認可保育所入園にまつわる課題いろいろ
先日、区民の方で、この9月入園のタイミングで認可保育所に申し込みをし待機児童になってしまった0歳児の
保護者(Aさん)の方からご相談をうけました。
お話を伺ったところ、Aさんのご主人のお仕事が舞台に出るなど芸能系で、他に飲食業にも従事(バイト)しているそうですが、
入園申し込み書の添付書類に、芸能関係については就労証明書がなかったため、区の担当者(保育認定調整課)より、「事務所から所属していることがわかる書類をだせないか」という連絡が入り、そのような書類は出せないことを話したところ、「では、飲食業のみを勤務先としてカウントします」となったそうです。
区の認可保育所の入園選考については、保育の必要性を認定する際、指数基準※を設けており、
フルタイム(週5・40時間以上)であれば50点、週35時間以上だと40点というように、従事している時間が長いほど指数が高くなる(必要性が高いとみなされる)ようになっています。
※世田谷区 保育の指数(利用基準):
https://www.city.setagaya.lg.jp/documents/1554/goannnaip28-30.pdf
故に、Aさんの場合、実際には舞台などの仕事しているにも関わらず、低い指数となってしまい、結果として内定できない事態となってしまいました(指数の問題以外にも、年度後半の入園はほぼできない現状についても問題があるのですが・・後述)
ご相談の電話をうけ、私からはAさんに、個人事業主など自営の方については就労証明といった書類は出せないので(当たり前ですが)他の方法で勤務実態の把握をしている旨を話し、また所管課長にも「自営の方と同じような考え方・対応ですべきだしできないのか」と問い合わせをしました。
結果、10月入園にむけて再度申請をする際には、舞台に出ていることがわかるパンフレットやスケジュールを確認することで
労働実態を把握、再度指数も見直してもらえることとなり、そのうえで選考に入ることとなっています。
この件を通じて思うのは、
区の保育認定調整課の窓口対応をした職員が、入園申込の保護者に対して「寄り添った対応をしていない」ということ。
指数が低くなれば内定しにくくなるのは自明なわけで、多様な働き方が増えてきている中、働き方を指数に反映できているかは丁寧かつ適切に判断してほしいところ。
さらには、このような入園申し込みといった場面は、働き方を把握するだけでなく、子育て家庭の抱えている悩みやサポートが必要な点をキャッチできる貴重な機会でもあり、その意味でも杓子定規なやりとりをするだけでなく寄り添ってほしかったと思いますし、多様化する働き方の中、不適切であったと言わざるを負えません。
子ども子育て応援都市宣言※をしているのに、現場がこれでいいのか、とも思います
※子ども・子育て応援都市宣言:
https://www.city.setagaya.lg.jp/documents/2124/sengen.pdf
他方、4月入園以降のタイミングーー特に年度後半は0⁻2才は空きがほとんどないため、入園することが難しい現状についても、
年度途中に園内での進級を可能にするなど、なんらか新しい仕組みを取り入れ変えていく必要があるとも考えています。
多様な働き方と入園選考の課題、年度後半の入園を可能にする仕組み等、保育の課題についてまた今回の定例会で取り上げ議論をしていきます。