星空シアター -10ページ目

24シーズンⅣ 11:00 巻き込まれる恐怖

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◇レンタルDVDにて視聴。Vol9。


◇11:00~12:00のエピソードは怖かった。それは,民間人の夫婦が巻き込まれるからだ。キャンプに来ていた若い夫婦は,墜落したエアフォースワンの破片から,核のフットボールという重要機密トランクを発見する。ジャックと連絡が取れ,ジャックはヘリで夫婦の元へ急ぐが,それより先にテロリストが近づいてくる。ジャックの指示で,トランクの発信器を壊す夫。テロリストの車のヘッドライトがどんどん近づいてくる。やっとのことで発信器を破壊した夫婦は,近くの予備変電所へ。テロリストは携帯の傍受で,夫婦が向かったところを特定し,追っていく。変電所の迷路のような建物の中を,逃げる夫婦。いつ撃ち殺されるかわからぬ恐怖。これは,見るもののへもひしひしと感じられる。


◇さらに,ジャックはフットボールの中身を夫婦で分けて,別々に逃げるように指示,夫は始め拒否するが,それしか生き延びる道がないこと,妻が気丈にも大丈夫だと答えたことから,別々に逃げることに。これまた,一人になる恐怖。それより,連れ合いが心配であるその恐ろしさといったらどうだろう。ついには,夫が発見され,銃で腕や足を撃ち抜かれ,拷問を受けるのを目の当たりにして,妻はたまらずテロリストの前に出てしまう。これは一般人のふるまいであろう。ジャックが間に合い,夫婦は命を取り留める。

 この夫婦のありようが,ジャックの夫婦あるいは恋人関係と対比的に写る。トニーのシーズンⅢでのミシェルへの行為もしかり。自分が愛するものを最優先するものと,ジャックのように国の安全を最優先するもの。どちらが良い悪いという問題を超えて,見るに両方の存在を問うてくるようだ。今回のエピソードはそんな一般人の巻き込まれる恐怖を描いて,秀逸であった。思えば,24の物語は,一般ピープルでないところでのハイレベルな攻防戦なのであると再認識した。



20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
24 -TWENTY FOUR- シーズン1~4 コンプリート・パック (Amazon.co.jp仕様)

犬童一心監督短編集  実験的習作

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◇レンタルDVDにて鑑賞。


◇「二人がしゃべってる」「きんぎょの一生」の2話を収録。


◇「二人がしゃべってる」は,女性万才コンビが,しゃべり続ける。大阪のミナミのアーケードをしゃべりまくりながら歩き回る。片割れが,万才をやることに疑問をもち,深刻にやめることを考え,相方が必死で止めようとする。しまいにはセーラー服を着てミュージカルのように歌うという,はちゃめちゃな展開。犬童監督特有の静止画的風景映像も時折はさまれているが,いくぶん実験的な印象を受ける。


◇「きんぎょの一生」は,実写とアニメを融合させた,これまた実験的な作品。ナレーションに小松政夫を起用。そういえば,「二人でしゃべれば」でも神様(?)役で小松政夫が出る。犬童監督とかかわりがあるのであろう。


◇「ジョゼ虎」「タッチ」と着実に王道を進む犬童監督の習作的な作品として興味深い。

角川エンタテインメント
「二人が喋ってる。」「金魚の一生」 犬童一心監督作品集

サハラ 血湧き肉躍る冒険活劇

sahara

◇レンタルDVDにて鑑賞。


◇クライブ・カッスラーのダーク・ピットシリーズである。このシリーズ,大好きで,文庫本でよく読んだ。


◇オープニングでピットの部屋がなめるように写され,その中に「タイタニックを引き上げろ」の新聞記事などかべにはってあり,にやりとさせられる。

 以前「レイズ・ザ・タイタニック」という正月映画があったが,内容的には今一つだったことを記憶している。

 映画「サハラ」は,小説「死の砂漠を脱出せよ」の映画化である。海が専門のダーク・ピットは陸ではどうなるのかたいへん興味深い作品である。


◇開巻早々,装甲船の砲撃シーンである。砲撃のLFEはむろん最高である(dts音声入りがうれしい)。男心をそそるのは,装甲船のデザインである。海底二万マイルのノーチラス号に相通じるものを感じ,「いいねえ」と映画に引き込まれていく。


◇ボートでのチェイス。これまた最高。「ハバナ」だったかな,ボート自体を葉巻で○○に変える作戦!


