本格的なバードウォッチングのシーズンに突入した今日この頃、
皆様いかがお過ごしでしょうか?
今日はちょっとしたクリスマスプレゼントも兼ねまして、
冬の水鳥、とりわけカモの観察に適した首都圏近郊のスポットを
ベスト10形式で厳選してご紹介いたします。
ランキングのコンテンツは全部で5つ。
「冬場のカモの生息密度(生息数ではなく、密度を基準に採点)」
「カモの種の多様性(見られるカモの種類が多いほど高い)」
「アクセスのしやすさ(東京から近いほど高い)」
「散策時の楽しさ(広かったりショップや施設等が充実しているほど高い)」
「園内の歩きやすさ(起伏が少なく迷いやすいほど高い)」の5つに星の数を振り、採点しました。
これに加え、点数には入れていませんが冬場に見られるカモ以外の鳥も紹介しています。
あくまで私見で選んでいますので、何卒ご了承くださいませ。
小鳥と違い、カモの観察は地雷を踏むリスクがあまり無いので
「確実に何かしら冬鳥を撮りたい」「私失敗しないので」という方にはおススメです。
初デートでバードウォッチングに誘って何も見られなかったら洒落にならない。
10位 石神井公園
カモ生息密度・・・★★
カモの種の多様性・・・★★
アクセス性・・・★★★
散策お楽しみ度・・・★★★
歩きやすさ・・・★★★
カモ以外に期待できる鳥・・・カワセミ、シロハラ、バンの親子など
木々に囲まれた中に静かな池沼が広がる自然公園。
池の1つにバードサンクチュアリがあり、カモが集中しています。
それほど珍しい鳥が来るわけではありませんが、双眼鏡があるのなら
サンクチュアリを念入りに探してみましょう。カモ目当ての猛禽類などが見つかるかも?
9位 見沼自然公園
カモ生息密度・・・★★★★
カモの種の多様性・・・★★★
アクセス性・・・★★
散策お楽しみ度・・・★
歩きやすさ・・・★★★
カモ以外に期待できる鳥・・・アトリ、シメ、チョウゲンボウなど
大宮駅からバスで行ける、池を中心とした親水公園。
然程広い池ではないながらカモの密集率が高く、写真のように岸辺に上がってくることも。
基本的には人馴れしていて近づいてもあまり逃げ出しませんが、
オカヨシガモだけはやや例外で、近づくのに少々苦労します。
猛禽飛来率もそこそこ高いらしいですが、それゆえに食われ掛けのカモなど
ショッキングなシーンに遭遇する可能性もあるので、その点だけは気をつけましょう。
8位 酒匂川河口域
カモ生息密度・・・★★★
カモの種の多様性・・・★★★★
アクセス性・・・★★★
散策お楽しみ度・・・★★
歩きやすさ・・・★★
カモ以外に期待できる鳥・・・チョウゲンボウ、カモメ類、サギ類など
ここの目玉ともいえるのが、ほっそりとした身体が特徴のカワアイサ。
公園ではなくあくまで川の一角であるため、ここのカモたちは警戒心が強く、
人が近づいたり不要な音を立てたりすると瞬く間に逃げ出してしまいます。
間に障害物になるようなものはないため、それなりの機材を備えているなら
鮮明に撮ることも可能でしょうが、私のようにカメラの精度が低いと大変……。
河原に近づく際には、鳥を驚かさないよう慎重な動きが求められます。
7位 皇居のお堀
カモ生息密度・・・★★
カモの種の多様性・・・★★★★
アクセス性・・・★★★★
散策お楽しみ度・・・★★★★
歩きやすさ・・・★★★
カモ以外に期待できる鳥・・・カワセミ、カワウ、ハクセキレイなど
意外なほどカモが多く、レア度の高いヨシガモ、ミコアイサの出現が報告されているスポット。
高層ビルの立ち並ぶ丸の内界隈を中心としており、多彩な駅からアクセスできるのも魅力です。
都心のど真ん中だけに基本は平坦。老若男女問わず歩きやすいスポットであり、
同時にランニングの名所でもあります。周囲に飲食店や商業施設も多く、
日比谷公園にも隣接していますので、散策ついでに立ち寄ってみるのもいいでしょう。
6位 新宿御苑
カモ生息密度・・・★★
カモの種の多様性・・・★★★★
アクセス性・・・★★★★
散策お楽しみ度・・・★★★
歩きやすさ・・・★★★
カモ以外に期待できる鳥・・・アカハラ、アオジ、アトリなど
新宿でも最大級のまとまった緑地を有し、毎年オシドリの集団が飛来するスポット。
また、稀にレア度の非常に高いトモエガモが飛来し、話題になることもあります。
オシドリについてはかなり離れた場所で木々の下に隠れてしまうことも多いため
双眼鏡ないし精度の高いカメラは極力用意しておきたいところです。
森の中には小鳥の頻出するポイントもあるので、併せてチェックしておきましょう。
甘味処などの休憩スポットも多く、散策時のお楽しみ要素が多いのも嬉しいですね。
