さわずみ動物病院　～スタッフ日記～

さわずみ動物病院　～スタッフ日記～

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20Jul
- ぼたん猫
  わんちゃん猫さんで下顎を強打して下顎の骨を割ってしまう場合がありまず割れ方によりますが犬歯より前方で割れてる場合は犬、猫においてはワイヤーで固定する方法があります犬と猫では犬歯の生える向きに違いがあり止め方が異なります犬は犬歯の生え方が比較的平行なので八の字ワイヤーにて固定しレジン（硬化剤）で止めて固定を行いますそれに対して猫はㇵの字に開くように生えているためワイヤーとボタンにて固定が可能です。当院では歯の修復も行うので、犬も猫も処置が可能です下顎が割れてしまって犬歯の位置がずれています（赤線）本来は白線が正しい位置になります下顎の位置を揃え、ワイヤーを締結し、ボタンにて顎下で固定します
08Sep
- いつも悩ましい胆のう切除のタイミング
  今日は胆のう切除について書こうと思います。　胆のう疾患はいろいろありますが、その中で『胆のう粘液嚢腫』という病態があります。これは胆のう内の胆汁がゼリー状に固まってしまう病態です。ほっておくとどこかのタイミングで胆管が詰まってしまい、胆のう炎を強く起こします。黄疸（尿が黄色くなり、ひどくなると皮膚や白目が黄色くなります）が出て、嘔吐が激しくなります。胆のう粘液嚢腫は超音波検査ですぐ診断できるのですが、問題は治療のタイミングです。胆のう粘液嚢腫が見つかるタイミングは二つあります。症状が出たタイミングで検査をして見つかるパターンと健康診断で肝臓の数字が高くて超音波検査をした結果見つかるパターンです。　後者の場合は年齢やご家族の希望を聞いて内科で見ていくのか手術で切除するのか相談になります。これはご家族が手術（麻酔）のリスクを背負うのか、手術をしないで状況が悪くなり発症する可能性のリスクを背負うのか、相談でよいと思います。問題は前者です。すでに症状が出ている場合です。胆のう粘液嚢腫の手術なのですが、手術手技自身はよいのですが、症状が出ている時に手術をした場合の死亡のリスクが高くなります。なのでできれば内科で悪い状況を少しでも良くして落ち着いてから手術をしたいと思ってしまいます。しかし内科を選択した結果、胆管が物理的に詰まっているため改善せず状況がもっと進行し、麻酔のリスクがもっと上がってしまうということが起こり得ます。何か検査で一旦回復してくれるのか悪化するのかわかるとよいのですが…もちろん胆のう破裂がある（胆汁性の腹膜炎所見がある：虚脱した胆のうを認める）場合などは分かりやすいのですが・・・。　当院ではこのジレンマをご家族と相談して一時的に内科をするのか外科をするのか相談をさせていただいています。幸いこれまで皆さまご説明の上、ご判断くださって助かっています。この子は、入院下で内科治療した結果状況が改善してきたので、そのままオペをさせていただきました。胆のうの色が悪く、パンパンですね（黒っぽい袋が胆のうです）。切除した胆のうです。少し切開したところ、ゼリー状の胆汁が出てきています。全部切ってみるとボール状に固まっていました。症状のある胆のう粘液嚢腫のオペの後はいつもドキドキですが、無事に退院してくれました＾＾
15Aug
- 椎間板ヘルニア治療は『責任病変の位置決め』と『リハビリ』が重要！！
  ダックスさんで有名な椎間板ヘルニアですが、基本的にはどんな犬種にも起こり得ます。まず椎間板ヘルニアにはハンセンⅠ型とⅡ型があり、ダックスさんの有名なⅠ型とトイ・プードルさんで多いⅡ型があります。Ⅰ型は痛みのみから～不全麻痺～麻痺と症状は程度によりさまざまです。Ⅱ型は中高齢のトイ・プードルさんで痛みのみということが多いです。症状としては触ると怒る。元気食欲がないというパターンの中にはそれなりの件数でこの椎間板ヘルニアがあります。もちろんその他の犬種でも診られます。今日はⅠ型の場合の手術について少し書きたいと思います。まずⅠ型で不全麻痺（歩けるけどよたつく～歩けないけど足は動く）が出ている場合はその程度を含め内科か外科かご家族と相談をしています。内科療法でもそれなりの治療成績があり、ご家族と決めています。しかし、症状が麻痺（足が動かない）まであると手術をお勧めしています。椎間板ヘルニアの手術ですが、大事なのは場所決めです。