わんちゃんでも猫さんでも誤飲(食べ物ではないものを食べてしまうこと)

がちょくちょくあります。

 

大きさによりますが、1~2時間であれば吐かせられることが多くあります。

診療時間外の場合はかかりつけの先生に電話して相談してみましょう。

 

誤飲としては

食べ物(鳥の骨など)

異物としては(ヒモやおもちゃ、マスク、ティッシュペーパーなどなど)

中毒物としては(チョコレート、ブドウ、スイセンなどなど)

 

いろいろな物を食べてしまうことがあります。

食べ物については中毒の問題がないものはあまり気にする必要はないかもしれません。ちなみにフライドチキンの骨などの場合は当院では様子を見てもらっています。胃の中で溶けてしまうパターンしかまだ診たことがありません。逆に催吐処置をすると割れた骨が吐くときに食道に刺さる可能性がありリスクが高いと考えています。

 

中毒物質はものによっては様子を見ても大丈夫だろう物から内視鏡を入れて胃洗浄をすることもありますので、かかりつけの先生とご相談をお勧めします。ネットをみるといろいろ怖いことが書かれていますが、物によっては中毒症状に陥った子をみたことがないものもあります。(症状の出る子と出ない子の個体差の大きいものがある)人でもコーヒーを飲むと動悸がする人もいらっしゃるみたいですね。

 

 最後に本題の異物ですが、怖いのはやはり『ひも状異物』です。

 ひもを飲み込んだというお話があるとすごく診断が簡単なのですが、分からない状況での診断は少し時間がかかることがあります。またひも状異物は細いがゆえに腸を裂ききってしまうため、危険な異物です。

 診断には症状をお伺いして、単純レントゲン・超音波検査、造影レントゲン(いわゆるバリウム的な物を飲ませてレントゲンを撮ります)と進んでいきます。

当院では比較的超音波検査の段階で判断することが多く、造影レントゲンをしないで試験開腹をさせてもらうこともあります。造影レントゲンは朝から初めて夕方まで時間がかかるので、状態が段々悪くなってきており超音波検査で疑わしい場合は試験開腹をする方が安全だと考えています。

 なるべく早く手術をすることで腸管の壊死が防げます。腸管が壊死してなければ腸切開術(縦に腸を切開して異物を取り出し縫合する)で済みますが、腸管が壊死をしていると腸管切除術(壊死した腸を切除し切った断端を縫合してくっつける)

同じような名前の手技ですが、命の予後はもちろん、退院までの日数や手術の難易度も違うため料金もそれぞれ大きく変わる可能性があります。

獣医師の画像診断力や検査機器性能、そしてあくまで試験開腹ですので、獣医師との信頼関係とご家族の決断力が試される疾患です。

ヒモでくしゃくしゃになった腸管。赤みが強く炎症が起きていることが分かります。

 

この子はご家族の英断で超音波検査による診断で試験開腹をさせていただけたので、腸管のダメージが小さく無事に3日で退院ができました^^