2:具現・特質(系統分類) | ばんぶーのブログ

2:具現・特質(系統分類)

→(前) ■1:強化・放出・変化・操作

→(次) ■3:不明

 

◆具現化系能力者

01:クラピカ

ノストラード組所属の第287期のハンターで新生・十二支ん「子」、仲間の眼を取り戻すためBW号に乗船しており、その所有者である第4王子ツェリードニヒに接触を図ろうと14王子ワブルを警護に就いたが、カキンの王位継承戦に巻き込まれることとなる。

「通常時(具現化系)」と「緋の眼時(特質系)」で念系統が変わる稀有な一例でもある。

■能力:効果の異なる5本の鎖と絶対時間(エンペラータイム)(特質系)

→基本的にはその目的である対・幻影旅団捕縛に特化してはいるものの、旅団以外とも戦い得る力を持つ。

★系統の決め手:水見式と回想から/9巻No.083(具現・特質)

 

02:梟

陰獣の一人。読みはフクロウ。

■能力:不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)

→風呂敷で包んだものを―風呂敷含め―小さく収納できる能力

 現在はクロロにその能力を奪われている。クロロも何もないところから風呂敷を出したところから、風呂敷は具現化物、「拡大⇔縮小」は恐らく強化系、そしてルールを相手に強いることから操作の3系統に跨る能力かと思われる。

 クロロが用いた時よりも、旅団員5名が乗る車を包んだ際に出した時は大きく、さらに25平方メール程の金庫にギッシリと置いてあった競売品を包んでいたため、その際はもっと大きかったと思われる。通常の具現化物は同一の物体しか具現できないハズであるため、高位もしくは特殊な具現化系能力もしくは、強化系能力との併用なのではなかろうか。

 変化寄りの強化系能力者の可能性も考えられるが、それならば風呂敷を具現する必要がない(容器を用意したり、オーラを風呂敷の様に使えばよい)ため、具現化系能力者とした。

★系統の決め手:各所の能力の性質から

 

03:シズク=ムラサキ

幻影旅団の8番。旧旅団腕相撲ランキング12位(※左利きであるが、左でやった腕相撲かは明確ではない)。BW号搭乗中。

■能力:掃除機・デメちゃん(正式名称不明)

→シズクが「生き物」だと認識している物以外は“何でも”吸い込む能力(※具現化物だった場合には無生物であっても吸えない)。

 “最後に吸い込んだもの”なら吐き出すこともできるが、それ以前の吸い込まれたものが何処へ行ったかはシズク本人にもわからないという。

★系統の決め手:扉絵/9巻No.077

 

04:コルトピ=トゥノメイル?(故)

旧・幻影旅団の12番。旧旅団腕相撲ランキング13位(最下位)。家名の正式な読み方は不明。

■能力:神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)

→左手で触った物体の複製(コピー)を右手で創り出す能力。

 生命体をコピーすることは不可能だが、動かない物体としてなら生物も複製可能(物体に付与された念能力はコピー不可)。

 またコピーはその大きさに関係なく24時間で消滅する。

★系統の決め手:扉絵/11巻No.103

(→参照:具現化系能力について

 

05:ゲンスルー

GIのプレイヤーの1人。爆弾魔の主犯格。

■能力:命の音(カウントダウン)、一握りの火薬(リトルフラワー)

→アベンガネの所見や、バラの発言から恐らく具現化系能力者かと思われる。

 一握りの火薬が具体的に何を具現しているかは不明瞭だが、「指向性を持った“爆発”」という“現象の具現”が個人的にはしっくり来ている。

★系統の決め手:各所の描写から

(→参照:一握りの火薬について

 

06:カイト

ハンターでジンの弟子。そしてゴンの命の恩人でもあり、ゴンに目標を与えてくれた人物。

■能力:気狂いピエロ(クレイジースロット)

→ピエロの口の中にルーレットの番号が表示され出目(1~9)によって武器が変わる能力で、出た武器は“ちゃんと使わない限り”代えられないし、消せないという。(→参照:番外

★系統の決め手:能力の性質とジンの発言から

 

07:ツボネ

ゾルディック家の執事でシルバ直属。シルバには忠誠を誓っているが、その妻であるキキョウはあまり好きではない様子。

ゴトーがツボネのことを先生と呼ぶことから、執事養成所で教鞭を執っていた(or現在も執っている)のかと思われる。

■能力:大和撫子七変化(ライダーズハイ)