どこに『責任病変』があるのかがすごく大切です。責任病変の位置決めは画像診断で行います画像診断には　①脊髄造影　②CT撮影　③MRI撮影　があります。それぞれいいところ悪いところがあります。責任病変を見つけるためにという観点で、それぞれひとつずつ上げるとすると①脊髄造影　どこの病院でも検査可能　　　　　　　責任病変が一つしかわからない、わからないこともある②CT　　　撮影時間（麻酔時間）が短い。　　　　　たくさん病変部が見つかりどれが責任病変かわからない場合がある　　　　　→その場合多くが一番悪そうなところを手術を行います。　　　　　オペ後良くならず、MRIを撮ってみたら別の場所が責任病変　　　　　だったり別の脊髄疾患だったなんてことも起こり得ます。　　　　　もちろん多くの場合一番悪そうなところが責任病変なんですが・・・③MRI　　多くの病変が見つかっても、責任病変がどれか判断できる　　　　　3つの検査の中では麻酔時間と費用がかかるかな、と思います。ここで細かく上げるのは難しいです。（どれがその子にとって良いかはかかりつけの獣医さんとよくご相談ください）　　　　　　当院としては的確な治療が一番なので、大学にてMRIを撮って頂いてから手術をさせていただいてます。『責任病変の位置』さえ決定できれば、道具と経験のある先生であれば手術自体は難しい手技ではありません。こちらは大学でMRIを撮って頂き位置を決めさせていただいて手術は当院で行わせていただきました。画像をみながら病変を取り出せるように2つほど背骨を削らせていただいて専用の道具で出ているものを取り除かせていただきました。椎間板ヘルニアは手術を行って絶対に治るものでも、すぐに治るものではありません。そのため術後のリハビリが重要になります。また手術をされる場合は早めをお勧めしています。時間経過で筋肉が萎縮したり背骨が湾曲してくるとリハビリをしても上手く歩けなくなる場合があります。当院では術前から車いすをお勧めしています。術後は鍼灸やマッサージとともに、車いすはリハビリにとても大切なツールだと考えています。椎間板ヘルニアの治療は内科・画像診断・手術・リハビリと一連の内容をしっかりとかかりつけの獣医さんとよく相談をしていただければと思います。
12Jun
- ひも状異物による腸閉塞は『獣医師』と『超音波診断装置』と『ご家族』の二人三脚
  わんちゃんでも猫さんでも誤飲（食べ物ではないものを食べてしまうこと）がちょくちょくあります。大きさによりますが、1～２時間であれば吐かせられることが多くあります。診療時間外の場合はかかりつけの先生に電話して相談してみましょう。誤飲としては食べ物（鳥の骨など）異物としては（ヒモやおもちゃ、マスク、ティッシュペーパーなどなど）中毒物としては（チョコレート、ブドウ、スイセンなどなど）いろいろな物を食べてしまうことがあります。食べ物については中毒の問題がないものはあまり気にする必要はないかもしれません。ちなみにフライドチキンの骨などの場合は当院では様子を見てもらっています。胃の中で溶けてしまうパターンしかまだ診たことがありません。逆に催吐処置をすると割れた骨が吐くときに食道に刺さる可能性がありリスクが高いと考えています。中毒物質はものによっては様子を見ても大丈夫だろう物から内視鏡を入れて胃洗浄をすることもありますので、かかりつけの先生とご相談をお勧めします。ネットをみるといろいろ怖いことが書かれていますが、物によっては中毒症状に陥った子をみたことがないものもあります。（症状の出る子と出ない子の個体差の大きいものがある）人でもコーヒーを飲むと動悸がする人もいらっしゃるみたいですね。　最後に本題の異物ですが、怖いのはやはり『ひも状異物』です。　ひもを飲み込んだというお話があるとすごく診断が簡単なのですが、分からない状況での診断は少し時間がかかることがあります。またひも状異物は細いがゆえに腸を裂ききってしまうため、危険な異物です。　診断には症状をお伺いして、単純レントゲン・超音波検査、造影レントゲン（いわゆるバリウム的な物を飲ませてレントゲンを撮ります）と進んでいきます。当院では比較的超音波検査の段階で判断することが多く、造影レントゲンをしないで試験開腹をさせてもらうこともあります。造影レントゲンは朝から初めて夕方まで時間がかかるので、状態が段々悪くなってきており超音波検査で疑わしい場合は試験開腹をする方が安全だと考えています。　