灯り
3.11 未曾有の地震 大津波
加えて、福島原発の放射能汚染がある。
今夏の電力事情は逼迫必至であるという。
蝋燭を使った、ちょっと変わった「蝋燭立ち泳ぎ型灯り」を紹介しよう。
蝋燭は水に浮かぶ。
そのままだと横に浮かんでしまう。それを縦に浮かせて「灯り」とするものである。
材料
1 蝋燭
2 縦長のガラス容器(ビ-ルのジョッキ、コップ、一升瓶を輪切りに
したもの等の中どれか1点)
3 針金
4 その他(セロテ-プ若干)
工作
・ 針金を(蝋燭より少し太め)コイル状に巻く。
次に、コイルを縦にして容器の中心に固定する。
且つ コイルの高さは 水面より少し低め。
固定方法
・ 縁掛け型
コイルを容器の縁にかける。
・ 自立型 写真参考
コイルの一端の径を大きくして、容器の内縁当たるように、
せり合わせて容器底部に固定する。
・ 光源(炎)の位置は水面上にあり高さが一定している。
・ 容器の水面より上の部分はフ-ドとなり炎が揺れにくい
・ 蝋燭の外面は 常に水で冷やさでるため溶池から蝋が外に漏れにくい。
・ 容器全体が光源となって影が少なく、手元が割と明るい。
この蝋燭立ち泳ぎ型灯りは、戦時中支那洛陽攻略戦線等で、利用したものである。 戦地での容器は、一升瓶を輪切りにしして作った。 一升瓶の太さが絞られはじめるあたりで、輪切りにする。
方法
天幕(テント)の控え綱(紐)2本用意する。
1本を切断したい所(絞りの始まるあたり)に固く巻きつけこれをガイドにしてもう1本の紐は瓶を一巻し2人一組となって夫々紐の端を持ち互いに足を瓶にかけて瓶を固定し互いに紐を引き合う。 引き合う呼吸が合って来たら益々速く強く引き合うと摩擦熱で瓶は輪切りにされる。
切り口のバリは、濡らした煉瓦でこすれば簡単にとれる。
大陸戦線では 容器は一升瓶輪切り コイルの固定は自立型だった(縁掛け型で使用されるセロテ-プのような強力な接着テ-プは無かった)
俺が行動した洛陽など支那大陸戦線で最も南になるであろう部落「大盆陽」では部落はずれを流れる川に架かる橋の監視で暫く駐留したときは水草やメダカを入れていたことなど覚えている。
(2011.06.05記)(2011.06.19改訂)
あんな話 こんな話(1)
最近仕入れた話である。
仕入れ先は、ラジオだったかテレビだったか。多分ラジオだろう。
話の概要は次のようだ。
某県某市、市街地に隣接する市営公園である。
公園の「猿山」の檻付近は、いつも人が多く市民の憩いの場でもある。
猿の檻の奥に空の檻がある。
檻の中の看板は『地球上で最も狂暴な哺乳類は->』とある。
矢印の先には鏡がある。
おそるおそる覗くと、「檻の中にいる貴方」を発見するだろう。
2011.03.24記
戦友K
A曹長に続き、K曹長の話をしよう。
KはAと同様、俺と同じ船で復員、舞鶴港に上陸したシベリア抑留組である。KもAも関西の某県人である。
シベリア抑留時代、Kの姓はNであった。
敗戦後25、6年経った「独立工兵隊戦友会」の名簿にKと記載され備考欄に旧姓Nとあった。
「ハハン!養子にいった」と 理解する。
戦友会の幹事は持ち回りで、関西地方・東海・関東と転々し、毎年開催されてきた。今から10年前頃、京都開催の時、ホテルで彼Kと同室したことがある。
以下Kの話である。
1944年になって、K家の男ばかりの何人兄弟の何番目かの彼「K」に、隣町のN家へ『婿入り』の話がすすんでいた。
そんな矢先、3月15日入隊、の召集令状が舞い込んだのである。さあ 大変、両家で話合い、急遽、結婚入籍となったのである。彼の姓はK→Nへ、この時点で変更されたのである。
慌ただしく、しかし濃密な1週間足らずを過ごし入隊したのである。
外地へ出立するまで、嫁さんは毎日、部隊を訪れたそうだ。部隊の衛兵所は、彼と嫁さんのために、衛兵の仮眠所を開放し、アッアッのショ-トタイムの提供があったそうだ。なかなか粋な衛兵所ではある。
彼「K」を乗せた復員列車は、舞鶴を出発。京都駅で、東へ向う列車と別れ、西行する。
某市の駅に、実父と長兄が出迎えてくれた。嫁さんの姿がみえない。「これは何かある。嫌な予感がする」。
「疲れたろう、まあまあご苦労さま」と駅近くの旅館へ案内された。腫れものに触るように、大事に丁重に扱われれば、されるほど、居心地がわるい。「何かある」だんだん確信を深くする。 『嫁』さんのこと、聞きたいがこちらから言い出せる雰囲気ではない。
夕食、風呂も済、就寝時間となった。‥‥消灯。
暗くなって、父と兄が代わる代わる話しだした。
Kは5人兄弟の4番目だ。戦争末期の1944年K家からN家へ「婿入り」した直後に陸軍・工兵隊に召集され、支那・洛陽戦線を転戦し、敗戦の6日前満洲へ、敗戦、シベリア抑留、1948年9月、ナホトカから帰艦船「大郁丸」で舞鶴港へ復員した。
敗戦後、厚生省復員援護局は、「独立工兵隊」のように敗戦の数日前に満洲に入った者についての情報は少なく、現に、舞鶴復員援護局で見た俺の戦時名簿(履歴書)には「行方不明」の印がついていた。