→自らの体を元に(衣服含め)、様々な乗り物を具現化する能力。

 原動力は乗り手のオーラなので自力では操作できないという、相互協力(ジョイント)前提の能力。

 私がよく「ツボネ式具現」と書いているのは、具現化系能力が「オーラ以外も材料に出来る」ことを知ったきっかけであり、よくよく考えればそれは水見式で既に示されていたことを見逃していたことへの戒めと警鐘の意味を込めている、とでも書いておけばカッコ良さげだが、単純にこの手の具現化系能力の呼び名がなく、絆創膏の呼び名(サビオ、リバテープ等)がそのコミュニティで最も普及した、あるいは最初に普及した商標名であることに似ている。

 

 話を戻すがツボネの念系統について。

 当初は神の声(ナレーション)や扉絵などで“術者の念系統”も明かしていたが、いつからか、「その能力がどの系統に属しているか」は明かされるも、「術者の念系統」は明かされなくなった様に思われる。その方が読者の読み代が増えるためか、作品として“あそび”があった方が描きやすいかは不明。

 そのためツボネは「乗り物を具現化する」と明かされているものの、その術者の念系統を考えるには注意が必要である。

 しかし、自らが操作できないことから「操作×」、オーラの様相を呈しておらず明確に具現と言われているため「変化×」であろう。

 

 注目したのは“原動力は乗り手のオーラ”という点。

 ツボネが乗り手から奪っているのか(徴収=放出)、それとも乗り手が与えているのか(譲与=恐らく放出)、それとも乗り手は念を込めているだけなのか(放出系である必要はなく、乗り手はオーラをガソリン?変わりに消費しているだけ)。

 ツボネ自身は自力で操作できないと言っている以上、恐らくオーラを与えているのも(込めている)のも運転しているのも乗り手であろう。

 また、ツボネはシルバの直属であることからも、シルバに“使われる”ことも当然想定しているかと思われる(むしろそれが本懐だろう)。

 シルバとツボネが主従関係にあることを思えば、主人のオーラを奪うor借りる様な事は是とせず、かつ、主人に“使われる”ことを思えば、「自身の全力をもってそれに臨むこと」が恐らく執事たる矜持であろうことから、「ツボネ=具現化系」でないと主人に最高の道具を差し出すことは出来ないだろう。

 またゾル家の稼業的に不意の当主の死などによって、乗り手が代わることは想定され、もし放出系の力が必要だとすると「当主の念系統に左右される道具」など良しとしないかと思われる(オーラをガソリン代わりにしているだけで、放出系は必要なし?)。

 “最高の道具”を差し出すため、自力操作や、オーラを借りる奪うといった他系統の能力を一切用いず、あの能力は自系統一点集中型かと思われ、ツボネは具現化系能力者とした。

 ちなみにその乗り物のパワー(速度)が「“理力の杖”型=誰が乗り手でも同一」なのか、「“光魔の杖”型=乗り手のオーラ量や質に応じて向上する」かは不明。個人的には、複数人搭乗できる乗り物もあることから後者の様にも思われる。

★系統の決め手:能力の性質から/31巻No.329

 

08:ゴレム

ビヨンド一派。暗黒大陸探検の実行部隊の1人でミュヘルの部下の模様。

■能力:ゴレム(名称)

→強力な銃火器を具現化し、「弾」として放出系能力者を搭載する事で単体攻撃よりはるかに威力を増すという相互協力型(ジョイントタイプ)の能力。自身で使う銃火器の他、兵隊が用いる武器も具現可能。

 ツボネに似た得意系統極振りの相互協力(ジョイント)前提の能力かと思われる。

 具現化系能力者は放出系を苦手とするため、基本的にAOP型の能力であるが具現化物にオーラを割く分、術者の防御力に難が出てしまう弱点を持つが、術者自身が強固な具現化物の中で戦うことによってその弱点を上手く補っていると言えよう。

 ちなみにゴレムは仲間が用いる呼称のため(=恐らく見た目の印象から)、術者の本当の名前ではないと思われる。

★系統の決め手:能力の性質から/33巻No.347

 

09:カートン(故)

ビヨンド一派の協専ハンター。

■能力:船や車に変身する能力(名称不明)

→最大5名搭乗可能な船か車に「変身」が可能だが、相互協力型(ジョイントタイプ)で他人のオーラが必要だという。

★系統の決め手:能力の性質から/35巻No.361

 

10:タフディー(故)