なるべく早く手術をすることで腸管の壊死が防げます。腸管が壊死してなければ腸切開術（縦に腸を切開して異物を取り出し縫合する）で済みますが、腸管が壊死をしていると腸管切除術（壊死した腸を切除し切った断端を縫合してくっつける）同じような名前の手技ですが、命の予後はもちろん、退院までの日数や手術の難易度も違うため料金もそれぞれ大きく変わる可能性があります。獣医師の画像診断力や検査機器性能、そしてあくまで試験開腹ですので、獣医師との信頼関係とご家族の決断力が試される疾患です。ヒモでくしゃくしゃになった腸管。赤みが強く炎症が起きていることが分かります。この子はご家族の英断で超音波検査による診断で試験開腹をさせていただけたので、腸管のダメージが小さく無事に3日で退院ができました＾＾
01May
- ねこさんの後肢の骨折
  高いところから飛び降りたときにびっこがあると　　やはり骨折と脱臼を疑います　　今回は骨折を起こしてしまったこのレントゲン写真です黄色○の所に骨折があります　この部位には脛骨と腓骨　2本の骨があります　　脛骨（太い骨）は　成長板骨折（成長期で骨が伸びていくところ）　　　腓骨（細い骨）は　下の方から7ｍｍほどのところでの骨折　　　　成長板は黄色矢印の所のようにレントゲンで　骨が白くなく黒っぽく映るところです（黒いところで折れているわけではありませんこのように2本折れている場合　体重が軽く運動が制限できれば太い骨をつないであげると多くの場合治ってくれます太い骨にピンを入れました。一か月後ピンを抜かせていただいて　更に一か月後確認をしました今回のように　『成長板骨折』　をすると　　①骨が成長できなくなって　反対足に比べて　『長さが短くなる』　　②骨の一部が成長できなくなって　『変形をする』　　　ということがあります　　程度によっては　この後　矯正の手術が必要になる場合があります　
03Apr
- 『股関節脱臼』の整復
  わんちゃんと猫さんでたまに股関節脱臼のこがいらっしゃいます　経験上はわんちゃんの方が多いように思いますご家族からよく聞くパターンは　高いところから着地に失敗して　そのあとから　『びっこ』　『触ると痛がる』　というケースが多いです　　そういう話を聞くと　後肢なら　骨折か？　股関節脱臼か？　と思いながら診察をします　　　触診で概ね判断できるのですが　確認のためレントゲンを撮り診断します黄色○で囲まれたところが脱臼した股関節です　（反対と比べてみると　外れていることがわかると思います）股関節脱臼とは　股関節から大腿骨（太ももの骨）が外れた状況をいいます　　　①　関節の中で靭帯（スジ）で股関節と大腿骨がつながっていること　　　　②　関節の外で関節包に覆われていること　　　　そのため通常　簡単には脱臼しません（脱臼した＝①②が破壊された状況です）もしも脱臼してしまったら　整復をすることになります　　脱臼すると触られるとすごく痛いようです　　　そのため鎮静をかけ　痛みと不安を和らげて整復を行います整復が終わったら　バンテージで固定して2週間ほど安静にします　そうすることで関節がかたまり　外れなくなりますしかし　残念ながら一度脱臼してしまった股関節は　再脱臼することがあります　当院では　1カ月以内で再脱臼してしまった場合は　積極的に手術をお勧めすることが多いです　　　もちろん整復後　再脱臼しないこもいますので　生活を気を付けましょう単純な股関節脱臼の整復で一番大切なのは脱臼してからの時間です　脱臼してからの経過が長いと股関節内が組織で埋まってしまい　大腿骨の戻るスペースが減ってしまいます　　そうなると当然再脱臼は必然で　手術をすることになってしまいます手術をしないで済むなら　それに勝ることはありませんね　早めに獣医さんに診てもらいましょう
12Mar
- わんちゃんの歯石による『壊死を伴う口内炎』
