RESONANCE / Angelo | 安眠妨害水族館

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RESONANCE/Angelo

RESONANCE(通常盤) RESONANCE(通常盤)
3,022円
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1. ACTIVATE RESONATE

2. CREVASSE

3. 残響

4. NEW CENTURY BIRTH VOICE

5. REUNION

6. ホログラム

7. 荊棘の棘

8. BREATH

9. DEEP VISION

10. CRUELWORLD

 

Angeloが2018年に発表した10thフルアルバム。

LIVE映像が収録されたDVDが付属する初回生産限定盤と、CDのみの通常盤の2種類でのリリースとなります。

 

本作の特徴として挙げられるのは、過去の作品に比べて、Vo.キリトさんの作曲数が少ないことでしょう。

ソロ活動と並行した影響か、マンネリを防ぐためにバランスを意識したのか、収録されたのはわずか2曲だけ。

コンセプトメーカーとして君臨しているとはいえ、Gt.Karyuさんが6曲、Gt.ギルさんとBa.KOHTAさんが1曲ずつと、収録曲の大半をメンバーに委ねた形です。

 

そうなってくると、やはり注目されるのは、KOHTAさんの「REUNION」、ギルさんの「BREATH」。

率直に言うと、メロディ部分はいつものキリト節に染まっていて、いつも通りの感覚もないわけではない。

ただし、そこまで持っていく過程は作曲者の個性が出ているのも事実で、アプローチは新鮮。

軸がブレないことと、新しい風を吹かせることを両立しようと思えば、このぐらいのバランスが良いのかもしれません。

 

むしろ、そこに刺激を受けたのか、メインコンポーザー陣の楽曲のほうに斬新さを感じるから興味深い。

Karyuさんが担当した1曲目の「ACTIVATE RESONATE」からインパクト絶大で、メリハリをはっきりつけた楽曲構成に驚かされます。

「NEW CENTURY BIRTH VOICE」にしても、「荊棘の棘」にしても、ありそうでなかった、を上手く突いているのでは。

隙間を埋める役割に徹したキリトさんの楽曲についても、ストレートに見えて実は複雑な「残響」、アコースティックから広げていった「ホログラム」と、なかなか個性的で面白いのですよ。

 

結果として、前作との違いを生み出しつつも、とてつもなくキャッチーに仕上がりましたね。

ラウドな激しさも、マニアックな響きもある一方で、クリアなメロディに強みを持った楽曲が揃えられたイメージ。

その分、日本語での歌詞が増え、メッセージ性も強まった気がしました。

さらりと聴いても良し、深く聴き込んでも良し。

策士・キリトさんらしい絶妙な塩梅で、これを最高傑作と推すリスナーがいるのも納得の出来栄えです。

 

歌メロの過去曲との類似性も指摘されつつあった中、半強制的にバックのサウンドを一新してしまう逆転の発想。

メロディしか聴かなければマンネリという意見も出てくるのでしょうが、聴き込んだリスナーほど深みにハマっていくのかも。

変化・進化することが通常営業。

10枚目にして、それを継続しているのが凄いことだよな、と。

 

<過去のAngeloに関するレビュー>

HETERODOX

CORD

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