スィンコスィンコ王妃所属で、第12王子モモゼ付きの警護兵(監視兵)でモモゼ暗殺の実行犯。

■能力:幽体離脱(ザ・タッチ)

→半径20m限定だが、本体が目を閉じて横になっていれば分身の方は自在に動くことができる分身能力。(→参照:番外

★系統の決め手:能力の性質から/36巻No.372

 

11:リハン

カキン第一王子ベンジャミンの私設兵の1人。

■能力:異邦人(プレデター)

→省略。(→参照:具現化能力について

★系統の決め手:能力の性質から

 

12:ヒンリギ=ビガンダフノ

カキンマフィア・シュウ=ウ一家の若頭。

能力:てのひらを太陽に(バイオハザード)

→触れた機械や武器等を元の機能を有したまま生き物に変えて操作する能力。

★系統の決め手:神の声から/暫定37巻No.390

 

◆特質系能力者

01:クラピカ

※具現化系能力者の項目に置いたため省略。

 

02:バショウ

ノストラード組所属のプロハンター。クラピカの依頼を受けてカキン第7王子ルズールスの護衛のため、現在BW号に乗船中。

■能力:流離の大俳人(グレイトハイカー)

→詠み誌した俳句を実現する能力。

 作中の使用例は―、

1つ目は「オレ様が 殴ったモノは みな燃える」
2つ目は「我が問いに 空言人が 焼かれ死ぬ」

―という2回(2つ目は実際には効果を発動していない)のみで、1つ目の句を詠んだ時は「くそったれ 燃えがイマイチ 駄作だぜ」と話していることから、効果は“句の出来”によって変わってしまう様だ。

 そして1つ目の句は、これから質問をする者達へ向けた警告の意味でのデモンストレーションに過ぎず、当然「炎系の句しか詠めない」訳ではないだろう。

 椅子を殴った際、“吹っ飛んだ椅子の周囲”にオーラ描写はなく、次の瞬間に突然燃えている。

 そして詠んだ句の内容に応じて、具現(具象)化する内容も異なってくるため、アルカ(ナニカ)等と同系統の「現実化」の能力、即ちバショウも特質系能力者とした。

★系統の決め手:能力の性質から/8巻No.068

 

03:ネオン=ノストラード(故)

 父親であるライト=ノストラードを予言の能力でのし上がらせたが、クロロにその能力を盗まれてしまった人体収集家の少女。

 36巻No.377でシズクが再度占って欲しいと乞うた際、クロロは「残念だが…無理だな。いつの間にか本から消えていた」と答えていたことから、恐らくネオンは死亡していると思われる。

 その時期が具体的にいつかは不明だが、それがBW号乗船直前にしてはノストラード組の構成員がその事に触れないことに違和感があり、クラピカもBW号にバショウやセンリツを引き抜いていることからも、少なくとも死亡してから一定程度の期間が経っているのかと思われる。

 15巻No.149時点で父親のライトは非常に精神が不安定な状態だっためライトが勢い余って殺してしまったのではないかと思われる。

 対抗で自殺、大穴で除念だろうが、クロロの能力が盗んだ相手に何かを憑けている訳ではないため、“除念”で取り戻せるかは謎。

■能力:天使の自動書記(ラブリーゴーストライター)」

→自動書記による4(or5)行詩で予知行い、悪い予言には必ず警告が示され、その警告を守れば回避可能。術者自身の未来は占えない。

★系統の決め手:扉絵/12巻No.110

 

04:クロロ=ルシルフル

幻影旅団の0番。ハンター証を持つが、盗んだものか自ら取得したものかは不明。旧旅団腕相撲ランキング7位。BW号搭乗中。

■能力:盗賊の極意(スキルハンター)、栞のテーマ(ダブルフェイス)

→元々、4つの条件を満たすことで他者の念能力を盗んで使うことができたが、両手を空けないと発動しない能力を盗んだことで調整を余儀無くされた結果として厄介な制約が増えたという(詳細不明)。

 盗んだ能力は、盗まれた相手が死んだ時点で本から削除され使用できなくなるのが原則ではあるが、死者の念として本に遺ることもあると判明した。

★系統の決め手:扉絵/13巻No.123

 

05:パクノダ(故)

旧・幻影旅団の9番。旧旅団腕相撲ランキング11位。

■能力:記憶を読む能力(名称不明)、記憶弾(メモリーボム)