  口内炎というと　猫さんの病気のイメージです　しかし　わんちゃんでは起こりません　というわけではありません！！歯石が歯に沈着し、その歯石が口腔粘膜にずっと接していることで　強く炎症、感染を起こし　『壊死』　が起こる場合があります　　ひどくなると舌の壊死を伴う場合もあります人では　急性壊死性潰瘍性歯肉炎　という名前の病気があるようですが　それに当たるのだと思います　　歯石の沈着のひどい老犬が　免疫が落ちたときに発症するのかなと　思っています粘膜・舌も黒くなっているところが　炎症が強く壊死の起こっているところです　この状況ではご飯もお水も飲むことが難しくなります　　臭いもひどくなりますもちろん歯石がひどいからと言って　みんなが壊死を伴う口内炎になるわけではありません　ですが　人と同じで歯のケアは大事ですね麻酔下で歯科処置をして入院3日目です　まだ潰瘍面（赤いところ）は残っていますが　　壊死組織はなくなり　炎症も落ち着き　だいぶきれいになりましたできれば今回のようになる前にスケーリングをしたいところです麻酔が許される状況であれば　一年に一回のスケーリングは　お勧めしたいところです
04Feb
- 会陰ヘルニア手術
  会陰ヘルニアの手術について『会陰ヘルニア』という病名、なんだか難しいですね。まず『会陰』とはお尻の方をさす言葉です。『ヘルニア』とは、あるものがあるべき場所から逸脱している状況を表す言葉です。例えば『さいヘルニア』これは『臍（さい）』のヘルニア、いわゆる『デベソ』のことです。犬で一番よく知られている病気は『椎間板ヘルニア』かもしれませんね。お話を戻しましょう。会陰ヘルニアは未去勢の雄犬の老犬で多い病気です。（雌は起こらない病気というわけではありません）若いうちに去勢してある雄犬がなることは希です。男性ホルモンが作用することでお尻の周りの筋肉が落ちてしまい、隙間ができます。その隙間から脂肪、腸管、膀胱などがおなかの中のものが出てきてしまいお尻周りが腫れてしまいます。腫れている部位の中には出てきたものと水が溜まっています。腸管が出た場合は排便困難となります。膀胱が出てしまった場合は、時によっては膀胱の壊死が起こりえます。手術は病態の程度と患者さんの状況とご家族の意思でするかどうかを相談になります。手術の方法はいろいろあります。大きく分けて『自分の筋肉で隙間をふさぐ』と『人工物で隙間をふさぐ』方法です。人工物にはいろいろな商品があり、いろいろな方法があります。各先生のやり慣れた方法でされていることが多いと思います。当院ではプロリーンメッシュと呼ばれる人工物を使い閉じさせていただいています。　これは人間でも欠損部の補修に使われる医療材料です。内科的な管理で維持することができる場合もありますが、限度があります。重度になると排便困難となることが多く、痛いのを我慢して摘便をすることが多くなります。状況が許すようであれば、できれば手術をしてあげたい疾患の一つです。
21Jan
- 前十字靭帯の断裂
  今回は前十字靭帯の手術についてご紹介をしようと思います。(一番下に手術の写真があります。苦手な方は点線より下は見ないでください）『前十字靭帯断裂』、あまり聞きなれない名称かもしれません。前十字靭帯は膝関節の靭帯です。大腿骨（太ももの骨）と脛骨（すねの骨）がズレないようにしてくれている靭帯の一つです。犬ではこの靭帯が切れることがあります。原因としては大きな力が加わったり、遺伝的問題だったり、腫瘍（一般にいう癌）が原因の場合もあります。この靭帯が完全断裂すると、足に体重をかけれなくなるため、後肢のびっこが症状として認められます。　診断には触診、レントゲン、超音波検査などを行います。完全断裂は触診のみでも診断が容易です。手術方法はいろいろありますが、当院では関節外法で行います。関節外法とは、関節の外より糸で膝の関節を安定化させる方法です。手術では膝の関節をあけ、切れてしまった前十字靭帯を切除します。次に半月板と呼ばれる膝の関節のクッションにダメージがないかを確認をします。ダメージがあると関節を固定しても痛みが治まらず、びっこが続いてしまいます。その場合ダメージを受けた半月板の切除が必要になります。今回はクッションにダメージがなく、糸で関節を固定して終了しました。術後は2週間ほどの絶対安静が必要です。その後、上手にリハビリをしていくと2か月後にはおおむね普通に歩けるようになります。うちの犬も往年、前十字靭帯の断裂を経験しました。遺伝的要因で断裂した場合は数年のうちに両側とも断裂してしまうことが多いです。関節外法を行うにあたって、クッシングや多発性関節炎などの疾患を持っていると、適用不可のケースもあります。手術の前にかかりつけの先生とよく相談しましょう。
25Jul
- ノミ駆除で失敗をしない
