色纏う人展/彩冷える
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色纏う人展
1,200円
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1. e s
2. 積み木くずし
3. 餞
4. トゥルリ ラルラ
5. supernova
結成15周年の締めくくりとして発表された彩冷えるのミニアルバム。
配信でのリリースとなり、CD盤はクラウドファンディングでの限定アイテムとなっています。
収録されたのは、全部で5曲。
ボリューム的には控えめですが、作曲者の個性が良く出ているなと。
Gt.夢人さんが1曲、Ba.インテツさんが2曲、Dr.ケンゾさんが2曲。
Vo.向日 葵さんがすべての作詞を担当して1本の筋を通していますが、耳にすれば誰が作ったかわかるキャラクターの強さを、本作では武器として前面に押し出している印象です。
1曲目となる「e s」の作曲はケンゾさん。
エレクトロなサウンドワークと、艶やかなメロディ運びは、新曲であるにも関わらず懐かしさを感じ、彩冷えるらしくスタートを切ったとテンションが上がるナンバーですね。
それもそのはず、編曲は夢人さんとケンゾさんとの共作となっており、個性に加えてバンドとしての化学反応を生み出していました。
こういう楽曲がまとまっていると、メンバーの成長を感じられて感慨深い。
特に、葵さんの表現力は、また高まったような気がします。
インテツさんが持ってきた「積み木くずし」は、実験的な要素もあって面白い。
お洒落に切り取った切ない和メロは、やはりインテツさんの楽曲だと納得するのですが、キメの多いリズムや1曲目とはまた異なったサイバー感など、ここにきて新境地的なアプローチに挑戦しているのですよ。
夢人さんが手掛けた「餞」も同様で、メロディにおける節回しは夢人節。
葵さんのおいしいところをよくわかっているといったところで、ギターソロにも癖が残っていています。
ただし、テンポ的には落ち着いた歌モノとして仕上げられており、これもまた、チャレンジングな1曲と言えるでしょう。
ポップに振り切れたのは「トゥルリ ラルラ」。
ケンゾさんが作曲したハピネス感のあるナンバーで、メジャー期以降の雰囲気が色濃く出ている。
アルバムとしてもアクセントとなるし、これが入ることによってオールタイム感も出たので、どの時期の彼らが好きなリスナーでもどれかが当たるという内容になりました。
そして、インテツさん作曲の「supernova」は、王道ど真ん中。
和メロ+疾走感+詰め込み気味の譜割りという、現体制での彩冷えるにとって、代表曲となり得る楽曲の最新アップデート版といった気持ち良さがあるのです。
なんだかんだ、こういうのが聴きたかったのだよ、という。
バンドが復活するにあたり、そのまんまでも面白くないし、バンド外での活動を還元しすぎて別物になっても不満は残る。
その意味で、復活バンドに新曲は求められていないなんて声もあったりするのですが、新曲ばかりのアルバムとして、これは理想形と言えるのでは。
変わらない部分と、新しい部分とのバランスが絶妙。
作曲者の偏りもないので、ピンポイントでの網羅性が非常に高いです。
どうせだったら、Gt.タケヒトさんや、葵さんの新曲も聴いてみたかったし、バランス的には夢人さんの曲がもう1曲あっても良かった。
そうなるとフルアルバムがまた聴きたい、となるのですが、まずは本作の楽曲たちをライブで成長させることが優先か。
次回作も楽しみなので、じっくり待つことにしましょうか。
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