→人や物体に触れることで、そこに残された記憶を読み取ることができる能力。

 引き出した記憶を具現化した弾に込めて人を撃つと、撃たれた者はその記憶を植え付けられ、引き出した本人を撃つとその者は記憶を失うという。

 ちなみに引き出している記憶はもっとも純粋な原記憶で、質問で対象の記憶を刺激し探り易くしているというが、物体から記憶を読み取ることができるため、対象が気絶していても可能なのかと思われる(質問で刺激ができない分、多少骨を折るとは思われるが)。

 (魂がない)死体からも読めるかどうか、どこまで読めるか、でその仕組みを探れたかもしれない。

★系統の決め手:扉絵/12巻No.105

 

06:ビノールト

GIのプレイヤーの1人。賞金首ハンターであるが自身も賞金首(第一級殺人犯)。

GIを出たら自首するとの約束の下見逃されたが、本当に自首したかどうか、そもそも無事にGIから出られたかも不明。

貧民街(スラム)出身で幼少期のトラウマから歪んでしまった様子。

「まともに生きたかっただけ」という思いがずっと尾を引いている様だが、下記能力があればまともに生きることも、人から感謝される人生も歩めたのかと思われる。

ただ皮肉なことに、恐らくこの能力に目覚めたのは道を踏み外し、もう後戻りが出来ない精神状態に陥った後だったのだろう。

■能力:切り裂き美容師(シザーハンズ)

→愛用のハサミで切った人間の髪の毛を食べることで、本人さえ知り得ない肉体の情報(肉質、病気の有無、遺伝的資質、強さ等)を知ることができる。

★系統の決め手:能力の性質から/14巻No.137

 

07:蟻の女王(故)

キメラアントの女王。通常のキメラントが女王蟻で10cm程度であるのに対し、女王は2m以上の個体で人型でもあった。

果たしてこの女王は本当に“外”から流れ着いたのだろうか。それとも“内”で繁殖していた者達でも居たのだろうか。

もし後者だとすれば、旺盛な食欲で自重の数倍の食糧を1日で消費することを考慮すれば、目立った種の乱獲を表立たせずに数世代~十数世代に渡って繁殖させていたことになり、その組織の規模が小さくないことが想像に容易い。

■能力:摂食交配

→対象(女王が気に入った種)と、組み合わせたい特徴と、自らの生殖能力を組み合わせ、自分の子として改造する能力。

 基本的にその子供達は「一定の行動をするよう、あるいはしないよう」に操作状態(要請型操作)にあるかと思われる。

 そして接触交配は「この女王だけが有している能力」ではなく、“種として有している能力”であるため、恐らく特質系の典型例である“血統”かと思われる。

 ただキメラアントは特質系が多いと思われるが、全ての者が特質系という訳ではない点に注意が必要。

★系統の決め手:能力の性質から

(→参照:摂食交配についてプフの授翼についてなど)


08:ボノレノフ=ンドンゴ

幻影旅団の10番。旧旅団腕相撲ランキング8位。BW号搭乗中。

■能力:戦闘演武曲(バト=レ・カンタービレ)、序曲(プロローグ)、木星(ジュピター)、変容(メタモルフォーゼ)など

→“奏でた音(メロディ)を戦闘力に変える”能力。(→参照:番外

★系統の決め手:能力の性質と腕相撲ランキングと様々な曲の具現化から

 

09:フェイタン=ポートオ

幻影旅団の2番。旧旅団腕相撲ランキング5位。BW号搭乗中。

■能力:許されざる者(ペインパッカー)、太陽に灼かれて(ライジングサン)

→ストレートに解釈すれば変化系能力者となろうが、性格と能力の性質(迎撃型)の不一致から強化系と変化系の間の特質系(変化寄り)とした。(→参照:特質系能力について3

★系統の決め手:能力の性質と性格からの違和感、腕相撲ランキングから

 

10:ザザン(故)

サソリ型のキメラアントで師団長の1人。

■能力:審美的転生注射(クイーンショット)、狂化(仮)

→ザザン版の摂食交配(体外受精型?)。フェイタンとの戦いから、恐らく強化と放出の間の特質系(強化寄り)かと思われた。

★系統の決め手:摂食交配の継承、能力の性質から

(→参照:特質系能力について3で多少触れている)

 

11:フラッタ(故)

トンボ型のキメラアントの兵隊長。レオル隊所属。

■能力:衛星蜻蛉(サテライトンボ)、超複眼(スーパーアイ)