◇陸に上がっても,ラクダから列車に飛び移るアクション。ラクダって走るのねえ。


◇ヒロインのペネロペ・クルズはきりっとして,女医らしいが,お色気は控え気味なのが,残念と言えば残念。しかし,久しぶりの血湧き肉躍る冒険活劇であった。マシュー・マコノヒーはピットによくはまっている と思う。シリーズ化が望まれる。

アミューズソフトエンタテインメント
サハラ -死の砂漠を脱出せよ-

北京ヴァイオリン 父と子の絆は血を超えて

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◇BSジャパンにてHV放映をHDDに録画視聴。


◇15年ほど前北京に行ったことがある。その当時と,この作品に出てくる北京の現在の姿の違いに驚く。林立する高層ビル。電飾に飾られた駅。人前でキスするカップルなど・・・。この急速な流れの中にある北京と現在でも昔と変わらない田舎の共存がこの映画の根底にある。


◇将来を投げ捨てて,育ての父と田舎へ戻る道を選んだ少年と,心のない空虚な音楽しか奏でられない少女がどんな手段をとってものし上がっていこうとする姿の対比は,現代中国の都会と田舎部の対比にもかさなっていく。しいては,進歩はしてもそこに忘れているものはないのか,と観るものに問いかけてくる。


◇主人公の少年とライバルの少女のヴァイオリン技能は本当に堪能であり,付け焼き刃でないことがすぐわかる。その分,少年の演技などは素人くさく,淡々としているのだが,逆にそれがリアルにも感じてくるからおもしろい。


◇育ての父親,堕落した音楽教師,奔放だが純粋な女など愛すべきキャラがすばらしい。キャラクターの描き方が明確とはこのようなことをいうのであろう。


◇歪みを抱えつつ急速に走っていく隣国中国を感じた映画であった。むろんヴァニアフスキー,チャイコフスキーをはじめとするすばらしい音楽と共に。

ジェネオン エンタテインメント
北京ヴァイオリン 特別プレミアム版

チャングムの誓い 最終回 幸せな結末


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◇HDDに録画して,土曜日に鑑賞。


◇中宗は自らの王としての人生を振り返るに,あまりの孤独,つらさの連続にこれ以上そんな人生を引き延ばしたくなかったのだろう。開腹手術のみを否定したのではない。

「もう一度そちと庭を歩きたかった」本当に心開ける人と,散歩することのすばらしさ。チャングムとの幸せな時は,本当に短かった。中宗の悲しみに観るものの胸も締め付けられるよう。

「そちは,いとしいおなごじゃ」中宗の告白。本当に好きだからこそ,その相手の望みを叶えてあげたいと願う。権力に侵されなかった中宗の純粋な魂に,涙があふれるようだ。


◇チャングムの願いはかなえられ,ジョンホとの生活が始まる。逃亡人生でも,家族三人の暮らしは,本当に幸せそうであった。そして,驚くべき事は,逃げながらでも,自分の役割,すなわち医女として人々を救うことを実践している点である。ジョンホも子供たちに学問を教えるということで,役割をはたそうとしている。自分を振り返ってみるに,時に流されるままで,何ら世の中の役割を果たしていないのではないか?と反省する。


◇チャングムは叱咤激励してくれる。もっと,自分の理想に向かって努力せよと。簡単に妥協せず頑固であれと。チャングムとジョンホのやりとり,「この国で開腹手術はまだ早い,あれだけはやめてくれ」「いいえ,やめません」はそんなことを感じさせてくれる。