  前回の話でノミ予防の重要性はご理解いただけたと思います。もしも大事な家族に、ノミがついてしまったら・・・？ノミはペットの体表に卵を産み付けます。卵は環境中へ、家のあらゆる場所に散らばります。卵は幼虫とさなぎを経て成虫となります。環境が整うと２～４週間でこのサイクルは回ります。その一方で環境によっては４か月以上もさなぎの状態を維持します。卵やさなぎは薬が効きづらいため、駆除において重要なポイントとなります。もう一つ重要なポイントは数です。季節にもよりますが、各サイクルの数は、卵が全体の５０％、幼虫が３５％、さなぎが１０％、そして成虫は５％しかいません。ノミの成虫だけを駆除しても、なかなかノミの駆除はできないのです。ノミの駆除をより効率的に行うには４つのポイントがあります。①効果が十分持続すること②ノミの各成長期に作用すること③即効性が高くノミの成虫に卵を産ませないこと。④ペットの全身に薬が十分に届くこと。ここからはお薬についてのお話です。ノミの薬にはいろいろな種類があります。シャンプー。スプレータイプ。首輪タイプ。滴下剤タイプ。経口タイプ。それぞれにメリットとデメリットがあります。どの薬を選択するかはペットと家の状況によりますので４つのポイントを意識して獣医師と相談し、より効率的で確実なノミの駆除を行いましょう。駆除には掃除機による予備軍（卵・幼虫・さなぎ）の排除も重要です。ノミの幼虫は暗いところを好み、下へ下へと移動します。フローリングの溝、カーペットの上・ふち・下、また家具の下までくまなく掃除機をかけましょう。そして、掃除機の集塵パックは掃除のたびに交換しましょう。せっかく掃除機で集めたノミとノミの予備軍が集塵パックの中から逃げてしまいます。なお、バルサン等の噴霧剤はノミの成虫には効果がありますが、幼虫やサナギには効果は不十分です。しかし環境中の清浄化には意味があると言われていますので、ペットによく考慮して使われるのは良いと思います。
02Jun
- ノミ予防の意味をご存知ですか？
  みなさん、お尋ねします。ノミの予防をした方がいいと思いますか？みなさん迷わず『はい』とお答えいただくと思います。ではなぜ、ノミは予防した方が良いのでしょうか？① 痒がる② 血を吸われるということがまず挙げられます。今回お伝えしたいのは①、②の結果の『影響』と『 ③ 病気になる』という事実です。③ 病気になると聞くと『予防』の重要性がご理解いただけると思います。では、どんな影響・病気になるのでしょうか。まず影響については、ノミの影響は大量寄生の場合は貧血を起こします。吸血の刺激や痒みによりストレスがかかり、睡眠不足や食欲低下により栄養状況の悪化も起こるでしょう。また痒いことで皮膚を咬んだり、引掻いたりすることで脱毛や皮膚が傷つき、化膿性皮膚炎が起こるかもしれません。これら全身状態の悪化と極度の貧血のために命を落としそうになった患者さんを診たことがあります。ノミにより引き起こされる病気はまずはノミアレルギーです。犬、猫ともにノミアレルギーになるとノミが一匹ついただけで痒くなります。アレルギーによる皮膚の痒みはかなりつらいものです。次に犬、猫ともにノミがつくとおなかの虫の瓜実条虫症になることがあります。これは下痢や体重減少を起こします。また猫では人にも感染する猫ひっかき病（猫は無症状です）。そして、まれではありますがノミの吸血から猫白血病に感染するおそれがあります。これらの病気の中には、感染してから治療しても大丈夫な病気もありますが、一生抱える病気もあります。ペットも大事な家族、病気になって欲しくないですよね。しっかりと『ノミの予防』を行うことで、病気を予防して、元気に長生きしてもらえたらと思います。
23Apr
- 心臓の血管の手術（ＰＤＡ：動脈管開存症）を行いました。
  動脈管開存症（ＰＤＡ）というと難しそうな名前ですが心臓の先天奇形です。赤ちゃんは胎児期には肺呼吸をしていません。そのため心臓から肺に血を送るのは無駄なので、バイパス血管（肺に行かず別の血管に迂回する血管）が存在します。この血管が生まれるときには閉じることで肺へ血流が確保されます。動脈管開存症はこの血管が閉じ切らずに残ってしまう病気です。この異常血管をそのままにしていると心臓に負担がかかり、ゆくゆく亡くなってしまう可能性があります。なるべく若いうちに見つけて手術をすることが大切です。診断は何と言っても、まず聴診です。お歳の子だけでなく若い子でもしっかりと聴診をしてもらいましょう。聴診で動脈管開存を疑った場合は、心臓の超音波検査で確認を行います。異常血管の確認ができ、心臓の状況と麻酔をかけて問題ないかの検査をクリアしたら手術の段取りをしてもらいましょう。胸を開けて心臓の血管を構う手術です。ご心配は当然ですが、動脈管開存症は大学など２次診療施設でなくてもできる手術です。かかりつけの先生が十分な経験のある獣医師であれば、迷わず、手術をしてもらいましょう。神経と他の血管を傷つけないように異常血管を分離し、糸で縛ります。