→無数のトンボ型の念獣の視覚を通して遠隔からの視認・指令が可能な能力。

 具現化系と操作系(遠隔からの視認・指令)に跨る能力だが、通常具現化系は大変なイメージ修行が必要なハズである。

 馴染みのあるものならその修行を大幅に短縮可能かと思われるが、仮に「サテライトンボ=前世のトンボの姿」だったため早期の具現が可能だったとすると、我々人間は自らの分身を具現化するのは容易となりうるのではなかろうか。

 やはり複雑な“生物”の具現は、学者レベルのよっぽどの物好きや特殊な事情を持っていない限りはある程度の時間を要するかと思われる。

 そのため「現実化の能力」かと思われ、特質系能力者とした。

 そもそも、ノヴが「街中を飛来していた“見慣れぬ”蜻蛉…この国の特有種」と考えていたことからも、恐らく前世のトンボの方の姿でもないかと思われる。

★系統の決め手:能力の性質とノヴの発言から/23巻No.237・No.246

 

12:オロソ兄妹(故)

半魚?型のキメラアントの兵隊長兄妹?レオル隊所属。

■能力:死亡遊戯(ダツDEダーツ)

→兄と妹の相互協力型(ジョイントタイプ)の能力。

 妹が念で創ったバッジを敵の体に付着することで発動し、敵の体は兄の創ったダーツゲーム(の的)とリンクする。

 的にダーツが刺さると「敵の体にダツ(念魚)が先端が刺さった状態」から具現されるため、この攻撃を回避する方法はない(“箱庭”で起こしたことを現実化する能力?)。

 発動すれば無敵であるものの、決着の一投をバースト(ミス)すると、それまで敵に与えてきたダメージが全て兄妹に跳ね返ってしまう。

★系統の決め手:能力の性質から/23巻No.239

 

13:メレオロン

カメレオン型のキメラアントで師団長の1人。

恐らく前世の名前がメレオロンで、キメラになってからの名前がジェイルかと思われる。

■能力:1.透明能力、2.神の不在証明(パーフェクトプラン)、3.神の共犯者

→1の能力は姿が見えないだけで匂いは残るのに対し、2の能力はメレオロンが呼吸を止めている間は何人たりともメレオロンの存在に気づくことが出来ない。3は2発動中メレオロンが手を触れている者にも2を連動する能力。

 ウショウヒの言う「不可知型」の能力の1種かと思われるが、イメージが難しい具現であり(認識できないとイメージすることは、逆に認識していることになる)、特質以外の系統だった場合には能力の構築が余りにも早すぎる様に思われた。

 カメレオンが保護色を用いることからも、その記憶を持つ蟻としての「願望の現実化」として、特質系能力者に分類した。

 3は他者との念のコンボも可能であるが、ハコワレが事前にコンボ可能かどうかを事前に検証していることから、全ての能力とコンボが可能な能力ではないという意味であろう(全ての能力がコンボ可能ならば、事前に検証をする必要がないため)。

★系統の決め手:能力の性質から/23巻No.242-243

 

14:ヂートゥ(故)

チーター型のキメラアントで師団長の一人。

■能力:1.サバンナ鬼ごっこ(仮)、2.ボーガンクロウ、3.紋露戦苦(モンローウォーク)

→1は攻撃した相手を野球のグラウンド程のサバンナの様な草原の異空間に自分ごと相手を閉じ込め、相手はその異空間の中で8時間以内にヂートゥをタッチしなければいけない能力。恐らく時間制限内にヂートゥに触れないと、一定期間念を使えなくなる能力かと思われるが不明。

 2は1の能力使用中に敵を直接攻撃すると1が解除されてしまうため、逆境で産み出した具現化物。

 通常、具現化物は大変なイメージ修行を経る必要があるが、ヂートゥは瞬時にそれを産み出した。キルアが早期に電気を練れた様に、術者がそれに馴染みがあり、ヂートゥが(前世で)常に愛用していた様な道具ならば瞬時に具現することも不可能ではないかもしれないが、その様な素振りもないため、「現実化」の能力によるものと判断し、特質系能力者とした。

 ボーガンはヂートゥが全速力のスピードを乗せて撃って当てられるならば実は有用な武器になりえたのかもしれないが、既にモラウのロープで全速力を出すことは適わず、かつモラウが上手く“自分の脚より遅い武器”と印象づけたこともあってヂートゥは二度と使うことはなかったと思われる。

★系統の決め手:能力の発現のさせ方から/24巻No.248

 

15:レオル(故)

獅子型のキメラアントで師団長の一人。恐らく前世名はハギャ。

■能力:謝債発行機(レンタルポッド)

→相手の能力を実際に見るか能力名を知り、その後相手に恩を売り「これは貸しだからな」等と確認し、相手が同意した場合に限り、その者の能力を1回1時間借りることができる能力(レオルが使用中、元の能力者はその能力のみ使用できなくなり、死亡すると発行機からデータが消える)。

★系統の決め手:能力の性質から/24巻No.248

 

16:ヒナ

(尻尾から)兎?型のキメラアントで兵隊長の一人。レオル軍所属。前世名はヒリン?