◇クライマックスで,ついに開腹手術を成功させるチャングム。物語の終焉とともに,観ている私の魂まで昇華されたようなそんな幸せな結末である。素晴らしき大河ドラマに大きな拍手。

イ・ヨンエ(宮廷女官・チャングムの誓い) 2006年度 カレンダー

ラウンドミッドナイト すばらしきパリ賛歌

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◇レンタルDVDにて鑑賞。

◇最近JAZZが聴けるようになり,本作やイーストウッドの「BIRD」なぞを,レンタルリクエストかけてしまう。


◇さて本作だが,すばらしい作品である。ニューヨークで酒浸りになったJAZZマンがパリで再生する。

主人公のデイルの声が渋い渋い。このだみ声,タバコと酒に浸った声帯のごとき苦い声である。これがいい。演奏はもちろん素晴らしい。そして,すばらしき仲間たち。特にパーティーでのバターのソウルフルな歌は,おもわず「かっこいい!」と叫んでしまった。


◇パリの「ブルーノート」の中で朽ちていくを救い出したのは,純粋なフランシスとその娘ベーランジェである。二人に包まれてデイルは昼間の太陽を取り戻していく。特に海辺でのシーンは印象的。青い空と白い砂浜。その砂浜を雲が影を落としたりひそめたり。そんな中を「どうして地球だけは丸裸なのかなあ。他のすべてのものは,何かしらに包まれているのに・・・」そんなデイルの言葉は,自分も包まれている幸せを吐露したものだろう。つまり本作は,パリ賛歌なのである。


◇しかし,ニューヨークの毒は恐ろしい。デイルは再び麻薬や孤独の渦巻くニューヨークへ戻り,そして死んでいく。「竜二」という映画を彷彿とさせた。竜二もやはり,やくざの世界へ戻っていく。そんなニューヨークになぜもどるのだろう。タクシーの中でのマネージャーのような男の言葉の中にヒントがあるような。「俺はニューヨークが好きだ。生き馬の目を抜くような街だから・・・」


◇ストーリーも素敵だが,この映画の真骨頂は,本物のJAZZプレイヤーのライヴシーンがたっぷりあることだ。デイル役のゴードン・デクスターに,ピアノはハービー・ハンコック本人が演奏している。本物のブルーノートがそこにある。5.1チャンネルでJAZZクラブの雰囲気を味わって欲しい。そして,パリの青空も。

ワーナー・ホーム・ビデオ
ラウンド・ミッドナイト

    

パルコ・フィクション 不思議感覚?

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◇レンタルDVDにて鑑賞。



◇「スゥイングガールズ」の矢口監督のパルコ(デパート?)に関わる連作オムニバス。鈴木卓爾監督と数作ずつを監督している。


◇不思議感覚あり,ハラハラあり,ホノボノありと,様々なセンスで飽きずに笑わせてもらった。印象的なのは,「バーゲン」で,身近な設定でありながら,テンポの良い展開で,ハラハラドキドキさせられ,最後はほっとする。これは,「スゥイングガールズ」の特典映像の中の「デッドオアライヴ」と共通する感覚で,もしかしたら,矢口監督の根底にあるものかしら,と思ってしまう。



◇特典映像も充実していて,案外お得感が大きなディスク。

ジェネオン エンタテインメント
パルコフィクション デラックス版

チャングムの誓い 52話その他 ゆれるチャングムより・・・

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◇いよいよ今週最終回を迎える大河ドラマ「チャングムの誓い」。この数回,感想のアップを怠っていた。というのも,チェ女官長の死,クミョンの左遷で,このドラマのピークは過ぎてしまったように感じていたからだ。


◇その後は,強力な敵役もなく,王様とミン・ジョンホの間でゆれる,ふつうの女性チャングムの姿が目立ち,なんとなく筆が進まなかったのだ。

 もちろん,天然痘さわぎで,「医術は母なるが如し」と師匠に言わせるに至る回は,感動的ではあった。しかし,反発していた医女たちも,チャングムにひれ伏す感じで,要するに,チャングムの強力なライバルがいなくなったのが,つまらないのである。