18Jan
- 臨時休診のお知らせ
  2月10日（日）、2月11日（月）院長がセミナー参加のため休診ですなお、2月12日は火曜日のため定休日です。お薬のみの処方は可能です。前日までにご連絡をください。
28Sep
- 皮膚科外来をスタートしました
  今月より最終火曜日に獣医皮膚科認定医の先生をお呼びして皮膚科外来をスタートしています。なかなか治療のうまくいかないわんちゃん、ねこさん一度受診をされてみませんか？要予約制です。他院がかかりつけの方でも受診可能です。また希望があればかかりつけ宛に報告書（別途費用がかかります）を作成します。その皮膚病治らないと諦めていませんか？アレルギーなど治らない疾患でも　もっと良いコントロールができるかもしれません。お困りの方はぜひご連絡下さい。0858-24-6128今回の診察風景です事前にカルテを見ながら院長より状況を先生にお伝えします。他院の患者さんであればできるだけ治療歴、検査結果をご持参の上ご来院ください。無駄に検査をしなくて済むかもしれません。まずは必ず問診を行います。予め皮膚科専用の問診票をお渡ししますので、おうちでゆっくりとご記入して持ってきてください。それに基づいて詳しく症状を先生が確認をします。今回はすでにアレルギーの検査、細菌の薬剤感受性試験（どの抗生剤が効くか）を事前にしてありました。体をしっかりとチェックをし今回は通常の皮膚検査にて診断と治療方針を決めていただきました診察には院長も参加させていただいて先生の補助をさせていただきます。☆写真はご家族と先生に許可をいただいて掲載させていただいています。
09Aug
- 花壇の植え替え
  暑い日が続きますね。わんちゃんねこさんに限らず　人間もへばってしまっている今日この頃です。そんな今日、昨日の夜より雨が降ってくれてだいぶ気温が下がりましたね。湿度は上がりましたが＾＾；というわけで、涼しくなった今日しかない！！花壇の植え替えを行いました。スロープの横の花壇は朝顔とマリーゴールドを植えているのですが、結構失敗をしました。アサガオがこんなに元気に育つと思っていませんでした＾＾；マリーゴールドに日が当たらないです＞＜そしてマリーゴールドは肥料・水　要らずアサガオは肥料・水　欲しいもう植えてしまった2種類、難しい難問です。さてさて、今日は自転車置き場前の花壇の植え替えです。ホームセンターに行って花をどれにしようか見ていると、トレニアがありました！！（よく園芸館に出没します）真夏のアスファルトの駐車場に突如出現する花壇暑いです。弱い子は育ちません。そこで、今回はトレニアの青にしました！！丈夫そうですし、10月まで咲いてくれそうです＾＾なんですが・・・・植えてみたのはいいのですが、買った苗が切り戻しの時期になっていたので早々に花芽をカットしちゃいました＾＾；見事に何の花かわからなくなりました＞＜そして　花とつぼみがもったいないので水にさしてみました＾＾さしぎでも増えるようなので、それもしてみました＾＾花で少しでも涼しげになることを期待しています！！
10Jul
- ハザードマップ
  今回の大雨の際倉吉市は避難勧告三朝町は避難指示　が出ていました。もちろん、避難勧告が出た時点でなるべく避難を開始するのが良いですが、仕事があると勧告が出たからといってなかなか仕事を休むわけにはなりません。職場の上司の判断にゆだねられてしまうことになります。なお、当院では倉吉市に避難勧告が出ていた日は、スタッフ二人は出勤を止めて自宅待機にしました。実際には雨がさほどひどくなく、患者さんがいらしゃっていたので診察からお会計についてお時間をかける結果になってしまい、申し訳ありませんでした。しかし、起こってからでは遅いので、行政には今回のようにおそれずに警報を出していただきたいと思います。タイトルにあるように、全国の市町村はハザードマップを出しています。自分の住んでいる場所がどの程度危ないのか、どんな経路を通ってどう避難するのが安全か是非とも今一度チェックをしていただければと思います。それを見て、どのタイミングで避難を決断するか、一助にされていただければと思います。特にネコさんと一緒に避難される方、避難をするときにそばにいるかわかりません。必要な時に、すぐ出れるように日ごろから考えておきましょう。http://www.city.kurayoshi.lg.jp/gyousei/div/soumu/bousai/8/