■能力:除念(名称不明)

→詳細は不明だが、恐らくヒナ版の「摂食交配」の能力かと思われる。

 相手の念と何か(自身のオーラや他の生物?)と自らの生殖機能を合わせ、掛けられた念を食べ「産み直す」ことで除念が可能な能力だったのではなかろうか。

 産まれたモノが実物の生物なのか、念獣なのかも不明。除念相手(念を掛けられた者)が死ぬとお腹のモノは消えてしまうため、恐らくその念を掛けた者が死んでも同様かと思われる。

 接触交配を継承しているため、特質系能力者とした。

★系統の決め手:接触交配を継承から/25巻No.261

 

17:ウェルフィン

狼型のキメラアントで師団長の一人。前世名はザイカハル。

■能力:卵男(ミサイルマン)

→対象者を定め、「質問・命令」を込め(「口頭で質問・命令」をして?)、偽った者や逆らった者がいた場合、攻撃が開始され対象者の体内に反抗心を糧に成長する念獣・黒百足を植え付ける。

 ウェルフィンの命令に背いたり、危害を加えようとすれば、黒百足は急速に成長し、最後は対象者の体を突き破り命を奪う、という迎撃型(カウンタータイプ)の能力。

 イカルゴの銃がどれほどの威力を誇るのかは不明であるが、蟻の固い外骨格と潤沢なオーラがあれば多少は防ぐことも出来たであろうが、全弾十分過ぎるほどのダメージを負っている様子のため、ウェルフィンの能力はAOP型かと思われる(黒百足にAOPを割いた結果、自身の防御力に難が出ている)。

 そして、本人は「解除条件は定めていなかった」にも関わらず、“弱気になったり術者から対象者に情報を伝えたりすると解除されてしまう”様であった(術者が「一方的に相手の情報を奪う能力」であり、術者が「相手に情報を渡す」とNG?)。

 短期間で背中の発射装置、ミサイル、黒百足と複雑なものを具現化し、かつ術者が考えてもいなかった「解除条件」が組み込まれていたことから、本人が話していた様に“性格そのまんま反映”した能力、「願望の成就・現実化」が為した能力であろうから、特質系能力者とした。

★系統の決め手:能力の性質から/26巻No.276

 

18:イカルゴ

タコ型のキメラアントの兵隊長。元レオル隊所属。

■能力:1.寄生能力、2.蚤弾(フリーダム)、3.死体と遊ぶな子供達(リビングデッドドールズ)

→3の印象が強いため、“死体に寄生できる能力”のみを持っている様にも思われるが、キルアを狙撃した際には、生きた人間に寄生していた(その宿主が水の中に落ちて食べられている際に大量の血が広がっているため)。

 しかし、「ブロヴーダに寄生した方がずっと安全に地上に戻れる」と考えながらもブロヴーダを殺せず寄生を諦めたことから、生者と死者では寄生の制約と誓約が異なるかもしれない。

 あるいは、効果が異なるのかもしれないが詳細は不明(例えば、“死者の場合は完全に寄生が出来る上、能力も使用可能になる”が、“生者の場合は完全には寄生できずイカルゴの体の一部が露出し、かつ能力の使用は出来ない”など)。

 ユウレイイカに憧れたタコの記憶を有しており、「寄生能力」は“タコであるがイカになりたい”という願望から生まれていると思われ、「死体に寄生する能力」は、ユウレイイカは生きた状態で捕獲されることは稀で捕獲できたとしてもすぐに死んでしまうため、“ユウレイイカの死体であっても憧れた”ため生まれた能力の様に思われる。

 クロロの能力についてゼノが「特質」と触れ、クラピカが他人の能力を奪うことには特質系能力を使用せず可能としていることから「他人の能力を使用すること」には特質系の力が必要なのかと思われるため、特質系能力者とした。

