか

天敵に襲われるかの2択かと思われますが

これは手に持って撮影するには格好の機会。

2013年にブログを始めて以降、幾度となく撮影してきたものの

直接手に持って観察したことはまだ一度もありません。

 

自然の定理(?)に反することは百も承知で

写真の個体を手に取り、超至近距離から撮影を試みましたが

その刹那、指先にチリッとした痛みが……。↓

(以下、少々痛い画像がありますので要注意)

 

 

 

 

 

 

 

 

助けてやった恩を忘れて大顎で食らいつくハンミョウ

全長1.5cm程度と小サイズですが

他の昆虫を嚙み砕く大顎は非常に鋭く力も強く、

皮膚を突き破っているのがわかります。

 

これでもし悶絶するような強い痛みであれば

私も手を離したのでしょうが、生憎それほどではなく

こんな機会は滅多に訪れるものではないので

そのまま撮影を続行しました。(網さえあれば簡単とか言ってはいけない)

 

 

 

 

 

ハンミョウが離れた後の傷口。

微量ではありましたが、やはり流血しています。

 

身体こそ小さいものの、相手は獰猛な肉食性昆虫。

アリなどの外骨格を容易く食い千切る咀嚼力を有しているので

男の分厚い親指の皮すらもこの通り傷つけられます。

(もっとも、これ以上の出血はなくすぐに治りましたが)

 

大量のハンミョウだけでなく、

その力強さにも感動した朝比奈切通。

……もしかしたら最近あまりハンミョウを目にしない

瀬上や横浜自然観察の森でも、同時期なら撮れるんだろうか?

 

 

 

 

 

そういえばカワセミが1羽、切通の入口付近にいました。

こんな浅い川でダイブしたら岩盤に頭をぶつけそうですが

その辺は大丈夫……らしい。

 

撮れたのはこの1枚だけで、この後すぐ消えてしまいました。

 

 

 

 

 

 

成熟したオオカマキリ(左)と恐らくはナミギセル(右)。

もうそろそろ翅の生え揃った成虫のカマキリが

草原を席巻(?)する時期がやってきます。

 

 

 

 

 

昼食は、前回の鎌倉散策でも訪れた

浄明寺境内の石窯ガーデンテラスへ。

ランチで大分金が飛びました

昼過ぎともなると大分天候も回復し

暑くなってくると同時に青空が広がってきました。

 

こうして雨の心配がなくなると、昆虫の活動が活発になるものです。

 

 

 

 

 

 

ガーデン内を歩いてみます。前回と比べると花も大分様変わりし

シュウメイギクが最盛期を迎えていました。

 

 

 

 

 

前回ここで撮影したブルー・ビー(ルリモンハナバチ)

メニュー表にも記載されており、ここの名物であることが

よくわかります。

 

 

 

 

 

時期的にもう厳しいかなと思っていたのですが

この日も数個体撮影することができました。

 

今年はオオセイボウを撮らないまま夏が終わってしまい

ルリモンryについても、本命の小山田緑地では

ツアーを組むことができず撮れず終いとなってしまいましたが

新しい頻出ポイントが意外と近くにあったことを知れたのは

なかなか大きな収穫です。

 

 

 

 

 

一方、外来種 クロマダラソテツシジミの姿も。

臨海部である鎌倉では珍しいチョウではないのですが

今年は妙に遭遇する機会が多い気もします……。

(ちなみに昨年新顔登録したばかり)

 

 

 

 

 

サイズはウラナミシジミに相当し、シジミチョウの仲間では

少なくともヤマトシジミなどの小型種に比べれば大き目。

それでもダイミョウセセリ(右下)辺りと比べると遥かに小型です。

(ウラギンシジミやミドリシジミなどはもっと大きい)

 

 

 

 

 

食後、鎌倉の路地をブラブラしていたら

巨大なコガネグモに遭遇。しかもケツから糸が出ています。

 

このクモ、何故か最近数が減っているとの話で

実際ジョロウグモと比べると遭遇する機会は少なめ。

大型でちょっとビビりますが、もし見かけたら

忘れずに撮影しておきたいクモと言えます。

 

 

 

 

 

サイズ比較用に、指を据えて。

(このあと指の方に向かってきて少々ビビりました(笑))

 

 

 

 

 

鶴岡八幡宮に

1.5メートルくらいの

アオダイショウ出現

 

 

 

 

 

顔をクローズアップ

なかなか立派な個体です。満腹だったのか動きは緩慢で

かなり近距離で撮っても逃げようとしませんでした。

(その気になれば指でツンツンできるレベル)

 

石垣の隙間などを棲み処とする傾向があるため

こうした寺社仏閣の敷地内は暮らしやすい環境のようです。

ただし、八幡宮近くの御谷(おやつ)には

前にも書きました通りノスリが生息していますし

アオサギやトビなども天敵となりうる存在。

決してヘビにとっても安全な場所ではありません。

 

 

 

 

 

 

報国寺にて、苔と庭石の美しい日本庭園。

次の雑誌の特集ではこうした庭園を採り上げる予定。

詳しくは追ってブログやFBでご案内します。

 

 

 

 

 

最後に、ぼたもち寺のカクトラノオを訪れた

大型のクマバチです。飛んでいるシーンを押さえました。

身体の太さに定評のあるクマバチですが

脚もしっかりとしています(毛深いだけかもしれませんが)。

 

これからの鎌倉はハギ(萩)のシーズン。

ウラナミシジミを始め、昆虫を呼ぶ効果が高い花なので

個人的には散策が楽しみです。

 

 

 

 

【9/11 鎌倉で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、イソヒヨドリ、カワセミ、カルガモ、キジバト、シジュウカラ、セグロセキレイ、トビ、ハクセキレイ、ハラビロトンボ、メジロ

昆虫類・・・アオクサカメムシ、イチモンジセセリ、ウラナミシジミ、オオカマキリ、オオシオカラトンボ、オオスズメバチ、オオヒラタシデムシ、オオモンクロベッコウ、オナガアゲハ、オンブバッタ、キイロスズメバチ、キマダラセセリ、キンケハラナガツチバチ、クマバチ、クロウリハムシ、クロマダラソテツシジミ、コアオハナムグリ、コガネグモ、シオカラトンボ、シマアメンボ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタハグロトンボ、スジブトハシリグモ、ダイミョウセセリ、ツマグロヒョウモン、トドノネオオワタムシ、ハグロトンボ、ハナグモ、ハラビロカマキリ、ハンミョウ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、モンシロチョウ、ヤマトアシナガバチ、ルリタテハ、ルリモンハナバチ

その他・・・アオダイショウ、クサガメ、ナミギセル、ニホントカゲ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年10月17日(日)に開催いたします。

 行先は「長浜公園~八景島~海の公園」でございます。

 (シーサイドラインに乗って移動します)

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。