ラウンドミッドナイト すばらしきパリ賛歌
◇レンタルDVDにて鑑賞。
◇最近JAZZが聴けるようになり,本作やイーストウッドの「BIRD」なぞを,レンタルリクエストかけてしまう。
◇さて本作だが,すばらしい作品である。ニューヨークで酒浸りになったJAZZマンがパリで再生する。
主人公のデイルの声が渋い渋い。このだみ声,タバコと酒に浸った声帯のごとき苦い声である。これがいい。演奏はもちろん素晴らしい。そして,すばらしき仲間たち。特にパーティーでのバターのソウルフルな歌は,おもわず「かっこいい!」と叫んでしまった。
◇パリの「ブルーノート」の中で朽ちていくを救い出したのは,純粋なフランシスとその娘ベーランジェである。二人に包まれてデイルは昼間の太陽を取り戻していく。特に海辺でのシーンは印象的。青い空と白い砂浜。その砂浜を雲が影を落としたりひそめたり。そんな中を「どうして地球だけは丸裸なのかなあ。他のすべてのものは,何かしらに包まれているのに・・・」そんなデイルの言葉は,自分も包まれている幸せを吐露したものだろう。つまり本作は,パリ賛歌なのである。
◇しかし,ニューヨークの毒は恐ろしい。デイルは再び麻薬や孤独の渦巻くニューヨークへ戻り,そして死んでいく。「竜二」という映画を彷彿とさせた。竜二もやはり,やくざの世界へ戻っていく。そんなニューヨークになぜもどるのだろう。タクシーの中でのマネージャーのような男の言葉の中にヒントがあるような。「俺はニューヨークが好きだ。生き馬の目を抜くような街だから・・・」
◇ストーリーも素敵だが,この映画の真骨頂は,本物のJAZZプレイヤーのライヴシーンがたっぷりあることだ。デイル役のゴードン・デクスターに,ピアノはハービー・ハンコック本人が演奏している。本物のブルーノートがそこにある。5.1チャンネルでJAZZクラブの雰囲気を味わって欲しい。そして,パリの青空も。
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