5位 水元公園
カモ生息密度・・・★★★
カモの種の多様性・・・★★★★
アクセス性・・・★★
散策お楽しみ度・・・★★★★
歩きやすさ・・・★★★
カモ以外に期待できる鳥・・・オオタカ、クイナ、ウソなど
東京都随一の水郷公園というだけあり、カモ観察においても優秀な水元公園。
種類にもよりますが岸辺近くに寄ってくることも多く、写真のように岸に上がることも。
(岸に上がってくるのは何故か大抵ヒドリガモだったりします)
カワセミの出現率も高いので、一緒に探してみましょう。
やたら池が広い割に橋がなく、東京側と埼玉側を行き来するのが難しいのがネック。
とは言え、バードサンクチュアリも含めて鳥の出やすいスポットは東京側に集中しているので
そちらを重点的に歩けば案外スムーズに回ることもできます。
4位 谷津干潟
カモ生息密度・・・★★★★
カモの種の多様性・・・★★★
アクセス性・・・★★★
散策お楽しみ度・・・★★★
歩きやすさ・・・★★★★
カモ以外に期待できる鳥・・・セイタカシギ、ダイゼン、ハマシギなど
渡りのシギ・チドリの名所であり、ラムサール条約にも登録されている谷津干潟。
エサが豊富なゆえか、とにかくカモの飛来数がとんでもないことになっています。
種の多様性はそこそこですが、数は多く、到底数え切れませんね……。
場所によっては鳥までの距離が遠いこともあるため、せめて双眼鏡がほしいところ。
また、留鳥化しているセイタガシギや越冬するダイゼンなど、
ついでに見られる鳥もなかなか魅力的。また、ハヤブサの飛来もよく報告されています。
3位 葛西臨海公園
カモ生息密度・・・★★★★
カモの種の多様性・・・★★★
アクセス性・・・★★★★
散策お楽しみ度・・・★★★★
歩きやすさ・・・★★★★
カモ以外に期待できる鳥・・・チュウヒ、アオアシシギ、ハジロカイツブリなど
鳥類園では、1万羽を越すともいわれるホシハジロの大群が有名です。
西なぎさなどの海際ではスズガモの群れが現れ、カイツブリの仲間も見られます。
一方でシギ・チドリのよく出る干潟ではカモはほとんど飛来しませんが
散策に然程時間がかかるわけでもないので、訪問時には一緒にチェックしておきましょう。
なお、ごく稀に絶滅危惧種に指定されるクロツラヘラサギが現れることでも有名。
場所はランダムであり、通常は東なぎさなどの離れた立入禁止エリアにいるらしいので
事前にWebサイトや各種ブログ等で情報を収集しておくのがおススメです。
(観察できる場合には東京都公園協会のWebサイト等で告知されることがあります)
2位 浮間公園
カモ生息密度・・・★★★★★
カモの種の多様性・・・★★★★
アクセス性・・・★★★★★
散策お楽しみ度・・・★
歩きやすさ・・・★★★★★
カモ以外に期待できる鳥・・・バン、ゴイサギ、ユリカモメなど
埼京線「浮間舟渡駅」より徒歩1分(というか駅のホームから見える)という
本ブログで紹介する公園・緑地の中でも最もアクセスしやすいスポットです。
公園自体はそれほど広くなく、20分もあれば観察がてら楽に1周できてしまうほど。
それでいて非常にカモの密集率が高く、なぜか毎年のようにミコアイサ(のメス)が現れます。
2017年にはアカハジロ騒動でちょっとした話題にもなりましたね。
「街中の公園」という雰囲気とは対照的に、夏のササゴイも含めて話題に事欠かない公園。
他の公園と比べるとあまり大きくないので物足りなさを覚えるかもしれませんが
都内にお住まいの方ならぜひ一度は足を運んでいただきたいと思います。
1位 多々良沼
カモ生息密度・・・★★★★★
レア種の飛来期待値・・・★★★★★
アクセス性・・・★★
散策お楽しみ度・・・★★★
歩きやすさ・・・★★★★★
カモ以外に期待できる鳥・・・ミサゴ、オオタカ、モズなど
言わずと知れたハクチョウの名所。ちなみにハクチョウもカモの仲間です。
群馬県に入るということもあって都心からのアクセスには少々難がありますが
それでも年に1度は押さえておきたい「カモの聖地」です。
岸辺に集まってきた時はまさしく圧巻。私のカメラでもそこそこ鮮明に撮れます。
ミサゴやシメなどの鳥も頻出。沼を一周している間に高い確率で遭遇するので
水面のみでなく、周りの樹木や上空にも気を配りたいところです。
今回ご紹介した所以外に、もしおススメのカモの飛来地がありましたら
恐縮ですがぜひ教えていただければと思います。
あまり遠方でなければ、今度直接足を運ばせていただきます。
……今年も残すところ1週間弱。年末の“締め”企画を今準備中です。
今しばらくお付き合いいただければ幸いでございます。