区内保育施設における虐待(不適切な保育)について
先月末の子ども若者施策等特別委員会にて、昨年度の区内保育施設での虐待・不適切な保育の
報告がありました。
件数としては、虐待が7件(私立認可保育園)、不適切な保育園が11件(私立認可10件、認可外1件)
とのこと。
内容的にも件数の多さとしても、残念ながら、この数年と「変わっていない」という印象をうけます。
ただ、今回、改めて気になったのが、虐待案件についての「経緯及び区、保育施設の対応」の欄にあった
「当該職員(保育士)は自主退職した」という記載。
虐待のあった保育施設には、区として、法人やその現場の施設長など管理職への指導やフォローをしているとのことですが、
退職された保育士についてはどうなんだろう?という点。
その後どこかまた別の法人の運営する保育施設に再就職することは可能では?と懸念されます
区では、4年前に区立認可保育園でおきた虐待をきっかけに、
これまでの保育の質ガイドライン※をアップデートし、人権チェックリストなどを作成、子どもの権利を守る保育のために
研修なども充実させてきていますが、それでもある一定程度の虐待・不適切保育がおこってしまう中で、
もう少し踏み込んだというかさらなる区の施策も必要になのでは?と考えます。
※世田谷区保育の質ガイドライン:
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kodomo/003/009/d00138520_d/fil/2.pdf
※なるほど!世田谷の保育:
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kodomo/003/009/d00152282_d/fil/1.pdf
自主退職後、法人としてはその保育士をフォローする義務はなくなるわけですが、
区として研修・指導などのフォローができるような仕組みとか、また、虐待についての前歴が確認できるような仕組み。
これまで、区として虐待を起こさない・再発を防ぐために行ってきた様々な取り組み以上のものが必要になってきているように思います。
こどもまんなかな一日~子どもぶんか村第19回発表会
24日日曜は、年度末恒例の子どもぶんか村の第19回発表会でした。
子どもぶんか村は、青少年船橋地区委員会が主宰する事業の1つで船橋地区の小中学生を対象とした文化系のクラブ活動で、
演劇、音楽(オーケストラ、コーラス)、伝統(生け花、茶道)、ものづくり、科学、ボランティアクラブという内容。
1年単位で活動をしてきて、その最後の集大成的な位置づけがこの発表会。
※子どもぶんか村:
娘が小学校1年生の頃から演劇くらぶに所属をし、私のほうは4年前にPTA副会長を担った時から協力員・地区委員として
お手伝いさせて頂いてきました。
4年前、小学校のPTA副会長になった年は、ちょうどコロナ禍だったため、発表会でリアルの劇はできず。
以降、だんだんリアルの形態に近づいてきて(去年は3D紙芝居)、今年はもともとの演劇の形にフル復活。
そしてリアルな劇に戻るほど、お手伝い関与の度合いも増えてきました。
この発表会については、実行委員会形式で、部員である子どもたちから実行委員を募り大人も加わって合同実行委員会形式となって、発表会の内容を組み立てていきます。そして、前日朝から、大人も含めたスタッフが学校内で準備、演劇や音楽系クラブはリハーサルをし当日を迎えます。
毎年(というか、リアルに近い劇を実施するようになった一昨年から)感じることですが、
この2日間には、会場となる学校にこの地域の相当なエネルギー量が注がれていて、
それまで点と点だったものが線になったり、またさらに面になったりすることを実感する2日間であります。
子どもたちの「やりたいこと」のために、大人がそれを全力でサポートするようなそんな2日間でもあり、
気が付けば昨今(特にこども家庭庁ができたころくらいから)よくいわれる「こどもまんなか」を実践しているのだなあ、と今回は改めて思いました。
今年度は、子どもぶんかむら事業が資金難となり、「子どもぶんか村基金」への寄付を改めて募ったところ、活動を支えようと寄付が集まった話も耳にしました。それを持続可能な形にしていくのにどうしたらいいか、私もお手伝いしてきた立場として何かできることがないか引き続き掘り下げようと思います☆
↓※写真左:演劇くらぶの本番前、右:開会式。子ども実行委員会メンバーによる司会の様子
待機児童数ではなく「保留児童数」でとらえることの意味について
明後日の予算委員会質疑で、「保留児童」という考え方に触れ、来年度の保育政策の方向性なども問う予定です。
「保留児」という言葉については、つい最近まで私自身も知らず、町田市で保育・認定こども園を運営されている方から初めて聞いたのですが、おりしも世田谷区で待機児童数が増えそう?という状況もあり、改めて待機児童対策を考える中で、
この捉え方や分析の必要性を感じています。
保留児童とは「保育所の利用を希望していて、希望する園に入所できていない児童のこと」※をさしていて、
算出としては、入園申し込み者数(今年度だと6044人)-希望する園に入所できた数(4月1日時点)でみます。
4月にならないと確定しないわけですが、現時点でも二次選考は終わっているので、どこにも入園できないとなった数(1791人)から育休延長や復職未確認の数(908人)をひいた883人はおおよその数としてとらえることができます。
※保留児童とは:
待機児童数のほうは、この「希望する園に入園できていない数」から、複数の項目(育休延長数、認可外・企業主導型などに入園した数や、定員弾力化数、半径2キロ圏内ルール※)を差し引いて算出されるため、「入園選考で落ちていても、待機児童とはみなされない」ケースがここで生じてきます。※半径2キロ圏内に通える保育所があるにも関わらず入所を希望しない場合は、待機児童数から除く、とするもの
世田谷区の場合、4年前に待機児童ゼロを達成、その後3年間ゼロが続き去年4月に10名という状況できていました。
今年度再び、待機児童数が増えそうとなって弾力化や定期利用の拡充など調整が始まったことは前回のブログでも書きました。
2次選考が終わったいまも、1人でも多くの人が希望した園ではなくてもどこかに入所できるようにする調整を保育課・施設側には頑張っていただきたいと思います。
が、一方で、来年度にむけては、
公表される待機児童数に対してだけでなく、その手前の保留児童数の推移やその内訳の分析をし、
「実態として待機児童はいない」状況かどうかといったあたりを改めて分析してほしいとも思います。
今回はコロナ禍での利用控えが解消された傾向もありそうですし、
区への転入超過の状況はどうなのか?コロナ後の保育・在宅子育てニーズの変容はどうなのか?等、今回の状況を踏まえ来年度にむけてさまざま分析をする必要性があると思います。