◇思えば,チェサングン,いやさチェ女官長,あなたはすばらしかった。料理の腕も一流なら,運命に翻弄されながら,あえてそれを受け止め,つらさを越えて,一族のために尽くす。それはひとつの人生の選択肢ではないか。ミョンイの墓の前で流した涙は,本物だったと信じている。


◇とまれ,いよいよ今週は最終回。予告編であった,チャングムのほうはつで,子供をつれた姿。これは,まさしく,ミョンイが幼きチャングムをつれていた姿に重なって,いったいどうなるのか!という期待はつのる。心して木曜日を迎えよう。


◇感想書きの背中を押してくださった,みやさん。感謝します。やはり,ブログは書き続けることが大切ですよね。すぐ,さぼってしまう自分にムチを与えねば。誰かが,読んでくださっていると思うと,心が引き締まります。

ユ ミンジュ, 秋 那
宮廷女官 チャングムの誓い〈下〉

バイオハザード2 バレンタイン刑事がかっこいい

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◆レンタルDVDで鑑賞。


◆バイオハザード1の密室性が解放されて,ゾンビも山のように出てくるわ,核攻撃はするわ,でスケールアップしたはずなのに,なぜかあまりおもしろくない。やはり,密室にあっては,その密度が濃くなるようだ。限定された密室での第1作が第2作になって舞台が解放されて,失敗する映画は多い。例えば,「プレデター」はその例だ。ジャングルという密室の1作目は,大都会の2作目になって俄然つまらなくなった。


◆しかし,その逆もあって,例えば「スターシップ・トゥルーパーズ2」は1作目のような大量のバグは出てこないが,密室に場面を転換することで,上手に観客を引きつける作品に仕上げられた。


◆話をバイオハザード2に戻すが,新たなキャラとして,美人刑事バレンタインが魅力的である。特に容赦なく銃でゾンビたちを打ち倒す,警察署の登場シーンはすばらしい。主人公アリスが胸が薄く,中性的なのに対し,バレンタイン刑事は女性的で,露出も多く,それなのに男勝りのアクションで,実に魅力的である。が,映画が進むにつれ,だんだん影が薄くなるのは残念である。その分,アリスに焦点が当てられる。後半,もう少し,この美女刑事を生かして欲しかった。


◆それにしても,こんなにゾンビが出るのに,終末感がうすいのも残念である。黒澤清の「回路」は,ほとんど人が出てこないのに,終末感がうまく描き出されている。「28日後」の誰もいないロンドンの街も,怖かった。自分以外誰もいなくなる,これほど恐怖で,終末感を感じさせるものはない。本編の場合,群衆シーンが多くて,まだまだ,人類もいっぱい生きているし,終末感の描写をねらってはいなかったのだろう。


◆とまれ,アクションと銃を打ちまくる爽快さはあるが,怖くない映画である。


ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
バイオハザード & バイオハザード II DVDツインパック

シークレット・ウインドウ キング原作の映画化は・・・

sw

◆レンタルDVDで鑑賞。

◆S・キングの原作である。キング原作の映画化ものは多々あれど,成功するものは少ないようである。私が観たものでは,クローネンバーグ監督の「デッド・ゾーン」くらいであろうか。本作も,やはり成功作とは言い難い。


◆この作品ははっきり言って,ジョニー・ディップを観るための映画である。したがって,彼のファンの方は楽しめるかもしれない。


◆J・ディップ以外のキャラがまったく魅力的でなく,というか物語にほとんどからんでこない。J・ディップの一人芝居のような映画である。


◆冒頭のカメラ移動やJ・ディップが画面に2人登場するシーンは良くできているなあ,と思わせるが,映画は全体のストーリーが観る者に感動をもたらすのである。そういう意味では,ぜんぜんダメである。

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
シークレット・ウインドウ コレクターズ・エディション