08Jul
- 災害時の備えについて
  去年から集中豪雨が多くなっています。倉吉市も避難勧告が出ており、心配しましたがありがたいことに、さほどのことはありませんでした。多大な被害に遭われた、遭われている地域でこれ以上の被害が出ないことを祈ります。地震の時に続き、今回のことでペットの避難について、もう一度よく考える必要があると感じました。大きな地震はそうそうあるものではありませんが、集中豪雨はどうでしょうか？来年もまた同じことが同じような場所で起こる可能性が十分あります。場合によっては今年のうちにまた起こるかもしれません。地震の際はペット同伴で避難所に入れず、車中泊をされる方がいらっしゃいました。洪水ではどうでしょうか？地震よりも洪水の方がなおさら車中泊ではなくやはりちゃんとした施設に避難する必要があるのではないでしょうか？去年の九州での集中豪雨の際に自衛隊のヘリでの救助に対して『犬と一緒でなければ救助を拒否』された方がいらっしゃいました。一部でわがままだという非難の声もありましたが、多くの方はご家族の心情を理解していただけたと信じています。ただ、もしかすると救助に時間がかかったために、救助が手遅れになった人が出たかもしれません。私はペットと避難する場所がないがために家に残り、要救助者の数を増やすよりそもそも　『ペットと避難できる指定の場所を作り、早めの避難を促す』　ことの方が、結果として、地域の人々そして救助に向かわれる方々の命を救うことになるのではないかと思います。今回、岡山の知り合いがペットとの同伴で避難をした際に、先にいらしゃっていた方に避難所から追い出されたそうです。避難所ではご近所の方もいらっしゃると思います。自分達を追い出したご近所の方に何かあったとき、快く手を差し伸べれるでしょうか？私なら複雑な気持ちになると思います。それが普通だと思います。災害時には、地域での相互の助け合いが必要になってきます。どこかの行政がペット同伴の避難所の前例を作れば、広がるのではないかと思います。（現在公民館などはペットは入ってはいけないことになっています）先に書いた通り、ペット同伴の避難場所を設置することは公共の利益だと言える側面があるはずです。『集中豪雨による避難指示時のペット同伴の避難』　この課題が早く議論に上がることを期待します。起こる前に備える。小学生でもわかる話ですが、行政となると簡単な話ではありません。ただ起こる前に議論を始め、進めていかないといけないのではと思います。これは大きな発言権があるわけでなく、ただの一市民の想いです。
02Jul
- 体調が悪いときは、なるべくしっかりと検査をしましょう（尿管結石）
  尿管結石、すごく痛いらしいです。何年か前に、知り合いが尿管結石で『死ぬほど痛かった』と言っているのを聞きました。わんちゃん、ネコさんも尿管結石ができてしまうことがあります。詰まる石の種類はシュウ酸カルシウムがほとんどです。現在シュウ酸カルシウム結石で療法食を食べてらっしゃる方はお気を付けください。犬で大きい子は人と同じで流れてしまってくれることがあります。しかしながらネコさんは尿管につまってしまうと流れてくれることはありません。どこかにつまります。腎臓を助けるには手術が必要になります。今回はねこさんの尿管結石の症例をご紹介します。他院にて腎不全と言われ点滴をするが良くならないということで来院されました。血液検査をすると確かに腎臓の数字が上がっており、腎不全でした。しかしながらご家族のお話を聞いていると、通常の腎不全ではないと判断したのでエコーにて腎臓をチェックしました。＊ご家族が検査に積極的でなければ、私も見つけることはできません。上：　腎臓（赤丸）の腎盂（黒いところ）が　かなり拡張していました。