そんな混乱の中で、Kは失踪者としてあつかわれた。
N家はK家と相談し、改めてKのすぐ上の兄をN家に婿入りさせたのである。
Kは一息入れ、こんな話をしても当たり障りある関係者はみんな亡くなってしまった。
Kは話の中で、「兄(にい)さん」がかっての嫁を「〇〇さん」と丁重に表現していたのが、妙に耳に残っている。
今年は間もなく、敗戦後、満64年を迎える。
2009.07.21記
戦友A
A曹長は同じ船で復員、舞鶴上陸したシベリア抑留組である。関西の某県出身の彼とは復員後文通はなかった。
半年位経ったある日、彼から手紙がきた。
女房に逃げられた。東京・新宿のしかじかに居る。どのような生活をしてるか、調べてくれ」。
随分乱暴な話である。「逃げられたのは、復員前か後か」「男が居るのか」「居るとすればどんな男か」‥‥。
詳細聞いたりするには、時間がかかるし、加えてだんだんと深みにはまる恐れがあると考えた。
俺なり適当に解釈して、一日探偵に出かけることにする。
場所は、東京区分地図で見当をつけ、山手線の新大久保駅の近くだ。1949年(昭和24)街には空地(焼け跡)が点在し、人家もまばらであった。戦後の復興未だしの感だ。この付近というところで商店を見つけ確かめる。
一つの空地の片側にあった。建物は何軒続きかの応急バラック2階建である。引き違いのガラス戸を開ける。玄関らしきものはない、いきなり台所である。床が高い。土間はない。
アッパッパの女が出てきた。素足が白い。当人である。。 奥に男が居る気配だ。
「ヤバイ」早々に立ち去ることにしょう。
女との会話、Aに送った探偵結果など、皆目覚えていない。この件の報告以降、Aから応答はない。
敗戦後25、6年経った頃、戦友仲間にも生活のゆとりができてきたのか、『独立工兵隊の戦友会』開催の話がわきあがった。独立工兵は混成部隊なので、出身地は関東、東海、関西など都道府県に点在している。。
俺が戦友会に初めて参加したのは、「数回目かの戦友会」熱海である。
配布された名簿に「A」の名前がないので、関西某県出身の戦友中心に「A」の消息を尋ねたが、誰も知らないという。あれは一体何者だったのだろう。
素人探偵の一席おわり。
2009.07.17記
関特演と俺
数年前手に入れた〔関特演の終末〕片岡耕一郎
(1986.07.28記 )A4用紙9枚の小品を再読する。
概要
中支派遣軍の下級参謀だった著者はその後満洲に
移動。1943年夏、大本営は関東軍を増強し、
ソ連・シベリア侵攻を目論み、著者は急遽ロシア
語習得を命ぜられた‥‥。
当時、俺は初年兵以来慣れ親しんだ北支・天津に駐留していた。
突然の移動令である。今まででも、命令に予告があるわけではないが、違う。駐留地(天津)に留守隊を置かず、営内に鎮座する護国神社の社も含めてという工兵聯隊丸ごの大移動であった。
移動先は満洲国・営口。1943.08.10である。
北支派遣軍の師団司令部(北京)も満洲国錦州に移駐と聞く。とにかく軍の大移動である。街には兵隊が溢れていた。
われわれ工兵聯隊は営口郊外に駐留。中隊は交代で河口近くに天幕を張り野営。湿地帯(底なし泥)通過訓練である
秋『関東軍特別大演習』(関特演)が南満洲で行われた。
12月中旬、われわれ古参兵は編成過剰人員として内地帰還。除隊となった。
「北支から満洲へ、師団丸ごとの大移動」敗戦後長い年月っ疑問であったが、冒頭の「シベリア侵攻計画」を知り納得した次第である。
〔シベリア侵攻計画〕は中止され日の目を見なかったが、もし、実行されていたら‥‥‥。歴史に“たら”“もし”はない。止めておこう。
蛇足
営口の河口の湿地帯は一面の葦原であった。葦の根は互いにからみあい、底なしの泥田に群生している。近所にこの葦を原料としたパルプ工場があった。
潮の干満の差が大きく、恐らく3メ-トルはあったと思う。
湿地帯通過訓練には、葦を炭俵状に編み帯状にしたものを湿地帯に敷く。ここを間隔をあけ素早く通過するのである。
2009.05.07記
抑留見聞記(4) 十銭硬貨
手元にある「五銭硬貨」を眺めてる。現在使われておる「五十円玉」より小振りである。表(中央に穴。上に菊の紋章、下桐の図案左右は右から五銭)裏(中央の穴の上部に右書大日本、下に大正十年)とある。
眺めてるうちに、遠くシベリア抑留時代を思いだした。
抑留宿舎の外の日溜りの方だ。チンカンチンカン音がするので覗いた。戦友のYが十銭硬貨の穴を紡錘形の鉄棒に刺し入れ、硬貨の縁を金槌で叩いてる音だ。近くで聞くと鉄棒も硬貨も共鳴しキーンキーンと澄んだ音色だ。
叩かれた十銭玉、穴は外に向かって捲れ、外縁は内に向かって夫々捲れて、穴は次第に大きくなる。少しずつ、少しずつ進展する仕事である。技と根気の結晶である。
何日か経て作品を拝見した。あの十銭玉は見事な指輪に変身し彼の手中でニブク光っていた。
2009.2.9 記
用語解説
【紡錘】(ぼうすい)
糸を紡ぐ道具。丸棒の両端が最も細く、中心に向かってだんだん太くなり中心が最も太い。



