鑑賞記録:映画ドラえもん「のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)」
映画ドラえもん「のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)」『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』公式サイト (doraeiga.com)あらすじリコーダーがうまく吹けず、ピーヒョロ音ばかり出してしまうのび太は、音楽の授業を憂鬱に思っていた。河原でしぶしぶ練習をしていると聞いたことのない言葉を話す女の子(ミッカ)がいつの間にか横に来て、美しい声で歌い出す。ミッカの従者ロボは、のび太、ドラえもん、しずか、スネ夫、ジャイアンの5人を音楽の達人ヴィルトゥオーゾと呼び、「音楽の殿堂」に招待する。そして、5人の奏でる音楽のエネルギーで地球外に漂う宇宙船「音楽の殿堂」の動力を復活させ、故郷の星に帰ることに協力してほしいと頼む。~~~感想~~~~~子どもに行きたいとせがまれて、ドラえもんの映画を見てきました。(しかも10日のASSMUの直前に!)実は、ドラえもんの映画を映画館で見るのは人生初。というか、映画館以外でも見たことない。なんかドラえもんの映画と言えば、感動するとか、ジャイアンが男前とか、泣けるとかといった前評判は聞いていたので、今回、見て、拍子抜け。正直、おもしろくなかったし、泣けるところもなかった。私が音楽をテーマにしたものに対して目が厳しすぎる部分は多少あるとしても。ストーリーは、前半で伏線をせっせと張って、後半で躍起になって回収する感じだな、って思ったんだけど、そんなにあからさまに伏線はったら、それはもう「オチが読める」っていうやつであって、伏線じゃあなくないか?と。それとは別の話で、私の隣にいた家族連れの保育園児が、ピカピカ光る靴を履いていたんだよね。それが映画の間中光っていて目がつらかった!途中、あまりにも光るから、親が靴を脱がせたんだけど、それをつついてまた光らせてて。たぶん、映画がつまらないから遊んでしまっていたんだよね。おばさんも、途中寝そうだったから、分かるよ、その気持ち~。って思いながら、横をチラ見してました。まぶしかった。あ、それとなにやら、最後に2025年の次回作をお楽しみに!っていうのが出たけど、ビジュアルが完全にハリーポッターかマッシュルかっていう様子だったので、タイムリーな新作だな、と思いました。ということで~、何を書いても酷評になりそうなので、ネタバレOKの人だけ下の白字の部分を反転させて読んでください。さて、ここからはネタバレ。のび太たちが宇宙船に招かれてすぐに、ドラえもんのアイテムを使ってそれぞれの運命の楽器と赤い糸が結ばれて、その楽器の腕前がじゃんじゃかうまくなるっていう描写があるんだけど、んなわけねぇだろ!そんな簡単にうまくなりゃ誰も苦労はしねぇんだよ。まだ「全部終わった後、アイテムの効果が切れて、技術がもとに戻っちゃった。効果はアイテムを使ってるとき限定」っていう描写があれば良かったかなぁ。しかも、しずかちゃんはピアノが弾けるのに、なぜ赤い糸で結ばれた楽器がボンゴなのよ?そしてそれで喜べるの?自分が小5の女子で、ピアノのレッスンがんばってたら、運命の楽器がピアノじゃなかったことにショックで泣いてしまうと思うよ。しかもボンゴが途中でマリンバに変わった時に、「パーカッションは全部OKだから」ってドラえもんが注釈入れてたけど、そんなご都合主義ある?じゅっぱひとからげすぎて、失礼にもほどがあると思った。だったら最初からマリンバ出しとけよっていう。のび太がリコーダーを下に見てるのも腹立たしいな。カッコイイ演奏ができないのだとしたら、それはひとえに演奏者の腕前によるものなのだから、精進が足りんだけなんに!文句ばっかり言ってひとのせいにして、吹けるようになろうと努力をしない逃げの姿勢、スゲーダサくて腹立つ!そして、あの歌手の人をあんな一瞬だけ出す意義とは?!唐突に出てきて、キーになるアイテムを何の疑問もなく差し出す都合のいい人間。怖いわ~。そこに至るまでを同時進行で少しでも、なにか接点と思われるものを出してくれていれば、受け入れられただろうに。そういうの一切なしで突然コンサート本番直前の楽屋にどっからともなく現れた幼児に先祖代々の宝を渡すヤツおる?それに、あの歌手は、翻訳こんにゃくを食べていないのに、なぜ異星人の言語を解したの?一瞬、異星人の方にこんにゃく食べさせる描写入れるだけでいいじゃん?そしたらこんなどーでもいいとこで引っかからないのに。物語をぶつ切りにして、省略したらあかんところを切っちゃうと、物語の没入感が途切れて、現実に戻っちゃう。そんな小さいことでも、さめるときは冷めちゃうのよ。クライマックスは、音楽を物理的な力に変換して攻撃して敵との戦闘シーンになるんだけど、この手法は心底嫌いだ~。音から目に見える何かが出て、物理的な力として、敵を撃破する、なんて、音を楽しむと対極にある行為としか思えない。音楽を楽しむことで浄化されていくようなものならまだしも、完全に武器になってしまっていて不快。こんなかわいい子供向けのハッピーな音楽が誰か(それが敵であったとしても)を傷つけるものとして登場するのは、本当にイヤだ。のび太がただのものぐさで努力しない言い訳ばっかするクズキャラみたいだったし、ドラえもんは小言がうるさいおばさんみたいだった。ジャイアンやスネ夫が男気出す機会もなく、敵の描写もわかりにくい。「音楽」の歴史、みたいなものを子供向けにもわかりやすく、っていう取り組みは頑張った感じはしたけど・・・。そういうの、エンタメというよりお勉強みたいだったしなぁ。自然音から自然に音楽が派生していく様子を取り込んで見せたり、良いところもあったけど、全体のまとまりとしてみたら、そういう工夫がかすむほど、おもしろくなかったです!以上っ!