わんちゃんと猫さんでたまに股関節脱臼のこがいらっしゃいます
経験上はわんちゃんの方が多いように思います
ご家族からよく聞くパターンは 高いところから着地に失敗して
そのあとから 『びっこ』 『触ると痛がる』 というケースが多いです
そういう話を聞くと 後肢なら 骨折か？ 股関節脱臼か？ と思いながら診察をします
触診で概ね判断できるのですが 確認のためレントゲンを撮り診断します
黄色○で囲まれたところが脱臼した股関節です （反対と比べてみると 外れていることがわかると思います）
股関節脱臼とは 股関節から大腿骨（太ももの骨）が外れた状況をいいます
① 関節の中で靭帯（スジ）で股関節と大腿骨がつながっていること
② 関節の外で関節包に覆われていること
そのため通常 簡単には脱臼しません（脱臼した＝①②が破壊された状況です）
もしも脱臼してしまったら
整復をすることになります
脱臼すると触られるとすごく痛いようです
そのため鎮静をかけ 痛みと不安を和らげて整復を行います
整復が終わったら バンテージで固定して2週間ほど安静にします
そうすることで関節がかたまり 外れなくなります
しかし 残念ながら一度脱臼してしまった股関節は 再脱臼することがあります
当院では 1カ月以内で再脱臼してしまった場合は 積極的に手術をお勧めすることが多いです
もちろん整復後 再脱臼しないこもいますので 生活を気を付けましょう
単純な股関節脱臼の整復で一番大切なのは脱臼してからの時間です
脱臼してからの経過が長いと股関節内が組織で埋まってしまい 大腿骨の戻るスペースが減ってしまいます
そうなると当然再脱臼は必然で 手術をすることになってしまいます
手術をしないで済むなら それに勝ることはありませんね
早めに獣医さんに診てもらいましょう