下の腎臓とと見比べてください（同じ腎臓です）下：　手術後1か月後　　上に比べ黒いところが小さくなっているのがわかります。エコー検査にて腎盂の拡張がありましたので、第一に尿管結石を疑いレントゲンを撮って確認をしました。縦と横のレントゲンで見ると、それぞれ尿管の走っている場所に重なるように結石（うっすらと白い物）を確認しました。（黒丸の中）その他の検査結果をふまえ尿管結石による『急性の尿管閉塞による、急性腎不全』と判断されました。諸々の検査結果より手術適応と判断されたので手術を行いました。（この判断ができることがすごく重要です。）単純な手術になる場合と特殊なチューブが必要な手術になる場合があります。おなかを開くと、３ｍｍの大きさの結石が尿管につまっていました。結石を取り除いた結果、腎盂（腎臓の真ん中の黒いところ）が小さくなっているのがわかります。（一番上の写真で比べてください）尿管結石は５～６歳のネコさんに多い病気です。ネコさんの寿命を考えるとあと10年程度の余命があります。ここで腎臓を悪くしてしまうと、残りの人生のＱＯＬを悪くしてしまいます。比較的若い子の急性腎不全では特にしっかりと検査をしてもらいましょう。特に片側だけ詰まった場合、一時的で軽度の上昇で終わる場合があります。症状としては、『ちょっと元気食欲がなかったけど、しばらくしたら治った。』というねこさんも大勢いると思います。これは片方の尿管が詰まって、一時的に痛みと急性腎不全が出たけれどもう片方の腎臓が頑張って、急性腎不全は解消された状況だと考えられます。ただ腎機能の半分は失われています。（腎臓が片方死んでしまっています）腎機能が半分になって大丈夫？？なのでしょうか。人でも腎移植をします。一個腎臓を誰かにあげるということですが、腎臓は一個あれば見かけ上症状がありません。でも腎機能は５０％しか残っていない状況になります。ゆくゆく慢性腎不全を起こす可能性が高くなります。急性の尿管結石は早く診断・手術をすれば元通りに治してあげられる可能性の高い病態です。なお、慢性化した場合は、もっと複雑な、リスクのある手術になります。また、ご紹介をしようと思います。
21Jun
- 消臭・消毒対策！！
  ジアイーノに続いてこんな商品を買ってみました。実はジアイーノ２４畳用の業務用です業務用なのでパワフルではあると思うのですが移動不可なので少し使い勝手が悪いです。ついでに日常的にかなりメンテナンスが必要です。効果のエビデンスがしっかりあり、質はかなり良いと思うのですが、面倒くさがりな人には面倒です。ジアイーノには引き続き診察室と待合室の除菌（９９％）、除ウイルス、（９９％）、と消臭に頑張ってもらいます！！ただ移動不可なので、入院室で使いにくいのとそもそもわんちゃんねこさんがいるときは（安全とはいえ）プール臭がしますし、なんとなく使いたくないです。、入院室が空いているときに使える商品がないかと思い、こんなのを購入してみました。同じ次亜塩素酸の商品です。乾電池でも、電源コード（別売り）でも使えるのでどこでも使える商品です。今回の病院の用途にはマッチしていると思います。ご家庭で使うときはトイレとか玄関で使う物です。お手軽な値段で、メンテナンスも簡単です。入院室の除菌、除ウイルス、消臭に頑張ってくれそうです＾＾
17Jun
- だいぶ湿度が高くなってきましたね
  梅雨に入って、じめじめした日が多くなりました。動物病院では湿度もそうですが臭いやウイルスやばい菌の繁殖も盛んな季節です。そこで今回ジアイーノを購入してみました！！もともとプラズマクラスター（写真右）を置いていたのですが微粒子の除去はしてくれているのかもしれませんが、脱臭効果は言われているほどありませんでした。（一応　ばい菌と臭いについては「抑える」　という表現がされていますが、臭いについては少なくとも体感できるレベルの変化はありませんでした）ジアイーノはウイルスの除去とばい菌の殺菌を９９％なんて試験結果を出しています。臭いの除去にも比較的効果が高いようです。以前から検討をしていたのですが、韓国で同様の機械による事故を聞いて躊躇してしまいました。が、日本のジアイーノと韓国のそれでは殺菌成分が別なようですね。ジアイーノは生体に対する安全性は大丈夫ですのでご安心ください。より良い環境になればと思います

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