待機児童数ではなく「保留児童数」でとらえることの意味について | 佐藤美樹(さとうみき)のサトミキ☆ブログ

待機児童数ではなく「保留児童数」でとらえることの意味について

明後日の予算委員会質疑で、「保留児童」という考え方に触れ、来年度の保育政策の方向性なども問う予定です。

 

「保留児」という言葉については、つい最近まで私自身も知らず、町田市で保育・認定こども園を運営されている方から初めて聞いたのですが、おりしも世田谷区で待機児童数が増えそう?という状況もあり、改めて待機児童対策を考える中で、

この捉え方や分析の必要性を感じています。

 

保留児童とは「保育所の利用を希望していて、希望する園に入所できていない児童のこと」※をさしていて、

算出としては、入園申し込み者数(今年度だと6044人)-希望する園に入所できた数(4月1日時点)でみます。

4月にならないと確定しないわけですが、現時点でも二次選考は終わっているので、どこにも入園できないとなった数(1791人)から育休延長や復職未確認の数(908人)をひいた883人はおおよその数としてとらえることができます。

※保留児童とは:

 

 

待機児童数のほうは、この「希望する園に入園できていない数」から、複数の項目(育休延長数、認可外・企業主導型などに入園した数や、定員弾力化数、半径2キロ圏内ルール※)を差し引いて算出されるため、「入園選考で落ちていても、待機児童とはみなされない」ケースがここで生じてきます。※半径2キロ圏内に通える保育所があるにも関わらず入所を希望しない場合は、待機児童数から除く、とするもの

 

世田谷区の場合、4年前に待機児童ゼロを達成、その後3年間ゼロが続き去年4月に10名という状況できていました。

今年度再び、待機児童数が増えそうとなって弾力化や定期利用の拡充など調整が始まったことは前回のブログでも書きました。

2次選考が終わったいまも、1人でも多くの人が希望した園ではなくてもどこかに入所できるようにする調整を保育課・施設側には頑張っていただきたいと思います。

 

が、一方で、来年度にむけては、

公表される待機児童数に対してだけでなく、その手前の保留児童数の推移やその内訳の分析をし、

「実態として待機児童はいない」状況かどうかといったあたりを改めて分析してほしいとも思います。

 

今回はコロナ禍での利用控えが解消された傾向もありそうですし、

区への転入超過の状況はどうなのか?コロナ後の保育・在宅子育てニーズの変容はどうなのか?等、今回の状況を踏まえ来年度にむけてさまざま分析をする必要性があると思います。