安眠妨害水族館的イチゼロ年代CD大賞 | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

半年に一度、総括として主観的なランキングを発表しているコーナー、安眠妨害水族館的CD大賞。

実はスタートしたのが2010年の上半期ということで、丸10年やっていたりするのですよ。

そう考えてみると、イチゼロ年代のV系史をひとさらいしているわけで、ニーゼロ年代に入ったこのタイミングで、10年間を振り返ってみようかと。

便宜上、ランキングにしてみますが、当然ながら甲乙つけがたい接戦。

今、これを書いているこの時点での順位ということで、明日の気分によっては変わっているというものもあろうかと思いますので、そういうものだと割り切ってお楽しみいただけますと幸いです。

 

 

第10位

 

It's a small world's end / The Nostradamnz 【2017】

 

詳細なレビューは<こちら

鋭い衝動性と、老獪なテクニックの絶妙なバランスが、とにかくたまらなかった。

パンキッシュに駆け抜ける歯切れの良いフレーズに、何故か涙があふれてくるようなセンチメンタリズムを感じてしまうのです。

大人のようでもあり、子供のようでもあり、ピエロメイクのインパクトも抜群でした。

 

 

 

第9位

 

HOME / DaizyStripper 【2017】

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1,180円
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詳細なレビューは<こちら

5人編成に戻って、"帰るべき場所"となるべく制作された集大成的アルバム。

彼らが紡いだ10年間の歴史の総括でもあり、メジャーデビューに向けた新たなチャレンジでもあり。

その中で輝く「HOME」という楽曲には、素朴で優しく、力強さがありました。

 

 

 

第8位

 

動かなくなるまで、好きでいて。 / メガマソ 【2013】

 

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久しぶりに涼平さんの本領発揮を見たな、という濃厚な世界観でした。

異質な設定なのに、リアリティたっぷりに感じられてしまう類稀なるセンス。

ドキドキしながら曲に合わせて歌詞を読み進めていく楽しみを、思い出した作品です。

 

 

 

第7位

 

GEMINI / Alice Nine 【2011】

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1,890円
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実は、半期ごとの安眠妨害水族館的CD大賞ではノミネートしていなかった作品。

というのも、良さに気付いたのが2012年に入ってからだったから。

プログレ志向が強まり、スキルも各段にアップした彼らの作品を聴いて、もっと早く聴き込むべきだったと後悔したのを、ここで回収させていただきます。

 

 

 

第6位

 

pomander / amber gris 【2011】

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繊細なフレーズを緻密に紡ぎ、異国情緒あふれるサウンドを展開していたamber gris。

白系の要素を強く打ち出し、牧歌的な世界観を構築していました。

聴いた者を詩人にするほど、表現の多彩さに心が揺さぶられる1枚。

 

 

 

第5位

 

SENSE / vistlip 【2016】

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2,475円
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五感をテーマに制作された、vistlipのミニアルバム。

メンバーそれぞれが楽曲制作に携わり、それぞれの個性をいかんなく発揮。

その結果、ひとつのまとまった作品が完成し、涙腺を刺激してくるからズルいです。

 

 

 

第4位

 

インク / Plastic Tree 【2012】

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8,980円
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イチゼロ年代になっても良作をコンスタントに生み出して、累計点ならトップではないかと思うのはPlastic Tree。

特に、シューゲイザー的な音像と、内向的な世界観が究極的に噛み合った「インク」に痺れました。

初期の名盤、「Hide and Seek」のRebuild盤も付属されたのも、ポイントが高まる要素になったかと。

 

 

 

第3位

 

The Insulated World / DIR EN GREY 【2018】

 

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「Ranunculus」という楽曲の持つパワーがとにかく物凄くて、そこからじわじわと侵食するようにハマっていく。

サウンド的にはシンプルになった感はありますが、"凄み"を増して、むしろ重厚になった気さえします。

やはりDIR EN GREYは、各年代で名盤をドロップしているな、と。

 

 

 

第2位

 

勝手にしやがれ/KYOKUTOU GIRL FRIEND 【2010】
 

 

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不謹慎のカリスマ、 林田倫堕が在籍していたKYOKUTOU GIRL FRIENDの1stアルバム。

粗削りなのだけれど、妙な説得力があって、インディーズのロックに求められる衝動性を全部持っていたような作品でした。

シーンの流行からはみ出したことで、普遍的な名盤を完成させることができたとも言える、語られない名盤のひとつでしょう。

 

 

第1位

 

Beautiful Freaks / MERRY 【2011】

 

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ここまで軸がブレることなく、名盤を生み出し続けているバンドがあるだろうか。

その中でも、「Beautiful Freaks」はひとつの完成形とも言えるクオリティの高さで、どれか選ぶならこれしかないでしょう。

レトロックを土台としたサウンドとともに、女々しさも狂人っぷりも全部飲み込む濃厚な世界観。

アングラをオーバーグラウンドに持ち上げる、誰にでも薦められるマストアイテムです。

 

 

 
想い出補正なんて言葉もあるように、昔の作品ほど一緒に過ごした時間も長いわけで、その辺りの主観は入っているのかと。
一方で、発売から半年以内でそれらを覆すのもなぁ、と思ってあえて外しましたが、2019年下半期のトップに据えたホタルの「事件」や、次点としたDEZERTの「black hole」は、時間が経てばトップ10を脅かす存在には、十分になり得るでしょう。
 
わかってはいたけれど、10年をひとつの記事でまとめきるなんて不可能だ。
なんであのバンドが入っていないんだよ、こっちのほうが良かったじゃないか、なんて、明日の自分が思ってそうだもの。
しかしながら、紹介した10作品が名盤であるということは、今後ずっと変わらないはず。
まだ聴いていない作品があったら、イチゼロ年代を振り返るチャンス。
この機会に、是非、手に入れてみてほしいですね。