 

19:シャウアプフ(故)

蝶型のキメラアントの王直属護衛軍の1人。

■能力:催眠?、鱗粉乃愛泉(スピリチュアルメッセージ)、蠅の王(ベルゼブブ)、授翼(仮)

→能力は操作系や具現化系の様に思われる能力が多いが、レオルやヂートゥに能力を授け、かつパームの様にキメラ化も行っていた能力はプフ版の摂食交配かと思われ、特質系能力者とした。

★系統の決め手:水見式から/28巻No.294

(→参照:プフの授翼について

 

20:ネフェルピトー(故)

猫型のキメラアントの王直属護衛軍の1人。

■能力:操り人形(仮)、玩具修理者(ドクターブライス)、黒子舞想(テレプシコーラ)

→テレプシコーラ(合唱詩と“舞踏”を司る女神)の意味からすれば、最初から「黒子舞想」で良いと思われるが、初使用時は「黒子無想」であった。

 恐らくピトーは操作系と具現化系の間に位置する特質系能力者で、放出系は元々そこまで得意な系統ではないと思われる。

 そのため、元々考えていたテレプシコーラはAOP型の「黒子無想」で、“王にも届き得る”ゴンに対し、“死しても舞い続ける覚悟”を決めたピトーが改良を加えたのがEOP型の「黒子舞想」だったのかと思われる。

 理由は単純で、ピトーが死者の念について知っているかどうかは分からないが、死を前にして“殺されるのがボクで良かった”と安堵していたが、そこで臨戦態勢状態で高まっている意識を下げることはAOP型ならばあり得ないと思われるのだ。

 EOP型=ピトーが気絶しようが死のうが、込められたエネルギーを使い切るか、目的を果たすか、破壊されるまでは消えない能力だから、ピトーは死の際に安堵したのであろう。

 ピトーの系統的に恐らく放出系は得意ではないハズだが、そのEOP型の念獣が直接敵と戦うわけでもないため“強度”が低い分にはさほど影響はないだろうが、EOP型にすることでリミッター外しの様な操作系能力が入っていたとしてもその威力・精度は下がってしまうだろう。

 しかし、ゴンがそうしている様にピトーも命を賭していることを思えば、多少の底上げを図れていたのではなかろうか(「+死者の念」は望外のことだったと思われる)。 

★系統の決め手:水見式から/19巻No.198

 

21:メルエム(故)

キメラアントの王。

■能力:摂食交配の王版(仮)

→食べれば食べる程強くなる能力。

★系統の決め手:能力の性質から/21巻No.217

(→参照:蟻の王 メルエムについて)

 

22:アルカ(ナニカ)

ゾルディック家の4男(長女?)。制御できない力ゆえに長らく幽閉されていた。

子供時代に与えられていた遊具やキルアの発言から、アルカは女の子(長女)かと思われる。

カキンと同じ様に、実際の性別に関わらず「男子」とされているのではなかろうか。

■能力:欲望の共依存(名称不明)

→アルカの能力というより、正確にはアルカに寄生した霧状生物アイの能力かと思われるが、アルカに寄生することで生まれた特異な性質もあるかと思われるため、ひとまずアルカ(ナニカ)の能力とした。

 個人的にはゼノの父親がミンボ共和国の暗黒大陸探検に(依頼を受けて)同行し、正気を失っていた生還者3名かつ日常生活に戻れた3名の内の1名(既に死亡済)であり、そこから感染したのではないかと考えている。

★系統の決め手:能力の性質から

 

23:カミーラ=ホイコーロ

カキン帝国の第2王子。

■能力:百万回生きた猫(ネコノナマエ)

→死後発動し攻撃した来た者の命を以て蘇生する能力。

★系統の決め手:性格と迎撃型の不一致から/36巻No.373

(→参照:特質系能力について2)

 

24:ベンジャミン=ホイコーロ

カキン帝国の第1王子。

■能力:星を継ぐもの(ベンジャミンバトン)

→ベンジャミンに忠誠を誓った念能力者が死ぬとその能力を継承出来る能力で、継承すると掌に星が浮かび上がる(※譲渡資格を有するのはカキン国王軍学校を卒業し、かつベンジャミンの私設兵団に属している者に限られる)。

 継承した能力が“死者の念”として強まっている状態かは現状不明。

★系統の決め手:能力の性質から/36巻No.373

 

