佐藤美樹(さとうみき)のサトミキ☆ブログ -3ページ目

世田谷区に必要な少子化対策は何か??

10月1日からの決算委員会、初日の総括質疑にて、世代間格差の論点の関連で世田谷区の少子化傾向に触れました。

 

少子化傾向や対策については、区の人口推計が出されたり国・都の速報値が報道されるたびに着目し

政策提案もしてきました。

今年5月の財務省がだした「東京はブラックホールなのか」説あたりから、特に都心部の少子化の議論が違う局面に入ったというか、区部ごとに現状と課題が違っていることも浮き彫りになってきた気がします。

※財務省:東京はブラックホールなのか 

https://www.mof.go.jp/pri/research/seminar/fy2024/lm20240528.pdf

 

 

 
ここに出てくる有配偶出生率という指標は、特に世田谷区の分析においては重要だと考えています。
 
というのも、世田谷区の合計特殊出生率は、0.98(2023年)で東京都全体とほぼ同じで、23区内下から6番目ですが、
この有配偶出生率でみた場合には、最下位の59.3と
これまで合計特殊出生率でしか推移や他の自治体比較をしてこなかったので、複数指標を用いて分析すると、その差分がどういった政策にあるのか?見えてくるように思われます。
ということで、今回、これら出生率について都区部のデータを引っ張ってきて一覧にし質疑の際にパネル提示しました(余談ですが、データ元がことごとくPDFなので、手動で作成せねばならず涙)
今回、合計特殊出生率以外に、平均出生率についても、法政大の小黒先生とやり取りさせて頂き2020年の国勢調査データをもとに算出された平均出生率の23区データを共有していただきました。
平均出生率も、場合によっては合計特殊出生率と算出方法が異なるので、やはりこちらも一緒にみていく必要があります(例えば上の表でも、合計特殊出生率で最下位は板橋区ですが、平均出生率でみると豊島区になるという)
 
世田谷区の話に戻りまして。
いずれにせよ、当区の場合、この有配偶出生率の低さの背景にある要因を掘り下げて政策にしていく必要があります。
人口が多い(23区最多)なので、結果として、出生数(子どもの数)は23区最多ですが、
結婚しているカップルの子どもの数でみると23区で最も低い率と、産みにくい・育てにくいあるいは希望しないといった傾向に対し、どういう政策がありうるのか、引き続き掘り下げていきます
 
 

 

 

 

グリーンインフラの効果の見える化・モニタリングの必要性について

先週19日の本会議にて、

これまで区が整備しているグリーンインフラの効果を見える化する必要性や

例えば雨庭(レインガーデン)などの雨水透水量や雨水貯留量などについて、一度整備したものがどう変化しているかのモニタリングについて問いました。

※グリーンインフラとは:

 

 

これまでもグリーンインフラについては、整備の拡充の論点やまた所管横断的な情報共有の論点(グリーンインフラライブラリー※として実現)、市民の取り組める内容の拡充等とりあげてきました。

※世田谷区グリーンインフラライブラリー:

https://www.city.setagaya.lg.jp/documents/4535/188532-1.pdf

 

今回、効果の見える化やモニタリング検証といった論点を取り上げたのは、先の台風10号の際に、我が家の近くにある船橋4-3広場の中の雨庭に水がたまりきって池のようになっているのを目にしたことがきっかけでした。

 

 

普段は窪地になっていて、カバ以外にまるい球体の遊具も設置されているのですが、完全に水の中に埋もれています

 

いったん整備した際の理論値として想定している雨水透水量を超える雨量があって、透水しきれていないのか

もしくは、土やごみなどがだんだんつまっていって透水力が落ちているのか、いずれにせよ、いまどのくらいの効果があるのか?

は検証する時期にきていると思われます

 

この船橋4-3ひろばが整備されたのは4年前で、そのころより、線状降水帯といわれる豪雨やあるいはゲリラ雷雨というのも

この夏は多くありました。

 

この質疑に際して、所管側からは、検証が必要だとは考えているが国内にまだ確立された検証方法がなくノウハウを集めていくようなご答弁でした。国内にはノウハウがなくとも、雨水対策としてグリーンインフラを取り入れてきた先進事例は例えば、世田谷区がこの政策で連携したPortland市などでも実践例がありそうですし、検証方法は何等か見出せるはずです

 

豪雨・台風が頻発化・激甚化していくのに対応していく意味でも、今までの整備内容がどこまで雨水対策として寄与しているのかは引き続き掘り下げていきたいと思います

認可保育所入園にまつわる課題いろいろ

先日、区民の方で、この9月入園のタイミングで認可保育所に申し込みをし待機児童になってしまった0歳児の

保護者(Aさん)の方からご相談をうけました。

 

お話を伺ったところ、Aさんのご主人のお仕事が舞台に出るなど芸能系で、他に飲食業にも従事(バイト)しているそうですが、

入園申し込み書の添付書類に、芸能関係については就労証明書がなかったため、区の担当者(保育認定調整課)より、「事務所から所属していることがわかる書類をだせないか」という連絡が入り、そのような書類は出せないことを話したところ、「では、飲食業のみを勤務先としてカウントします」となったそうです。

 

区の認可保育所の入園選考については、保育の必要性を認定する際、指数基準※を設けており、

フルタイム(週5・40時間以上)であれば50点、週35時間以上だと40点というように、従事している時間が長いほど指数が高くなる(必要性が高いとみなされる)ようになっています。

※世田谷区 保育の指数(利用基準):

https://www.city.setagaya.lg.jp/documents/1554/goannnaip28-30.pdf

 

故に、Aさんの場合、実際には舞台などの仕事しているにも関わらず、低い指数となってしまい、結果として内定できない事態となってしまいました(指数の問題以外にも、年度後半の入園はほぼできない現状についても問題があるのですが・・後述)

 

ご相談の電話をうけ、私からはAさんに、個人事業主など自営の方については就労証明といった書類は出せないので(当たり前ですが)他の方法で勤務実態の把握をしている旨を話し、また所管課長にも「自営の方と同じような考え方・対応ですべきだしできないのか」と問い合わせをしました。

 

結果、10月入園にむけて再度申請をする際には、舞台に出ていることがわかるパンフレットやスケジュールを確認することで

労働実態を把握、再度指数も見直してもらえることとなり、そのうえで選考に入ることとなっています。

 

この件を通じて思うのは、

区の保育認定調整課の窓口対応をした職員が、入園申込の保護者に対して「寄り添った対応をしていない」ということ。

指数が低くなれば内定しにくくなるのは自明なわけで、多様な働き方が増えてきている中、働き方を指数に反映できているかは丁寧かつ適切に判断してほしいところ。

さらには、このような入園申し込みといった場面は、働き方を把握するだけでなく、子育て家庭の抱えている悩みやサポートが必要な点をキャッチできる貴重な機会でもあり、その意味でも杓子定規なやりとりをするだけでなく寄り添ってほしかったと思いますし、多様化する働き方の中、不適切であったと言わざるを負えません。

子ども子育て応援都市宣言※をしているのに、現場がこれでいいのか、とも思います

※子ども・子育て応援都市宣言:

https://www.city.setagaya.lg.jp/documents/2124/sengen.pdf

 

他方、4月入園以降のタイミングーー特に年度後半は0⁻2才は空きがほとんどないため、入園することが難しい現状についても、

年度途中に園内での進級を可能にするなど、なんらか新しい仕組みを取り入れ変えていく必要があるとも考えています。

 

多様な働き方と入園選考の課題、年度後半の入園を可能にする仕組み等、保育の課題についてまた今回の定例会で取り上げ議論をしていきます。