【第2回】講座「首都圏生きものめぐり」実施レポート(横浜自然観察の森) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

5月16日横浜自然観察の森で開催しました

講座「首都圏生きものめぐり」のご報告です。

本ブログでは毎年お馴染みの横浜自然観察の森へ

前回の里山ガーデン&四季の森公園の時とは打って変わり、

小学生も含めた計10名で行ってまいりました。

まさか自分が10人もの方を引率することになるとは……

昨年の今頃は想像もできなかったことです。

 

途中小雨が降ってしまったのが残念なところ。

天候については致し方ない面があるものの

昆虫の出現数・種類は雨の影響をもろに受けるのです。

 

 

 

 

 

名勝の通り「森」であり、常に緑に包まれますが

所々に見られる花(華)もまた見所です。

この時期はウツギやエゴノキの花がよく観察でき

天気さえよければ多くの昆虫が吸蜜に訪れます。

 

 

 

 

 

 

普段の散策でメインとなる小川沿いも歩きます。

今回の散策で観察したいメインターゲットの生きものは

カワトンボハンミョウのメタリックな昆虫2種。

少し前の事前リサーチの際には、

カワトンボは交尾シーンも含めてわんさか撮れましたが

ハンミョウは朝比奈切通ではたくさん確認できたものの

天気が良かったにもかかわらず横浜自然観察の森では

一匹も確認できていませんでした。

 

この当日は雨だったのでより一層期待できなかったのですが

まず、カワトンボはそこそこの数が出現。

やや距離はありましたが、ちゃんと皆さんに観察していただきました。

そして……↓

 

 

 

 

 

なんと、のためか動けずに

葉の上で休憩(?)しているハンミョウに遭遇。

これは嬉しい誤算とでもいいましょうか?

皮肉なことに、昆虫観察の大敵である雨のおかげ(?)で

身動きが取れずにいるところを至近距離で観察できたのです。

 

 

 

 

 

しかし、もちろん知らずに近づき過ぎれば

いくら雨が降っていると言えども飛んで逃げてしまいます。

見つけてすぐに全員にストップをかけ

音を立てず、そっと近づくよう声掛けして

皆さんに写真を撮ってもらいました。

(恐らく皆さん初のハンミョウ撮影です)

 

こういう時は全集中、蟲の呼吸虫と呼吸(?)を合わせ

適度な距離感を保つことが求められるのです。

それは、決して数値化できるものではなく

経験を積んで「感覚」を得るしかないかな……と

勝手ながら思っています。本講座におきましては

その辺りを実体験を通して知っていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

開けた草原も。子供達にとっては良い遊び場です。

遊具の類は設置されていませんが

意外と「場」さえあれば遊び方を自分で見出せるようです。

巷で言われるより、今の子供らは逞しく賢いのでしょう。

 

 

 

 

 

反対側からで大変申し訳ありませんが

翅を開いて止まるジャコウアゲハです。

雨で濡れたので、乾かしているのかもしれません。

 

 

 

 

 

カワトンボ、ハンミョウと並んで

この日ぜひ観察してもらいたかった生物。

葉緑素を持たない野生ラン サイハイランです。

横浜自然観察の森では割と目にする機会が多いのですが

時機を逸すると本当に一株も見られないこともザラなので

この日はタイミングがドンピシャだったと言えるでしょう。

 

 

 

 

 

先月と同じくやたらとケ●シとのエンカウント率が

高い気もしましたが、あまりに多かったせいか途中から

感覚がマヒしてしまい(爆)あまり驚きもしなくなりました。

羽化したばかりのアシドクガが多数観察できましたが

「白くてたくさん飛んでいるがモンシロチョウではない」

「ドクガと名前はついているが毒は持っていない」という旨を

実物を見せながら解説することは大きな意義があったと思われます。

なお、上記の通り小雨は降っていましたが

コイツにとってはさしたる問題ではなかったらしく

とてつもない数が木の上方を乱舞していました。

当然、それよりも多い幼虫がいたということですが、

散策するタイミングをずらしたおかげでケ●シのピークは避けられました。

 

 

 

 

 

そして最後に、危険と隣り合わせであることも伝えました。

スズメバチやマムシ(まだ会ったことがないですが)はもちろん

ちょっと実を食べただけで死に至る可能性のあるものが

こうした管理された公園内にもあるのだということを

現物を見せながら教えさせていただきました。

(写真はドクウツギ。トリカブトに次ぐ猛毒植物です)

 

約5時間にわたる散策で皆さん大分お疲れのようでしたが

よい経験になったのでしょうか? できれば今回だけで終わらず

今度は参加者の方が私を介さず自ら足を運んでくれれば

講師としては、それが一番嬉しいことです。

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年6月19日(土)20日(日)に開催いたします。

 行先は「酒匂川河口&大磯 照ヶ崎海岸」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらをご覧ください。

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。