25:モレナ=プルード

カキン帝国のマフィア・エイ=イ一家の組長。

ナスビの愛人の娘(婚外子)であり、産まれると同時に“二線者”として二枚刃で顔を割かれ、一生表舞台に姿を見せない事を条件に存在を許されている。

■能力:恋のエチュード(サイキンオセン)

→メンバー0(モレナ)の唾液を通じて発症者(メンバー)が増殖していき(モレナ含め最大23名)、発症者は人を殺すとレベルが上がり、オーラの総量、威力が増していく。レベル20を超えると独自の能力が発現し、レベル100に達するとその発症者も0患者(メンバー0)となり、独自の感染集団(コミュニティ)を形成出来る様になる。

 殺した対象に応じて上がるレベルは変わり、一般はレベル1、念能力者はレベル10、(カキンの)王子は50レベル上昇するという。

 

 キメラアントの摂食交配や、プフの授翼(仮)や、ビルの球根(ハルジオン)を足して割った様な能力かと思われるが、その能力の根底には強い恨みや憎しみの感情や破壊衝動があるため、その本質は似て非なるものであろう。

 「オーラの総量、威力」が増していくというのは「威力・精度」の様な意味合いで、自分のコミュニティの発症者は「人を素に作った念獣」の様なモノなのかもしれないが詳細は不明。

★系統の決め手:能力の性質から/36巻No.378

 

26:ツェリードニヒ=ホイコーロ

カキン帝国の第4王子。人体収集家であり猟奇殺人鬼。複数の緋の眼を所持しておりBW号搭乗中。

■能力:刹那の10秒(名称不明)、お腹ナンバーオブビースト(仮)

→前者は目を閉じて絶を行うと未来予知と未来改変が可能な能力。後者は自らがケツモチを務めるマフィアの組長・モレナ=プルードの造反が露見した際にツェリードニヒが無自覚に具現化した特質系の念獣だが能力は不明である。

 個人的に前者の能力は実はお馬さんのものなのではないかと疑っている部分もある。

★系統の決め手:水見式から/36巻No.376

(→参照:No.381-390 part.1)

 

27:ハルケンブルグ=ホイコーロ

カキン帝国の第9王子。

■能力:能力名不明

→霊獣の力で強く束ねられた臣下のオーラを強力無比な鎧と矢と化し、自らのオーラは弩に変え、矢に意思を込め放つ能力。

 その矢の破壊力を単純に破壊力「音速を超える直径5メートルの火球級」と推定されるが、実際にその能力で相手を肉体的に傷つけることはない。

 覚悟の刻印を持つ臣下の魂(?)を相手の肉体に宿らせることが出来るようだが、その詳細は具体的には分かっていない。

 放出系能力を想像するが、矢はEOP型ではなくAOP型と思われる。

 

 ハルケンブルグの念系統を考えるにあたり一つ気掛かりだったのは、霊獣のような寄生型は宿主と同じ念系統になるか、より興味を持った念系統になるのか、宿主の念系統と興味の中間等にズレるのか、それとも術者(初代カキン王)の念系統になるのか、という点である。

 霊獣の能力紹介の際に「○○系の能力」等と明かされているものの必ずしも霊獣自身の念系統は明らかになっておらず、カミーラ自身の念系統は特質系かと思われるが、カミーラの霊獣の能力は「操作系 強制型の能力」となっている。

 そのためハルケンブルグの念系統が特質以外で、特質系の霊獣がプフの授翼(仮)の様に王子に願望や念系統に合う能力を授けている可能性もあろう。

 しかしそうだった場合、カチョウの様に強い願いを持つ者に霊獣が能力を授けないことに疑問もあるが、カチョウの場合は継承戦が意図しない願いを想っていたため、霊獣はルールに則り手を貸さなかっただけなのかもしれない。

 霊獣が宿主に能力を授けるのは、継承戦に「積極的に参加する意思」を持ち、かつ「明確な願いを持った時」で、後者だけだった場合は「霊獣がその能力を発現するだけ」なのかもしれないが、イマイチ現時点ではピースが足りない様に思われた。

 ひとまず王家の内、ベンジャミン、カミーラ、ツェリードニヒ、モレナ等と特質系能力者が多いため、キメラアントの様に血統的に特質系が多い様に思われ、ハルケンブルグの能力発現の状況からひとまず特質系能力者とした。 

★系統の決め手:能力発現の状況から/暫定37巻No.382

(→参照:No.381-390 part2-3ほか)

 

→(次) ■3:不明に続く。